背景メッシュの結合による最適化に向けたトライ＆エラー

「Gotanda.unity #7 in 株式会社ミクシィ @渋谷」(https://gotanda-unity.connpass.com/event/92616/)

発表資料。

動画：
https://youtu.be/cmF3qknOZEs?t=9m11s

Transcript

1. 背景メッシュの結合による 最適化に向けたトライ＆エラー 村上克弥 ファイトリーグ事業部 クライアント開発グループ 2018/07/25
2. 自己紹介 所属 株式会社ミクシィ XFLAG スタジオ ファイトリーグ事業部 クライアント開発グループ 経歴 2013年 東京の某社に入社 ・K社の有名なIPとか ・S社の有名なIPを扱ったタイトルとか 2017年 ミクシィ入社 ・ファイトリーグでクライアント開発やってます ・実装とかツール作りとか色々やってます。 その他 褒められたい 名前：村上克弥
3. 突然ですが うちのプロジェクト 背景のGameObject数がそこそこあるんです。
4. でも、デザイナさんに罪はないので メッシュ結合ツールを作りました。
5. 意外と大変でした。 頑張ったんで、褒めてほしいです。 聞いてください。
6. 要件 ・背景メッシュを結合し、GameObjectを減らす ・本来の見た目を問題ない範囲で維持する ・それによってパフォーマンスを低下させない ・あわよくばドローコールを減らす ・レンダラーパラメーターの異なるものを結合しない ・アニメーションするメッシュは結合しない ・スキンメッシュは結合しない ・参照されているゲームオブジェクトは結合しない ・褒めてほしい
7. 要件 ・背景メッシュを結合し、GameObjectを減らす ・本来の見た目を問題ない範囲で維持する ・それによってパフォーマンスを低下させない ・あわよくばドローコールを減らす ・レンダラーパラメーターの異なるものを結合しない ・アニメーションするメッシュは結合しない ・スキンメッシュは結合しない ・参照されているゲームオブジェクトは結合しない ・褒めてほしい ↑この辺は大変じゃなかったんで、語りません。
8. ↓これですが。 要件 ・本来の見た目を問題ない範囲で維持する
9. 要件 今回サンプルに選んだのは、 で使用している背景
10. 要件 ゲームオブジェクト数はこれくらい。
11. では、やっていきます
12. CombineMeshes まず最初に思いつくのはこれです。
13. CombineMeshes 理想では、こんなふうに結合してくれるはずです。 やってみました。
14. 駄目です。
15. CombineMeshes このAPIは、SubMeshがある場合 サブメッシュごとに結合しなければなりません。
16. CombineMeshes 一度、別のメッシュに分離するので、 サブメッシュ間の共有頂点が複製されてしまい、 頂点数が増えます。
17. CombineMeshes（を手作り） 幸い、経験上、Meshクラスの構造には 覚えがありました。 マテリアルの情報からサブメッシュを振り分け、 まとめて一回でメッシュ結合する仕組みを作ります。
18. CombineMeshes（を手作り） 出来ました。 ※ライトマップは焼いてません
19. CombineMeshes（を手作り） GameObject数も激減。
20. CombineMeshes（を手作り） あとは、ライトマップを焼いて、 左の見た目になれば成功です。 やってみました。
21. 駄目です。
22. CombineMeshes（を手作り） やってみた結果
23. CombineMeshes（を手作り）
24. CombineMeshes（を手作り） 理想 現実
25. CombineMeshes（を手作り） 世紀末
26. CombineMeshes（を手作り） 謎の荒れの原因は、ライトマップ用のUVが作られていな かったことです。 Unityではuv2をライトマップ用UVとして使うので uv2を生成する必要があります。
27. SecondaryUVを生成 こんな関数を見つけました。 実際に使ってみました。
28. SecondaryUVを生成 お！いいかんじ！
29. 駄目です。
30. SecondaryUVを生成 ライトマップテクスチャがページングされていました。 このままでは、ドローコール増加につながるため パフォーマンスが低下します。
31. SecondaryUVを生成 原因は、メッシュを結合する際 MeshRendererの「Scale In Lightmap」を 考慮していないせいです。 そのせいで、等倍のライトマップが生成されています。
32. 「Scale In Lightmap」を逆算 結合前の全メッシュのライトマップ総面積を足して、 その平方を取れば、 同じ面積でライトマップを生成できるはずです。 問題はその計算式です。
33. 「Scale In Lightmap」を逆算
34. ありました。 「Scale In Lightmap」を逆算
35. この辺はリフレクションで呼び出します。 「Scale In Lightmap」を逆算
36. 「Scale In Lightmap」を逆算 そして出来た「Scale In Lightmap」です。
37. ぱっとみ良さげに見えるし、 ライトマップテクスチャも1枚です。 これならいけるのでは？ 「Scale In Lightmap」を逆算
38. 駄目です。
39. 解像度の低い部分が出てしまいます。 これではデザイナさんの調整が死にます。 結合前 結合後 「Scale In Lightmap」を逆算
40. アプローチを変えました。 「Scale In Lightmap」を逆算
41. 結合前にライトマップを焼く uv2にライトマップのUVが入っているので 結合前のライトマップテクスチャを 使うことができるはずです。
42. 結合前にライトマップを焼く PropertyBlockでテクスチャを適用するコンポーネントを作成。 lightmapScaleOffsetからUVを再計算。 シェーダーキーワード「LIGHTMAP_ON」を適用。
43. 結合前にライトマップを焼く これで今度こそいけるはずです！
44. 駄目です。
45. 結合前にライトマップを焼く ライトマップは適用されてるけど めっちゃ明るくなった…。
46. 結合前にライトマップを焼く FrameDebuggerで見てみると
47. 結合前にライトマップを焼く 誰やねんお前
48. LIGHTPROBE_SHをスキップ 「LIGHTPROBE_SH」は Unityによって、強制的に設定されます。 Lightmap焼き込み済みのオブジェクトは 「LIGHTPROBE_SH」が除外されるようです。 なので 「#pragma skip_variants LIGHTPROBE_SH」 を記述したシェーダーを作成します。 （#pragmaは#ifdefで弾けない…仕様？） 結合時にシェーダーを差し替えることで、 対応します。
49. LIGHTPROBE_SHをスキップ 結果
50. LIGHTPROBE_SHをスキップ
51. LIGHTPROBE_SHをスキップ 結合前 結合後 見た目よし…。
52. LIGHTPROBE_SHをスキップ 結合前 結合後 諸々、数値よし…。
53. OKです！
54. まとめ
55. まとめ ライトマップの解決は大変。 褒めてほしい。