Upgrade to Pro
— share decks privately, control downloads, hide ads and more …
Speaker Deck
Features
Speaker Deck
PRO
Sign in
Sign up for free
Search
Search
新型コロナのダッシュボードから考える ユーザー体験の設計
Search
Kazuki OGIWARA(荻原 和樹)
May 28, 2021
Technology
0
3.1k
新型コロナのダッシュボードから考える ユーザー体験の設計
Kazuki OGIWARA(荻原 和樹)
May 28, 2021
Tweet
Share
More Decks by Kazuki OGIWARA(荻原 和樹)
See All by Kazuki OGIWARA(荻原 和樹)
新型コロナ特設ページから見るデータ可視化と報道
kazuki88
0
41
データ可視化を軸としたオープンジャーナリズムの実践
kazuki88
1
200
Other Decks in Technology
See All in Technology
なぜCodeceptJSを選んだか
goataka
0
150
AIのコンプラは何故しんどい?
shujisado
1
190
UI State設計とテスト方針
rmakiyama
2
300
Turing × atmaCup #18 - 1st Place Solution
hakubishin3
0
470
AWS re:Invent 2024 ふりかえり
kongmingstrap
0
130
TSKaigi 2024 の登壇から広がったコミュニティ活動について
tsukuha
0
160
PHPからGoへのマイグレーション for DMMアフィリエイト
yabakokobayashi
1
160
あの日俺達が夢見たサーバレスアーキテクチャ/the-serverless-architecture-we-dreamed-of
tomoki10
0
420
大幅アップデートされたRagas v0.2をキャッチアップ
os1ma
2
520
スタートアップで取り組んでいるAzureとMicrosoft 365のセキュリティ対策/How to Improve Azure and Microsoft 365 Security at Startup
yuj1osm
0
210
プロダクト開発を加速させるためのQA文化の築き方 / How to build QA culture to accelerate product development
mii3king
1
250
OpenAIの蒸留機能(Model Distillation)を使用して運用中のLLMのコストを削減する取り組み
pharma_x_tech
4
540
Featured
See All Featured
Building Better People: How to give real-time feedback that sticks.
wjessup
365
19k
KATA
mclloyd
29
14k
GitHub's CSS Performance
jonrohan
1030
460k
Testing 201, or: Great Expectations
jmmastey
40
7.1k
Unsuck your backbone
ammeep
669
57k
Large-scale JavaScript Application Architecture
addyosmani
510
110k
Side Projects
sachag
452
42k
Java REST API Framework Comparison - PWX 2021
mraible
PRO
28
8.3k
The Cost Of JavaScript in 2023
addyosmani
45
7k
Intergalactic Javascript Robots from Outer Space
tanoku
270
27k
How to Think Like a Performance Engineer
csswizardry
22
1.2k
Raft: Consensus for Rubyists
vanstee
137
6.7k
Transcript
2021/05/28 Yahoo! Japan Bonfire Data Analyst 新型コロナのダッシュボードから考える ユーザー体験の設計 スマートニュース メディア研究所
荻原 和樹
2021/05/28 Yahoo! Japan Bonfire Data Analyst - 荻原 和樹 /
Kazuki OGIWARA - 2021年2月〜 スマートニュース メディア研究所 - 専門:データ可視化、データ報道 - 2010 〜 2021年 東洋経済新報社 - 東洋経済オンライン、週刊東洋経済編集部など 2017 - 4年間 編集部でコンテンツ制作 2016 - 1年間 デジタルデザインを勉強 2010 - 6年間 ウェブ・データベース開発 自己紹介 @kaz_ogiwara
2021/05/28 Yahoo! Japan Bonfire Data Analyst 自己紹介
2021/05/28 Yahoo! Japan Bonfire Data Analyst 「新型コロナウイルス 国内感染の状況」 - コロナ感染状況データのダッシュボード
- 2020年2月27日公開 - グッドデザイン賞 - Internet Media Awards選考委員特別賞 - SmartNews ベストパートナー賞 - データジャーナリズム部門 - 2020年の報道で最も多いシェア - Facebook / Twitterで23万回
2021/05/28 Yahoo! Japan Bonfire Data Analyst ダッシュボードとユーザー体験設計
2021/05/28 Yahoo! Japan Bonfire Data Analyst - 「不安にならず現状を正確に把握してほしい」 - 大量の報道による「コロナ疲れ」
➡ 不安を煽らず落ち着いた配色(特に地図) ➡ 確度の高い情報に絞る&可視化工程の透明性を確保 - 厚生労働省からのデータ、GitHubにデータ公開 - 自分/家族/友人が感染する可能性はある? ➡ 国内の状況に注力、DP号や空港検疫は入れない - 解釈は入れない、予測もしない、 Third partyデータは入れない 意図したユーザー体験(=行動変容)
2021/05/28 Yahoo! Japan Bonfire Data Analyst コンセプト=プロダクトの方向性&根源的な価値 - 提供できる価値=ユーザー体験設計=行動変容=5W1H -
Ex. ◯◯の状況を把握してほしい / ◯◯の意思決定をしてほしい - コンセプト ≠ メッセージ / ストーリー / 解釈 - とにかく絞る。大切なのは何を「しない」か - 「完璧とはそれ以上何も削れなくなった状態を指す」 - 有益なデータである ≠ プロダクトに載せる - 自動車の速度計など:車がどう動いているか、危険はないか - 障害物センサー:◯ 近くの観光名所:✕
2021/05/28 Yahoo! Japan Bonfire Data Analyst ユーザーの意見は聞かない、反応を見る - 意見や要望には様々なバイアスがかかる -
詳細なデータ、応用的な機能 - 社内の意見や会議でも同様 - 行き着く場所は「99%が使わない機能の山」 - 「よくわからないからいいや」が最も怖い - 採用・不採用は常にコンセプトを指針にすべし - 「削る」作業はプロダクトオーナーにしかできない - 対照的にユーザーの「反応」は宝の山 - どこでミスしたか、どこで戸惑っているか
2021/05/28 Yahoo! Japan Bonfire Data Analyst 報道とデータ可視化
2021/05/28 Yahoo! Japan Bonfire Data Analyst なぜ報道においてデータ可視化が注目されているか - 通常の報道ではカバーできない範囲に手が届く -
テキストだけでは表現できない表現手段 - フローではなくストックとしてのコンテンツ - 「ニュースを読む層」よりも広い読者に - なぜ日本ではデータ報道が遅れているか? - 欧米の一部:✕ 世界中:◯ - 紙主体の組織構成、新卒主義、 etc. - 「製造業」から「サービス業」への移行(後述)
2021/05/28 Yahoo! Japan Bonfire Data Analyst デジタル時代の報道は「製造業」から「サービス業」へ - 製造業:情報そのものに価値がある -
速報、独自情報、独占インタビュー、特ダネ - 重要な情報を持つ主体(国会議員、大企業幹部など)に食い込む - Ex. 東京都の感染者数を1分でも早く速報する - サービス業:情報によってユーザーに何かを得てもらう - 複雑なデータの理解、意思決定、ストーリーテリング、 etc. - 情報=データ自体はすでに公開されているものでよい - デザイン、視点、編集力で勝負
2021/05/28 Yahoo! Japan Bonfire Data Analyst - オープン化とコラボレーションで報道はよくなる、はず - 課題:データがない、見せ方は?、ニーズは?
- 異業種からの新規参入が報道の活性化に必要 - アイデアやお悩みがあればスマートニュースへ - メディア研究所:勉強会、研究会、事例発信、各種の調査 - 元週刊誌編集長、元官僚、データサイエンティストなど - スローニュース:調査報道支援、特にデータの見せ方 - コンテンツと技術・デザインをブリッジする存在に 最後に:何か面白いことしようぜ!