Upgrade to Pro
— share decks privately, control downloads, hide ads and more …
Speaker Deck
Sign up for free
Menu
Search
Features
All features
Private URLs
Password Protection
Custom URLS
Scheduled publishing
Remove Branding
Restrict embedding
Deck Collections
Notes
Features
All features
Private URLs
Password Protection
Custom URLS
Scheduled publishing
Remove Branding
Restrict embedding
Deck Collections
Notes
Explore
Featured decks
Featured speakers
Programming
Technology
Storyboards
Explore
Featured decks
Featured speakers
Programming
Technology
Storyboards
Pricing
Search
Sign in
Sign up for free
腕時計ローカルAIスタックチャンを作ったら組み込み開発の罠にハマった話
Search
Sponsored
·
Your Podcast. Everywhere. Effortlessly.
Share. Educate. Inspire. Entertain. You do you. We'll handle the rest.
→
hawky the miscellaneous
June 30, 2026
Technology
90
0
Share
Embed
Copy iframe code
Copy JS code
Copy link
Start on current slide
腕時計ローカルAIスタックチャンを作ったら組み込み開発の罠にハマった話
2026.6.28 ローカルAIと向き合う展⽰会 Vol.2 のLTで発表した内容です。
発表時の台詞に合わせて当日のスライドから若干修正しています。
hawky the miscellaneous
June 30, 2026
More Decks by hawky the miscellaneous
See All by hawky the miscellaneous
AI AgentのTDDルール追従性を評価する
hawkymisc
0
110
Applied AI Engineering とは
hawkymisc
0
120
非CUDAの悲哀 〜Claude Code と挑んだ image to 3D “Hunyuan3D”を EVO-X2(Ryzen AI Max+395)で動作させるチャレンジ〜
hawkymisc
2
610
Other Decks in Technology
See All in Technology
今こそ知りたいAmplifyGen2
mkdev10
2
160
go-sqletch
moznion
0
130
hackers_champloo_2026_tidb
makocchi
0
110
「事実」を「計測」して、「解釈」する 〜AWS Lambdaのメモリ最適解の見つけ方〜
maimyyym
0
140
しろおびから始める!ログ活用の第一歩
shumei_ito
0
900
AI 時代の Azure エンジニアリング ~ 私たちは何を磨き、何を任せるのか ~
chack411
1
590
AI駆動開発、viviONの1年 ── うまくいったこと・いかなかったこと
vivion
0
290
生成AIを使って「人が」考える技術 ― AI時代の人機共想と実践ノウハウ|UNITT AC2026
ishiirikie
0
580
Deep Data Security 機能解説
oracle4engineer
PRO
2
780
Loop Engineering これくらいでいい
mikanichinose
0
220
会社説明資料
persolserverworks
0
9.7k
AIは爆速なのに、私が詰まっていた話 ― 音声入力と鳴くマスコットでボトルネックを削る
yama3133
0
610
Featured
See All Featured
SEO for Brand Visibility & Recognition
aleyda
0
4.8k
The Impact of AI in SEO - AI Overviews June 2024 Edition
aleyda
6
1.2k
Max Prin - Stacking Signals: How International SEO Comes Together (And Falls Apart)
techseoconnect
PRO
0
490
Jamie Indigo - Trashchat’s Guide to Black Boxes: Technical SEO Tactics for LLMs
techseoconnect
PRO
0
700
Self-Hosted WebAssembly Runtime for Runtime-Neutral Checkpoint/Restore in Edge–Cloud Continuum
chikuwait
0
880
CoffeeScript is Beautiful & I Never Want to Write Plain JavaScript Again
sstephenson
162
16k
Learning to Love Humans: Emotional Interface Design
aarron
275
41k
Crafting Experiences
bethany
1
380
Put a Button on it: Removing Barriers to Going Fast.
kastner
60
4.6k
SEO Brein meetup: CTRL+C is not how to scale international SEO
lindahogenes
2
2.9k
Balancing Empowerment & Direction
lara
6
1.3k
Public Speaking Without Barfing On Your Shoes - THAT 2023
reverentgeek
1
590
Transcript
Slide 1 / 13 改めまして、ほーきーと申します。LTのト ップバッターということで若干緊張してお りますが、普段はXのほうでいろいろつぶ やいております。1日数十ポストぐらい、 平均でつぶやいておりまして、いわゆるツ イ廃と呼ばれる部類です。AI関連の資格を
いくつか持っています、という「ちゃんと 仕事しています」アピールをしておこうと 思って、ここにバッジを載せております。
Slide 2 / 13 今回は「ローカルAIと向き合う展示会」と いうことですが、ローカルAIそのものから は若干外れた、番外編のようなテーマです 。ローカルAIに家の外からアクセスしよう としたらどうなるか・ということで、「腕 時計ローカルAIスタックチャンを作ったら組み込
み開発の罠にはまった話」という題材を選 んでいます。
Slide 3 / 13 腕時計ローカルAIスタックチャンとは何ぞや、と いう話ですが──前提として、AIスタックチャン というものがありまして。右側にあるよう な、こういう顔があって……それがスタックチャ ンというキャラクターです。M5Stackとい うメーカーが出している、マイコンにディ
スプレイとセンサーがまとまって付いたデ バイスに、こういう顔を表示するのが「スタ ックチャン」で、元々はメーカー発ではなくコ ミュニティ発のものです。
Slide 4 / 13 そのスタックチャンに、AIを使ってしゃべらせる というのが『AIスタックチャン』です。今回はそ れをさらに、AIをクラウドではなくローカ ル完結でやることと、腕時計としてスタックチャ ンを身に着けて持ち運ぶことを実現しよう と取り組みました。
構成としては、自宅のローカルマシンでAI を動かしたうえで、家にいるときは、この スタックチャンが動いているCore2というデバイ スからWi‒Fiで直接通信します。外出したと きはWi‒Fiで直接入れません。ちなみに、サ ーバー側をそのままグローバルに晒すのも 怖すぎるので、VPNを張ったうえで、その VPNに参加しているAndroidスマートフォ ンを使います。スマホは普段持ち歩くので 、スマホとこのスタックチャンのパーツをセット にして持ち運び、外出時はこれをUSBでつ ないで、ローカルのAIにアクセスする構成 にしています。
Slide 5 / 13 で、さきほどの構成図を見て疑問に思われ たかもしれません。 そうですね、Core2をVPNに参加させれば 、もっとシンプルな構成にできます。
Slide 6 / 13 私も最初は、Androidスマホをわざわざ経 由せずに、Core2をVPNに参加させればい いのではないかと考えました。そうすると 、全部Wi‒Fi経由で、しかもスマホのアクセ スポイントにWi‒Fiでつなげば、家の中でも 外でも同じ環境でできるので、シンプルな
構成になります。
Slide 7 / 13 しかし、このM5StackのCore2というデバ イスは、WindowsでもMacでもLinuxでも Androidでもありません。OSが動いている わけではなく、ファームウェアで動作を制 御する代物です。 私が使っているTailscaleというサービスも
Core2には対応しておらず、VPNクライア ントも当然ダウンロードできません。
Slide 8 / 13 そこで「どうする…?」と考えました。 さすがにTailscaleのクライアントをスクラ ッチ実装するのはやりすぎかなということ で、さきほどの構成にすると決めました。 ただ、Androidにアプリを載せてCore2と 通信しようとすると、アプリを自作するだ
けではなく、通信プロトコルも自作しなけ ればならない──という大きなハードルが ありました。とはいえ他にやりようがない ので、この構成でやってみました。自作ア プリと自作プロトコルで実装です。
Slide 9 / 13 このAIスタックチャンは、音声で話しかけるとスタッ クチャンがしゃべるというものです。実装はだ いたいAIに丸投げしていて、コーディング が終わりました。ファームウェアも書き込 みました。そこで、いざ試してみました。
Slide 10 / 13 短い文で試してみようと思って「元気です か?」と話しかけると、スタックチャンは、何を 言っているかわからない音声を返してきま した。 音声が再生できていないことだけはわかる 、という状態です。これが昨日か一昨日の
夜中くらいの状態でした。 Wi‒Fiのときはちゃんとしゃべれていたので 油断していたのですが、自作プロトコルに したらうまく音声が再生できないというこ とになり、「なぜなのか」ということをア プリ側にデバッグログを追加しながら、い ろいろ調べていました。
Slide 11 / 13 Wi‒Fiでは再生できていたのに有線通信にす ると再生できないのはなぜなのか── 音声が送られる経路の概略図は、この通り です。 ローカルAIサーバーマシン側で動いている Text‒to‒Speechで合成されたオーディオ
が、Androidスマートフォンに送られてき て、それがデバイスに送られる、という経 路です。 ただ、スマートフォンのリレーアプリがオ ーディオファイルをCore2に送るとき、フ ァイルを1回の通信では送れません。オー ディオファイルのサイズがそれなりに大き いため、1024バイト単位のチャンク(送信 しやすいサイズに小分けした塊)で、アプリ からデバイスにオーディオが送信されます 。
Slide 12 / 13 今回は、Core2側がそのチャンクをうまく受け取れて いませんでした。Androidアプリ側からデバイスに送 ろうとしている速度に対して、デバイス側が受け取る 速度が遅く、受け取りきれないパケットがたくさん発 生してしまいました。その結果、音が途切れ途切れに なったり、そもそもデコードできないというエラーが
出たりする状態になっていて……それを今朝から会場 でデバッグしていました。 【後記】 その後の調査で、Core2が受信できる帯域を超えたサ ンプリングレートのファイルが送信されており、そも そも原理的に受信するのが不可能であったと判明しま した。 ハードウェア制約により、通常のUSBでの有線通信で はなく、マイコン用のシリアル通信を利用しており通 信速度が遅いため、高品質なオーディオデータを受信 できませんでした。 そこで、TTSが生成するオーディオの品質を落とし、 シリアル通信でCore2が受信可能なレートまで抑える ことで、無事に音声が再生できるようになりました。 (このあたりの数字を含めた話は、別途時間があると きに記事にします)
Slide 13 / 13 感想としては、やはりハードウェアが絡む と制約条件が増えてくるので…… ソフトウェアと同じノリで「こういうこと はできるだろう」とカジュアルに考えても 、事前によく調査しないと、こういう落と し穴にはまります。
事前の下調べをじっくり行い、過去に問題 を乗り越えてきた先人たちの苦労と資産(ア セット)と涙をありがたく恩恵として受け取 りながら、Vibesだけで取り組むのではな く、きちんと設計をして開発に取り組むこ とが改めて重要だとわかりました。 皆様もこういう点にご注意ください。以上 でLT終了とさせていただきます。ありがと うございました。