Upgrade to Pro
— share decks privately, control downloads, hide ads and more …
Speaker Deck
Features
Speaker Deck
PRO
Sign in
Sign up for free
Search
Search
闇のBashをGoに置き換える技術 / golang.tokyo #11
Search
nashiox
December 11, 2017
Programming
13
6.4k
闇のBashをGoに置き換える技術 / golang.tokyo #11
golang.tokyo #11 の発表資料です。
nashiox
December 11, 2017
Tweet
Share
Other Decks in Programming
See All in Programming
Streamlitで実現できるようになったこと、実現してくれたこと
ayumu_yamaguchi
2
270
バイブコーディング超えてバイブデプロイ〜CloudflareMCPで実現する、未来のアプリケーションデリバリー〜
azukiazusa1
3
780
DMMを支える決済基盤の技術的負債にどう立ち向かうか / Addressing Technical Debt in Payment Infrastructure
yoshiyoshifujii
5
740
DynamoDBは怖くない!〜テーブル設計の勘所とテスト戦略〜
hyamazaki
0
180
Advanced Micro Frontends: Multi Version/ Framework Scenarios
manfredsteyer
PRO
0
140
Go製CLIツールをnpmで配布するには
syumai
2
1.1k
decksh - a little language for decks
ajstarks
4
21k
中級グラフィックス入門~効率的なメッシュレット描画~
projectasura
4
2.4k
CIを整備してメンテナンスを生成AIに任せる
hazumirr
0
510
Bedrock AgentCore ObservabilityによるAIエージェントの運用
licux
8
560
Terraform やるなら公式スタイルガイドを読もう 〜重要項目 10選〜
hiyanger
11
2.8k
TypeScriptでDXを上げろ! Hono編
yusukebe
4
930
Featured
See All Featured
Designing Experiences People Love
moore
142
24k
Creating an realtime collaboration tool: Agile Flush - .NET Oxford
marcduiker
30
2.2k
Connecting the Dots Between Site Speed, User Experience & Your Business [WebExpo 2025]
tammyeverts
8
420
Build your cross-platform service in a week with App Engine
jlugia
231
18k
The Web Performance Landscape in 2024 [PerfNow 2024]
tammyeverts
8
750
How to Create Impact in a Changing Tech Landscape [PerfNow 2023]
tammyeverts
53
2.9k
Scaling GitHub
holman
461
140k
Making Projects Easy
brettharned
117
6.3k
XXLCSS - How to scale CSS and keep your sanity
sugarenia
248
1.3M
Testing 201, or: Great Expectations
jmmastey
45
7.6k
GraphQLとの向き合い方2022年版
quramy
49
14k
Designing Dashboards & Data Visualisations in Web Apps
destraynor
231
53k
Transcript
闇のBashをGoに 置き換える技術 @nashiox 2017/12/11 golang.tokyo #11
@nashiox 水野 拓 (Taku MIZUNO) - インフラエンジニア@リブセンス - オンプレ/クラウドのサーバ構築・運用 -
Go歴 - 約3年 - 最近のGo実装 - Mackerel プラグイン - Packer プラグイン
身の回りにこんなスクリプト ありませんか?
怖くて触れないけどなぜか 動いているBashスクリプト
インフラ運用に携わるとよく見かけます - 運用で利用するシェルスクリプト - 長い間メンテナンスされてない - メンテナーがいるかすらわからない - 読み解ける人がいない -
怖くて触れないけどなぜか動いている - Ex - サーバ構築スクリプト - 便利CLI - バッチスクリプト
リブセンスにもありました
10年を超える運用で積み重なった闇 - なにがどこで行われてるかわからない - けれどなぜか動いてる - それを実行しないと仕事にならない - どこを直せば良いのかすらわからない -
作成者はすでにいない - etc…
10年を超える運用で積み重なった闇 - なにがどこで行われてるかわからない - けれどなぜか動いてる - それを実行しないと仕事にならない - どこを直せば良いのかすらわからない -
作成者はすでにいない - etc… 闇を感じていただけたでしょうか?
気合を入れて直しています
リブセンスの場合 - 積み重なった闇のBash群 - サーバ構築スクリプト - Bash -> Chef ->
Ansible と変遷 - 便利CLI - PythonやGoに置き換え - バッチスクリプト - Goに置き換え
リブセンスの場合 - 積み重なった闇のBash群 - サーバ構築スクリプト - Bash -> Chef ->
Ansible と変遷 - 便利CLI - PythonやGoに置き換え - バッチスクリプト <- 今日はここの話 - Goに置き換え
強敵のバッチスクリプト
その名も開発DB構築スクリプト
こんな動作をします
10 ファイル 2128 行におよぶ Bashスクリプト
※ 事実ではありません
読めるわけがない
スクリプトの動作 - データ加工 - 元データのリストア - 並行で加工処理 - ダンプ -
データ加工後のデータをテーブルごとに並行でダンプ - DBを一度に作れるフルダンプも生成 - インポート - フルダンプからの開発DB生成 - 日次更新が必要なテーブルを並行で部分インポート
他にはこんなことをしています - 失敗した時点から再実行するためのファイルキュー - Bashで書かれたファイルキュー実装 - それを利用したリトライ処理 - GNU parallel
を使った並行実行 - データ加工 - ダンプ - インポート
※ 事実ではありません
読めるわけがない
よしGoに置き換えよう 読めるわけがないと言ったが読むしかない
Goの選定理由 - 並行実行の実装が容易 - Goroutineを使うだけで並行処理の実装が可能 - バッチなのでGoroutineのコストを気にしなくていい - Goの言語仕様のシンプルさ -
実装も利用するのもインフラエンジニア - コードを書くことが本職ではない - 複雑な実装が出来るよりも制約されるほうがいい - go testが言語仕様に組み込まれてるのもよい - IDEが使える - 補完・コードジャンプは重要
リプレースの方針 - いきなり全部Goに置き換えない - 読み解ける範囲、置き換えやすいところから - 難しいところはos/execでのBashの実行を許容 - Goらしさよりもまずは読み解けることを優先 -
置き換え中はBashっぽくなることを許容 - 徐々にGoらしく置き換えていく
ファイルキュー実装(Bash版)
ファイルキュー実装(Go版)
並行実行実装(Bash版)
並行実行実装(Go版)
Bash実行 - パイプ・リダイレクトに対応するためbash -cを使用
Bash実行(ログつき)
最近ハマった - io.MultiReader() は複数Readerの”連結” - stdoutとstderrを時系列順でログに吐きたかった - “連結”なのでstdoutがcloseされてからstderrを書く - stdoutがほとんど出ないコマンドを実行していた
- 実行後30分ほどたってドバっとログが吐かれた
初回リプレースから約9ヶ月 - 動作は順調 - 問題なく動いています - 開発・リプレースも順調 - 現在 v0.0.8
- 読める・手を入れやすくなったため、変更が容易 - 外部コマンドに頼っていた部分もリプレース開始 - ダンプ・インポート部分(mysqldump) - Pure Goで実装してOSSとして出すつもり - (今日に実装間に合わなかった)
まとめ - 闇のBashをGoに置き換えたのは良い選択だった - 読みやすい・書きやすいことは大事 - 無理に全部置き換えようとしないのはもっと大事 - Goroutineのパワーすごい -
1バイナリになるので管理も楽 - 最近自前RPM化もした - メンテナンス出来るって素晴らしい - 動き続けてても放置はダメ - 先々を考えた技術選定も大切