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第24回静岡県理学療法士学会 演題発表
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Naitoyuma
February 10, 2023
Science
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第24回静岡県理学療法士学会 演題発表
小脳梗塞後の平衡機能障害に対する症例発表資料
Naitoyuma
February 10, 2023
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Transcript
くも膜下出血後の前庭機能低下に対し 感覚入力に着目した介入を行い、 自宅退院に至った症例 聖稜リハビリテーション病院 内藤祐馬 本演題に関して、筆頭演者に開示すべき利益相反はありません
はじめに 身体のバランスは視覚・前庭覚・体性感覚の情報をもとに保たれる なかでも前庭系は頭部の動きと位置、頭部に働く慣性力を感知し 眼球運動の調節や平衡維持に関わる。 今回、くも膜出血、正常圧水頭症後にめまい、平衡機能低下を 呈した症例に対し、前庭機能と感覚入力に着目した介入を行い、HOPEで あったサッカー監督復帰を達成したため報告する。
症例紹介 【一般情報】 年齢:60代 性別:男性 【医学的情報】 診断名:くも膜下出血後正常圧水頭症 既往歴:左小脳梗塞(10年前) 神経初見なし 【社会的情報】 仕事内容:事務 サッカー少年団監督
初期評価1 【病棟生活】 移動:歩行器歩行軽介助 ADL:見守り~一部介助 【主観的評価】 問診:めまいを引き起こす動作の特徴 ・頭部の位置変化、回転、素早い動き ・追視、視界の変化 VAS:安静時10㎜/100㎜ 動作時65㎜/100㎜ 【眼振】 認められない(裸眼) 【協調性検査】 踵膝試験・向脛巧打試験:左側拙劣(軽度)
初期評価2 【バランステスト】 FBS:37/56点 足踏みテスト(閉眼):不可 6m歩行テスト(閉眼):不可 TUG:左20.6秒、右19.9秒 10m歩行:22.5秒、25歩 開眼 閉眼 左右を交互に見る 静止立位
60.0秒以上 18.5秒 60秒以上 閉脚立位 60.0秒以上可能 5.5秒 28.5秒 タンデム姿位 9.8秒 2.1秒 1.0秒以内
目標設定 復職 サッカー監督復帰 自宅からの 交通手段 バス バス・徒歩 活動内容 パソコン業務・接客 他社訪問 など
「子供達とフィールドで プレイできなくても、指導や練 習指示、簡単なパス出しはや りたい…」
問題点 前庭覚 視覚 体性感覚 前庭感覚の不足 残存する感覚情報での代償 視覚・体性感覚の 不足で不安定 平衡機能低下 めまい
前庭覚 視覚 体性感覚 病前の感覚 前庭覚 視覚 体性感覚 不一致 障害後の感覚
問題点 交通機関の利用・仕事・サッカー 転倒リスクが増加する条件が多い 平衡機能・めまいに対する介入
介入内容 ・視覚、体性感覚入力の変化・組み合わせ ・段階的な難易度設定 課題動作の設定 静的 動的 安定 不安定 開眼 閉眼・追視
易 難
介入内容 課題の設定 姿勢条件 • 座位 • 立位 • タンデム姿位 視覚条件
• 開眼 • 閉眼 • 追視(ボールキャッチ) 足底条件 • 平面 • 不整地、斜面 • 柔らかい床面 姿勢条件
介入内容 サッカー練習:パス・ドリブル 視覚 ボール追視・パス相手やコーンの位置確認 前庭覚 ジグザグ歩行・ターンなど 体性感覚 姿勢変化に伴う深部覚、荷重感覚の変化 多くの感覚情報・複合的な動作課題
最終評価1 【病棟生活】 移動:独歩自立 ADL:すべて自立 【主観的評価】 問診:頭部の大きな動きがなければめまいは出現しない VAS:安静時0㎜/100㎜ 動作時20㎜/100㎜
最終評価2 【バランステスト】 FBS:54/56点 足踏みテスト(閉眼):左10㎝、前方12㎝、頭部方向10°偏移 6m歩行テスト(閉眼):左153㎝偏移 TUG:左12.5秒、右10.9秒 10m歩行:13.5秒、19歩 開眼 閉眼 左右を交互に見る 静止立位
60.0秒以上 60.0秒以上 60秒以上 閉脚立位 60.0秒以上 60.0秒以上 60.0秒以上 タンデム姿位 60.0秒以上 34.0秒 60.0秒以上
退院後生活 仕事 サッカー監督 病前の仕事に復帰 時短勤務から開始 交通手段はバスを利用 週2日、サッカー監督に復帰 簡単な練習メニューから参加していく
考察 前庭機能の改善要因 頭部・眼球運動の協調性 視覚の安定 前庭適応 前庭障害後の感覚情報の定着 慣れ
他感覚の代償 視覚・体制感覚と前庭覚の同時刺激 眼振・前庭眼反射の 知識と評価不足 めまいを生じやすい動 作の反復 感覚入力の条件設定