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腕時計ローカルAIスタックチャンを作ったら組み込み開発の罠にハマった話

 腕時計ローカルAIスタックチャンを作ったら組み込み開発の罠にハマった話

2026.6.28 ローカルAIと向き合う展⽰会 Vol.2 のLTで発表した内容です。
発表時の台詞に合わせて当日のスライドから若干修正しています。

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hawky the miscellaneous

June 30, 2026

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Transcript

  1. Slide 4 / 13 そのスタックチャンに、AIを使ってしゃべらせる というのが『AIスタックチャン』です。今回はそ れをさらに、AIをクラウドではなくローカ ル完結でやることと、腕時計としてスタックチャ ンを身に着けて持ち運ぶことを実現しよう と取り組みました。

    構成としては、自宅のローカルマシンでAI を動かしたうえで、家にいるときは、この スタックチャンが動いているCore2というデバイ スからWi‒Fiで直接通信します。外出したと きはWi‒Fiで直接入れません。ちなみに、サ ーバー側をそのままグローバルに晒すのも 怖すぎるので、VPNを張ったうえで、その VPNに参加しているAndroidスマートフォ ンを使います。スマホは普段持ち歩くので 、スマホとこのスタックチャンのパーツをセット にして持ち運び、外出時はこれをUSBでつ ないで、ローカルのAIにアクセスする構成 にしています。
  2. Slide 8 / 13 そこで「どうする…?」と考えました。 さすがにTailscaleのクライアントをスクラ ッチ実装するのはやりすぎかなということ で、さきほどの構成にすると決めました。 ただ、Androidにアプリを載せてCore2と 通信しようとすると、アプリを自作するだ

    けではなく、通信プロトコルも自作しなけ ればならない──という大きなハードルが ありました。とはいえ他にやりようがない ので、この構成でやってみました。自作ア プリと自作プロトコルで実装です。
  3. Slide 10 / 13 短い文で試してみようと思って「元気です か?」と話しかけると、スタックチャンは、何を 言っているかわからない音声を返してきま した。 音声が再生できていないことだけはわかる 、という状態です。これが昨日か一昨日の

    夜中くらいの状態でした。 Wi‒Fiのときはちゃんとしゃべれていたので 油断していたのですが、自作プロトコルに したらうまく音声が再生できないというこ とになり、「なぜなのか」ということをア プリ側にデバッグログを追加しながら、い ろいろ調べていました。
  4. Slide 11 / 13 Wi‒Fiでは再生できていたのに有線通信にす ると再生できないのはなぜなのか── 音声が送られる経路の概略図は、この通り です。 ローカルAIサーバーマシン側で動いている Text‒to‒Speechで合成されたオーディオ

    が、Androidスマートフォンに送られてき て、それがデバイスに送られる、という経 路です。 ただ、スマートフォンのリレーアプリがオ ーディオファイルをCore2に送るとき、フ ァイルを1回の通信では送れません。オー ディオファイルのサイズがそれなりに大き いため、1024バイト単位のチャンク(送信 しやすいサイズに小分けした塊)で、アプリ からデバイスにオーディオが送信されます 。
  5. Slide 12 / 13 今回は、Core2側がそのチャンクをうまく受け取れて いませんでした。Androidアプリ側からデバイスに送 ろうとしている速度に対して、デバイス側が受け取る 速度が遅く、受け取りきれないパケットがたくさん発 生してしまいました。その結果、音が途切れ途切れに なったり、そもそもデコードできないというエラーが

    出たりする状態になっていて……それを今朝から会場 でデバッグしていました。 【後記】 その後の調査で、Core2が受信できる帯域を超えたサ ンプリングレートのファイルが送信されており、そも そも原理的に受信するのが不可能であったと判明しま した。 ハードウェア制約により、通常のUSBでの有線通信で はなく、マイコン用のシリアル通信を利用しており通 信速度が遅いため、高品質なオーディオデータを受信 できませんでした。 そこで、TTSが生成するオーディオの品質を落とし、 シリアル通信でCore2が受信可能なレートまで抑える ことで、無事に音声が再生できるようになりました。 (このあたりの数字を含めた話は、別途時間があると きに記事にします)
  6. Slide 13 / 13 感想としては、やはりハードウェアが絡む と制約条件が増えてくるので…… ソフトウェアと同じノリで「こういうこと はできるだろう」とカジュアルに考えても 、事前によく調査しないと、こういう落と し穴にはまります。

    事前の下調べをじっくり行い、過去に問題 を乗り越えてきた先人たちの苦労と資産(ア セット)と涙をありがたく恩恵として受け取 りながら、Vibesだけで取り組むのではな く、きちんと設計をして開発に取り組むこ とが改めて重要だとわかりました。 皆様もこういう点にご注意ください。以上 でLT終了とさせていただきます。ありがと うございました。