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卒業論文

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May 27, 2026
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 卒業論文

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川崎海渡

May 27, 2026

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  1. 1 . 序論 1 - 1 . 研究の背景及び目的  近年、 世界的に車中心から人中心の都市へと転換する

    「ウォーカブルシティ」 が注目 を集めている。 2012年にJeff Speckらは、 ウォーカブルシティ の条件や実現手法を提案し、 人中心のまちづく り の理念を体系化した1) 。 このよ う な世界 的な潮流を背景に、 日本国内においても、 国土交通省都市局 による 「都市の多様性とイ ノベーショ ン創出に関する懇談 会」 (1)以降、 ウォーカブルシティ推進の機運が高まった。 結 果と して、 「ウォーカブル推進都市」 は2025年6月末時点で 395自治体が参画し(2) (3) 、 多く の自治体が、 居心地が良く 歩き たく なるまちなかの形成に向けた施策 (以下、 ウォーカブル 施策) を実施するな ど、 全国的な広が り を見せている。  ウォーカブル施策では、 道路、 公園、 広場の整備やファー ニチャーの設置など、 歩行者空間での施策が進められてい る2) 。 一方で、 コンパク トで持続可能な都市構造の実現や ウォーカブルな都市空間の創出を進めるため、 都市交通施 策のあ り 方について議論する 「都市交通施策の再整理に関 する検討会」 (4) (2026) が発足した。 このよ う に、 ウォーカブル シティ実現には歩行者空間での施策だけでなく 、 自動車交 通を適切に制御する施策が必要であ り 、 その具体的な施策 の一つと して駐車場適正化が挙げられる(5)。 本研究では、 駐車場適正化を 「駐車場の需給バラ ンスの見直しや配置の コン トロールから、 歩行者空間及び交通環境、 土地利用の 改善を図る施策」 と定義する。  ウォーカブルシティ実現において駐車場適正化は、 自動 車交通の誘導による歩行者空間及び交通動線の棲み分け によ り 、 ウォーカブルシティ における基盤形成の機能を果た す。 これよ り 、 歩行者空間では自動車交通の減少によ る歩道 の拡幅や滞留空間の整備な ど、 他のウォーカブル施策の展 1 2 3 4 5 6 7 8 9 10 11 12 13 14 15 16 17 18 19 20 21 22 23 24 25 26 27 28 29 30 31 32 33 34 35 36 37 38 39 40 41 42 43 44 45 46 47 48 49 50 51 52 53 54 55 56 57 58 59 60 開から、 賑わいの創出な どの二次的な効果が期待でき る。  また、 2020年の都市再生特別措置法の改正に伴い、 滞在 快適性等向上区域 (以下、 ウォーカブル区域) 内に導入可 能な新たな 「駐車場法の特例制度」 (6) が創設され、 自治体 が駐車場適正化を実施する際の活用制度が多様化した。 し かし、 事業の有効性や地域特性に応じたプロセスが求めら れるため(7) 、 他のウォーカブル施策に比べ、 取り組みが少な い現状にある2)。 駐車場適正化が実施されないことで、 ウォーカブルシティの基盤が形成されず、 他のウォーカブ ル施策の妨げと なる恐れがある。 よって、 自治体が駐車場適 正化を実施する際の指針と なる方策の提示が必要である。  本研究の 目的は、 ウォーカブル推進都市における駐車場 適正化の事業 ・ 計画内容を網羅的に整理し、 実態を明らか にする と と もに、 先行的に取り 組む都心部の事例分析を通じ て、 ウォーカブルシティ実現に向けた駐車場適正化の方策 を提示する こ とである。 加えて、 地方都市においては、 実態 把握と今後に向けた示唆を行 う。 1 -2 . 既往研究レビュー及び本研究の位置付け  本研究では、 ①ウォーカブルシティ、 ②駐車場適正化の 施策内容、 ③駐車場適正化の制度の 3 つの観点から既往研 究を整理する。  ①ウォーカブルシティ に関する研究において、 海外では、 Ramosら3) によ る、 過去20年間の 「Walkability」 の概念的な変 遷及び政策を体系的に整理した研究や、 Forsyth4) による 「Walkability」 とい う言葉の定義を問い直し、 歩行目的に応 じて概念を整理した研究がある。 このよ うに、 海外では、 「Walkability」 の概念そのものを多角的に深掘 り する研究が 蓄積されてきた。 一方で、 国内における ウォーカブルシティ 推進は海外と比較して歴史が浅く 、 各自治体の政策や施策 に着目する研の蓄積が多い。 具体的に国内では、 森本ら5) 6) 、 ウォーカブルシティ実現に向けた駐車場適正化の実態及び方策 -ウォーカブル推進都市395自治体の現状把握及び都市規模別の対応検討- Current Status and Strategies for Parking Optimization toward Walkable Cities -A Nationwide Survey of 395 Walkable City Promotion Municipalities and Examination of Approaches by City Size- 駐車施設, 附置義務台数, 集約駐車場, 都心, 地方都市 This study clarifies the current status of parking optimization in Japan's walkable city initiatives and proposes strategies for urban centers. A nationwide questionnaire survey of 395 municipalities (288 valid responses, response rate 72.9%) and interviews with 9 municipalities revealed that only 22 municipalities currently implement parking optimization, primarily through long-term plans based on local parking ordinances rather than special provisions under the Parking Lot Act. For urban centers, this study proposes four strategies: (1) parking optimization plans coordinated with higher-level urban plans, (2) calibration of community contribution measures, (3) designation of pedestrian-priority routes with entrance restrictions, and (4) regulation of loading activities. For regional cities, implications for future policy development are presented.. Keywords: Parking Facilities, Statutory Parking Requirements, Consolidated Parking, Urban Center, Regional City 川崎海渡*・佐藤陸**・髙田悠真*・山之内陽起*・泉山塁威*** Kaito KAWASAKI*, Riku SATO**,Yuma TAKATA*,Haruki YAMANOUCHI* and Rui IZUMIYAMA***
  2. 金ら7) による、 国内のウォーカブルシティ推進の初期段階に おける計画 ・ 事業、 活用制度等や自治体の目標設定の傾向 を明 らかにした研究、 伊藤ら8)

    による、 国内に 「Walkability」 の概念を適用するにあた り 、 街路形成の経緯やネ ッ ト ワーク を踏まえた質的評価の必要性を指摘した研究がある。 しか し、 近年、 ウォーカブル推進都市に参画する 自治体が増加 したが、 全国的な施策内容や制度活用の傾向を網羅的に明 らかに した研究は見られない。  ②駐車場適正化の施策に関する研究では、 溝上ら9)、 塩 原ら10) による、 特定の地域を対象に、 駐車場の配置や料金 設定、 集約駐車場の段階的整備の効果を明 らかに した研究 や、 米田 ら11) によ る、 都市再生特別地区での駐車場整備の効 果 ・ 可能性を示した研究がある。 これらは、 駐車施設のあ り 方や空間創出に関する知見を提供する一方、 特定の地域や 大規模都市開発を対象と した ミ ク ロ な事例分析に留ま る。  ③駐車場適正化の制度に関する研究では、 加藤ら12) 、 宇 於﨑ら13)14) による、 東京都駐車場条例に基づく 駐車場地域 ルールに着目 し、 制度運用上の見直し ・ 改正の必要性を示 した研究や、 泉山ら15) による、 駐車場法の特例制度に着目 し、 計画 ・ 運用に求められる 自治体、 事業者の役割を明 らかにし た研究がある。 これらは、 制度の運用及び改善点、 関係主体 に求められる役割に関する知見を蓄積したが、 国内の多様 な 自治体における制度活用の実態は不明瞭である。  このよ う に、 既往研究にはウォーカブルシティ推進初期 の網羅的な分析は見られる ものの、 時期が経過した現在の ウォーカブル施策の実態は十分に明らかにされていない。 さ らに、 ウォーカブル施策の一環である駐車場適正化に関 する知見は、 特定の地域や制度に焦点を当てたミ ク ロな視 点に留まる。 これよ り 、 ウォーカブルシティ推進初期から時 期が経過し、 多く の 自治体が施策を展開する現在のウォーカ ブル施策及びその一環である駐車場適正化の実態を捉え た知見は不足している。 と り わけ、 ウォーカブルシティの基 盤を形成する駐車場適正化の事業 ・ 計画内容を網羅的に 分析し、 方策を提示したものは見られない。  以上よ り本研究の新規性は、 ( 1 ) 特定地域 ・ 特定制度に 限定されてきた既往研究 (溝上ら9) 、 塩原ら10) 、 米田 ら11) 、 加 藤ら12) 、 宇於﨑ら13) 14) ) に対し、 ウォーカブル推進都市395自 治体を対象に悉皆的分析を行う点、 (2) アンケー ト調査に よ る全国の傾向把握と ヒ ア リ ング調査によ るプロセスの詳細 分析を組み合わせ、 実態解明から方策提示までを一貫して 行う 点である。 有用性は、 駐車場適正化を実施 ・ 検討する 自 治体実務者の知見と なる点、 施策検討に寄与する点である。 1 -3 . 研究の方法及び構成  研究対象は2025年6月末時点にてウォーカブル推進都 市に参画する395自治体とする。 選定理由は、 これらの 自治体 がウォーカブル施策の一環と して駐車場適正化を実施する 可能性が高いためである。 当該自治体を対象とする こ とで、 ウォーカブル施策の全体傾向から、 施策の一環である駐車 場適正化を実施する 自治体を効率的に抽出し、 国内におけ る施策の実態を網羅的に把握でき る と判断した。  2章では、 アンケー ト調査よ り 回答を得た288自治体 (293 地区) を対象に、 ウォーカブル施策の傾向を明 らかにする。  3章では、 2章と 同様のアンケー ト調査よ り 回答を得た駐 車場適正化を実施する22自治体 (25地区) を対象に、 駐車場 適正化の方針及び施策の傾向を明 らかにする。  4章では、 2025年時点で駐車場適正化によ る効果が確認 でき る と考える 自治体に対し、 ヒ ア リ ング調査を行い、 回答を 得た駐車場適正化を実施する 9 自治体 (15地区) を対象に、 一連のプロセスを詳細に明らかにし、 「背景」 、 「施策」 、 「成 果」 、 「課題 ・ 展望」 の整理を行 う。  最後に 5章では、 本研究の結論を述べる と と もに、 ウォー カブルシティ 実現に向けた駐車場適正化の都心部における 方策及び地方都市への示唆を提示し、 今後の展望を示す。 2 . ウォーカ ブル施策の傾向  本章では、 アンケー ト調査 (表 1 ) よ り 回答を得た288自治 体 (293地区) を対象に、 ウォーカブル施策の傾向を明 らかに する。 具体的には、 ウォーカブル施策の内容に対する施策 の 目 的、 活用制度の関係を分析する。 2- 1 . ウォーカ ブル施策の内容  ウォーカブル施策の内容及び目的をク ロス分析し、 調査 項目毎の関係をヒー トマ ップに示す (図 1 -①) 。  ウォーカブル施策の内容は、 「歩行者空間の拡幅」 が91件 と最も多く 、 次点で 「イベン トの開催」 が81件、 「公園 ・ 広場の 整備」 が78件、 「ファーニチャーの設置」 が74件である。 目 的 1 2 3 4 5 6 7 8 9 10 11 12 13 14 15 16 17 18 19 20 21 22 23 24 25 26 27 28 29 30 31 32 33 34 35 36 37 38 39 40 41 42 43 44 45 46 47 48 49 50 51 52 53 54 55 56 57 58 59 60 61 62 63 64 65 66 67 68 69 70 71 72 73 74 75 図 1 . ウォーカ ブル施策の傾向(8 ) 表 1 . アンケー ト調査概要 調査対象 調査日時 調査方法 主な設問 回答自治体数 2025 年 6 月末時点にて、ウォーカブル推進都市に参画する 395 自治体 2025 年 11 月 7 日~ 2025 年 12 月 26 日 Microsoft Excel より作成したアンケート調査票の配布・回収 ウォーカブル施策の傾向、滞在快適性等向上区域の策定状況 全体 :288(293 地区 )/395 自治体(自治体解答率:72.9%) 滞在快適性等向上区域指定済 :106/135 自治体 ( 自治体解答率 78.5%) ウォーカブル施策の内容 取 り 組 み の 目 的 歩行者の快適性向上 回遊性向上 街並みの連続性形成 賑わい創出 生活の利便性向上 滞留空間の創出 交通渋滞の緩和 地域経済の活性化 その他 回答数 (MA) 歩行者の安全性向上 歩行者空間 の拡幅 市街地への 自動車流入 の抑制 民有地の オープン スペース化 ファーニ チャーの 設置 ファサー ド の整備 公園 ・ 広場 の整備 街路空間の 緑化整備 低未利用地 の活用 シェアサイ クル事業 イベン トの 開催 社会実験 その他 n=91 (%) (%) (%) (%) (%) (%) (%) (%) (%) (%) (%) (%) n=17 n=30 n=74 n=8 n=78 n=29 n=25 n=27 n=81 n=10 n=46 53 75 64 16 76 19 60 5 35 3 13 16 15 5 16 5 13 3 8 1 13 28 27 5 28 4 25 3 11 2 37 62 60 17 68 13 61 2 24 0 5 4 4 6 6 6 3 3 1 2 35 57 63 14 62 15 50 26 4 4 19 25 21 7 25 21 13 8 3 2 12 20 24 8 24 7 20 2 12 0 14 20 24 10 27 9 21 2 13 2 30 51 60 12 76 17 54 5 28 2 5 0 0 0 0 6 7 7 8 3 22 29 34 6 40 8 25 4 16 3 ヒー トマップ 100 80 60 40 20 0 58. 2 82. 4 70. 3 17. 6 83. 5 20. 9 65. 9 5. 5 38. 5 3. 3 76. 5 94. 1 88. 2 29. 4 94. 1 16. 7 76. 5 17. 6 36. 7 5. 9 6. 7 43. 3 93. 3 90. 0 16. 7 93. 3 13. 3 83. 3 10. 0 47. 1 50. 0 50. 0 83. 8 81. 1 23. 0 91. 9 17. 6 82. 4 2. 7 32. 4 0. 0 62. 5 50. 0 75. 0 75. 0 75. 0 37. 5 37. 5 12. 5 25. 0 44. 9 73. 1 80. 8 17. 9 79. 5 19. 2 64. 1 5. 1 33. 3 5. 1 65. 5 86. 2 72. 4 24. 1 86. 2 27. 6 72. 4 10. 3 44. 8 6. 9 48. 0 80. 0 96. 0 32. 0 96. 0 80. 0 48. 0 0. 0 28. 0 8. 0 51. 9 74. 1 88. 9 37. 0 100 33. 3 77. 8 7. 4 48. 1 7. 4 37. 0 63. 0 74. 1 14. 8 93. 8 21. 0 66. 7 6. 2 34. 6 2. 5 0. 0 0. 0 0. 0 0. 0 80. 0 70. 0 70. 0 30. 0 60. 0 50. 0 47. 8 63. 0 73. 9 13. 0 87. 0 17. 4 54. 3 8. 7 34. 8 6. 5 0% 25% 50% 75% 100% その他 無し 一体型滞在快適性等向上事業 官民連携まちなか再生推進事業 都市再生整備計画事業 歩行者利便増進道路制度 市街地再開発事業 街路事業 ・ 街路整備事業 都市構造再編集中支援事業 まちなかウォーカ ブル推進事業 (n=46) (n=10) (n=81) (n=27) (n=25) (n=29) (n=78) (n=8) (n=74) (n=30) (n=17) (n=91) その他 社会実験 イベン トの開催 シェアサイクル事業 低未利用地の活用 街路空間の緑化整備 公園 ・ 広場の整備 ファサー ドの整備 ファーニチャーの設置 民有地のオープン スペース化 市街地への自動車 流入の抑制 歩行者空間の拡幅 7(36.8%) 47(43. 1%) 13(38.2%) 31 (38.8%) 3(27.3%) 10(32.3%) 12(41.4%) 6(23. 1%) 19(22.6%) 5(6.0%) 4(40.0%) 16(30.2%) 5(9.4%) 16(30.2%) 1 (1.9%) 15(28.3%) 5(50.0%) 1 (10.0%) 6(7. 1%) 22(26.2%) 7(8.3%) 23(27.4%) 1 (1.2%) 1 (1.2%) 6(23. 1%) 9(34.6%) 2(7.7%)2(7.7%) 1 (3.8%) 2(6.9%) 3(10.3%) 3(10.3%) 4(13.8%) 5(17.2%) 9(29.0%) 1 (3.2%) 1 (3.2%) 3(9.7%) 3(9.7%) 4(12.9%) 41 (47. 1%) 17(19.5%) 11 (12.6%) 7(8.0%) 2(2.3%) 2(2.3%)1 (1. 1%) 3(3.4%)3(3.4%) 1 (9. 1%) 7(63.6%) 15(18.8%) 12(15.0%) 7(8.8%) 3(3.8%)3(3.8%) 9(11.3%) 5(14.7%) 8(23.5%) 4(11.8%) 2(5.9%) 1 (2.9%) 1 (2.9%) 2(10.5%) 2(10.5%) 6(31.6%) 1 (5.3%) 1 (5.3%) 15(13.8%) 6(5.5%) 3(2.8%) 12(11.0%) 4(3.7%) 9(8.3%) 13(11.9%) ②ウォーカブル施策の内容及び活用制度の関係 ①ウォーカブル施策の内容及び目的の関係
  3. との関係に着目する と、 多く の施策が 「歩行者の快適性の向 上」 、 「賑わいの創出」 な どを

    目 的に実施する傾向にある。 「歩 行者空間の拡幅」 は、 「歩行者の安全性の向上」 や 「快適性 の向上」 、 「賑わいの創出」 、 「回遊性の向上」 、 「滞留空間の 創出」 などを目的と して実施する傾向があ り 、 通行機能の改 善や滞留及び交流の空間と しての利用を想定した施策と し て実施している。 一方、 「ファーニチャーの設置」 、 「イベン ト の開催」 は、 「滞留空間の創出」 、 「賑わいの創出」 が多いこ と から、 人々の滞在及び交流を促す空間を創出する施策と し て実施している。  以上よ り 、 ウォーカブル施策は、 「歩行者空間の拡幅」 に よる街路の通行機能や歩道幅員等を確保を基本とする歩 行環境を物理的に改善する施策及び 「ファーニチャーの設 置」 や 「イベン トの開催」 など、 滞在及び交流を促す空間を 創出する施策を実施する傾向がある。 2-2 . ウォーカ ブル施策と活用制度の関係  各自治体における ウォーカブル施策の内容及び活用制度 をク ロス分析し、 ウォーカブル施策に対する活用制度の割 合をグラ フに示す (図 1 -②) 。  全施策において、 「まちなかウォーカブル推進事業」 の活 用率が最高である。 これは、 都市再生特別措置法改正前の 「旧まちづく り 交付金」 による補助と 同様の内容であ り 、 継続 活用する 自治体が多いためと解釈される。 また立地適正化 計画に基づく 「都市構造再編集中支援事業」 、 「歩行者利便 増進道路制度」 、 「市街地再開発事業」 等との併用も確認さ れた。 一方、 「イベン トの開催」 、 「社会実験」 では、 制度活用 「無し」 、 「その他」 が多く 、 ソフ ト施策 ・ 実験的施策は、 自治体 独自 の枠組みで実施される傾向がある。  以上よ り 、 ウォーカブル施策は多様な制度を柔軟に併用 する傾向があるが、 前提となる 自動車交通制御施策の実態 は不明瞭であ り 、 次章以降で駐車場適正化に焦点を当てる。 3 . 駐車場適正化の実態  アンケー ト回答の う ち、 「駐車場適正化を実施している」 と 回答したのは22自治体 (25地区、 回答自治体の7. 6%」 ) に留 まる。 ウォーカブル推進都市の多く で駐車場適正化が未着 手の現状にあるこ と を踏まえ、 本章では実施22自治体の活 用制度 ・ 方針 ・ 施策の傾向を明 らかにする。 3- 1 . 駐車場適正化の活用制度  活用制度は、 「駐車場整備計画」 が10自治体、 「条例」 が 8 自治体、 「東京都駐車場条例に基づく駐車場地域ルール (以下、 地域ルール) 」 が 7 自治体 (9地区) である (表2) 。 東 京都では、 8 区すべてにおいて、 地域ルールが活用される。 これは、 「駐車場法の特例制度」 に比べ、 先行して 「地域 ルール」 が創設されたためである。 また、 「駐車場法の特例 制度」 創設後も 「地域ルール」 を活用する 自治体が多く 、 先 行して取り組む自治体を参考にするためだと考える。 一方、 「駐車場法の特例制度」 は計5 自治体に留まる (表2) 。 その 中でも、 ウォーカブルシティ推進を 目的に創設されたウォー カブル区域内で適用可能な 「駐車場法の特例制度」 の活用 は、 創設から 5年以上経過したが 1 事例 (熊本市) に留まる。 この要因は、 既に多く の自治体で地域ルールや独自の条例 を活用した運用が定着したこ とや、 制度活用の前提となる ウォーカブル区域の指定に時間を要するため と推察される。 3-2 . 駐車場適正化の計画年数  計画年数は、 「16年以上」 が 9件 (36. 0%) 、 「11~15年」 が 2 件 (8. 0%) 、 「 6 ~10年」 が 4件 (16. 0%) であ り 、 長期的な計画 が多い(図 2-①)。 これは、 駐車場適正化は集約や附置義務 台数緩和など、 建物の新設 ・ 更新を伴う施策であ り 、 短期で の実現が困難だと言える。 3-3 . 駐車場適正化の目的及び施策の傾向  施策内容を 目的、 実施に至った地域課題と ク ロス分析し、 調査項目毎の関係をヒー トマ ップに示す (図 2-③) 。 1 2 3 4 5 6 7 8 9 10 11 12 13 14 15 16 17 18 19 20 21 22 23 24 25 26 27 28 29 30 31 32 33 34 35 36 37 38 39 40 41 42 43 44 45 46 47 48 49 50 51 52 53 54 55 56 57 58 59 60 61 62 63 図 2 . 駐車場適正化の実態(8 ) 表 2 . 各自治体における駐車場適正化の活用制度(8 ) 駐車場適正化の施策内容 附置義務駐車 施設の集約 路外駐車場の 集約 附置義務台数 の緩和 駐車台数の 適正化 公共交通の 活用の促進 駐車場出入口 の配置適正化 駐車場の 利活用 駐車場からの 土地利用転換 その他 歩行者の快適性向上 回遊性向上 街並みの連続性形成 賑わい創出 生活の利便性向上 滞留空間の創出 交通渋滞の緩和 交通結節機能の強化 地域経済の活性化 住環境の改善 その他 駐 車 場 適 正 化 の 目 的 実 施 に 至 っ た 地 域 課 題 回答数 (MA) 歩行者の安全性向上 回答数 (MA) その他 駐車場の過剰供給 青空駐車場の増加 環境負荷の増大 歩行者の安全性低下 慢性的な交通渋滞 道路上の荷捌き散見 駐車場出入口の乱立 街並みの不連続 駐車場の散在 地域経済の衰退 n=14 (%) n=1 (%) n=19 (%) n=13 (%) n=8 (%) n=13 (%) n=7 (%) n=1 (%) n=6 (%) n=14 (%) n=1 (%) n=19 (%) n=13 (%) n=8 (%) n=13 (%) n=7 (%) n=1 (%) n=6 (%) 12 8 6 10 6 1 1 6 2 2 0 3 11 4 2 10 5 11 13 8 6 2 0 0 0 0 0 0 0 0 0 0 0 0 0 0 0 0 0 1 1 1 1 1 1 1 16 13 8 12 7 1 2 10 3 4 0 5 14 7 2 12 7 13 14 10 8 1 2 10 8 7 8 4 1 2 7 4 2 0 4 10 5 2 9 6 9 11 8 7 1 1 7 7 3 3 6 6 1 1 1 0 0 0 1 1 3 4 4 4 6 5 5 5 2 13 9 4 9 5 2 2 4 3 3 1 3 10 7 1 12 4 9 12 9 6 1 2 7 7 5 5 5 6 6 4 3 3 3 3 2 2 2 2 1 1 1 1 1 6 0 0 0 0 0 0 0 0 0 0 0 0 0 1 1 1 1 1 1 1 1 1 1 1 5 4 4 3 3 3 3 2 2 2 2 2 2 2 2 2 1 1 1 1 1 1 0 85.7 57.1 42.9 71.4 42.9 42.9 7.1 7.1 42.9 71.4 14.3 14.3 14.3 14.3 57.1 0.0 21.4 78.6 28.6 35.7 78.6 92.9 0.0 0.0 0.0 0.0 0.0 0.0 0.0 0.0 0.0 0.0 0.0 0.0 0.0 0.0 0.0 0.0 0.0 0.0 0.0 0.0 0.0 0.0 0.0 0.0 0.0 0.0 0.0 0.0 0.0 0.0 0.0 0.0 0.0 0.0 0.0 0.0 100 100 100 100 100 100 100 100 100 100 100 100 100 100 100 100 100 100 100 100 100 84.2 68.4 42.1 63.2 36.8 5.3 10.5 52.6 15.8 21.1 26.3 73.7 36.8 10.5 63.2 36.8 68.4 73.7 52.6 42.1 5.3 10.5 76.9 61.5 61.5 53.8 53.8 30.8 30.8 30.8 15.4 15.4 7.7 76.9 38.5 84.6 61.5 69.2 69.2 53.8 46.2 15.4 7.7 7.7 87.5 87.5 37.5 37.5 37.5 75.0 75.0 75.0 62.5 62.5 62.5 50.0 50.0 50.0 25.0 12.5 12.5 12.5 12.5 12.5 69.2 69.2 69.2 69.2 30.8 30.8 30.8 76.9 7.7 7.7 7.7 15.4 15.4 15.4 46.2 53.8 38.5 23.1 23.1 23.1 92.3 92.3 71.4 71.4 71.4 85.7 85.7 85.7 57.1 14.3 14.3 14.3 14.3 14.3 42.9 42.9 42.9 42.9 28.6 28.6 28.6 28.6 83.3 66.7 66.7 50.0 50.0 50.0 50.0 33.3 33.3 33.3 33.3 33.3 33.3 33.3 33.3 33.3 16.7 16.7 16.7 16.7 16.7 16.7 ヒー トマップ 100 80 60 40 20 0 未指定 その他 16 年以上 11〜15 年 6〜10 年 3〜5年 Oʹ ʢ4"ʣ ̎    ̒  ̕  ̎  ̎  ʢ݅ʣ 0 3 6 9 12 15 18 その他 効果検証の実施 管理・運営体制の構築 関係者との合意形成 整備費用の確保 景観の担保 回遊性の確保 需給バランスの確保 歩行者の快適性の確保 歩行者の安全性の確保 3 2 3 1 13 16 12 9 2 2 ①駐車場適正化の計画年数 (SA=25) ②駐車場適正化の課題(MA=25) ③駐車場適正化の施策内容と目的、地域課題の関係 札 幌 市 山 形 市 つ く ば 市 宇 都 宮 市 さ い た ま 市 内 神 田 大 丸 有 日 比 谷 港 区 新 宿 区 目 黒 区 大 田 区 渋 谷 代 々 木 中 野 区 豊 島 区 金 沢 市 松 本 市 諏 訪 市 高 山 市 名 古 屋 市 四 日 市 市 和 歌 山 市 福 岡 市 熊 本 市 駐車場整備計画 活用制度一覧 自治体 条例 駐車場地域ルール ( 東京都駐車場条例 ) 立地適正化計画 低炭素まちづくり計画 都市再生駐車施設配置計画 都市再生整備計画 その他 千代田区 渋谷区
  4.  施策内容は、 「附置義務台数の緩和」 が19件と最も多く 、 次点で 「附置義務駐車施設の集約」 が14件、 「駐車場出入口 の配置適正化」 、

    「駐車台数の適正化」 が13件である。 目的と の関係に着目する と、 「歩行者の安全性向上」 、 「歩行者の快 適性向上」 など歩行者が安心して回遊でき る空間形成、 「街 並みの連続性の形成」 、 「賑わいの創出」 、 「交通渋滞の緩 和」 などの良質な都市空間の形成を目的に、 多様な施策を 実施する傾向がある。 実施に至った地域課題との関係に着 目する と、 「駐車場の過剰供給」 、 「駐車場出入口の乱立」 、 「歩行者の安全性低下」 などの課題解決を目的に、 多様な 施策を実施する傾向がある。  以上よ り 、 駐車場適正化は建物単位での駐車場整備が 招いた過剰供給 ・ 出入口の乱立などの課題を是正するため、 附置義務台数の緩和や附置義務駐車施設の集約など建物 単位ではなく 地区全体での総量及び配置を検討する面的 な施策と して機能する。 これは、 建物毎の個別対応から脱 却し、 地区全体の視点による検討が、 歩行者の安全性確保 や良質な都市空間の形成に寄与する と推察される。 3-4. 駐車場適正化における課題  駐車場適正化を実施する上での課題は、 「駐車場の需給 バランスの確保」 が16件と最も多く 、 次点で 「関係者との合 意形成」 が13件、 「管理 ・ 運営体制の構築」 が12件、 「効果検 証の実施」 が 9件である。 (図 2-②)。  以上よ り 、 駐車場適正化は、 「需給バランスの確保」 、 「関 係者との合意形成」 などの計画策定時の課題と、 「管理 ・ 運 営体制の構築」 、 「効果検証の実施」 といった計画運用時の 課題に区分される。  本章では、 アンケー ト調査よ り 、 駐車場適正化の実態を明 らかに した。 しかし、 各自治体の駐車場適正化の具体的な成 果は明らかにできていない。 したがって、 4章では、 駐車場 適正化を実施する 自治体へのヒ ア リ ング調査よ り 、 各自治体 の駐車場適正化のプロセスを詳細に分析する。 4 . 駐車場適正化の一連のプロセスの整理  本章では、 駐車場適正化を実施する 自治体へのヒア リ ン グ調査よ り 、 各自治体の駐車場適正化のプロセスを分析し、 駐車場適正化における成果、 課題、 留意点を明 らかにする。 具体的には、 駐車場適正化の❶ 「背景」 、 ❷ 「施策」 、 ❸ 「成 果」 、 ❹ 「課題 ・ 展望」 の4点に着目 した分析を通じて、 駐車 場適正化の方策の提示に向けた整理を行 う。 4- 1 . ヒア リ ング対象地の選定  アンケー ト調査の結果よ り 、 駐車場適正化を実施する22 自治体(25地区) を、 ( 1) 「駐車場法の特例制度」 を活用、 (2) 東京都駐車場条例を活用、 (3) 自治体で策定した条例及び 駐車場整備計画を活用する 自治体に分類する。   ( 1 )は、 駐車場法の特例制度毎に抽出する。 (2) ・ (3)は、 2025年時点で事業の有効性が確認でき る と考える2020年以 前から駐車場適正化を実施する 自治体を抽出する。 また、 アンケー ト調査よ り 、 条例の施行に基づく 対応に留ま り 、 具 体的な駐車場適正化の検討がない自治体は除外する。    以上よ り選定した自治体 (表3) に対し、 ヒ ア リ ング調査を 実施した。 4-2 . 駐車場適正化の背景  ❶背景は主に、 「歩行環境の悪化」 、 「供給過多」 、 「交通環 境の悪化」 、 「低未利用地の増加」 が課題である (図 3-❶)。 「低未利用地の増加」 は、 地方都市 (山形県山形市、 熊本県 熊本市) が課題を抱える。 ヒ ア リ ング調査によ る と、 土地の固 定資産税を賄う こ と を 目的に、 多く の土地が駐車場に転換さ れる(9) (17)。 そのため、 供給過多が課題と な り 、 駐車場適正化 の実施に至った(図3-❶)。 一方、 都心部 (東京23区及び埼 玉県さいたま市) では、 開発や建て替えに併せて駐車場適 正化を計画する(10-16)。 すなわち、 地方都市と都心部で駐車 場適正化の背景は異なる。 4-3 . 駐車場適正化の施策及び成果  ❷施策は、 「出入口の設置制限 ・ 抑制」 、 「隔地 ・ 集約」 、 「附置義務台数の減免」 、 「駐車場の利活用」 、 「土地利用転 換」 、 「地域貢献策」 の 6つが主流であ り 、 以下の 3つに整理 される (図 3-❷) 。 ( 1 ) 歩行者空間改善型 ( 「出入口の設置制限 ・ 抑制」 「隔地 ・ 集約」 「附置義務台数の減免」 )   「出入口の設置制限 ・ 抑制」 では、 歩行者中心を推進する 特定路線にて、 荷捌き車の減少や出入口削減、 歩行者の安 全性向上が確認できた (図 3-❷、❸) 。 「隔地 ・ 集約」 では、 隔 地によ り 空いた床を商業用途への活用、 駐車施設の削減や 特定路線における出入口削減が確認できた (図 3-❷、❸) 。 これらの施策は、 自治体が特定路線を指定し、 沿道事業者 が隔地する連動体制にある。 したがって、 これら 2つの施策 は独立した施策ではなく 、 一体的な運用が重要である。 「附置義務台数の減免」 では、 適切な駐車台数及び駐車場 の削減が確認されたが、 減免を前提と し建物が建設される ため、 効果が顕在化しにく い。 だが、 地域ルールの活用実績 から、 駐車場と して確保すべき床は、 商業用途等へ転換さ れつつある と言える。 ( 2) 土地利用改善型 ( 「駐車場の利活用」 「土地利用転換」 )   「駐車場の利活用」 では、 マーケッ トや社会実験の実施に よる賑わいの創出、 「土地利用転換」 では、 事業者に対する 財政支援よ り 、 ホテルや飲食店等への転換が確認された (図 3-❷、❸) 。 これらは主に地方都市で実施され、 低未利 用な駐車場の土地利用改善から、 賑わいの創出や地域経 済の活性化に寄与する と言える。 ( 3 ) 地域貢献策型 (地域貢献策)  都心部では、 地域ルールを活用する際に、 地区の特性に 応じた駐車施設の整備、 または地域協力金の納付、 も しく は両方を実施する必要がある(19-32)。 地区の特性に応じた駐 1 2 3 4 5 6 7 8 9 10 11 12 13 14 15 16 17 18 19 20 21 22 23 24 25 26 27 28 29 30 31 32 33 34 35 36 37 38 39 40 41 42 43 44 45 46 47 48 49 50 51 52 53 54 55 56 57 58 59 60 61 62 63 64 65 66 67 68 69 70 71 72 73 74 75 76 77 78 79 80 81 82 83 84 85 86 87 88 89 90 91 92 93 94 表3 . ヒア リ ング調査概要 調査自治体 (調査日時) 調査方法 主な設問 山形県山形市 (2026 年 1 月 7 日 )、埼玉県さいたま市 (2026 年 1 月 8 日 )、 東京都千代田区 (2026 年 3 月 17 日 )、東京都港区 (2026 年 3 月 23 日 )、 東京都新宿区 (2026 年 1 月 7 日 )、東京都渋谷区 (2026 年 1 月 9 日 )、 東京都中野区 (2026 年 1 月 9 日 )、東京都豊島区 (2026 年 1 月 5 日 )、 熊本県熊本市 (2026 年 1 月 8 日 ) 事前に作成したヒアリング項目を基に対面またはオンライン でのヒアリング調査 駐車場適正化実施のプロセス、詳細な施策内容
  5. 計画区域 集約駐車施設 計画区域 集約駐車施設 計画区域 集約駐車施設 計画区域 集約駐車施設 東京ミ ッ

    ドタ ウン 六本木ヒルズ 六本木五丁目 西地区 六本木二丁目地区 六本木三丁目 東地区 田町駅 浜松町駅 品川駅 高輪ゲー トウェイ駅 計画区域 隔地推奨区域 計画区域 出入口抑制区域 隔地推奨区域 計画区域 出入口設置制限区域 歩行者優先エ リ ア (隔地推奨) 集約駐車施設 ス ト リーム モア4番街 道玄坂 宮益坂 ヒカ リ エ 代々木駅 フクラス 新宿通り 新宿駅 池袋駅 サクラステージ 新宿駅 計画区域 出入口設置制限区域 荷捌きルール適用区域 荷捌き車用路上帯設置区域 集約駐車施設 グリーン大通り サンシャイ ン通り サンシャイ ン60通り 計画区域 出入口設置制限区域 特定地区 (隔地推奨区域) 歩行者優先エ リ ア (隔地推奨区域) 計画区域 幹線道路 出入口設置制限区域 集約駐車場 計画区域 出入口設置制限区域 歩行者優先エ リ ア 計画区域 開発街区 出入口抑制区域 (特定路線) 集約駐車施設 中野サンプラザ 中野駅 早稲田通り 熊本駅 山形駅 大宮駅 計画区域 集約駐車施設 計画区域 歩行者優先エ リ ア (隔地推奨路線) 計画区域 歩行者優先エ リ ア 幹線道路 地下ネッ トワーク 丸の内仲通り 東京駅 虎ノ 門駅南地区 新虎通り 愛宕地区 虎ノ 門一 ・ 二丁目地区 凡例: 地域課題 施策 実施内容 成果 ・ 効果 課題 展望 計画区域 自治体 活用制度 ❶背景 ❷施策 ❸成果 ❹課題・展望 計画区域 自治体 活用制度 ❶背景 ❷施策 ❸成果 ❹課題・展望 計画区域 自治体 活用制度 ❶背景 ❷施策 ❸成果 ❹課題・展望 計画区域 自治体 活用制度 ❶背景 ❷施策 ❸成果 ❹課題・展望 山形市(山形駅周辺) さいたま市(大宮駅周辺) 新宿区(新宿駅周辺) 港区(六本木交差点周辺) 港区(品川駅北周辺) 港区(浜松町駅周辺) 千代田区(内神田一丁目周辺) 千代田区(大丸有) 港区(田町駅周辺) 港区(環状2号線周辺) 熊本市(熊本市中心市街地) 渋谷区(渋谷地区) 渋谷区(代々木地区) 豊島区(池袋駅周辺地区) 中野区(中野駅周辺地区) 立地適正化計画 都市再生駐車施設配置計画 低炭素まちづくり計画 低炭素まちづくり計画 低炭素まちづくり計画 低炭素まちづくり計画 低炭素まちづくり計画 都市再生駐車施設配置計画 東京都駐車場条例に基づく 駐車場地域ルール東京都駐車場条例に基づく 駐車場地域ルール 東京都駐車場条例に基づく 駐車場地域ルール 東京都駐車場条例に基づく 駐車場地域ルール 東京都駐車場条例に基づく 駐車場地域ルール 東京都駐車場条例に基づく 駐車場地域ルール 都市再生整備計画 目的・方針 ・供給量の適正化 ・配置の適正化 ・多目的利用の促進 ・供給量の適正化 ・賑わいの増加 供給過多 低未利用地の増加 まちの高質化の後押し 課題 目的・方針 ・駐車施設の適切な確保と運用 ・利便性向上 ・交通環境の改善 供給過多 交通円滑性の欠如 課題 目的・方針・地区間のアンバランスの解消 ・安全で快適な街並みの実現 オフィス機能での需要低下 幹線道路での路上荷捌き 交通流や歩行環境の悪化 課題 目的・方針 目的・方針 ・駐車施設の適切な確保と運用 ・利便性向上 ・交通環境の改善 小規模建築物の建て替え 再開発における過剰整備 課題 供給過多 出入口の適正化 附置義務台数の減免 隔地 ・ 集約 附置義務台数の適正化 附置義務台数の適正化 特定路線の設定 交通環境の確保 附置義務台数の緩和 特定路線の設定 隔地による駐車施設の確保 外縁部、 区域外への隔地 ・ 集約 出入口の設置制限 隔地 ・ 集約 隔地 ・ 集約 低炭素化に資する取組 出入口の適正化 安全性に配慮した出入口の設置 建築物ごとに需要を評価 適切な駐車台数 特定路線の荷捌き車の減少 同一事業者での駐車施設の集約 特定路線外での路上荷捌き 集約駐車場の確保 配送効率の担保 出入口の設置制限 隔地 ・ 集約 荷捌きルール 特定路線の設定 附置義務駐車施設の隔地 賑わいに資する用途の整備 附置義務駐車施設の隔地 荷捌き車用路上駐車帯の確保 適用範囲の設定 事業者との協議 特定路線の出入口抑制 商業用途への活用 賑わいに資する用途の導入 集約駐車場の確保 (申請数>集約先) 荷捌き車流入の抑制 荷捌きの配送効率向上 荷捌き駐車場の地上配置 附置義務台数の減免 附置義務台数の減免 附置義務台数の適正化 隔地 ・ 集約 低炭素化に資する取組 出入口の適正化 安全性に配慮した出入口の設置 附置義務駐車施設の隔地 附置義務台数の減免 附置義務台数の適正化 隔地 ・ 集約 低炭素化に資する取組 出入口の適正化 安全性に配慮した出入口の設置 附置義務駐車施設の隔地 附置義務台数の減免 附置義務台数の適正化 隔地 ・ 集約 低炭素化に資する取組 出入口の適正化 安全性に配慮した出入口の設置 附置義務駐車施設の隔地 附置義務台数の減免 附置義務台数の適正化 隔地 ・ 集約 低炭素化に資する取組 出入口の適正化 安全性に配慮した出入口の設置 附置義務駐車施設の隔地 附置義務台数の減免 同一事業者での駐車施設の集約 隔地 ・ 集約 出入口の適正化 既存駐車場の活用 小規模建築物の隔地の推進 歩行者中心推進道路の設定 事業者への申請 ・ 要請 需要台数+地域貢献に伴う台数 駐車場の削減 外縁部の集約駐車場の確保 (開発地と集約先の差異) 配送効率の担保 (荷捌き駐車施設の集約未進) 出入口減少 歩行空間拡張による自動車誘導 長期の審査期間 (官民間での調整の困難) 効果発揮まで時間を要する 効果発揮まで時間を要する 附置義務台数の原単位の調整 再開発の停滞による整備の遅延 地域ルールの周知 上位計画の改訂に基づいた地域ルールの見直し 効果発揮まで時間を要する 上位計画の改訂に基づいた地域ルールの見直し 効果発揮まで時間を要する 上位計画の改訂に基づいた地域ルールの見直し 同一事業者での駐車施設の集約 効果発揮まで時間を要する 上位計画の改訂に基づいた地域ルールの見直し 効果発揮まで時間を要する 上位計画の改訂に基づいた地域ルールの見直し 附置義務台数の減免 出入口の規定 土地利用転換 公共交通利用の促進措置 路外駐車場配置基準の設定 民間駐車場の活用 財政支援 既存ス ト ックの活用 効果発揮まで時間を要する 歩行者の安全性向上 集約駐車場の確保 事業者のメ リ ッ トの乏しさ 駐車場→ホテル (5件) 駐車場→事務所/飲食店 (各2件) 目的・方針 ・規模や配置、出入口等の調和 ・歩行機能の安全性及び円滑性の確保 ・歩行者優先のまちづくり 乗用車用:供給過多 貨物車用:需要過多 集約駐車施設の不足 課題 歩行環境の悪化 目的・方針 ・土地利用による地域経済の活性化 ・交通円滑化に向けた駐車場の適正化 ・駐車場の多様な利活用 歩行環境の悪化 低未利用地の増加 課題 交通円滑性の欠如 目的・方針 ・交通流入の抑制 ・歩行者優先の駐車環境 ・まちづくりと一体化した整備 目的・方針 ・交通の円滑化 ・歩行者の安全性の確保 ・低炭素まちづくりの実現 ・地域の駐車環境の改善 歩行環境の悪化 課題 供給過多 特定路線の設定 外縁部、 幹線道路周辺への隔地 ・ 集約 開発街区内への隔地 ・ 集約 出入口の設置制限 隔地 ・ 集約 附置義務台数の緩和 一般車 荷捌き車 効果発揮まで時間を要する 組合の計画への理解 事業採算等の合意形成 交通円滑性の欠如 歩行環境の悪化 課題 供給過多 交通円滑性の欠如 目的・方針 ・駐車施設の適切な確保と運用 ・小規模建築物の駐車場の集約 供給過多 課題 交通円滑性の欠如 歩行環境の悪化 新規駐車場の抑制 駐車場の利活用 歩行回遊空間の形成 民間駐車場の活用 ウォーカ ブルシティへの寄与 出入口の設置制限 効果発揮まで時間を要する 賑わい創出 まちづく りの発展 運営マニュアルの作成 利活用の仕組みづく り 緑化整備 フ リーマーケッ ト ・ 社会実験 関係者との合意形成 都市空間活用効率の低下 目的・方針 目的・方針 出入口の適正化 安全性に配慮した出入口の設置 隔地推奨範囲の指定 附置義務駐車施設の隔地 隔地 ・ 集約 附置義務台数の減免 適切な駐車台数 需要変動への対応 路上駐停車の削減 交通の円滑化 景観の向上 3154台(37. 4%)の減免 出入口無し(丸の内仲通り) 出入口無し(行幸通り) 幹線道路の駐車場出入口減少 歩行者の安全性向上 出入口の適正化 安全性に配慮した出入口の設置 駐車場の地下ネッ トワーク化 荷捌き駐車施設の充実 車寄せ整備 附置義務台数の減免 効果発揮まで時間を要する 梁下有効高さの低いビル周辺での 荷捌き車の路上駐車 社会情勢に応じた地域ルールの見直し 自動運転等の近未来への配慮 ・ 対応 ・低炭素まちづくりの実現 ・地域の駐車環境の改善 歩行環境の悪化 課題 課題 供給過多 供給過多 街並みの賑わい阻害 交通円滑性の欠如 荷捌き駐車施設の不足 課題 供給過多 荷捌き駐車施設の不足 都市空間活用効率の低下 目的・方針 ・低炭素まちづくりの実現 ・地域の駐車環境の改善 歩行環境の悪化 課題 供給過多 交通円滑性の欠如 都市空間活用効率の低下 目的・方針 ・低炭素まちづくりの実現 ・地域の駐車環境の改善 歩行環境の悪化 課題 供給過多 交通円滑性の欠如 都市空間活用効率の低下 目的・方針 ・低炭素まちづくりの実現 ・地域の駐車環境の改善 歩行環境の悪化 課題 供給過多 交通円滑性の欠如 都市空間活用効率の低下 図 3 . 各自治体における駐車場適正化のプロセス(35)
  6. 車施設の整備は自治体によ り 異なるが、 隔地 ・ 集約駐車場の 整備も含まれる。 これよ り 、

    建物毎に地域貢献策における駐 車施設の整備及び協力金納付の割合を調整する こ と で、 集 約駐車場の配置及び規模がコン トロールできる。 一方、 地 方都市では、 新規の駐車場の整備や附置義務台数の減免 などを実施する際に、 ウォーカブルシティや公共交通利用 の促進などに寄与する施策の実施が必要である(18) (33)。 これ らの施策は、 駐車場整備にあたり 、 条件を設けるこ とで、 新 規駐車場発生の抑制に機能する。 4-4. 駐車場適正化の課題  駐車場適正化の課題では、 「集約駐車場の確保」 、 「荷捌 きの配送効率の担保」 が確認できた(図 3-❹)。 ( 1 ) 集約駐車場の確保  都心部では、 駐車場の新規整備用地が乏 しく 、 民間開発 ・ 建て替えに併せた確保が中心となる(8-14)。 東京都渋谷区で は、 上位計画に基づく 開発と連動して駐車場適正化を検討 する仕組みが機能し、 地域ルール活用事業の増加から集 約駐車場確保に繋がった(14)。 しかし、 駅周辺開発が多いた め、 市街地外縁部への理想的配置は困難であった(12)。 東京 都豊島区では、 隔地希望が集約先容量を上回る事例が確 認された(15)。 地方都市では、 駐車台数の供給が十分なため、 既存民間駐車場での集約が計画されるが、 駐車場事業者 側のイ ンセンティ ブ不足及び開発機会の乏しさから集約化 が進まず、 公営整備は民業圧迫と な り 困難である( 9) (17)。  以上よ り 、 都心部では、 上位計画連携と開発連動の仕組 み構築、 隔地希望の規模への留意が重要であ り 、 地方都市 では駐車場事業者へのメ リ ッ ト提示が合意形成の鍵となる。 ( 2) 荷捌きの配送効率の担保   「荷捌きの配送効率の担保」 について、 荷捌き駐車場の 集約は、 配送効率の低下に繋がるため、 一般車のみの集約 に留まる(14)。 豊島区では、 配送効率の担保及び歩行者空間 への荷捌き車流入の抑制を 目的に、 「荷さばきルール」 (34) を 策定した。 これは、 荷捌きの時間帯 ・ 曜日及び荷捌き時の駐 車場所を定めている。 荷捌きの時間帯 ・ 曜日 は、 歩行者が多 い時間帯において、 主に特定路線での荷捌き車の通行を禁 止した。 荷捌き時の駐車場所は、 適用範囲の外縁部に専用 のパーキングメ ーター及び適用範囲内の共同荷捌きスペー ス、 時間貸し駐車場と した。 これらよ り 、 荷捌き車の路上駐 車が抑制された(15)。  以上よ り 、 歩行者中心を推進する路線の歩行者交通量が 多い時間帯にて、 荷捌き車の通行を禁止し、 複数の駐車場 所を整備する こ とで、 配送効率が担保及び荷捌き車の路上 駐車抑制、 歩行環境の改善が期待でき る。 5 . 結論 ・ 今後の展望  本研究の 目的は、 駐車場適正化の事業、 計画内容を整理 し、 駐車場適正化の実態及びウォーカブルシティ実現に向 けた方策を明 らかにする こ とであ り 、 ウォーカブル推進都市 を対象に分析を行った。 5- 1 では 2, 3 章での知見、 5-2 では 4 章で得た知見を踏まえ、 都市規模別に方策を提示する。 5- 1 . 総括  本研究で得られた知見は以下の 4 点である。 ①ウォーカ ブル施策の全体傾向 : 「歩行環境拡幅」 を基本と する歩行者空間の物理的改善施策と、 「ファーニチャーの設 置」 、 「イベン トの開催」 等の滞在 ・ 交流空間を創出する施策 が主流である (2-1 )。 活用制度は、 「まちなかウォーカブル 推進事業」 が最多で、 立地適正化計画に基づく 制度や自治 体独自 の制度も柔軟に併用 される (2-2)。 一方、 駐車場適正 化等の 自動車交通を制御する施策の展開は不十分である。 ②駐車場適正化の実態 : 回答288自治体中22自治体のみで実 施され、 ウォーカブル区域内での 「駐車場法の特例制度」 の 活用は 1 事例に留まる。 多く の自治体は既存の地域ルール ・ 独自 の条例を長期計画と して運用する (3- 1 ) (3-2)。 ③駐車場適正化の機能 : 建物単位の駐車場整備が招く過 剰供給 ・ 出入口乱立等の課題に対し、 地区全体の総量 ・ 配 置を検討する面的な施策と して機能する (3-3)。 課題は、 計 画策定時 (需給バランス、 合意形成) と運用時 (管理 ・ 運営 体制、 効果検証) の 2つに区分される (3-4)。 ④駐車場適正化プロセスの都市規模別差異 : 都心部は民間 事業者の開発や建て替えと連動した計画、 地方都市は既存 の民間駐車場を活用する計画であ り 、 駐車場適正化のプロ セスは、 都市規模において明確に差異化される (4章) 。 5-2 . 結論 ( 1 ) 都心部における駐車場適正化の方策  以下は、 ヒ ア リ ング調査対象の東京都内 6 区及びさいたま 市の事例から導出した方策であ り 、 一定規模以上の開発需 要及び地域ルール等の協議枠組みを前提とする。 他都市 への適用には、 同等の基盤整備が必要である。 方策 1 : 上位計画と連携した駐車場適正化の計画によ り 、 開発に併せ駐車場適正化を検討する仕組みを形成する。 これよ り 、 再開発や建て替えを実施する際に地域ルールを 活用する事業者の増加から、 集約駐車場の確保に繋がる (図 4-①) (4-4) 。  方策2 : 地域貢献策における駐車施設整備及び協力金 納付の割合を調整する。 駅周辺の建物では、 協力金納付の 割合を高く 設定し、 駐車台数減免に努める。 計画区域の外 縁部の建物では、 駐車施設整備の割合を高く 設定し、 集約 駐車場を設ける。 これよ り 、 駅周辺や歩行者中心を推進する 街路への 自動車流入抑制に繋がる (図 4-①、 ②) (4-4) 。  方策3 : 歩行者中心を推進する路線を出入口設置制限を 設けた特定路線と し、 特定路線沿道建物の駐車場を隔地 する。 これよ り 、 自動車流入抑制から歩行者中心の街路空間 の形成に繋がる (図 4-②) (4-3) 。  方策4 : 歩行者中心を推進する範囲に荷捌きの規定を策 定し、 荷捌きの時間帯や駐車場所、 通行範囲を定める。 これ よ り 、 配送効率を担保しつつ、 路上駐車の抑制、 歩行者及び 荷捌き車の輻輳の抑制に繋がる (図 4-①、 ②) (4-4) 。  以上の方策よ り 、 自動車交通は幹線道路へ誘導され、 歩 行者空間及び自動車交通の棲み分けから、 ウォーカブルシ ティ の基盤が形成される。 1 2 3 4 5 6 7 8 9 10 11 12 13 14 15 16 17 18 19 20 21 22 23 24 25 26 27 28 29 30 31 32 33 34 35 36 37 38 39 40 41 42 43 44 45 46 47 48 49 50 51 52 53 54 55 56 57 58 59 60 61 62 63 64 65 66 67 68 69 70 71 72 73 74 75 76 77 78 79 80 81 82 83 84 85 86 87 88 89 90 91 92 93 94 95 96 97 98 99 100
  7. ( 2) 地方都市における駐車場適正化の方策  地方都市においては、 計画策定から経過時間が短く 効果 把握が困難である こ と、 ならびに駐車場事業者との合意形

    成が顕著な課題である こ とから、 本研究では 「方策」 ではな く 以下の 「示唆」 の提示に留める。  1 ) 駐車場整備や出入口の配置に規定及び条件を設けた 計画を策定する。 これよ り 、 計画区域において、 新規駐車場 発生の抑制に繋がる (図 4-③) (4-3) 。  2) 民間駐車場の事業者に対し、 集約駐車場と して運用 する場合、 補助や支援が得られる制度を確立する。 これよ り 、 事業者にメ リ ッ ト を提示し、 既存の民間駐車場を集約先と し た運用に繋がる (図 4-③) (4-4) 。  3) 低未利用駐車場の事業者に対し、 土地利用転換また は利活用を行う 際、 補助や支援が得られる制度を確立する。 これよ り 、 商業用途への転換やイベン ト開催にて、 賑わい創 出及び地域活性化に繋がる (図 4-③) (4-4) 。  以上よ り 、 合意形成の際に、 事業者に対しイ ンセンティ ブ を与える こ とが重要である。 これよ り 、 駐車場集約化や土地 利用の高度化、 地域活性化に寄与する と考える。 1 2 3 4 5 6 7 8 9 10 11 12 13 14 15 16 17 18 19 20 21 22 23 24 25 26 27 28 29 30 31 32 33 図 4. 駐車場適正化の方策 5-3 . 今後の展望  本研究の限界点は 「地域ルール」 が特例制度よ り先行し て創設されたこ とから、 駐車場適正化を早期から実施する 自治体が東京都に偏るこ と、 駐車場適正化の前段となる合 意形成の課題が顕著である こ とから、 地方都市においては 方策の提示に至らず示唆に留まる点である。 また、 駐車場 適正化による効果が顕在化していない自治体が多いこ と、 全国的に駐車場適正化を実施する 自治体が少ないこ とから 定量的なデータ に基づく 分析に迫れていない点である。  今後は、 計画が成熟し効果が顕在化した段階及び事例 数が増加した段階において、 事例分析を行 う こ と で、 本研究 で提示した方策及び示唆の妥当性を検証し、 具体的な ウォーカブルシティ 実現に向けた駐車場適正化の手法を提 示する こ と ができ る と考える。 ①都心部における駐車場適正化の方策 方策1: 関連計画と連携した計画策定 方策2: 地域貢献策の割合の調整 方策3: 特定路線の設定 方策4: 荷捌きに関する規定 事業者との合意形成の円滑化 集約駐車場の確保、整備費用の確保 歩行者空間の確保、自動車流入の抑制 配送効率の担保、路上荷捌きの削減 期待される効果 内容 内容 方策 効果 課題 開発に併せた計画検討の 仕組みの形成 建物毎に駐車施設の整備及び 協力金の納付の割合を調整 ・特定路線の出入口規制 ・沿道建物の隔地推進 時間帯、駐車場所、 通行範囲の制限 地域ルール活用事業者の増加 集約駐車場の確保 自動車流入の抑制 歩行者中心の街路空間の形成 配送効率の担保 路上駐車の抑制 歩行者及び荷捌き車の輻輳抑制 低未利用の駐車場増加 駐車場整備に関する規定 新規駐車場発生の抑制 補助金制度の確立による 合意形成円滑化 土地利用転換による賑わい創出 及び地域の活性化 既存の民間駐車場を 集約駐車場とした運用 集約駐車場の確保 開発(外縁部) 現行法 開発(駅周辺) 既存建築物 附置義務台数 協力金の納付 附置義務台数 地域ルール適用後 附置義務台数 地域貢献分の 整備台数 地域貢献策 ③地方都市における駐車場適正化に向けた示唆 ②都心部における駐車場適正化の空間イメージ 協力金の納付 附置義務台数 地域貢献分の 整備台数 協力金の納付 地域貢献分の整備台数 建物毎に「協力金の納付」 、 「地域貢献分の整備台数」の割合を調整 駅周辺 : > 協力金の納付 地域貢献分の整備台数 外縁部 : < 外縁部の建物では集約駐車場を確保 駅周辺の建物では協力金納付分の床を商業用途等に転換 方策4: 荷捌きに関する規定 時間帯、駐車場所、通行範囲の制限 方策1: 関連計画と連携した計画策定 開発に併せた計画検討の仕組みの形成 方策2: 地域貢献策の割合の調整 建物毎に駐車施設整備及び 協力金納付の割合を調整 駅周辺の建物の駐車場とすべき 床面積を商業用途として活用 方策2の効果 方策3: 特定路線の設定 ・沿道建物の隔地推進 ・特定路線の出入口規制 外縁部に集約駐車場を確保 方策1,2の効果 歩行者空間への自動車流入の抑制 方策2,3,4の効果 凡例 歩行者中心を推進する路線 建物毎の附置義務台数 隔地・集約した駐車台数 駐車場出入口の設置制限 荷捌きに関する規定の適用範囲 隔地・集約 ( 1 ) ( 2 ) ( 3 ) (4 ) ( 5 ) ( 6 ) ( 7 ) ( 8 ) ( 9 ) (10) (11) (12) (13) (14) (15) (16) (17) (18) (19) (20) (21) (22) (23) 国土交通省 「都市の多様性 と イ ノ ベー シ ョ ンの創出 に 関す る 懇談会」 https : // www. ml it. go. jp/toshi/toshi_machi_fr_000004. html (最終閲覧 日 : 2026年 4 月20日) 国土交通省 「ウォーカブルポータルサイ ト」 https://www. mlit. go. jp/to shi/walkable/walkablecity/(最終閲覧 日 : 2026年6 月30日) ウォーカブル推進都市に参画せず、 滞在快適性等向上区域を指定す る 3 自治体を含む 国土交通省 「都市交通施策の あ り 方について議論を ス タ ー ト しま す ! ~第 1 回 都市交通施策 の 再整理 に 関す る 検討会 を 開催~」 https://www. mlit. go. jp/ report/press/toshi09_hh_000129. html (最終閲覧 日 : 2026年4月20日) 国 土交通省都市局 ま ち づ く り 推進課都市計画課街路交通施設課 「 ま ち づ く り と 連携 し た駐車場施策 ガイ ド ラ イ ン(第 2 版) 」 https://www. mlit. go. jp/toshi/ content/001601897. pdf(最終閲覧 日 : 2026年 1 月19日) 国土交通省 「官民連携ま ちづ く り の進め方 都市再生特別措置法に基づ く 制 度の活用手引 き 」 https : //www. ml it. go. jp/toshi/pdf/tebiki/R60510 手引 き本編 . pdf (最終閲覧 日 : 2026年 1 月 19日) 国土交通省都市局まちづく り推進課都市計画課街路交通施設課 「持 続可能なまちづく り と都市交通の実現に向けた 駐車場マネジメ ン ト の推進のためのガイ ドライ ン」 https://www. mlit. go. jp/toshi/content/ 001890534. pdf(最終閲覧 日 : 2026年 1 月19日) アンケー ト調査で得た288自治体(293件)の回答をも と に筆者作成 山形市 (2026年 1 月 7 日) へのヒ ア リ ング調査よ り さいたま市 (2026年 1 月 5 日) へのヒ ア リ ング調査よ り 千代田区 (2026年3 月17日) へのヒ ア リ ング調査よ り 港区 (2026年3 月23日) へのヒ ア リ ング調査よ り 新宿区 (2026年 1 月 7 日) へのヒ ア リ ング調査よ り 渋谷区 (2026年 1 月 9 日) へのヒ ア リ ング調査よ り 豊島区 (2026年 1 月 5 日) へのヒ ア リ ング調査よ り 中野区 (2026年 1 月 9 日) へのヒ ア リ ング調査よ り 熊本市 (2026年 1 月 8 日) へのヒ ア リ ング調査よ り 山形市(2023) 「 山形市ま ち な か駐車場適正化計画」 https : //www. city. yamagata- yamagata. lg. jp/_res/projects/default_project/_page_/001/012/986/honpen. pdf (最終閲覧 日 : 2026年1月24日) さいたま市(2023) 「大宮駅周辺地域都市再生駐車施設配置計画」 https : //www. city. saitama. lg. jp/001/010/015/004/007/001/002/p099790_d/fi l/honpe n. pdf (最終閲覧 日 : 2026年1月24日) 千代田区(2020) 「 内神田一丁目周辺地区都市再生駐車施設配置計画」 https : //www. city. chiyoda. lg. jp/documents/19367/uchikandahaichikeikaku_1. pdf (最 終閲覧 日 : 2026年 4 月 8 日 ) 新宿区(2023) 「新宿駅東 口 地区駐車場地域ルール運用 に 関す る マ ニ ュ アル」 https : //www. city. shinjuku. lg. jp/content/000333708. pdf (最終閲覧 日 : 2026年1月 24 日) 新宿区(2025) 「新宿駅西 口 地区駐車場地域ルール運用 に 関す る マ ニ ュ アル」 https : //www. city. shinjuku. lg. jp/content/000228456. pdf (最終閲覧 日 : 2026年1月 24 日) 渋谷地区駐車場地域ルール運営委員会(2023) 「渋谷地区駐車場地域ルー 【補注】 【謝辞】  本研究の調査の実施にあた り 、 アンケー ト調査及びヒ ア リ ング調査に協 力を賜った、 ウォーカブル推進都市に参画する 自治体担当者のみなさまに 対し、 深謝の意を表する。
  8. ル運用マニュアル」 https://files. city. shibuya. tokyo. jp/assets/12995 aba8b194961be709ba879857f70/a2c88a2e9e514b188bb56b6038d9c671/ch iiki_rules_manual. pdf (最終閲覧

    日 : 2026年1月24日) 港区(2025) 「環状 2 号線周辺地区駐車場地域ルール運用マニュアル」 https : //www. city. minato. tokyo. jp/documents/94715/20250530142244. pdf (最 終閲覧 日 : 2026年 4 月 8 日 ) 港区(2025) 「品川駅北周辺地区駐車場地域ルール運用マニュアル」 https ://www. city. minato. tokyo. jp/documents/116647/20251009142237. pdf (最終閲覧 日 : 2026年 4 月 8 日 ) 港区(2025) 「六本木交差点周辺地区駐車場地域ルール運用マニ ュ アル」 https : //www. city. minato. tokyo. jp/documents/118204/20250530142 449. pdf (最終閲覧 日 : 2026年 4 月 8 日 ) 港区(2025) 「浜松町駅周辺地区駐車場地域ルール運用マニュアル」 https ://www. city. minato. tokyo. jp/documents/118949/20250530142523. pdf (最終閲覧 日 : 2026年 4 月 8 日 ) 港区(2025) 「 田町駅周辺地区駐車場地域ルール運用マニュアル」 https : //www. city. minato. tokyo. jp/documents/172286/20251118170314. pdf (最 終閲覧 日 : 2026年 4 月 8 日 ) 渋谷区(2021) 「代々木地区駐車場地域ルール運用マニュアル」 https : //files. city. shibuya. tokyo. jp/assets/12995aba8b194961be709ba87985 7f70/7d07ad789ece40eab05ad3ad6f5220dc/assets_kankyo_000059004. pdf (最終閲覧 日 : 2026年1月 24 日 ) 豊島区(2025) 「池 袋地区 駐 車 場 地 域 ルール 運 用マニュアル」 https : //www. city. toshima. lg. jp/documents/39868/chiikirurumanyuaru. pdf (最終閲覧 日 : 2026年1月 24 日 ) 豊島区(2025) 「池袋地区駐車 ・ まちづく り マネジメ ン トガイ ドデザイ ン」 https : //www. city. toshima. lg. jp/documents/44273/chikumanegaidorain_ho npen. pdf (最終閲覧 日 : 2026年1月 24 日 ) 中野区(2025) 「 中野駅周辺地区駐車場地域ルール運用指針 Ver. 2 」 https : //www. city. tokyo-nakano. lg. jp/machizukuri/machizukuri/nakanoek isyuhen/sonohoka/0237009320240619092235259. files/guidelines. pdf ( 最 終閲覧 日 : 2026年1月 24 日 ) 熊 本 市(2023) 「熊 本 市 まちな か 駐 車 場 適 正 化 計 画 【本 編】 」 https : //www. city. kumamoto. jp/kiji00332036/5_32036_294060_up_XDHXJH4 7. pdf (最終閲覧 日 : 2026年1月 24 日 ) 南北区道周辺荷捌きルール策定協議会(2020) 「南北区道周辺荷捌き ルール」 https : //www. city. toshima. lg. jp/documents/32311/nisabakiru le. pdf (最終閲覧 日 : 2026年1月 24 日 ) 補注(8-32)、 参考文献16)の記載内容をも と に筆者作成 ジ ェ フ ・ ス ペ ッ ク (2022) 「 ウ ォ ーカ ブルシテ ィ 入門 」 , 学芸 出版社, 松浦健治郎訳 荒木望 「歩 き やすい街、 官民でつ く る 」 , 日 経 グ ロ ーカ ル, 2024年, 第493号, pp. 6-19 Carolina Duarte Gonçalves Ramos, João Mourato, David Sousa Vale (2026) , Uncovering walkability : a chronological literature review, Transport Reviews, Vol. 46, No. 1 , pp. 109-130 Forsyth. A(2015) , What is a Walkable Place? The Walkability Debate in Urban Design, URBAN DESIGN International, Vol. 20, pp. 274-292 森本あんな,薄井ま どか,泉山塁威,宇於﨑勝也(2022) 「 ウ ォーカ ブル推進 に向 けた計画 ・ 事業及び指標に関する傾向-ま ち なかウ ォーカ ブル区域指 定の53自 治体の分析を通 じて-」 , 日 本都市計画学会都市計画論文集,第 57巻, 3 号, pp. 606-613 森本あんな,染矢嵩文,飛田龍佑,川尻雄貴,泉山塁威 (2023) 「国内のま ち なかウ ォーカ ブル推進プロ グラ ム におけ る実施事業及び活用制度の速報 的傾向-滞在快適性等向上区域指定の53自 治体を対象 と して-」 , 日 本都 市計画学会都市計画報告集,第21巻, 4 号, pp. 492-497 金銀英,野原卓,黒川春香(2024) 「 ウ ォーカ ブルなま ちづ く り 推進時におけ る 目 標及び 目 的設定のあ り 方に関する研究- 「 ウ ォーカ ブル推進都市」 にお け る ア ンケー ト調査を対象 と して-」 ,日 本都市計画学会都市計画論文集, 第59巻, 3 号, pp. 1012-1019 伊藤佑亮,高山宇宙,森本章倫 (2021) 「Walkabilityの概念整理 と 日 本での 適用 に向けた課題に関する研究 - 歩行行動の欲求段階モデルを用いた 高 田馬場駅周辺街路におけ る ケース ス タディ-」 ,日 本都市計画学会都市 計画論文集,第56巻, 3 号, pp. 811-818 溝上章志,古賀逸人,劉強(2024) 「時間貸 しを対象 と した駐車場の適正配 置 と 容量設定のための設計手法の提案 と 熊本市都心部への適用」 , 日 本都 市計画学会都市計画論文集,第59巻 1 号, pp. 17-26 塩原碩茂 ,村木美貴(2019) 「市街地更新を考慮 した駐車場整備に関する 研究 - 東京都心部の附置義務駐車場に着 目 して -」 , 日 本都市計画学会 (24) (25) (26) (27) (28) (29) (30) (31) (32) (33) (34) (35) 1 ) 2) 3) 4) 5) 6 ) 7) 8) 9) 10) 【参考文献】 都市計画論文集,第54巻, 3 号, pp. 1410-1417 米田真由,幕田早紀,豊川斎赫 (2024) 「地域ルールを活用 した大規模開発 での駐車場施設整備に関する研究 - 東京都の都市再生特別地区を対象 と して-」 , 日 本建築学会計画系論文集,第89巻, 825号, pp. 2135-2146 加藤千恵子 ,藤賀雅人 (2021) 「東京都におけ る 附置義務駐車場低減に向 けた地域ルールの運用実態 と 課題」 , 日 本建築学会技術報告集,第27巻, 65号, pp. 424-428 宇於﨑勝也 ,泉山塁威(2024) 「駐車場の地域ルールの運用実態 と 課題に 関する研究-東京都の業務地区の事例分析か ら-」 , 日 本都市計画学会都 市計画論文集,第59巻, 1 号, pp. 36-42 宇於﨑勝也(2025) 「駐車場の地域ルールの運用実態 と 課題に関する研究 その 2-東京都港区におけ る 4 地区の事例分析か ら-」 , 日 本都市計画学会 都市計画報告集,第24巻, 5 号, pp. 42-47 泉山塁威,川尻雄貴,橘奏絵,染矢嵩文,深津壮,長谷川千紘, 小原拓磨 (2023) 「 ウォーカ ブルシテ ィ に向けた 「駐車場法の特例制度」 関連 3 制度の 特徴 と 課題」 , 日 本都市計画学会都市計画報告集,第22巻, 1号, pp. 139-145 高 田邦道, 大手町 ・ 丸の 内 ・ 有楽町地区駐車環境対策委員会 (2024) 「駐車施 策か ら みたま ちづ く り Ⅱ -地域ルール ・ 大丸有モデルの成果」 ,成山堂書店 11) 12) 13) 14) 15) 16)