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業務効率化したいならファイル管理から変えろ!エンドユーザーへのモダンファイル管理のススメ
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Kaz Asada | しがない情シス
March 01, 2025
3
390
業務効率化したいならファイル管理から変えろ!エンドユーザーへのモダンファイル管理のススメ
2025年3月1日に実施した第47回Microsoft 365勉強会での登壇資料です。
https://jpo365ug.connpass.com/event/345886/
Kaz Asada | しがない情シス
March 01, 2025
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Transcript
エンドユーザーへのモダンファイル管理のススメ Kazuaki Asada IT Planning & Promotion Dept. Sumitomo Corporation
2025-03-01-第47回Microsoft 365勉強会
Senior Associate, IT Planning & Promotion Dept. 大阪生まれ、大阪育ち。文系。学生自体は某シアトルコーヒーチェーンで深夜まで コーヒーを売りさばく傍ら、黒い猫の配達屋さんで荷物を配りまくる日々 住友商事株式会社入社後、広報部でグローバルコーポレートサイト運用、SNS立
ち上げ、イントラネットリニューアルプロジェクトなど制作系業務を経て、新聞・TV記 者と相対するメディアリレーションズ従事 2022年10月よりIT企画推進部にて、Microsoft 365やイントラネット、生成AI等 のコラボレーションシステムを中心としたアプリケーション企画・運用・保守に従事 広報経験から、PR理論やユーザー感情起因の発想を用いたCopilot展開を実施 Experience Expertise • Web Master • Public Relations • Media Relations • Microsoft 365 • Copilot • Power Platform • Generative AI @kasada0901 @kazuaki asada
第43回(2024年8月ごろ)に Microsoft 365 Copilotの全社導入に ついてお話しさせていただき、約半年ぶり に再登場です @genkiwさんの投稿より
前回同様にひょんなことからこの場にいます。 せっかくM365があるのに、SharePointを正しく使わず、 レガシー時代のファイル利用・管理を継続するユーザーが多 く、悩んでいる会社も多いのでは。 弊社も同じです! (注) ユーザーにいかにSharePointを使ってもらうかをお伝えする もので、SharePoint SyntexやSharePoint Advanced
Management、メタデータ管理については、本日触れませ ん。(SAMはM365 Copilotライセンスで使えるよ)
Microsoft 365 Copilot 住友商事 Copilot
Microsoft 365 Copilot in Sumitomo Corporation Empowering Every Employee with
Copilot to 全ての役職員がCopilotを活用し、 各人のポテンシャルを開放する 2024年4月よりグローバル約9000 人の役職員で一斉利用開始 *国内: 約6,000人、海外: 約3,000人 「使わない人こそ使ってもらう」のもと、 1年間で全社員の活用・定着まで 持って行く
ムーブメントを作り、すべての社員がCopilotの話をし、 見聞き、利用する「当たり前」の状態を作り出す。 not「使わせる」, but「使いたくさせる」 マーケティング・PR理論を応用し、 ユーザーの理解度、活用度に応じた情報を、 適したタイミングで発信していく さまざまなチャネルを準備して、タッチポイントを 最大化することで、ユーザーの多様な業務スタイ ルでも情報を届けきる
意欲のあるユーザーをChampionとして巻き込 み、全社のムーブメント拡大に 協力してもらい、カルチャー変革を起こす
97% アンケート回答者(約1300人) の97%はCopilotを 継続利用希望 来年度 継続希望者 4hrs Copilot利用者の 月当たりの平均 削減時間は4時間
利用者平均 月間削減時間 84% アンケート回答者(約1300人) の84%のユーザーがCopilotに対して 「非常に満足」「満足」と海東 Copilotへの 満足度 64% 12月上旬時点での MAUは64% そのうちWAUは41% *管理センターより8800ユーザーログから取得 Monthly Active User 個人業務の効率化・高度化は ある程度達成できる人が出てきたが・・・
ファネル理論 認知 理解 活用・定着 変革・共有 変 容 前 ア ク
シ ョ ン 例 変 容 後 • Copilotが何かわからない • Copilotがどのように利用できるかわ からない • メールマガジン • ポスター • イントラ通知 • マネジメントメッセージ • Copilotが何かわかる • 自分が利用できることがわかる • Copilotを試してみようと思う • Copilotの具体的な機能がわからな い • ユースケースがわからない • 理解を深めるための情報が足りない • メールマガジン • ポータル、コミュニティ • スキルアップセミナー • 各アプリでのCopilotの機能がわかる • ユースケースをイメージできる • Copilotを業務で実利用しようと思 う • 常にCopilotを活用する思考がない • 実業務において効果のあるCopilot の利用方法がわからない • 効果を感じられずCopilotの利用を やめる • メールマガジン • ポータル、コミュニティ • ハンズオンセミナー • 1on1コンサルテーション、FAQ会 • 常にCopilotを利用する意識を持つ • Copilotの効果を最大化するために 個々人での業務変革を行う • チームワークでCopilotを活用できな い・受容されない • モチベーション維持が難しい • ポータル、コミュニティ • 1on1コンサルテーション、FAQ会 • ネットワーキング • Copilotの機能・効果を正しく伝えら れ、組織レベルでのBPRを推進でき る • 活用事例を共有し、社内での発信 者となる
定着・利活用のための 意識変革 Copilotができることを理解し、普段の業務の中でCopilotを意識して利用するように する。慣れるまでは意識のトレーニングが必要 また、ローコンテキストでのプロンプト(指示文)を意識し、期待するアウトプットが出るま で工夫する(すぐ諦めない) 1. 既存の業務プロセスにCopilotを組み込むのではなく、Copilotを活用できるプロセス に変革し、Copilotの価値を最大化する *フォーマットを変える、データ格納先をSharePoint/OneDriveにする
2. 3. Copilotのアウトプットは時に、住友商事で用いられるフォーマットや書き振りと異なる 場合がある。アウトプットを過度に手直しすると、AIの恩恵を受けられなくなる。生成 AIのアウトプットを受容することで、高速サイクルで業務を進行できるようにしていく 全社発表資料から
生成AI・Copilotが何でもかんでも 整理してデータ活用してくれるといいですよね
AIに「ゴミ」を入れても、「ゴミ」が出てくるだけ 業務効率化するには、 業務プロセス・データのあり方を見直す!
デジタル・ワーカーの半数近くは、業務に必要なデータを⾒つけ出す のに苦戦しており、3分の1近くが、適切な情報を活⽤できなかった ために誤ったビジネス上の意思決定を下している 2022年Gartner Digital Worker Survey
仁義なき戦い 検索が悪くて古いファイ ルしか見つからない! Copilotがろくな回答を しない! (ひいては)Teamsは 使いにくい! ユーザーがファイル複製 ばかりする、、、 情シスに文句しか言わ
ない、、、 ストレージ容量がひっ迫 する、、、 ユーザー 情シス システムが使い物にならない! 教育しても改善しない! VS
レガシー時代 1 メール中心のコミュニケーション コミュニケーション 2 メール添付されたファイルは一度ダウン ロードしてから編集 1 中央管理の組織別フォルダ ストレージ
2 がちがちのフォルダ権限で、ファイル別 管理は不可のため、組織外共有時は メールでの添付 3 共同編集という概念はなく、各々がリ ネーム保存して誰かがマージ作業 4 バージョン管理もなく、v1, v2管理でと りあえず保存 3 送信メール添付ファイルをあとから編集 した場合は、編集後ファイルとしてメー ル添付再送
レガシー時代 1 メール中心のコミュニケーション コミュニケーション 2 メール添付されたファイルは一度ダウン ロードしてから編集 1 中央管理の組織別フォルダ ストレージ
2 がちがちのフォルダ権限で、ファイル別 管理は不可のため、組織外共有時は メールでの添付 3 共同編集という概念はなく、各々がリ ネーム保存して誰かがマージ作業 4 バージョン管理もなく、v1, v2管理でと りあえず保存 3 送信メール添付ファイルをあとから編集 した場合は、編集後ファイルとしてメー ル添付再送 ユーザーの固定観念 ファイルは送られてきたらダウンロード保存して編集するもの メール(Teams)はドラッグ&ドロップで添付するもの ファイルはわかりやすいようにリネーム管理するもの
Exchange、OneDrive、Teams(SharePoint)など 様々な場所にファイルが作成・複製・点在してしまう
正しい使い方をしないと限りある容量を 無駄に消費していく一方 (当社はCopilot導入後に容量消費が激しくなった)
今までの管理方法と大幅に異なる使い方を 一方的に強いることは無理! (めちゃくちゃ拒絶されました)
①クラウド時代の管理にすること自体のメリットを伝える ②それによる次のメリット(PPF・Copilot)を伝える
1 「保存してないのデータ消えた」問題解消! 2 どれが最新版かわからなくなる問題解消! 3 ほかの人が返してくるのを待つ時間解消! 4 ファイルマージ作業不要! 5 更新依頼にわざわざメール・チャット不要!
個人用クラウドストレージ 権限は“原則”個人しか利用できない ストレージであり、WebアプリはM365の のクラウドファイルの入り口にもなる OneDrive SharePoint Online*
チーム用クラウドストレージ* Teamsチームごとに作成されアクセス 権限は“原則”チーム設定に依拠 Teamsだけでなく、SPO Webアプリや OneDriveからもアクセス可能 ファイル所在地に限らず、 リンク共有またはバイネーム/グループ招待で 編集・閲覧共有可能 共同編集可能で バージョン管理されている 共通機能 *ここで説明するSPOはチームサイトで、コミュニケーションサイトではない *厳密にはクラウドストレージだけではないが、ファイル管理側面のみとらえる
Teamsチームごとに裏側で作成される(=Teamsと思ってOK!) Contosoユニットチーム Contosoユニットチーム Bigsoft社との契約書 Project Sapphire説明資料 Contoso業績管理 チャネル内の投稿 ◦◦チャネル ××チャネル
• Teamsチームを作成すると、自 動的にSharePointのフォルダ が作成される • チャネルごとにフォルダが作成さ れ、各チャネルスレッドに添付し たファイルは自動格納される • チームのフォルダは、Teamsの 「ファイル」タブから閲覧、または OneDriveからもアクセス可能
社内ユーザーにはコラボレーター招待または リンク共有でファイル/フォルダの共有が可能 • 共有リンクを社内共有すること で、ファイル移動・コピーすること なく、他社に閲覧・編集権限 を付与可能 • ファイルを配置した場所から動 かさず、リンク共有することで無
駄なファイル複製をやめ、
社内ユーザーにはコラボレーター招待または リンク共有でファイル/フォルダの共有が可能 • 共有リンクを社内共有すること で、一つのファイルを閲覧・編 集可能 • リンク共有されたファイルは、 チームメンバー以外もアクセス可 能に
投稿から直接リンク取得 チャネルの「ファイル」タブから取得
• OneDrive/SharePoint(Teams)でシェアしたファイルの権限は「アクセス許可の管理」から確認・削除可能 アクセス許可の管理
私は勝手なことは しません… Copilotがアクセスできるデータは、 データのアクセス権に依拠します Copilotを使う人が「アクセスできる」 データのみを参照する
OneDriveのCopilotアクセス権範囲 KazuakiのOneDrive Bigsoft社との契約書 Project Sapphire説明資料 Contoso業績管理 Kazuakiのお給料 アクセス権を持たないため、 検索・参照できない Copilot説明資料
Kazuakiからファイル 共有されたことなし Kazuakiから「Copilot説明資 料」のリンクをを共有されたこと があり、開いたことがある Copilotは共有されたファ イルのみ参照可能 Kazuakiから「Copilot説明 資料」のリンクを共有された ことがあるが、開いていない ファイルを開かないと権限 は付与されない
SharePoint(Teams) のCopilotアクセス権範囲 Contosoユニットチーム Contosoユニットチーム Bigsoft社との契約書 Project Sapphire説明資料 Contoso業績管理 アクセス権を持たないた め、検索・参照できない
プライベートチーム Northwindユニットチーム Contosoユニットチーム Smallsoft社との契約書 Project Mario説明資料 Northwind業績管理 パブリックチーム ファイル検索やCopiotに よりアクセス可能 チャネル内の投稿 チャネル内の投稿 所属しているチームがパブリックの場合は要注意! 共有リンクでファイル共有 されていて開いたことがあ る場合 Copilotは共有されたファ イルのみ参照可能
SharePoint/OneDrive上のファイルは常時保存かつ共同編集が可能 Bigsoft社との契約書 Project Sapphire説明資料 Contoso業績管理 Kazuakiのお給料 Copilot説明資料 KazuakiのOneDrive • SharePoint/OneDrive上の
ファイルは常時保存されており、 バージョン管理されている • 共有リンクからほかの人とリア ルタイム共同編集が可能 • リンク共有し、1つのファイルを みんなで作り上げていく文化に することで、効率化を図る
OneDrive Teamsチャットにドラッグ&ドロップしたファイルは OdfB「Microsoft Teams チャット ファイル」に格納される チャット せっかくOneDriveにファイルをちゃんと 作っても複製(ゴミ)される!!! ドラッグ&ドロップしない!
Teamsチャネルスレッドにドラッグ&ドロップしたファイルは、 チャネルのフォルダに格納される チャネルスレッド チャネルフォルダに乱雑にファイルが並ぶ ため、ドラッグ&ドロップしない!
Teamsチームのフォルダ/ファイルをExplorerから利用する • Teamsチーム(SPO)のファイルをチャネル内タブ やSPOアプリから管理することに抵抗感がある場合 • 「一般」チャネルのファイルタブから、「ドキュメント」に 上がり、「OneDriveへのショートカットの追加」をク リックすると、OneDrive第一階層に連携できる • Explorer管理が可能になり、昔ながらのエクスペリ
エンスでファイルの管理が可能となる (当社ではこれでかなりみんな納得する)
クラウド上のOfficeファイルの修正指示は「校閲」のコメントで完結 • SPO/OdfB上のOfficeファイルに対して、修 正指示を入れる際、「校閲」のコメントを利 用することで、わざわざメール/チャット返信で どの箇所かを示して、修正指示や質問をす る必要がなくなる • @メンションコメントを入れると、@先のユー ザーにメールで通知される
• 自身のOneDrive上ファイルに@メンション コメントを入れると、@先のユーザーに自動 的に編集権限が付与される (権限付与してからコメント作業が不要)
ファイルストレージの使い分け 個人用、下書き中のファイル、 テンポラリーファイルを保存 OneDrive 組織で利用するファイルを保存 SharePoint Online 組織の3名以上に共有する場合は SharePointに移送 デファクトスタンダードの組織ファイル
ストレージに 組織で必要なファイルは 最初からSPO(Teams)に格納 現在も利用する必要なファイル類は 棚卸、整理し、SharePointに移行 昔からのファイルのアーカイブ その他ストレージ 数年アクセスしないファイルは 徐々に削除 ローカルに保存せず、原則はOdfBに 保存する (PCが破損してもデータは保持) 移行 移送 社内向けセミナー資料から
ここまで整理できると次に見える世界は?
特定のファイルから常に回答を作ってほしい時 SharePoint(Teams)に保存したファイルから Agentを作成し、RAGのチャットボットに チャットにAgentを追加し、同僚の一人のように 複数人の中で回答させることも Ko-beyaはCopilotで完結
Teams、SharePoint Onlineを中心としたファイル管理、 コミュニケーションにすることで、様々な業務効率化オプションができる! 人間系中心のバラバラな人力業務処理 で単純作業に時間を要する As Is
JTC用邪道SPOファイル管理 一般チャネル配下で レガシー管理 チャネルベースでのフォルダ管理ができな い場合、一般チャネル配下にすべての フォルダを配置し、一般チャネルを OneDriveへのショートカット追加で、 Explorerから管理 チャネル保存されたファイルは 定期全削除
左記を実施した際、チャネルフォルダに 保存されるファイルは、皆ドラッグ&ド ロップで保存されたものとして、定期的 にすべて削除する 階層型組織のために一般チャ ネルフォルダにアクセス権付与 階層型組織は部署内のすべてのファイ ルに対するアクセス権を求めるケースが 多い その場合、上位階層のチームのM365グ ループを下位階層のチーム一般チャネル フォルダに付与し、アクセス権付与
None
レガシーファイル管理のままだと データ活用がままならない SPO・OdfBではファイル所在地を決めたら、 いかにそこから動かさず利用・共有していくか 一方でエンドユーザーをモダンファイル管理に 移行させることはかなりハードルが高い エンドユーザーに対するメリットを伝えて 無理なくモダンファイル管理に移行する 苦しい道のりだが、管理方法を変えていくことが ユーザーも情シスもハッピーになる近道
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