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250827_バックオフィスワールド特別セミナー

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August 27, 2025
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 250827_バックオフィスワールド特別セミナー

概要

優れた人材の定着には人材採用や教育制度などの人事制度が重要です。その中でも「人事評価制度」は、社員のパフォーマンス向上に大きな影響を与えます。社員の自律的成長を促しパフォーマンスを最大化させるため、人事制度をどのように捉え、どのように時代に合わせて変えていくか。一緒に考えていきましょう!

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August 27, 2025
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Transcript

  1. トイトイ合同会社設⽴ ニトリホールディングス ソニー(⽇本→アメリカ) 中央⼤学 客員研究員 ⼈的資本経営推進協会 理事 AICX協会⼈事 AI変⾰推進委員会 委員

    マーケ責任者 採⽤責任者 教育責任者 ⼈事責任者 Ӭౡ ׮೭ ʢࡀʣ ⾃⼰紹介︓「対話型組織開発」の実践家 l σʔλ෼ੳͷَʴϚʔέοτίϛϡχέʔγϣϯ l γΣΞഒ૿ɺ#$/ϥϯΩϯά࠷༏ल৆ͳͲଟ਺ l ਓࣄ͸σʔλΛ׆༻͍ͯ͠ͳ͍ˠେνϟϯεʂ l ࠾༻͸ؔ܎ੑߏஙͩͱΘ͔ΓɺϦΫϧʔλʔ౤ࢿ l λϨϯτϚωδϝϯτγεςϜಋೖ l ࠜڌͷ͋Δ഑ஔʢҟಈʣɺධՁʹมߋ l PO΍ϑΟʔυόοΫڧԽͰӡ༻ྗͷڧԽ l ૊৫ίϯαϧςΟϯάʢܦӦऀɺਓࣄ੹೚ऀʣ l λϨϯτϚωδϝϯτγεςϜͷಋೖࢧԉ l ֤छσʔλʹΑΔਓࣄઓུͱਓࡐϓʔϧઃఆࢧԉ ʹσʔλͱ"*ʹΑΔਓతࢿຊܦӦͷ࣮ݱ
  2. ⼆者間を取り巻く環境は、マーケよりも組織の⽅が 難易度が⾼いのが現状 経営環境 l 不確実性の増⼤ l 変化の速度と複雑性 l 短期成果と⻑期投資 のジレンマ

    l 社会的責任の増⼤ 内部労働市場 l キャリア観の多様化 l 働く動機の変化 l 対話型マネジメント l ⼼理的安全性要求 l 分断型組織への対応 外部労働市場 l 雇⽤の境界が曖昧に l 転職/越境前提の志向 l スキルベース採⽤ l AIと⼈間の役割定義 l ⼈材不⾜と過剰が混在 “報酬”と”成果”が多様化して複雑化している
  3. ⼈事制度の役割とは︖ 1. 経営戦略との連動性 •制度は経営戦略の実⾏装置、進化させていく •「⼈をどう動かすか」=「戦略、成果をどう実現するか」 2. 制度は完成形ではなくプロトタイプ •⼀度つくったら終わりではなく「仮説検証」の繰り返し •組織や社会の変化に応じて、少しずつ磨き直す •100点を狙うより、回して良くしていくことが肝

    3. ⼈の関係性を構築していくもの •制度そのものより「受け⽌められ⽅」が⼤事、信頼の基礎 4. 制度は現場で⽣きるもの、⼈材育成のためにある •現場リーダーの合意形成のない制度は運⽤できない 5. カルチャー形成との関係 •制度は「⽂化を形にする器」である
  4. ”関係性”(リレーションシップ)を意識する時代、評価が⼤切 ミッション ビジョン バリュー 世の中に対して果たす使命 ミッション体現のために⽬指す将来像 ミッション体現のための⾏動規範 どういう想いで、どう⾏動するか 何をいつまでにやるか リレーションシップ

    ミッション体現のための組織の関係性 • 上司と部下の関係 • 同僚間の関係 • 部⾨間の関係 • 外部⼈材(求職者)との関係 • 外部⼈材(顧客)との関係 • 外部⼈材(株主等)との関係 • AIやテクノロジーの関係 あらゆる関係性を⾔語化する時代
  5. 最終的には、評価の運⽤”⾦銭/⾮⾦銭報酬”をどう渡すか ݸਓ ࣾձ ૊৫ Ձ஋؍ ޷ح৺ εΩϧɾܦݧ ߦಈಛੑ ࣗ਎ͷؔ৺ࣄ߲ ᶄཱࣗతߦಈ

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  6. 組織の戦略と⼈をつなぐ難易度が増している ܦӦઓུ ࣄۀઓུ ਓࡐϙʔτϑΥϦΦ ਓࣄࢪࡦਓࣄ੍౓ Ձ ஋ ૑ ଄ ε

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  7. ⼈事視点 • 公平性 • 適正評価 • 成⻑促進 • 能⼒開発 •

    組織⽬標との⼀致 • 客観性 • 評価基準 • 時間がかかる • データの正確性に不安 • 個別対応の難しさ • 主観が⼊りやすい • コミュニケーションツール • モチベーション管理 • 報酬決定 • 透明性の⽋如 • 結果に納得しない社員 部下視点 • プレッシャー • 昇進機会 • 報酬決定 • 分かりにくい評価基準 • 評価結果に対する不信感 • 短期的な⽬標重視 • モチベーション • 公平性の懸念 • フィードバック • 成⻑の指標 • 不安感 • 成績評価 • キャリア開発 • 公平性の疑問 • 上司の主観による影響 • ⾃分の努⼒が反映されない 上司視点 • 負担 • 公平性へのプレッシャー • 成果重視 • コーチング機会 • ⽬標設定 • 部下の成⻑促進 • フィードバック • 信頼構築 • 時間がかかる • ⾃⼰評価とのギャップ • 反発を受けるリスク • 曖昧な基準の不満 • 上司⾃⾝の評価への影響 • 公正な評価 • 評価システムの複雑さ • 部下のモチベーション低下 永島が某社でアンケート(2019年) 評価の合意形成は 全くできていないかもしれない 職務や就労感によって「評価」の捉え⽅はイロイロ
  8. 評価制度と評価運⽤で、ボトルネックを克服できる可能性 ܦӦઓུ ࣄۀઓུ ਓࡐϙʔτϑΥϦΦ ਓࣄࢪࡦਓࣄ੍౓ Ձ ஋ ૑ ଄ ε

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  9. 時代の 流れ 戦後の混乱期〜 ⾼度経済成⻑ オイルショック バブル崩壊〜 失われた30年 アベノミクスと デフレ脱却 〜1960年代

    〜1980年代 〜2000年代 2010年代〜 ・社会不安 ・成⻑の鈍化 ・ポスト不⾜ ・業績悪化 ・コスト意識 ・少⼦⾼齢化 ・労働環境の変化 潮流 年功序列 ⽣活給中⼼ ポスト不⾜でも 処遇を上げる 成果主義 役割主義 多様な⼈材の活⽤ 働き⽅改⾰ 何を ⼈そのもの 勤続年数・年齢 能⼒ 技能・知識 仕事 成果→役割 多様な視点から評価 役割・仕事・成果 キャリア・中⻑期成⻑ ⼿法 誰が 職務等級制度 職能資格制度 相対評価 ⽬標管理制度 役割給・サーベイ 360度・No-Rating 出典︓『⼈事制度の現状分析』(喜島忠典著)に追記 上司 上司 上司&⼈事 上司&⼈事&部下 「誰の何を誰が評価するか」問い続けながら変遷してきた 現場が評価したいことが、評価制度に織り込まれ ていないため、常に“ズレ”“⾯倒”な評価業務に
  10. 28 ここで⼀番⼤事なのは何でしょうか︖ ⽬標設定(今期) 進捗管理 評価⾯談/決定 フィードバック ⽬標設定(次期) ①最低⽉1回の1on1で進捗確認 ②必要に応じていつでも⽬標の修正をする ①組織⽬標と連動した個⼈⽬標

    ②キャリア⽬標、学習・成⻑⽬標 ①ネガティブフィードバックも含む成⻑サポート ②成⻑計画の策定 ①今期⽬標の流れを踏まえた連続的な⽬標を設定 ②中⻑期の成⻑の観点から⽬標設定 評価成⽴ 納得感 公平感 成⻑実感 ①フェアな評価 ②評価委員会での相対⽐較 ②成⻑に焦点を当てた評価と学習の振り返り
  11. 時代の 流れ 戦後の混乱期〜 ⾼度経済成⻑ オイルショック バブル崩壊〜 失われた30年 アベノミクスと デフレ脱却 〜1960年代

    〜1980年代 〜2000年代 2010年代〜 ・社会不安 ・成⻑の鈍化 ・ポスト不⾜ ・業績悪化 ・コスト意識 ・少⼦⾼齢化 ・労働環境の変化 潮流 年功序列 ⽣活給中⼼ ポスト不⾜でも 処遇を上げる 成果主義 役割主義 多様な⼈材の活⽤ 働き⽅改⾰ 何を ⼈そのもの 勤続年数・年齢 能⼒ 技能・知識 仕事 成果→役割 多様な視点から評価 役割・仕事・成果 キャリア・中⻑期成⻑ ⼿法 誰が 職務等級制度 職能資格制度 相対評価 ⽬標管理制度 役割給・サーベイ 360度・No-Rating 出典︓『⼈事制度の現状分析』(喜島忠典著)に追記 上司 上司 上司&⼈事 上司&⼈事&部下 ⼈事制度は変遷したが、常に等級制度が中⼼にあった
  12. 等級制度 昇進昇格制度 資格制度 報酬制度 給与制度 賞与⽀給制度 評価制度 ⽬標管理制度 評価基準 等級別の評価基

    準を適⽤ 等級別の報酬決 定ルールを適⽤ 評価結果を 報酬に反映 等級制度(グレード)を中⼼としたこれまでの⼈事制度 ▶ 等級制度は、役割・責任に基づく 評価・報酬の基盤
  13. 主な限界 l 職種の多様性への対応不⾜: 新しい職種(例︓データサイエンティスト)が等級に収まらない l キャリア志向の変化: 上位等級を⽬指さない従業員の増加 l 硬直性: 等級ごとの役割固定化で柔軟性が低下

    l モチベーション低下: 等級昇進が限られ、停滞感が⽣じる 影響と今後の課題 ▶ 優秀な⼈材の流出リスク ▶ イノベーションの停滞 ▶ 解決策: 複線型制度やキャリアパスにも限界がある 等級制度では組織のデザインが難しくなってきた
  14. 評価制度 報酬制度 給与制度 賞与⽀給制度 等級制度 ⽬標管理制度 評価基準 ⼈事制度全体の基盤 ⼈材を格付けするための仕組み 昇進昇格制度

    資格制度 ⼈材育成 ⼈材像 タレントマネジメント フィードバック ⼈材育成 ⼈材の成⻑で経営⽬標を 達成する仕組み これからの⼈事制度は評価制度を中⼼に考える
  15. ⽬標設定(今期) 進捗管理 評価⾯談/決定 フィードバック ⽬標設定(次期) ①最低⽉1回の1on1で進捗確認 ②必要に応じていつでも⽬標の修正をする ①組織⽬標と連動した個⼈⽬標 ②キャリア⽬標、学習・成⻑⽬標 ①ネガティブフィードバックも含む成⻑サポート

    ②成⻑計画の策定 ①フェアな評価 ②評価委員会での相対⽐較 ②成⻑に焦点を当てた評価と学習の振り返り ①今期⽬標の流れを踏まえた連続的な⽬標を設定 ②中⻑期の成⻑の観点から⽬標設定 40 丁寧な評価制度の運⽤→社員の成⻑実感 評価成⽴ 納得感 公平感 成⻑実感
  16. 事業(仕事)と社員が連動するべく⽇本型の育成配置 Confort 快適領域 コントロール下 ⾃信満々 Fear 恐怖領域 ⾃信を喪失 他者の影響 Learning

    学習領域 新しい課題対応 スキルの獲得 Growth 成⻑領域 ⽬的達成 新しい⽬的発⾒ ①越境体験 (職務、部⾨、国境etc) ②フィードバック、1on1で壁を乗り越え (上司、同僚、評価)
  17. ⽬標設定(今期) 進捗管理 評価⾯談/決定 フィードバック ⽬標設定(次期) ①最低⽉1回の1on1で進捗確認 ②必要に応じていつでも⽬標の修正をする ①組織⽬標と連動した個⼈⽬標 ②キャリア⽬標、学習・成⻑⽬標 ①ネガティブフィードバックも含む成⻑サポート

    ②成⻑計画の策定 ①フェアな評価 ②評価委員会での相対⽐較 ②成⻑に焦点を当てた評価と学習の振り返り ①今期⽬標の流れを踏まえた連続的な⽬標を設定 ②中⻑期の成⻑の観点から⽬標設定 45 丁寧な評価制度の運⽤→社員の成⻑実感 評価成⽴ 納得感 公平感 成⻑実感
  18. 46 ⼤事なことは、”⽬標”が⽴っていること ⽬標設定(今期) 進捗管理 評価⾯談/決定 フィードバック ⽬標設定(次期) l ⽬標設定は、組織から個⼈への唯⼀の 考えさせるための「問い」であると意識

    l 忙しいから⽬標設定が⽢くなるということ は、仕事をしていないという意識 l 「問い」が⽴っていない場所には、ギャップ も⽣まれず、成⻑も起きない l 今期と次期の⽬標は連動して、成⻑ス テップになっていないといけない
  19. ⼈事制度の役割とは︖ 1. 経営戦略との連動性 •制度は経営戦略の実⾏装置、進化させていく •「⼈をどう動かすか」=「戦略、成果をどう実現するか」 2. 制度は完成形ではなくプロトタイプ •⼀度つくったら終わりではなく「仮説検証」の繰り返し •組織や社会の変化に応じて、少しずつ磨き直す •100点を狙うより、回して良くしていくことが肝

    3. ⼈の関係性を構築していくもの •制度そのものより「受け⽌められ⽅」が⼤事、信頼の基礎 4. 制度は現場で⽣きるもの、⼈材育成のためにある •現場リーダーの合意形成のない制度は運⽤できない 5. カルチャー形成との関係 •制度は「⽂化を形にする器」である