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なんでこれやるの?”を語れるか “やらない”を決めるPdMの戦略と思考

Avatar for Katsuhiro Yoshino Katsuhiro Yoshino
June 19, 2025
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なんでこれやるの?”を語れるか “やらない”を決めるPdMの戦略と思考

「なぜこれをやらない?」「なぜこれが先?」そんな疑問に答えられるPdMを目指して。 実際に行っている戦略思考・バックログ設計・判断軸の作り方を、リアルな現場視点で語ります。

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Katsuhiro Yoshino

June 19, 2025
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Transcript

  1. © 2025 Wantedly, Inc. 発表で伝えたいこと 01 “やらない” を決めるわけ 02 “やらない”

    をどうやって決めたか お話すること こういう感想を持って貰えると嬉しい • こんな風に考えているのか、参考になったな • こんな工夫をしたのか、調べてみよう
  2. © 2025 Wantedly, Inc. どのように「やりたいこと」を定めるか 数多くのやりたいことから 選ぶこと = 他を捨てること やりたいことを探すより

    「やらない」を消す方が 早くて確実 一貫性と軸が保ちやすい 新しいアイデアが出ても、ぶれずに判断できる。 コア価値に集中できる。 「やる」ベースで動くと、どんどん広がっていく ユーザーや関係者の要望に応え続けていると、 方向性が曖昧になる。 「やらないこと」から決めるのは、楽 やることを“当てにいく”よりも、 やらないを削っていく方が判断しやすい
  3. © 2025 Wantedly, Inc. “やること” と “やらねばならないこと” が残る やりたいこと やりたくないこと

    やらないこと やらない ≠ やりたくない 「やること」と「やらねばならないこと」が残る やらねばならない 後回しにできる 我慢する やること
  4. © 2025 Wantedly, Inc. はじめは調査から⾏った ステップ 目的 実際に使った フレームワーク 確認ポイント

    ① 外部環境分析 社会・市場全体の変化を捉える PEST 政治・経済・社会・技術 経営の思考がどこに向くのか把握する ② 業界・競合分析 競争環境と自社の立ち位置を知 る 3C 市場・競合・自社 どのポジションか?強みは?弱みは? ③ サービス分析 自社サービスのデータを知る ユーザー行動、顧客の声 強みや弱みを裏付けられるか? ④ セグメトとターゲティング 顧客層を分け、誰を狙うかを決め る STP セグメント・ターゲティング・ポジショ ニング どのセグメントに価値を出せるか? 施策設計 戦術整理 調査・戦略 結論 色々調べて、じわじわ定まっていった
  5. © 2025 Wantedly, Inc. • デジタル化の進展 ⼤⼿プラットフォーム導⼊が⼀般化。コミュニケーション、データ分析、他システ ム(給与計算、健康管理)との連携など、より統合的‧戦略的な⽅向に進化 • データ分析の活⽤

    福利厚⽣の効果測定、パーソナライズされたレコメンデーション、将来のニーズ予 測などにAIを活⽤する動きが本格化しています • HealthTech/FemTechの活⽤ ウェアラブルデバイス連携、オンライン診療‧服薬指導、AI⾷事‧運動アドバイ ス、⼥性特有の健康課題に対応するサービス(FemTech)などの例が増加 • FinTech連携 給与前払いサービス、オンラインでのライフプラン相談、ロボアドバイザー連携な ど、⾦融関連サービスとのシームレスな連携が進む可能性 • 働き⽅改⾰関連法 残業時間の上限規制、同⼀労働同⼀賃⾦の推進などが、企業に労働環境改善と多様 な働き⽅への対応を促す。 • 健康経営の⾼度化 健康経営の戦略的実践が⼤⼿企業を中⼼に定着。メンタルヘルス対策の強化、治療 と仕事の両⽴⽀援などが重要テーマに。 • 次元の異なる少⼦化対策 少⼦化対策‧こども政策の具体化が進み、育児休業の取得推進(特に男性)、育児 期の柔軟な働き⽅⽀援、保育‧学童サービスの利⽤補助など • ⾦融関連規制 新NISA制度が開始。企業による従業員の資産形成⽀援の重要性が増しています。 参考:①PEST分析 Politics 政治的要因 Economy 経済的要因 Society 社会的要因 Technology 技術的要因 • 加速する少⼦⾼齢化 ⽣産年齢⼈⼝の減少が顕著。シニア従業員の活躍⽀援、介護と仕事の両⽴⽀援の必 要性が増しています。 • 価値観の多様化 Z世代などが労働市場の中⼼になるにつれ、画⼀的な福利厚⽣への不満が⾼まり、 個⼈の価値観やライフステージに合わせて選択できる柔軟性が強く求められる。 • ワークライフバランス重視 仕事と私⽣活の調和を重視する考え⽅が浸透し、休暇制度の充実、⾃⼰啓発⽀援、 リフレッシュ施策などの需要が増加 • 健康意識の⾼まり メンタルヘルスを含む、⼼⾝の健康(ウェルビーイング)への関⼼が社会全体で⾼ まる。予防医療、ストレスチェック、カウンセリング⽀援などが注⽬される。 • 景気動向と物価上昇 継続する物価上昇が実質賃⾦を圧迫。割引サービスなど、可処分所得向上に繋がる 福利厚⽣へのニーズが強い状態 • 深刻な⼈⼿不⾜と賃上げ ⼈材獲得‧定着競争は激化しており、賃⾦以外の魅⼒としての福利厚⽣の戦略的重 要性が⼀層⾼まっています。 • 円安の影響 円安による輸⼊物価上昇は企業コストを圧迫する⼀⽅、インバウンド需要などは⼀ 部業種に恩恵。企業の業績格差が福利厚⽣投資の差に繋がる可能性があります。 • 貯蓄から投資へ 政府⽅針もあり、個⼈の資産形成への関⼼が⾼まっています。
  6. © 2025 Wantedly, Inc. プロダクトバックログの整理 施策とアイディアを並べて、施策の偏りを把握 事業⽬標 改善テーマ 施策 ⽬指す状態

    ⽬指す状態 改善テーマ 改善テーマ 施策 施策 施策 施策 施策 目 指 す 状 態 と 改 善 テーマ、 施策を構造的に並べる 一番上流は、「安い x 早い x うまい」 みたいにシンプ ルで分かりやすいもの データを元に課題を分析 施策設計 戦術整理 調査・戦略
  7. © 2025 Wantedly, Inc. ビジョンにこだわりすぎ 現実を無視する 施策の選択:ビジョンと課題のねじれ 課題 ( 現実,

    短期) ビジョン ( 理想, 長期 ) • もっとユーザーに使ってほしい • たくさん契約をしてほしい 従業員と企業の 信頼・共感 に貢献する 福利厚生を実現したい ねじれの発生 戦略 ( 理想と現実の中間 ) 現実に引っ張られて 目先の施策ばかり KPIが 上がらない プロダクトが 方向性を失う ビジョンと課題にねじれが発生することがある 戦略はねじれを解消して意味を持たせる必要がある
  8. © 2025 Wantedly, Inc. Project A Project C 施策 改善テーマ

    XXXをYYYにする XXXをYYYにする XX年XX月 XX年XX月 Project B Project D Project E 見直し ポイント 見直し ポイント 見直し ポイント 事業計画 / 営業目標 XXX円 XXX契約 XXX円 XXX契約 © 2025 Wantedly, Inc. 事業計画と紐づけして、チーム共有 (これで目標達成できるか)
  9. © 2025 Wantedly, Inc. まとめ • 不確実な中で、納得して進める状態 をつくろうとしている • “やらない”

    を決めていくと、 「やること」が⾒えてくる • 外部環境から広く調査をする • 施策はプロダクトバックログで構造化している