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トヨタグループ内製開発組織が追求する、カルチャー&技術両輪の生成AI活用推進 〜CloudWe...

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July 28, 2025
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トヨタグループ内製開発組織が追求する、カルチャー&技術両輪の生成AI活用推進 〜CloudWeGo/EinoによるAI Agent民主化事例紹介もあわせて紹介〜 Part#2

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July 28, 2025
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Transcript

  1. 本日のアジェンダ 1. AI民主化への取り組み - なぜ必要か、どう実現するか 2. 作っただけでは使われない - 普及・定着への工夫 3.

    KTC AIプラットフォーム - 何を作ったか 4. 技術選択の背景 - Go採用とEino選定 5. Einoで実現した機能 - 動的ワークフロー構築の仕組み 6. 実装課題と解決 - Azure連携、運用の工夫 7. 成果と今後の展望 - Multi-Agent、MCP対応 2
  2. そもそも民主化とは? AI活用を「特別な人のもの」から「みんなのもの」へ 段階 キーワード 主な施策 ゴール ① Access 「触れる」 入口を開く

    チャット UI を全員に開放した状態 だれでも試せる ② Enablement 「使いこなす」 学びを支援 共有テンプレやワークフロー で学習曲線を潰す段階 自力で活用 ③ Culture 「定着する」 改善が循環 成功事例が横展開され、 改善が自然に回り続ける段階 当たり前になる 5
  3. なぜ必要か? 2025 年 KINTO テクノロジーズは 「AIファースト を掲げている 現状、生成 AI は全社へは浸透しきれていない

    目指すのは “AI が電気のように当たり前” の職場 その土台となる 共通 AI プラットフォーム を整備する 6
  4. KTC AIプラットフォーム 何を作ったか Einoを活用した社内AIアシスタント マルチAIプロバイダー統合 Azure OpenAI、Claude、Gemini を自由に切り替 え EinoのReActエージェントで複数ツールを自動連携

    チャットやプロンプトテンプレート、ワークフロー機能など AI活用の民主化 チャット履歴・プロンプト・ワークフローなどの共有機能 成功事例の横展開による組織力向上 7
  5. 動的グラフ構築 1. JSON Schema に永続化 ノード種別と接続情報をそのまま保存 2. 送るだけで再構築&実行 フロントで JSON

    を編集 → API に POST → Eino が自動でグラフ生成 3. 現場が自分で作れる GUI+JSON でエンジニア以外もワークフローを拡張 ※ 動的生成はEinoの型安全性の思想から外れる   → 保存時検証で型安全性を担保 ※ 同様の仕組みは Mastra などでも実装可能 (予想) 15
  6. 実装の簡潔さ // 1. ール義 toolInfo := &schema.ToolInfo{ Name: "get_current_time", Desc:

    "現在の日時を取得します", ParamsOneOf: schema.NewParamsOneOfByParams( map[string]*schema.ParameterInfo{ "timezone": {Type: schema.String}, }), } tool := utils.NewTool(toolInfo, getCurrentTime) // 2. ReActエージェント作成 agent, _ := react.NewAgent(ctx, &react.AgentConfig{ ToolCallingModel: model, Tools: []tool.Tool{tool}, MaxStep: 20, }) 17
  7. 技術スタック詳細 (1) Infrastructure コンテナ実行: Azure Container Apps データストア: CosmosDB for

    NoSQL, Blob Storage AI実行環境: Azure Functions + Azure AI Foundry (Python) 認証基盤: Azure Entra ID 20
  8. 技術スタック詳細 (2) Backend (Go) Webフレームワーク: Huma (OpenAPI自動生成) + Chi Router

    AI統合: CloudWeGo/Eino (LLMオーケストレーション) Frontend (TypeScript) UIフレームワーク: React 19 + Vite ルーティング: TanStack Router (型安全なルーティング) 状態管理: Jotai (アトミックな状態管理) データフェッチ: TanStack Query UIコンポーネント: shadcn/ui (Radix UI + Tailwind CSS) 21
  9. KTC AIプラットフォームの主要機能 基本機能 チャット: 一般的なチャットUIでEino ReActエージェントによる自動的なツール実 行 プロンプトテンプレート: よく使う質問や指示を定型文として保存・再利用 チャットテンプレート:

    システムプロンプトとモデル設定をセットで定型化 ワークフロー: 複数の処理を組み合わせた複雑なタスクをGUIで作成 共有機能 すべての機能で「共有」ボタンを実装 チャット履歴の共有:成功した会話を他メンバーが参考に テンプレートの共有:便利な定型文を組織全体で活用 ワークフローの共有:作成したフローを誰でも実行可能に 23
  10. 実装上の課題と解決 2. AI Foundryエージェント機能の活用 課題:GoでのAI Foundryエージェント機能の制約 AI FoundryのWeb検索エージェントをGoから直接利用できない Python や

    TypeScript 、 .NET などが必要 解決:PythonでREST API化 + Eino Tool実装 Python(Azure Functions)でWeb検索エージェントを実装 REST APIとして公開し、GoからHTTP経由で呼び出し Eino Toolとして実装することで再利用性向上 25
  11. 今後のロードマップ ツール群の充実化 基本ツールの拡充 ファイル操作、データベース連携など基本機能の整備 Eino MCP Tool対応 MCP (Model Context

    Protocol)エコシステムとの統合 GitHub MCP、Microsoft Learn MCPなどをEino Toolとして利用可能に Multi-Agent機能の実装 Eino Host Multi-Agent対応 ユーザーの意図を認識し、適切な専門エージェントへタスク委譲 複数の専門家(記録、検索、分析など)を1つのインターフェースで統合 必要に応じて複数エージェントを同時実行し、結果を統合 27