Upgrade to Pro — share decks privately, control downloads, hide ads and more …

AIがレビューする時代に、 Androidエンジニアは何をレビューするのか 〜 土台づくりとレ...

Sponsored · Your Podcast. Everywhere. Effortlessly. Share. Educate. Inspire. Entertain. You do you. We'll handle the rest.
Avatar for kobaken kobaken
September 02, 2026
660

AIがレビューする時代に、 Androidエンジニアは何をレビューするのか 〜 土台づくりとレビュー再設計 〜

DroidKaigi 2026の登壇資料です。

Avatar for kobaken

kobaken

September 02, 2026

More Decks by kobaken

Transcript

  1. オープニング — 課題提起 ボトルネックはレビューに移った • AIの導入により設計・実装・テストが高速化された • 他工程が速いほど、レビュー待ちが目立つ • スループットを決めるのが人間のレビュー→ボトルネックに

    設計 実装 テスト AIで高速化 ──────────────────────────────────────────▶ レビュー ここが滞留する 4
  2. オープニング — 課題提起 理想:AIレビューを導入して爆速開発! • コードレビューもAIにさせればいいじゃない • 人間は仕様や体験を提示するだけ • AIにコード生成させて、AIに指摘してもらい、AIで修正する

    指摘がなくなるまでループ! 設計 実装 テスト レビュー AIで高速化 ────────────────────────────────────────▶ 5
  3. オープニング — 課題提起 理想:AIレビューを導入して爆速開発! • コードレビューもAIにさせればいいじゃない 🤔 • 人間は仕様や体験を提示するだけ •

    AIにコード生成させて、AIに指摘してもらい、AIで修正する 指摘がなくなるまでループ! 設計 実装 テスト レビュー AIで高速化 ─────────────────────────────────────────────────────────────▶ 5
  4. オープニング アジェンダ セクション 1. オープニング — 課題提起 2. 前提共有 —

    pixivコミックAndroidとAIレビュー導入の文脈 3. レビューの土台づくり 4. レビューの再設計 5. まとめ 7
  5. 前提共有 pixivコミック Androidアプリの全貌 42 202,727 2 58 GitLab モジュール数 コード行数

    コミッター数 月あたりMR数 バージョン管理 app 1・library 1 うちテスト 45,758 kobakenともう一人 平均値・MAX 95 社内セルフ core 14 ビルド・CI 3,396 2025/7〜2026/7 ホスティング feature 26 10
  6. 土台づくり — AIに文脈を与える: AGENTS.mdを育てる architecture.md • 各レイヤーの説明や実装サンプルなど • アーキテクチャやモジュール構成 •

    プロジェクト固有のUiStateの設計方針 • Jetpack Composeのガイドライン • アンチパターンも記述してコード生成&レビューで検知可能に 34
  7. 土台づくり — AIに文脈を与える: Skills 特定の作業フローは Skills として定義 • adapting-edge-to-edge(独自スキル) •

    画面をEdge to Edgeに対応させるためのスキル • Android View / Compose 両対応 • 公式のスキルはComposeのみ 36
  8. 土台づくり — AIに文脈を与える: Skills 特定の作業フローは Skills として定義 • multi-perspective-code-review(独自スキル) •

    複数の観点をサブエージェントにレビューさせる 「振る舞い」or「構造」 設計 UI / Compose Data / Infra テスト セキュリティ 37
  9. 土台づくり — AIに文脈を与える: Skills multi-perspective-code-reviewの出力設計 重要度 対象レイヤ なぜダメか 代替案 直すべきか、

    UI / ドメイン / 規約か、バグか、 どう直すかの 参考か データのどこか 設計原則か 具体案 38
  10. 土台づくり — AIに文脈を与える: Skills multi-perspective-code-reviewの出力設計 指摘コメントの例(イメージ) [High / UI層] LazyColumn内でViewModelのFlowを直接collectしています。

    再コンポーズごとに購読が張り直されるためです(規約: UiState経由で購読)。 代替案: collectAsStateWithLifecycle()で購読し、UiStateに集約してください。 出力形式を固定化 → 指摘の採用判断の質が向上 39
  11. 土台づくり — レビューのためのプロンプト レビューガイドラインを整備 • review̲guideline.md • architecture.mdやjunit5̲unit̲tests.mdなどを参照させる • 「~.mdを参考に基準を満たしているかレビューして」

    • MRのdescriptionもチェックして実装と乖離がないか • 「descriptionで目的が明確になっているか」 • 「実装と乖離していないか」 40
  12. 土台づくり — テスト整備がレビューにつながる 単体テスト 概要 JUnit / Robolectric によるロジックの検証 ドメインロジックやUI状態の変化を、コードで機械的に検証できる

    AIレビューとの関係 AIの指摘を「検証可能」にする 指摘の裏取りが機械的にでき、リファクタリング提案も安心して受け入れられる 42
  13. 土台づくり — さらに発展させてみる Konsistでアーキテクチャ違反を機械的に検知 • アーキテクチャルールをテストコードとして記述 • 依存禁止 / レイヤ間の参照方向

    などをCIで自動チェック • ツール化できるルールはKonsist、判断基準だけをAGENTS.mdへ 可能な限りルール違反はAIに指摘させず、テストで落とす 45
  14. レビュー再設計 — 責任の移動 どこをAIに任せ、どこを人間が担うか 観点 AI 人間 補足 品質保証 ◎

    ◯ 規約違反・定型バグはAIが一次検出。人間は妥当性を確認 保守性 ◎ ◯ 命名・一貫性はAI。構造・設計の妥当性は人間が判断 セキュリティ ◯ ◎ パターン検知はAI。リスク判断と最終責任は人間 要件 △ ◎ 仕様を渡せばAIも補助可能。仕様との突き合わせは人間 チーム合意形成 — ◎ 設計判断の共有・納得形成は人間にしかできない 責任境界の明確化 — ◎ 「誰が承認したか」の責任はAIに移せない ◎ 主担当 ◦ 補助 △ 条件つき — 対象外 55
  15. レビュー再設計 — レビューしやすいMR分割 分類ごとのレビュー運用 振る舞いの変更 構造の変更 AIコードレビュー × 人間のレビュー AIコードレビュー

    + VRTで完結可能 レビュイーは変更意図の提示義務あり 事後修正可能なことが多い 注記: スマホアプリの「後から修正」は即時に全体反映ではない 修正リードタイムを許容できる変更かで線引き 59
  16. レビュー再設計 — リスクベースのレビュー強度設計 変更リスクでレビュー強度を変える リスク 変更の例 レビュー方針 高 課金・認証・個人情報・targetSdk更新 仕様リンク必須

    + 人間レビュー必須 中 機能追加・ロジック変更 AIレビュー + 人間レビュー 低 UI微修正・文言変更 AI + セルフレビュー中心(人間レビューは任意) リスクに応じて人間の時間を配分する 61
  17. レビュー再設計 — 責任の移動 責任はMR作成者に重く — セルフAIレビューという帰結 • レビュイーが主体的になり、ソースコードの責任を負う • レビュアーはサポーターとして機能

    • MR作成前にAIレビュー&修正をループさせる • multi-perspective-code-reviewを活用する 実装中に観点別 MR時点で「書き方」 レビュアーは セルフレビュー の指摘は改善済み 意図・設計に集中 63
  18. レビュー再設計 — レビューフローの遷移 レビューフロー Before → After Before After 仕様・設計レビュー(人間)

    設計・実装 実装 MR作成 AIレビューBot(任意) 人間レビュー(必須) → 複数観点レビュー MR作成 AIレビューBot 人間レビュー ※変更分類による マージ マージ 65
  19. レビュー再設計 — pixivコミックの失敗事例 失敗事例③ Design Docs ≒ Plan問題 事象 Design

    Docsに詳細すぎる設計を書いてしまう 具体的すぎてレビューコストが増加していた 73
  20. レビュー再設計 — pixivコミックの失敗事例 失敗事例③ Design Docs ≒ Plan問題 • 対策:

    不確実性の高い大規模開発・リファクタリングで採用する • 普段の機能開発ではmini Design Docsを利用する • 通常のDesign Docsより粒度や項目を減らしたミニマル版 74