Discrete Global Grid System(DGGS) について調べた

ジオロジック社内でDiscrete Global Grid Sysytem(DGGS)についてまとめ、発表しました。前回発表したR-Treeでは常に周囲にある地物のデータとの関係も考慮に入れるため、データ量が多くなると、ツリーの更新に時間がかかるケースが増えてきます。そこで今回発表したDGGSはその点を克服するために開発された空間インデックスの手法でGoogleやUberなどと行ったネット系の大企業でも研究・開発がされています。
そんなDGGSの仕組みや利点なのについて、本発表でまとめました。

Transcript

1. Discrete Global Grid System(DGGS)について調べた
2. 本日の発表はR-Treeについて発表した前々回の続き(?)です。
3. さっとおさらい R-Treeとは? 地理情報の検索性を向上させるためのデータ構造 B-Treeを拡張し、空間データを持てるようにしてある PostgreSQLの空間データ拡張版であるPostGISでもR-Treeのデータ構造をもとに実装が されている
4. 今回はDiscrete Global Grid System(DGGS)
5. Discrete Global Grid Systemとは? (まずはざっくりと) こちらも地理情報の検索性を高めるためのもの ただし、R-Treeとは違うアプローチで検索性を高めている GeoLogicのエンジニアが「ジオハッシュ」とか「S2」とか「OLC」とかって言ってる のがこれ
6. DGGSの特徴
7. 1. 地表面を特定の図形で分割する 左はGoogleが開発したS2(http://s2geometry.ioより引用)で、 右はUberが開発したH3(https://eng.uber.com/h3より引用) 地表面を特定の図形で分割する
8. それぞれの図形一つをセルと呼ぶ 同じレベルにあるセル（大きさが同じセル）は地表面全体を覆っており、重なりも存在 していない セルで利用される図形の種類は一般的に以下のものが使われる 四辺形 三角形 六角形 地表面を特定の図形で分割する
9. 2. セルの大きさは任意のものに変更できる S2では一番大きなセルは図の緑色の部分を覆うものになり、そこから赤色ので書かれたもの のように、セルの大きさを絞り込むことができる。(英語で書かれたドキュメントには Refinmentと書かれている) セルの大きさは任意のものに変更できる
10. 3. 地表面を多面体上に投影する もっとも大きなセルは地表面を多面体に投影したものになる。 S2では以下のようなイメージで地表面が立方体に投影される https://proj.org/operations/projections/s2.htmlより引用 地表面を多面体上に投影する
11. 投影に使われる多面体は 四面体: 角度や面積において歪みが生じやすいので、あまり使われていない 立方体: 四角形で構成されているので、扱いやすい 八面体: 球体を8つに分割した際の形に似ているためによく使われる 十二面体 二十面体 地表面を多面体上に投影する
12. 4. セルに対するインデックスの振り方 DGGSではセルの位置を特定するために、一意のインデックスを割り振る。その表し方は文 字列であったり、多面体の面にn次元の軸を定義して、配列で表すこともある。 セルに対するインデックスの振り方
13. インデックスの振り方は多く考えられているが、そのほとんどは以下の3つに収束する 階層型インデックス 空間充填曲線 軸型インデックス セルに対するインデックスの振り方
14. DGGSの例 セルに対するインデックスの振り方
15. GeoHash多くのプロジェクトやDBなどでも採用されている S2 Googleが開発した手法 Open Location Code(Plus Code): こちもGoogleが開発した手法でGoogleMapsでも使 われている H3: Uberで開発されたDGGGSで他と異なり、六角系のセルによって構成されている What3Words: 詳しいロジックなどは非公開だが3m x 3m程のエリアを一意の端のを割り 当てて、位置を推定する技術 セルに対するインデックスの振り方