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Reasonable logging in BtoB Application

Reasonable logging in BtoB Application

テーマ: 変更履歴を適切に保持したい
rails ruby

hoshino tsuyoshi

October 10, 2024
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Transcript

  1. Roppongi.rb #23 "Proposals on Rails 2024" Reasonable logging in BtoB

    Application ROUTE06, Inc. GitHub:@hoshinotsuyoshi 1
  2. Me GitHub:@hoshinotsuyoshi • X:@hoppiestar • • SWE in ROUTE06 •

    EDI platform 2023- • NO-CODE platform for building business apps 2024- • Yes, API backend is made with Ruby on Rails • public repo?(TBD) • 2
  3. 4

  4. 商取引におけるさまざまな事柄 (注文、商品、見積、出荷、承認、 etc.) を扱う。 EDI platform BtoB Applicatoin • many

    resource classes • • buying, ordering, shipping ... • many stakeholders • • buyer, supplier, trader ... • ... • 5
  5. class Article < ApplicationRecord has_paper_trail end 手法 : paper_trail gem

    1. バージョンの作成について モデルにバージョン管理を追加 : モデルに has_paper_trail を追加するだけで、そ のモデルの Create/Update/Destroy操作が自動的に追跡される。 • versions テーブルに履歴を保存 : 各変更は versions テーブルに保存され、バージ ョンごとの変更内容が記録される。 • 10
  6. 2. バージョンの保持内容について versions テーブルには、以下の情報が含まれる : | id | item_type |

    item_id | event | object | ... |-----|-----------|---------|--------|------------------------------------------------------------------------------------| | 1 | Article | 1 | create | null | | 2 | Article | 1 | update | {"title": "First Post", "content": "Hello World!", "author": "Alice"} | | 3 | Article | 1 | update | {"title": "First Post - Revised", "content": "Final revision.", "author": "Alice"} | 手法 : paper_trail gem item_type: 追跡対象モデルのクラス名 (polymorphic) • item_id: 追跡対象モデルの ID(polymorphic) • event: 作成、更新、削除のイベント名 • object: 変更前のオブジェクトの状態を JSON形式 (または YAML)で保存 • object_changes: 各カラムがどのように変わったかを記録 • 11
  7. イベントソーシングは、システム内で発生したすべてのイベントを保存し、そのイベ ントからデータの現在の状態を導き出す手法。 eventが主役となり、データの変化を イベントとして記録する。 1. eventsテーブルでのデータ管理 | aggregate_id | seq

    | event_type | event_data |... |--------------|-----|-----------------|----------------------------------------| | Article:1 | 1 | ArticleCreated | {"title": "First Post", "author": "A"} | | Article:1 | 2 | ArticleUpdated | {"content": "New content"} | 参考 : イベントソーシング イベントを events テーブルに記録。 • 各イベントが「いつ、何を変更したか、何が起きたか」という情報を持つ。 • 12
  8. 2. Single Source of Truth 3. Projectionで状態を復元 参考 : イベントソーシング

    イベントがデータの唯一の信頼できる情報源( Single Source of Truth) 。 • 過去の状態は、イベントの履歴を projection(投影)して再構築することで確認可 能。 • events テーブルのデータを集計・投影することで、アプリケーションで使用する 現在の状態を表現。 • この手法により、過去の任意の時点のデータ状態を再現することが可能。 • 13
  9. 1. ActiveRecordとのスムーズな統合 モデルの変更があれば自動的にバージョンが作成され、余分な設定や複雑なロジ ックを書く必要がない。 2. コールバックを活用した直感的な動作 ActiveRecordのコールバックを活用し、 save や update

    メソッドの操作時に履 歴が自動で保存される。 Rails標準のメソッドを使うだけで、 paper_trail が自 動的に動作するため、開発中にイベント処理やトランザクションの管理をあまり 気にせずに済む。 paper_trail を採用したモチベーション 15
  10. 「誰が変更したか」を記録する工夫 whodunnit (who done it・誰がやったか ?) の活用 • IPアドレス? •

    できれば DBに保存したくない ... • アプリケーションのログに吐く ? • 17
  11. 平たく言えば、ユーザー IDを version テーブルの whodunnit カラムとして追加す る。コントローラに設定が必要。 class GraphqlController <

    ApplicationController # ... before_action :set_paper_trail_whodunnit # ... whodunnit の活用 次のように書くと、コントローラーで current_user が定義されている場合、 current_user.id が whodunnit 列に保存される (という規約 )。 • current_user は devise gemを使っていてユーザークラスが User の場合に利用 されるメソッド。 • 18
  12. --> この IDを追加で versionsテーブルに記録すれば OKでは? IPアドレス 今回の AWSの構成の事情 CloudFrontが ALBや

    Railsアプリケーションの前段に配置されている • S3にログを吐く設定にしているので、ソース IPアドレスとリクエストを識別でき る ID( X-AMZ-CF-ID )が残っている • 21
  13. paper_trail の 機能を使う。 例えばコントローラーに以下のように書けば、 x_amz_cf_id を versionsテーブルに記 録できる。 def info_for_paper_trail

    { # CloudFront. "x_amz_cf_id" => request.headers["HTTP_X_AMZ_CF_ID"], } end これで versionsテーブル -> X-AMZ-CF-ID -> S3のログから IPアドレスをたどることが できるようになった ! IPアドレス 22
  14. さらに追加で Amazon X-Rayとアプリケーションログとの紐付け用に情報を足す例 def info_for_paper_trail { # CloudFront. "x_amz_cf_id" =>

    request.headers["HTTP_X_AMZ_CF_ID"], # 追加: アプリケーションログと紐づけられるRequestID "request_id" => request.request_id, # 追加: Amazon X-Ray. ALBのログと紐づけられるID. "x_amzn_trace_id" => request.headers["HTTP_X_AMZN_TRACE_ID"], } end 参考 23
  15. これで ...リーズナブルに対応できたのでは ? (分析対応ではなく )障害調査・侵害疑惑調査・監査対応などを目的と想定する場合 はこれで十分 • アプリケーションログ (ECS/CloudWatchLogsを利用 )も肥大化しないしリーズナブル

    • CloudFrontのログは S3に置かれるので、 Amazon Athenaによる検索が可能 • 積極的に活用はしていないが、仕組み自体は準備済みであり、 CloudWatchで検索 をかけるよりも金銭コストが低いと思われる • 24
  16. 1つのテーブルが極端にレコード数が増えるのを防ぐため、 クラスごとに versionsテーブルを分割。 # バージョンテーブルの抽象クラス class TenantRecordVersion < TenantRecord self.abstract_class

    = true class << self def inherited(subclass) super # ...snip... # PostgresのRLSのための設定をここに書く(今回は説明省略) # ...snip... subclass.include ::PaperTrail::VersionConcern versions テーブルが肥大化することを抑止 28
  17. このように使う : # ActiveRecordのクラス class Image < TenantRecord has_paper_trail versions:

    { class_name: "ImageVersion" } # ...snip... # Imageクラス用のバージョンテーブル class ImageVersion < TenantRecordVersion end versions テーブルが肥大化することを抑止 29
  18. 変更履歴の保持手法について、 paper_trail gemを中心に説明しました。 この手法により、 BtoBアプリケーションにおけるログの管理がより効果的に行える ようになったと考えています。 まとめ 簡便さを重視し、 Railsエンジニアのマインドセットに適した履歴管理を実現 •

    ActiveRecordとのスムーズな統合やコールバックを活用することで、エンジニアの 負担を軽減 • whodunnit や CloudFrontログの活用により、誰がどこから変更したかの追跡が可 能に。直感的かつリーズナブルな履歴管理が実現 • 31