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統計的因果推論について

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January 08, 2026
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 統計的因果推論について

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Hiroto

January 08, 2026

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  1. 目次 • SCIとは 何 か? • 因果関係 の 各種定義 と

    古典的 な 統計学 での 因果 の 説明 • ヒューム • ミル • スッピス • 古典的 な 統計学 での 因果 の 説明 • ケンプソーン • 相関関係 からの 因果関係 の 推定 の 困難性 • 2 種類 の 統計的因果推論 • 介入実験 の 視点 ベースのRubin 式因果推論 (Holland, 1986) • 散布図行列 の 視点 ベースのPearl 式因果推論 (Pearl, 2009) • 実際的 な 因果推論 の 各種手法 • 参考文献 2
  2. 統計的因果推論 (SCI: Statistical Causal Inference) とは 何 か? • 統計的因果推論

    : 統計的推論 の 手法 を 用 いた 因果関係 の 推論手法 . 20 世紀後半 から 発展 . • 統計的推論 : 標本 データからの 母集団分布 の 母数等 の 推論 . • 例 : 100 人 の 高齢者 の 健康 データから、 日本人高齢者全体 の 健康状態 の 分布 を 推論 • 因果関係 : 原因 と 結果 の 関係 • 例 : 定期的 な 運動 による 筋力低下 の 抑制 ⇒ 因果関係 を 統計的手法 で 推測 するなんて 昔 からしてるのでは? or 因果関係 の 推論 を 目指 さない 統計 なんて「 記述統計 (= 標本 デー タの 分布 の 記述 )」だけでは? 3
  3. 因果関係 の 定義 1 • ヒュームの 定義 1. 近接 :

    原因 と 結果 は 必 ず 時間的 ・ 空間 的 に 近接 して 生 じる 2. 継起 : 結果 は 必 ず 原因 の( 時間的 ) 後 に 生 じる 3. 必然的結合 : 原因 が 生 じると 必 ず 結果 が それに 伴 って 生 じる • デヴィッド・ヒューム (1711-1776) 4
  4. 因果関係 の 定義 2 • スッピスの 定義 1. 継起 :

    結果 は 必 ず 原因 の( 時間的 ) 後 に 生 じ る 2. 結合 : 原因 が 生 じるという 条件 の 下 で 結果 が 生 じる 条件確率 は, 結果 が 生 じる 無条件確率 より 値 が 大 きい 3. 疑似相関 の 不成立 : 原因 と 結果 の 間 の 確率 関係 に 関与 する 第 3の 事象 がない 4. 原因 の 成立可能性 : 原因 が 生 じる 確率 がゼロ ではない • パトリック・スッピス (1922-2014) 5
  5. 古典的 な 統計学 での 因果関係 の 説明 • しかし, 「

    観察 された 相関関係 が 疑似相関 ではない」と 確実 に 証明 するの は 非常 に 困難 • また, 原因 と 考 えられる 変数 が 介入 して 値 を 変更 することが 不可能 な 定 数 の 場合 ,それは 原因 と 呼 べるのか? 6
  6. 因果関係 の 定義 2’ • ケンプソーンの 修正 1. 継起 :

    結果 は 必 ず 原因 の( 時間的 ) 後 に 生 じ る 2. 結合 : 原因 が 生 じるという 条件 の 下 で 結果 が 生 じる 条件確率 は、 結果 が 生 じる 無条件確 率 より 値 が 大 きい 3. 疑似相関 の 不成立 : 原因 と 結果 の 間 の 確率 関係 に 関与 する 第 3の 事象 がない 4. 介入可能性 : 原因 は 変数 であり, 介入等 によ り 複数 の 値 を 取 りえる( 定数 ではない) • オスカー・ケンプソーン (1919-2000) ⇒ ただ,「4は 実用上厳密 すぎる」というツッコミはよくされる. 7
  7. 相関関係 からの 因果関係 の 推定 の 困難性 • 相関 を

    示 す2 変数 データだけから、 因果関係 の 推定 は 基本的 に は 不可能 ・ 村山 (2007) ・ 藤丸 (2023) 推論 8
  8. 2 種類 の 統計的因果推論 1. 介入実験 の 視点 ベースのRubin 式因果推論

    (Holland, 1986) 2. 散布図行列 の 視点 ベースのPearl 式因果推論 (Pearl, 2009) 9
  9. 2 種類 の 統計的因果推論 1. 介入実験 の 視点 ベースのRubin 式因果推論

    (Holland, 1986) 2. 散布図行列 の 視点 ベースのPearl 式因果推論 (Pearl, 2009) 10
  10. ⇒ このデータだけだと, 本当 は 心臓移植 の 効果 はわからない. 介入実験 の

    視点 ベースのRubin 式因果推論 1 • 現実 のデータ: 11 ・based on 鈴木 (2022a&b)
  11. ⇒このような 形 だとみなせるデータをどうやって 手 に 入 れるか? 介入実験 の 視点

    ベースのRubin 式因果推論 2 • 欲 しいデータ: 12 ・based on 鈴木 (2022a&b) 非現実 ( 潜在 アウトカム) 非現実 ( 潜在 アウトカム) 現実 現実
  12. 介入実験 の 視点 ベースのRubin 式因果推論 3 • 個人 レベルで 考

    えるのをやめて, 集団 レベルで 考 える • 基本的 に, 以下 の3 条件 を 満 たすと 想定 して 推論 . a. 一致性 (consistency): b. 交換可能性 (exchangablity): c. 正値性 (positivity): 因果推論 の 根本問題 13 ・based on 鈴木 (2022a&b)
  13. 介入実験 の 視点 ベースのRubin 式因果推論 4 ( 一致性 ) •

    仮定 された 非現実 と 実際 のデータを 対応付 けて, 同一視 • 仮定 された 非現実 を 適切 に 定義 • 仮定 された 非現実 と 対応 する 介入 がなされた 個体 の 結果 と 対 応 14 ・based on 鈴木 (2022a&b)
  14. 介入実験 の 視点 ベースのRubin 式因果推論 5 ( 交換可能性 ) 本当

    の 介入 ありの ヘラは?? • 「 被験者 の 割当 を 入 れ 替 えても 結果 は 変 わらなかった」と 想定 ( 実際的 にはRandomized Controled Trial(RCT)で 代替 ) 15 ・based on 鈴木 (2022a&b)
  15. 介入実験 の 視点 ベースのRubin 式因果推論 6 ( 正値性 ) •

    どんな 被験者 も, 介入 を 受 ける 可能性 / 受 けない 可能性 がゼロではない 16 ・based on 鈴木 (2022a&b) ⇒ケンプソーンの4. 介入可能性 : 原因 の 値 は 介入等 により 複数 の 値 を 取 りえる( 定数 ではない)
  16. 2 種類 の 統計的因果推論 1. 介入実験 の 視点 ベースのRubin 式因果推論

    (Holland, 1986) 2. 散布図行列 の 視点 ベースのPearl 式因果推論 (Pearl, 2009) 17
  17. 散布図行列 の 視点 ベースのPearl 式因果推論 1 18 変数 1 変数

    2 変数 3 変数 4 変数 1 変数 2 変数 3 変数 4 変数 1 変数 2 変数 3 変数 4 A. 現象 の 因果関係 • 相関 を 示 すデータから、 因果関係 の 推定 は 基本的 には 不可能 B. 散布図行列 観察 因果推論 ⇒でも「 特定 のAを 仮定 したらどんなBが 出 てくるか」はわかる
  18. 散布図行列 の 視点 ベースのPearl 式因果推論 2 19 • 特定 の

    因果関係 を 想定 したときにどんな 統計的性質 のデータが 出 てくるかを 考 えた 上 で, その 逆算 をすることで, 真 の 因果関係 を 推論 . • 疑似相関 • 単方向因果 • 選択 バイアス • 3 種 のシンプルな 因果関係 のケース
  19. 散布図行列 の 視点 ベースのPearl 式因果推論 3 20 変数 3の 値

    を 固定 したときの 条件付確率 の データを 基 に、 変数 1と2の 間 の 関係 を 調 べると、 両者 の 相関関係 は 消 えるはず 例 ) 年齢 を 介 しての 年収 と 血圧 の 相関 は, 同一年齢 の 被験者 だけからなるデータを 用 いた 場合 , 消滅 する • 「 変数 3を 固定 した 時 に, 変数 1と2が 独立 ( 変数 1と2は3の 下 で 条件付独 立 )」なら1と2の 間 の 相関 は 疑似相関 である 可能性 がある
  20. 散布図行列 の 視点 ベースのPearl 式因果推論 4 21 変数 1,2の 値

    に 介入 が 可能 な 場合 は、 変 数 1の 値 に 介入 すれば 変数 2の 値 は 変 わる はず。 例 ) • 同一年齢 の 被験者 だけを 扱 って も、 運動 と 血圧 の 関連 は 消 えない • 運動 しない 血圧高 い 人 に 運動 させた ら 血圧 が 低下 する(はず) • 血圧 を 薬 で 操作 しても、その 人 の 運 動頻度 は 変 わらない • 大事 な 事 は,「 集団全体 に 介入 して 運動 をさせた 場合 の 彼 らの 血圧 」と「 運動 をした 人 の 集団内 での 彼 らの 血圧 」を 混同 しないこと
  21. 散布図行列 の 視点 ベースのPearl 式因果推論 5 22 • この 場合

    は 変数 3を 固定 すると,もともと 存在 しなかった 関係性 が 変数 1と 2の 間 にできてしまうので, 変数 3を 固定 するとよくない. • 変数 3を 固定 / 条件付 しなかった 場合 • 変数 3を 固定 / 条件付 した 場合 変数 1 変数 2 変数 3 Z=f(X,Y) X Y
  22. 実際的 な 因果推論 の 各種手法 • ランダム 化比較実験 (RCT) •

    差 の 差分析 • 操作変数法 • 回帰不連続 デザイン • 傾向 スコアマッチング 23 ⇒ 個別手法 に 興味 があれば, 中室 (2017), 安井 (2020) 等 を 参照 . • 今回 は 因果推論 の 理論 / 基本的考 え 方 ( 詳細 はたとえば, パール &マッケンジー(2022)を 参照 )に 焦点 を 当 てたが, 実際 の 統計手 法 としては 例 えば, 以下 がある.
  23. 参考文献 ( 順不同 ) • 中室牧子 & 津川友介 (2017)『「 原因

    と 結果 」の 経済学 : データから 真実 を 見抜 く 思考法 』ダイヤモンド 社 • 安井翔太 (2020)『 効果検証入門 』 技術評論社 • ジュ―ディア・パール&ダナ・マッケンジー(2022)『 因果推論 の 科学 』 文藝春秋 • 村山航 (2007)『 道具的変数 を 用 いた 因果推論 についての 覚 書 』https://koumurayama.com/koujapanese/instrumental.pdf(2023 年 2 月 17 日閲覧 ) • 藤丸 あおい(2023)『 相関関係 』https://corvus-window.com/all_correlation-coefficient/(2023 年 2 月 17 日閲覧 ) • 遠藤千晶 (2006)『カントの 因果論 とヒューム 批判 』https://irdb.nii.ac.jp/01087/0000679222(2023 年 2 月 24 日閲覧 ) • Kemerling, G. (2011). Causal Reasoning. http://www.philosophypages.com/lg/e14.htm (accessed February 24, 2023) • Holland, P. W. (1986). Statistics and causal inference. Journal of the American Statistical Association, 81(396), 945-960. • Pearl, J. (2009). Causal inference in statistics: An overview. Statistics Surveys 3, 96-146. • 鈴木徳太 (2022a)『 潜在 アウトカムによる 因果 の 定 義 』https://blogs.sas.com/content/sasjapan/2022/07/21/causalinference-1/(2023 年 2 月 17 日 ) • 鈴木徳太 (2022b)『 本当 の 原因 は 何 か?: 因果効果 を 求 めるために 必要 な 条 件 』https://blogs.sas.com/content/sasjapan/2022/08/31/causalinference-2/(2023 年 2 月 17 日 ) • Akiyama Kouichi(2021)『 第 146 回 : 「 統計 の 実務 」7 散布図行 列 』https://note.com/akiyama924/n/ncd97a2472527(2023 年 2 月 24 日 ) 24
  24. おまけ1 25 変数 1 変数 2 変数 3 変数 4

    変数 1 変数 2 変数 3 変数 4 変数 1 変数 2 変数 3 変数 4 A. 現象 の 因果関係 • 相関 を 示 すデータから、 因果関係 の 推定 は 基本的 には 不可能 B. 散布図行列 観察 因果推論 ⇒でも「 特定 のAを 仮定 したらどんなBが 出 てくるか」はわかる