Upgrade to Pro — share decks privately, control downloads, hide ads and more …

ユーザー企業とパートナー企業のあるべき関係性

Avatar for Masayuki Aoyagi Masayuki Aoyagi
September 27, 2024
27

 ユーザー企業とパートナー企業のあるべき関係性

Jagu'e'r 第2回総会 LT資料
https://jaguer.jp/2nd_meeting/

クラウドベンダーの社員として、また、そのパートナー企業としてユーザーを支援した経験から、これらの理想的な関係について述べています。

1.仮想ユーザー企業
2.仮想ユーザー企業を生んだ制約
3.制約を超える
4.まとめ–ユーザー企業とパートナー企業のあるべき関係性

Avatar for Masayuki Aoyagi

Masayuki Aoyagi

September 27, 2024
Tweet

Transcript

  1. Copyright © 2021 Accenture. All rights reserved. 2 Agenda 1.

    仮想ユーザー企業 2. 仮想ユーザー企業を生んだ制約 3. 制約を超える 4. まとめ –ユーザー企業とパートナー企業のあるべき関係性
  2. Copyright © 2021 Accenture. All rights reserved. 3 仮想ユーザー企業 クラウドベンダーを含むパートナーとの協業に成功して成果を出していると思われる企業の特徴を集めたもの

    を以下の仮想ユーザー企業と定義します。彼らは以下のようなスパイラルをパートナー企業と作っていました。 そして、成功の要因は「制約」でした。 会社に興味を持った人達の応募 社内のクラウド人材の 増加 ビジネス部門とIT部門の密接な 連携とクラウド利用部門の増加 外部発信 クラウドを使ったビジネスの成果 仮想ユーザー企業 内製化の進展 Goal クラウドでビジネス成果を出すサンプルサイクル
  3. Copyright © 2021 Accenture. All rights reserved. 4 パートナー企業が会社に訪問してくれない 仮想ユーザー企業を生んだ制約

    この企業は三大都市圏から離れた場所にあります。クラウドに関わるパートナーの多くは三大都市圏の中で も東京にリソースが多く、なかなか訪問をしてくれません。※リモートワークが発達した今は問題は大きくない です。 東京のパートナー 仮想ユーザー企業 会う頻度は低くなる
  4. Copyright © 2021 Accenture. All rights reserved. 5 IT部門に人がいない、技術者の採用も厳しい 仮想ユーザー企業を生んだ制約

    既存システムの運用に多くの工数が割かれています。 リソースも不足しており、ビジネス部門とは具体的なク ラウド案件に進むためのディスカッションを行う工数が割けません。 ビジネス部門のITチーム 外部SIer 情報子会社 外部SIer ビジネス部門 IT部門 情報子会社 • 製品毎にビジネス部門がある。 • レガシーな技術に強いがクラウドの知見はなし。 • 既存システムの運用でリソースが埋まる • 新しい技術を学ぶ時間がない • IT部門との間に壁がある。 • クラウドで何かが出来そうだと 感じている。 • 現行オンプレシステムの運用保守がメイン
  5. Copyright © 2021 Accenture. All rights reserved. 6 技術をパートナーに頼りすぎず自習文化を築く 制約を超える

    過度のパートナー依存はコスト増加を招き、受け身の社員を増やします。その結果、自ら学ぶ能力を劣化 させます。仮想ユーザー企業では、めったにパートナー企業に来てもらえないという制約から、ポイントを絞っ たレベルの高い支援のみしてもらい、自習をする文化を生みだしました。 ※最終的に内製化を目指すな らば、自習の文化は必須。少な くともパートナー社員が行ってい る技術訓練は実施しなければ ならない。 パートナーの 手厚い支援 基本は自習 ⚫ 自走できる能力が退化 ⚫ 新技術はパートナーから学 ぶのが当たり前 ⚫ まずは自分で手を動かす ⚫ 最新の技術は自分たちで学ぶ • ドキュメントを読む • OnAirを見る • Qwiklabsをする • 資格を取る パートナーには より高いレベル の支援を求める
  6. Copyright © 2021 Accenture. All rights reserved. 7 会社に興味を持った人達の応募 社内のクラウド人材の

    増加 ビジネス部門とIT部門の密接な 連携とクラウド利用部門の増加 外部発信 クラウドを使ったビジネスの成果 仮想ユーザー企業 内製化の進展 パートナー ユーザー企業で基本的な学習は行うので、 基本的なレベルで手厚い支援はしない。ポ イントを絞った高いレベルの支援のみを行う。 Goal 社員が取得した資格数を組織の技術力の具体 的な指標としているケースもある。
  7. Copyright © 2021 Accenture. All rights reserved. 8 IT部門の役割を変化させる 制約を超える

    IT部門とパートナーで共同で積極的に情報をビジネス部門に発信したり、ビジネス部門とクラウド導入に関 わるディスカッション、事例共有を行うワークショップを実施します。 IT部門 パートナー IT部門 パートナー ビジネス部門 ビジネス部門 ビジネス部門 ヒアリング 相談 情報インプット ビジネス部門 • 新技術の紹介とワークショップ • 事例の収集と展開 引き合いのあるビジネス部 門と個別にクラウド導入の 検討 ワークショップ形式 では、パートナーは 限られた時間でも 関与可能 リソース不足でIT 部門がボトルネッ クになっている可 能性 • クラウドベンダーや クラウド知見のあるSIer
  8. Copyright © 2021 Accenture. All rights reserved. 9 会社に興味を持った人達の応募 社内のクラウド人材の

    増加 ビジネス部門とIT部門の密接な 連携とクラウド利用部門の増加 外部発信 クラウドを使ったビジネスの成果 仮想ユーザー企業 内製化の進展 パートナー IT部門、ビジネス部門、パートナ ーが一緒にクラウド導入を考える。 必要に応じて個別プロジェクトの支援 Goal
  9. Copyright © 2021 Accenture. All rights reserved. 10 手を動かす現場の人が外部発信 制約を超える

    実際に手を動かしてシステムを構築したら、事例として外部に公開します。クラウドベンダーの事例になると、 全国的に注目度が上がります。パートナーと一緒に登壇してもいいでしょう。クラウドに携わりたい求職者 は、転職候補企業+クラウドというキーワードでその企業を調査します。 プロジェクトチーム ⚫ 事例化できるプロジェクトは先進的なため、プロジェクトメンバーも モチベーションが向上 ⚫ 登壇する社員のモチベーションが向上 ⚫ 後に続きたい社員が出てきて、クラウドに携わりたい人が増加 ⚫ 事例の発表による先進的な企業のイメージが広まり採用に有利 ⚫ 上位マネジメントではなく、実際に手を動かした人が外部発信。 求職者もイメージがわきやすい
  10. Copyright © 2021 Accenture. All rights reserved. 11 会社に興味を持った人達の応募 社内のクラウド人材の

    増加 ビジネス部門とIT部門の密接な 連携とクラウド利用部門の増加 外部発信 クラウドを使ったビジネスの成果 仮想ユーザー企業 内製化の進展 パートナー 一緒に外部発信も可能 Goal
  11. Copyright © 2021 Accenture. All rights reserved. 12 まとめ –ユーザー企業とパートナー企業のあるべき関係性

    ◼ クラウドの技術者を獲得し、ビジネスの成果を得るには一連のサイクルがある。 ◼ 制約がそれらのサイクルを後押しする。パートナーとそれらの制約を超えるが、何でも パートナーに依存しない。 ◼ 外部発信は非常に重要。プロジェクトの開始判断する際に事例化できるレベルか を視野に入れるのもよい。