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自社サービスのアクセシビリティ向上、良いパターンとアンチパターン

Rikiya Ihara
May 19, 2022
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 自社サービスのアクセシビリティ向上、良いパターンとアンチパターン

Rikiya Ihara

May 19, 2022
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Transcript

  1. 書籍出版以降のわたし
 • 主に自社サービス提供会社において、アクセシビリティ向上活動
 • 本業のfreeeで4年半、ここ2年ぐらいではnote、Ubie、STUDIO、
 東京都新型コロナ対策サイトのお手伝い
 6
 
 領域
 プロダクト数


    従業員数
 freee
 バックオフィス
 たくさん
 656人(21年6末時点)
 note
 メディア
 少ない
 163人(22年5月時点)
 Ubie
 医療
 そこそこ
 114人(21年4月時点)
 STUDIO
 デザインツール
 ひとつ
 21人
 東京都新型コロナ
 情報提供
 1サイト
 協力者多数

  2. 🥳良いパターンのまとめ
 1. オーナーを明示し、信頼できる仲間に声がけする
 2. 仲間と共に、座学だけじゃなく体験を積む
 3. 製品のコアを定義し、着手箇所を絞る
 4. 観点ごとに分担してチェックする
 5.

    社外PRを念頭に、改修観点を絞る
 6. ユーザーの操作の様子をみんなで見る
 7. 公式感あるところで社外向けに発信する
 8. 研修動画+振り返り教材で輪を広げる
 9. 別チームとも密に伴走する・切り出す
 10. 小さな勝利を積んだあとに仕組み化する
 9

  3. 🥳仲間と共に、座学だけじゃなく体験を積む
 
 
 • イベントを一緒にやったほうが、心に残ってモチベにつながる
 ◦ いっしょにセミナー受ける
 ◦ イベントや展示会にみんなで行く
 ◦

    freeeの研修動画をいっしょに見る、トレーニングページを触る
 ◦ OSのアクセシビリティ設定やスクリーンリーダーをみんなで触ってみる
 ◦ いまの微妙っぽい箇所を一緒にちょっと直してみる
 17

  4. 🥳製品のコアを定義し、着手箇所を絞る
 
 
 • チェックするのも改善するのも、稼働は発生する
 • プロダクトのコア部分、つまり「ここが使えないと
 この製品としては意味がないというレベルの部分」は案外少ない
 • 合理的に使える人を増やし、フィードバックを得ていくには、


    ユーザーインパクトが出やすい箇所から取り組むのがよい
 • どの提供形態の、どの機能単位(画面)を改善対象にするかを、
 リストアップして絞り込んでいく
 ◦ freeeの例(動画解説)、noteの例
 24

  5. 😈全部の達成基準を、手本なしでチェックする
 • さまざまなチェックを一気にやるのは大変、挫折の要因になる
 • 手本なしだと、やり方があっているのかわからない
 • お手本動画があるので参考にして進めましょう
 ◦ 春だ!既存プロダクトのWebアクセシビリティ改善ことはじめ
 ◦

    もしあなたが『アクセシビリティ試験』をやることになったら
 ◦ 続・もしあなたが『アクセシビリティ試験』をやることになったら
 • ここでも、詳しい人に声を掛けて監修してもらうのはアリ!
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  6. 🥳社外PRを念頭に、改修観点を絞る
 
 
 • 「ある機能が、特定の観点でアクセシブルになった」
 というのが、お知らせやプレスリリースを打ちやすい単位
 ◦ freee が「人事労務freee」のモバイルアプリをリリース (スクリーンリーダー対応)

    
 ◦ 人事労務freee、年末調整をスクリーンリーダーで利用可能 
 ◦ アクセシビリティ強化の一環で、 
 スクリーンリーダーによる読み上げのカイゼンを行いました 
 ◦ VoiceOver、Dynamic Typeなど、 
 iOSアプリのアクセシビリティ機能の強化を行いました 
 ◦ STUDIOサイトのアクセシビリティ強化のお知らせ | STUDIO Blog (Outline改善)
 ◦ STUDIOで登場した、アクセシビリティ向上に役立つ3つの新機能をご紹介! 
 34

  7. 🥳補足:取り組む理由を言語化して毎回記載する
 
 
 • 社外発信するときは毎回冒頭や末尾で言う必要がある
 • 推進活動を実施している知人はみんなこれをパッと答えられる
 • 会社のミッション・ビジョンに接続するのが良い
 ◦

    freeeの例:だれもが自由に経営できる統合型経営プラットフォーム
 ▪ 統合型経営プラットフォームはみんなで使うもの。
 だれもが自由に自然体で使えるプロダクトを作っていきたい
 49

  8. 🥳研修動画+振り返り教材で輪を広げる
 
 
 • 小さな勝利の発信で興味が作れたら、それを皮切りに輪を広げていく
 • 取っ掛かりとしてfreeeの新入社員研修動画がオススメ
 • 「自社で実際に起きていた事例」を教材にすると非常に説得力がある
 ◦

    noteの虚空ボタンを顕現させる社内勉強会を開催しました
 ◦ ユビーAI受診相談でほんとうに起きていた怖い話
 ◦ freeeの「やってしまいがちな課題」を網羅した「赤本」
 54

  9. 🥳別チームとも密に伴走する・切り出す
 
 
 • 「やってみたい!」というチームが出たら、
 アクセシビリティチーム発足時と同じように、
 いっしょに体験し、いっしょにチェックして、と伴走する
 • 「手伝いたい!」な感じあれば、以下のような切り出し方もアリ
 ◦

    160個あったアクセシビリティのエラーをエンジニア全員で改善しました 
 ◦ 【社内イベントレポート】STUDIO年末大掃除イベント2021 | STUDIO Blog 
 ◦ サマーインターン生がアクセシビリティの改善に取り組んだお話 
 - freee Developers Blog
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  10. 😈熱量が上がる前に別チームに対応を任せる
 
 
 • 2020年、freeeのアクセシビリティを振り返る
 ◦ 腕力の限界と停滞
 ◦ 伴走したけど、密着ではなかった。結果、進捗はわずかだった
 ◦

    どこか「社内的に盛り上がって来たから、きっとやってくれるだろう」と思ってい る自分がいた
 ◦ アクセシビリティが「外からきた、あと付けの、特別なもの」
 であるうちは、一定以上は改善が進行しない
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  11. 🥳小さな勝利を積んだあとに仕組み化する
 
 
 • 独自ガイドライン、チェックリスト、自動チェッカー、
 デザインシステムといった仕組み化は、タイミングが大事
 • それらが使われるのは、組織としてのアクセシビリティに対する
 熱量が上がってきてからになるため
 •

    ガイドラインやチェックリストは既存のものを使ったほうが合理的
 ◦ freee 社のアクセシビリティガイドラインとチェックリストを
 丸ごと導入した - hey Product Blog
 ◦ 夏だ!3社のアクセシビリティー取り組み事例から考える傾向と対策
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  12. 🥳良いパターンのまとめ
 1. オーナーを明示し、信頼できる仲間に声がけする
 2. 仲間と共に、座学だけじゃなく体験を積む
 3. 製品のコアを定義し、着手箇所を絞る
 4. 観点ごとに分担してチェックする
 5.

    社外PRを念頭に、改修観点を絞る
 6. ユーザーの操作の様子をみんなで見る
 7. 公式感あるところで社外向けに発信する
 8. 研修動画+振り返り教材で輪を広げる
 9. 別チームとも密に伴走する・切り出す
 10. 小さな勝利を積んだあとに仕組み化する
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