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運用3年のタップル誕生でJavaからKotlin移行した話

mukky620
October 03, 2017

 運用3年のタップル誕生でJavaからKotlin移行した話

2017/10/02 CA.apk #4 資料

mukky620

October 03, 2017
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Transcript

  1. 運用3年のタップル誕生でJava
    からKotlin移行した話
    2017/10/02 CA.apk #4
    1
    向中野 亘
    mukky620

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  2. ● 向中野 亘 (むっきー)
    ● ServerSide Engineer

    Android Engineer
    2
    自己紹介

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  3. 1. JavaからKotlinへの移行理由
    2. 移行の前にチーム内で行なった事
    3. 移行で悩み・苦労した点
    4. まとめ
    3
    Agenda

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  4. なぜJavaからKotlinに移行??
    4

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  5. 1. Android開発言語としての正式言語サポート
    2. モダンな言語仕様
    3. Javaとの互換性・相互運用性
    4. 社内のプロダクトでの開発事例・移行の兆し
    5. アーキテクチャ改善と合わせて
    6. Javaエンジニアなら習得コスト軽
    5
    移行理由

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  6. Kotlinが書きたいという
    モチベーション!
    6

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  7. まず、移行始める前に行なった事
    7

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  8. ● 内容
    ○ Kotlin Koans(全42問)を4週くらいに分けて各自解いてくる。
    (https://try.kotlinlang.org)
    ○ 当日答え合わせして経験者からの補足と別解、プロダクト
    での実践的な事例等々の解説をもらう。
    8
    週1でのKotlin勉強会の開催

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  9. 9

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  10. 10
    勉強会の良かった点
    ● 自習でつまづいたところを直接聞く事で体系的に学べるので
    理解が早い。
    ○ プロダクト内での事例を交えたりするのが良い。
    ● ただ話を聞くより自分なりに考えて問題を解いてくるという事が
    身になる。

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  11. 11
    勉強会の悪かった点
    ● 問題文が全て英語なので読み取りづらい部分があった。
    ○ 完全に自分の英語力の問題…

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  12. 12
    その他
    ● Kotlin入門までの助走読本
    (https://drive.google.com/file/d/0Bylpznm149-gTGRjOFRkW
    m9PODg/view)
    ● Kotlin Blog(https://blog.jetbrains.com/kotlin/)
    ● Kotlinアドベントカレンダー
    ● FRESH!のソースを参考に。

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  13. あとはもう書いて覚えようという感じで
    Kotlin移行始めました!
    13

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  14. ● チームメンバー4人(経験者1人、未経験3人)
    ○ 経験者はチームに1人は必要だと思う
    ● 施策開発は止められないのでKotlin移行は平行で行う
    ● プロダクトへすぐ導入
    ○ ユーザー影響少なそうな画面(Activity/Fragment)から移行
    14
    タップルでのKotlin移行の進め方

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  15. ● レビュアーアサインについては経験者1人は必須で3人で見
    る。
    ○ 経験者は基本的にKotlinらしい書き方という面に特化して
    レビューしてもらう。
    ○ 仕様面のレビューに関しては経験者以外の他のメンバー
    で見る。
    15
    タップルでのKotlin移行の進め方

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  16. この体制で最初のうちは
    ガンガン進めていたのですが…
    16

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  17. 進めてるうちに
    悩んだり・苦労した事がちらほら…
    17

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  18. なので今回はそのあたりを
    抜粋して紹介したいと思います
    18

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  19. 悩み・苦労した点
    19

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  20. 施策開発と平行で進めるの辛い…

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  21. ● 施策開発優先なのでKotlin移行だけの専任ラインは作れず、
    途中から思うように進捗が芳しくない感じに…
    ● Kotlin化のプルリクをmasterマージしたけど、施策開発のみリ
    リースしたいためrevertやタグ切り戻し発生…
    ● 施策開発のプルリク優先しているため、Kotlin化のプルリクが
    溜まり始める…
    21
    施策開発と平行で進める

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  22. NonNullかNullableか
    分からなくて辛い…

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  23. ● 昔のJavaソースに特に多いがNonNull、Nullableアノテーション
    ついてない…
    ● 正しいAPI仕様書がなく、APIのレスポンスパラメータが必ず
    入ってくるものなのかどうかが分からなくて辛い…
    ○ ちなみにparserはGson使っている
    23
    NonNullかNullableかが分からない

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  24. タップルの仕組み
    24
    APIレスポンス周りなぜ辛いのか?
    Entity
    (レスポンスを格納す
    るObject)
    Dto
    (表示等で使いやす
    いようにEntityを
    ConvertしたObject)
    Server
    API通信
    Converter
    (Dtoへの変換処
    理)

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  25. タップルの仕組み
    25
    APIレスポンス周りなぜ辛いのか?
    Entity
    (レスポンスを格納す
    るObject)
    Dto
    (表示等で使いやす
    いようにEntityを
    ConvertしたObject)
    Server
    API通信
    Converter
    (Dtoへの変換処
    理)
    Gsonでparse

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  26. 26
    Entity(Javaソース)
    例えばアイテムによって
    はcaptionが返却されない
    とすると。
    caption以外→NonNull
    caption → Nullable

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  27. タップルの仕組み
    27
    APIレスポンス周りなぜ辛いのか?
    Entity
    (レスポンスを格納す
    るObject)
    Dto
    (表示等で使いやす
    いようにEntityを
    ConvertしたObject)
    Server
    API通信
    Converter
    (Dtoへの変換処
    理)
    EntityをDtoに変換する処理

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  28. 28
    Converter
    shopItemResponseはJavaソースの呼び出しなのでプラットフォーム型になる
    が、caption以外はAPIの仕様上NonNullが保証されているとする。

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  29. 29
    Dto
    この場合、Dto側は全てNonNull
    で定義してしまっているので、
    例えばcaptionが返却されな
    かった場合にNonNull定義の
    captionにnullが代入出来てしま
    い、
    Null安全ではなくなる

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  30. タップルの仕組み
    30
    APIレスポンス周りなぜ辛いのか?
    Entity
    (レスポンスを格納す
    るObject)
    Dto
    (表示等で使いやす
    いようにEntityを
    ConvertしたObject)
    Server
    API通信
    Converter
    (Dtoへの変換処
    理)
    変換後のDtoのフィールドをNonNull定義にすべ
    きかNullable定義にすべきか分からない

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  31. そんなのサーバーの人に確認し
    てもらえば良いんでない??
    31

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  32. ● Kotlin化のためにサーバーの人にAPI毎のレスポンスの確認
    取ってもらうの結構コスト…
    ○ サーバーはNode.jsでレスポンスはjson
    ● API数はAndroidで使ってるだけでも約130〜140くらいある
    …ヒィ。。
    → 絶賛サーバ側でAPI仕様書作るためのツール開発中!
    32
    コストが…

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  33. 書き方の自由度が高過ぎて悩む…
    (ときがある)

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  34. ● この時はこの書き方がベストだという事がないため慣れないう
    ちは迷う事が多々ある…
    ○ 特にJava移行組は余計に迷う
    ○ もっと良い書き方があるんじゃないかと迷いだして時間が
    経つ…
    ○ スコープ関数の使い分けとか自分的に特に迷う…
    34
    書き方の自由度が高い

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  35. 35
    スコープ関数

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  36. 36
    スコープ関数
    apply, run, let, also, with

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  37. ちなみに皆さんちゃんと
    使い分けられてますか??
    37

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  38. 自分はスコープ関数の使い分けが中々理解できず、
    経験者の方から説明していただいた使い分けイメージを
    パクって参考にして使い分けています。
    ※あくまでもイメージなので全て当てはまるわけではないと思いま
    す!
    38
    スコープ関数の使い分け

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  39. ● 意味合い的に適用する場合に使用
    ● よくcreateInstanceとかで使用するイメージ
    ● 基本的に(自身)戻り値を使用する
    ● インスタンスのプロパティが変化する時とかに使

    39
    apply

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  40. ● 同じ戻り値である必要がないまたは同じ戻り値を
    変えたい時に使用
    ● this.func() ○
    ● func(this) X
    的なイメージで使用している。
    40
    run

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  41. ● 同じ戻り値である必要がないまたは同じ戻り値を
    変えたい時に使用
    ● Nullableに対してよく使用
    ● func(it) ○
    ● it.func() X
    的なイメージで使用している。
    41
    let

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  42. ● 自身を返却する
    ● itを使うけどitには変化を与えない
    ● 基本的に戻り値を使用
    ※正直まだ1度も使えてない…
    42
    also

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  43. 最終的にはたろーさんの下記サイト見てます。
    https://qiita.com/ngsw_taro/items/d29e3080d9fc8a38691e
    43
    スコープ関数の使い分け

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  44. うーん…使いこなしたい。。
    44

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  45. 45
    まとめ

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  46. ● JavaからKotlin移行は当初思っていたより大変だった。
    → 特に運用年数長いほど負債が多いからより大変。
    ● 施策開発と平行で進めるのは難しい。
    → 施策と施策の谷間で地道にコツコツやるか、もしくは出来る
    のであれば施策開発止めて集中コミットするのが良いのかも
    しれない。
    46
    まとめ

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  47. ● NonNull、Nullableアノテーション大事!
    → convert前に明示的にしっかりつけるべき。
    ● 書き方の自由度が高いので慣れないうちは迷いがち。
    → 都度相談・議論しながらチーム内で共通認識を持つ事が大
    事。コード規約をしっかり定めるのが良い。
    (スコープ関数も使いこなしたいですね)
    47
    まとめ

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  48. この経験を活かして
    より良いKotlin移行を模索しながら
    引き続き進めていきます!
    48

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  49. ご静聴ありがとうございました!
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