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第21回静岡県理学療法士学会 新人最優秀賞
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Naitoyuma
February 10, 2023
Science
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第21回静岡県理学療法士学会 新人最優秀賞
脳挫傷による前頭葉症状、主に注意障害に対する多重課題介入の症例発表資料
Naitoyuma
February 10, 2023
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Transcript
注意障害に対し二重課題に着目した 介入を行い家庭内役割を再獲得した症例 聖稜リハビリテーション病院リハビリテーション部 内藤祐馬・大木圭介・吉田昂生・栗本由美 key word 家庭内役割 二重課題 注意機能
はじめに 今回、脳挫傷により注意機能の低下を呈 した患者を担当する機会を得た。 注意障害に対し、二つの課題を同時に行 い、注意の転換、分配を促す二重課題動 作に重点を置き介入を進めた。 その結果、目標とした家事動作再開に 至ったためここに紹介する。
症例紹介 【一般情報】 年齢:70歳代前半 性別:女性 【医学的情報】 診断名:脳挫傷(前頭葉) 既往歴:両膝OA(右HTO,左TKA施行) 軽度認知症 【社会的情報】 病前生活:屋内独歩,屋外T-cane自立
既往により外出機会が減少 家族:夫・長男夫婦と5人暮らし 家庭内役割:家事全般
経過・介入 経過月 1ヵ月 2ヶ月 3ヶ月 4か月 5か月 6ヶ月 移動手段 介助量
中間評価 自 立 見 守 り 歩行器 介 助 車椅子 自 立 T-cane 自 立 独歩 中間評価 初期評価 最終評価 二重課題 家事訓練 開始 中間~最終評価までを記載し考察する
中間評価 バランス能力 高次脳機能 BBS:48/56点 FRT:29.5cm MMSE: 23点 TMT-A: 63秒 TMT-B:274秒
家事動作 不可 移動場面での転倒リスクあり 歩行の安定性が低下 障害物への気づきが低下 掃除 洗濯物 食器運び
中間評価 D-TUG 時間:16.7秒 (+4.1秒) 歩数:26歩 (+4歩) D-10m歩行 時間:15.2秒 (+2.8秒) 歩数:27歩
(+4歩) TUG 時間:12.6秒 歩数:22歩 10m歩行 時間:12.4秒 歩数:23歩 歩行評価 暗算課題あり
目標設定 目標:家事動作の再開 屋内の活動が主であった 家庭内役割は家事に限定 病前生活 家族: 「また家事をしてほしい」 本人: 「家の事をやりたい」 HOPE
家事再開に向けた問題点 大 〜家事の遂行〜 小 移動の転倒 リスク 注意機能低下
二重課題の介入 能力に合わせ2つの課題の難易度を調節 工夫 姿勢課題 認知課題 暗算 目印を辿る お盆上のコップ運び すれ違う人の勘定 歩行
方向転換 段差昇降 またぎ動作 内容
家事動作の介入 危険な動作の評価 最低限の指示:道具,手順,方法は本人が考える 出来栄えや作業の効率を要求 工夫 家事動作を練習する 洗濯物をしまう 部屋の掃除,整頓整頓 食器、コップを洗い場に運ぶ 内容
最終評価 バランス能力 高次脳機能 BBS:50/56点 FRT:30.5cm MMSE: 23点 TMT-A: 58秒 TMT-B:260秒
家事動作 自立 掃除 洗濯物 食器運び
最終評価 D-TUG 時間:15.1秒 (+2.4秒) 歩数:21歩 (+2歩) D-10m歩行 時間:12.5秒 (+1.3秒) 歩数:24歩
(+2歩) TUG 時間:12.7秒 歩数:19歩 10m歩行 時間:11.2秒 歩数:22歩 歩行評価 暗算課題あり
考察① • 課題に対してより多くの 注意を払える 注意容量の増加 • 認知課題よりも姿勢保持を 優先して行える 注意分配の改善 •
課題に要する注意量が 少なくなった 動作技能の向上 二重課題の改善
考察② 家事達成のために必要な事を 考えながら姿勢を保持できる 「部屋をきれいにするには・・・」 「食器を安全に運ぶには・・・」 「洗濯物をかたすには・・・」 家事動作の改善 注意機能 ・目標を立てる ・方法を選択
・効率的な実行 移動・家事動作
まとめ・反省 歩行 バランス能力 自宅での家事再開 家事動作 環境の変化により退院後 部分的に家族の介助 入院時の外出訓練 自宅での設定が不足 +環境変化
+注意機能 反省点