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AI Safety, Seen Through Its Questions

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AI Safety, Seen Through Its Questions

松尾・岩澤研究室 大規模言語モデル2 Deep Learning 応用講座 2026 Summer 招待講演

「問い」から見るAIの安全性

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Masahiro Kaneko

October 28, 2026

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Transcript

  1. 自己紹介:金子 正弘 (Kaneko Masahiro) • 2023.07 – 今: ポスドク@Timothy Baldwinチーム、MBZUAI

    • 2025.11 – 今:特任研究員@関根 聡、鈴木 久美チーム、NII/LLMC • 2021.04 – 2023.05: ポスドク@岡崎研、東工大 • 2022.09 – 2022.11: 訪問研究員@ Graham Neubigチーム、CMU • 2018 – 2021: 博士@小町研、都立大 • 2018.10 – 2019.02: 訪問研究員@ Danushka Bollegalaチーム、リバプール大学 • 2016 – 2018:修士@小町研、首都大 • 2012 – 2016:学士@北見工大 @MasahiroKaneko_ https://sites.google.com/view/masahirokaneko 1
  2. 金子はどんな研究をしている? • 「AIの新しい能力が生む、新しいリスク」を対象とした研究 例えば... 人が一生かけても読み きれないほどの大量の データから学ぶ能力 学習データに含まれた有害情報・個人情報・攻 撃用データが、運用時に有害な挙動として現れ EMNLP

    2025, IJCAI 2025, ACL 2025 Findings, NeurIPS 2026 るリスク 人のように文章を書き、 意見を述べる能力 人間と見分けがつかない形で偽情報を拡散・ 2026, ACL 2026 Findings, 偏った意見に迎合するリスク ICLR AAAI 2026 (Best Paper Award) 人のような思考過程を 組み立てる能力 思考過程からバイアスや攻撃の手がかりが漏れ ACL 2026, るリスク NeurIPS 2025 (Spotlight) 3
  3. AIの安全性を題材にする • 金子が専門であることに加えて • 2026年7月、評価中のOpenAIのモデルが隔離 環境を破ってHugging Faceのシステムに侵入 • 目的は能力を測るテストの答えを盗むこと •

    侵入を見つけたのも、AIを活用したHugging Faceの検知システム • AIが自律的に、人間の想定を超える行動をとる 例が観測されている https://www.wired.com/story/openaimodels-escaped-containment-andhacked-huggingface/ ➢AIの安全性は差し迫った問題 • https://openai.com/index/hugging-face-model-evaluation-security-incident/ • https://huggingface.co/blog/security-incident-july-2026 6
  4. 1. 人の発想で攻撃する入力を探す • AIは人間のテキストを学んでい るので、人間が従ってしまうよう な説得や状況設定には、AIも従 いやすい • そこで、人を騙したり説得したり する発想を使って攻撃を作る

    • 役割を演じさせる [1] • 別の目的だと偽る [2] • 社会心理学の説得の手法を使う [3] 図は [1] より [1] Shen et al., “Do Anything Now”: Characterizing and Evaluating In-The-Wild Jailbreak Prompts on Large Language Models. 2024. [2] Liu et al. Jailbreaking ChatGPT via Prompt Engineering: An Empirical Study. 2023. [3] Zeng et al. How Johnny Can Persuade LLMs to Jailbreak Them: Rethinking Persuasion to Challenge AI Safety by Humanizing LLMs. 2024. 11
  5. 2. 計算で攻撃する入力を探す 学習では重みを最適化するように、攻撃では入力を最適化して、有 害な応答を引き出したい • 例:「Sure, here is ...」と応じる書き出しを出力しやすくする 一方で、自然言語は離散のため、重みのように入力を連続的に動か

    して直接最適化することはできない そのため、離散の空間を探索する工夫が生まれた • 勾配を手がかりにトークンを置き換える [1] • 遺伝的アルゴリズムでプロンプトを進化させる [2] • 別のAIにプロンプトを考えさせ、改善を繰り返す [3] [1] Zou et al. Universal and Transferable Adversarial Attacks on Aligned Language Models. 2023. [2] Liu et al. AutoDAN: Generating Stealthy Jailbreak Prompts on Aligned Large Language Models. 2024. [3] Chao et al. Jailbreaking Black Box Large Language Models in Twenty Queries. 2023. 12
  6. その判定はAIに任せていいのか? LLMの判定は、意味と関係ないとこ ろで揺れる • 言い換えるだけで評価が変わる [1] • 内容ではなく、自分にとってもっと もらしい文を高く評価してしまう [2]

    判定するAIも、攻撃されるAIと同じ 弱点を持っている 図は [2] より [1] Kaneko. Paraphrasing Adversarial Attack on LLM-as-a-Reviewer. 2026. [2] Ohi et al. Likelihood-based Mitigation of Evaluation Bias in Large Language Models. 2024. 14
  7. では人間に判定を戻せば解決するのか? 解決しない。なぜなら「有害」にはひとつの正解がないから 同じ情報でも、条件によって何が有害かが変わる • 判定する人の立場や経験 o 一般の人には無害な情報でも、熟練したプログラマにとってはハッキングの 手がかりになる • 地域や文化、言語

    o ある地域では深刻な偽ニュースが、別の地域では問題にならない • 誰がどんな目的で求めるか o 薬の致死量は、医療者には必要な知識で、別の文脈では危険な情報になる LLMにも人間にも判定は難しい。では、何をもって安全とするのか? 15
  8. 何をもって安全とするのか? 人間も「有害」の明確な定義は持っていない しかし、法律や慣習、話し合いで社会を回している AIでも、その仕組みを持ち込む形で取り組みが進んでいる • • • • 書き出して、公開する [1]

    多くの人の意見で決める[2] 多様な価値観に合わせる [3, 4] 共通の基準を作る [5] それぞれの前提に立った一つの向き合い方で答えはまだ出ていない [1] Bai et al. Constitutional AI: Harmlessness from AI Feedback. 2022. [2] Huang et al. Collective Constitutional AI: Aligning a Language Model with Public Input. 2024. [3] Sorensen et al. A Roadmap to Pluralistic Alignment. 2024. [4] Liu et al. On the Alignment of Large Language Models with Global Human Opinion. 2026. [5] Ghosh et al. AILuminate: Introducing v1.0 of the AI Risk and Reliability Benchmark from MLCommons. 2025. 16
  9. ここまでの問いから見えること 素朴な問いから前提を数回疑うだけで最前線にたどり着いた ▪ どんな入力にも有害な出力をしない→ 全ては試せない → どう弱点を探 すか → その判定は正しいか

    → 何が有害かは決まっているか → 何を もって安全とするか ▪ 最前線の問いは素朴な問いと地続きでつながっている 手法は問いへの答えである ▪ 手法をそれが何の問いに答えているかで位置づけて見られる 17
  10. Disclosure Begets Disclosure: A Self-Reinforcing Privacy Loop in LLM Agents

    with Persistent Memory Masahiro Kaneko Hiromi Arai Timothy Baldwin
  11. ② 既存研究を調べる • SNSなどのテキストから居住地や収入などを高い精度で推定できる [1] • メモリを持つAIから個人情報を抜き出せる [2] • ChatGPTの実際のメモリの約3割に個人情報が含まれていた

    [3] 記憶から個人情報が推定できることは、ある程度すでに示されていた [1] Staab et al. Beyond Memorization: Violating Privacy via Inference with Large Language Models. 2024. [2] Wang et al. Unveiling Privacy Risks in LLM Agent Memory. 2025. [3] Dash et al. The Algorithmic Self-Portrait: Deconstructing Memory in ChatGPT. 2026. 24
  12. ⑤ 確かめられる形にする • 問いを測れる量と設定に置き換える • ユーザー役のAIと支援AIが80回会話し、5回ごとにメモリ全体から24の 属性を推定して、正しく推定できた割合を漏洩として測る • 答え合わせができる状態を作る •

    国勢調査データから人物像を作り、ユーザー役のAIに演じさせる • 問いの前提を、実験の中で崩さない • 「攻撃者のいない会話」を問うので、支援AIに情報を引き出す指示を与 えない 28