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人工知能に「自己意識」を持たせるためには、何が必要か?

 人工知能に「自己意識」を持たせるためには、何が必要か?

「自己意識」を持った人工知能エージェントを作り出すための条件として、以下の3つの理論が持つ知見を、学際的に融合させる研究が有望である可能性を指摘する内容です。

-1) 深層ニューラルネットワーク・モデル
-2) 量子場脳力学理論(Quantum Brain Dynamics)
-3) 統合情報理論(Integrated Information Theory)

neuromorphic_ai

September 10, 2015
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  1. 「自己意識」 を持って、 自らの身体性に根ざした 概念オントロジー を 「幼児」段階から自発的(内発的)に 自律学習するA.I. マシン を 構築する際に

    必要とおもわれる 『3つの構成契機』 ① マルチ モーダル・ディープ・ラーニング × 【 2つの脳理論(仮説) 】 ② 量子場脳理論(QBD) and ③ 統合情報理論(IIT) + (追加)「概念・価値 オントロジー」
  2. 人工知能研究 2つの目的 1.人間の意識の発生メカニズムを理解する 2.それが実際に人間の意識発生メカニズムであるか否かは問わず、意識をつくろうと 試行錯誤して、内的状態や外から見た振る舞いを観測して試してみる (A) 作り出した意識が人間意識のメカニズムと同じだった場合 =>人間意識の理解 「作ることで、理解する」 (B)

    作り出した意識が人間意識のメカニズムと同じでなかった場合 => (自然界にまだない)「もう1つの知能(意識)」の発明 Deep Learning モデル を用いた 猫や人間の顔 認識 の成功  さらに、視覚以外のマルチな感覚情報 と統合した トータルな物体・感覚観念 な 概念の自動抽出メカニズム の構成論的再現 で、人工知能研究は 目的 をかなえる大きな一歩を踏んだ (目的1については、人間脳内でDeepLearningモデルが起きているかの検証が必要)
  3. 2015年現在人工知能 理解のストーリー立て 【 物体概念・行動-結果概念 (シニフィエ) についてのラベル表現(シニフィアン) 紐付け】 (身体の感覚の「感触」・「手触り」・「心地」に根ざした) 「ことば」 の獲得

    【行動-結果の特徴表現の抽出】 ※ 特徴表現を自分自身で抽出するDeep Learning アルゴリズム あるひとまとまりの 「行動」のつらなりと、 それが招いた 「結果」 の 事例 の経験  特徴表現 の抽出  「ある一連の行動」→「続いて起こる結果」 (因果(行動 -> 結果)観念、(行動)空間感覚、(原因 -> 結果)時間感覚の 獲得) 【マルチモーダル な特徴表現 の獲得】 (身体の感覚の「感触」・「手触り」・「心地」に根ざした) 「物体概念」 の獲得 ※ 松尾 豊 『人工知能は人間を超えるか』(角川Epub選書) p.182 図表25 を土台に、 谷口 忠大きい 『イラストで学ぶ 人工知能概論』(KS情報科学専門書) ほかを参考に作成
  4. 2015年現在人工知能 理解のストーリー立て 【 物体概念・行動-結果概念 (シニフィエ) についてのラベル表現(シニフィアン) 紐付け】 「ことば」 の獲得 ※

    人間がもつ「ことば」とは異なる、マシン自身の「身体」(センサー諸感覚)経験に根ざした (「記号の接地問題」) マシン オリジナル の「単語」 【 マシン 独自 の (人間どうし が 共有する それとはことなる) 】 (マシン自身の「身体」経験に根ざした) 『オントロジー』 (物・出来事・心象事象 の間の意味・価値観念ネットワーク) (2015/09/09 追記 )
  5. 2015年現在の人工知能 の課題 何らかのからだをもった人工知能エージェント が、 身の回りの物体のうち、 (物体概念)「ある特徴表現を帯びた物体」を「これはこれ、あれはあれ」として認識(recognize)したり、 (空間・行動概念、行動―結果概念)「この振る舞いをすると、こういう結果がもたらせるらしい」 を自律的に「認識」する過程は説明できた。 しかし、 エージェントが、そうした「認識」を、自身の「意識」をもって

    「体験」する 過程が説明されていない。 (「ハードなA.I.」) 人間の知的振る舞いと同じ振る舞いを行う 人工知能 をつくる(構成する)ことで、人間の知性の原理を理解する「構成論的アプローチ」 を完遂するためには、 人間の「自己意識」(「わたし」の意識)が、 どこから、どのように 生じてくるか? を含めて、 人工知能エージェント で 再構成 してみせる必要 があるのではないか?
  6. (身体の場所) 幾層に連結されたシナプス (機能) マルチモーダル DeepLearning ※感覚情報から、猫の目・鼻・口といった、 意味をもつまとまり(個々の特徴空間) の自動抽出(意味の生成) (身体の場所) シナプス神経細胞膜近傍の結合水分子の海

    (個々の「コヒーレント領域」) (機能) 「さっき」の記憶 と 想起 => 「さっき」と「いま」との「違い」の認識 => 「ときの流れ」の認識 => 変化(出来事)を体験している「当事者としてのわたし」(自己意識) の発生 (身体の場所) 個々の感覚体感(体験) 情報 が記憶された脳内領域を複雑につなぐ 神経回 路( + 細胞器官 ?) のネットワーク 猫の見た目の輪郭、手触り、温かさ、声、etc の 総体としての「猫」概念 を意識 している 意識の「統合情報量」を、定量的に算出できる意識の尺度を提案 Deep Learning モデル 量子場脳力学 ( Quantum Brain Dynamics ) 統合情報理論 ( Integrated Information Theory ) 2015年の知的状況 知能 と 意識 を扱う 3つの理論 【 人工知能 研究 】 【めざしているゴール 1 】 自然界にある知能 の 再現 (作ることで、理解する) 【めざしているゴール 2 】 まだ自然界にはない新しい知能 の創造 【 脳研究・意識 研究 】 【めざしているゴール 】 ヒト の 持つ自己意識 が脳の中で 生じるメカニズムの解明 受け取った 感覚データ から、世界 と 自分 についての 概念 が 生み出される過程 を説明(仮説) (ⅰ) 物 (物体概念) (ⅱ) 身体運動図式 (身体の使い方の感覚) (ⅲ) 行動の内容と結果 (因果観念) の 自律的な学習 (=特徴空間の抽出) メカニズムについて、 1つの仮説が成り立つことを、構成論的に実証している 「記憶」と「想起」の発生を説明することで、”「時間の流れ」= 「物事の変化」”を体験する”当事者=意識”の発生を捉える理論
  7. Deep Learning が 人間の脳神経学から出発したのに戻り、 AIエージェント研究は、 再び、人間の脳内部で「意識」が発生する過程についての 最新の考察からモデルを学びとることが、 未知のフロンティアといえる状況に立っている 2015年~ 量子場脳力学

    ( Quantum Brain Dynamics ) 「記憶」と「想起」の発生を説明することで、”「時間の変化」= 「物事の変化」”を体験する”当事者=意識”の発生を捉える理論 (身体の場所) 個々の感覚体感(体験) 情報 が記憶された脳内領域を複雑につなぐ 神経回路 ( + 細胞器官 ?) のネットワーク 猫の見た目の輪郭、手触り、温かさ、声、etc の 総体としての「猫」概念 を意識している 意識の「統合情報量」を、定量的に算出できる意識の尺度を提案 統合情報理論 ( Integrated Information Theory )
  8. Deep Learning モデル 量子場脳力学 ( Quantum Brain Dynamics ) 統合情報理論

    ( Integrated Information Theory ) 知能 と 意識 を扱う 3つの理論 【 人工知能 研究 】 【 脳研究・意識 研究 】 Google の 猫 http://philosophy.stackexchange.com/questions/9506 /looking-for-mathematical-models-of-awareness-consciousness-and-unconsciousness (出展) NHK特集 「臨死体験」
  9. 【強み】 物質=「モノ」 の世界から、自己意識=「コト」 が生まれる過程 を説明 ( 仮説 ) 【弱み】 ①

    先行研究が取り扱う感覚刺激は、(調べられた限り) 個別の孤立した感覚刺激 に限られている(模様) ② 総体としての<自己意識> の「量」 を、連続値として定量化 できる尺度 (指標) を提出するに至っていない 【 人工知能アルゴリズム 】 Deep Learning モデル 【 脳理論 】 量子場脳力学 統合情報理論 どの理論も、単独では説明できない部分がある 【強み】 ① 受け取った 個々の感覚データ から、世界 と 自分 に関する 概念 が 生み出される過程 を説明(仮説) ② 「マルチモーダル」 研究: 複数の異なる感覚内容 を 1つのまとまりをもった 総体としての感覚・観念 に組み上げる メカニズム を説明 (構成論的な実証 or 再現) 【弱み】 物質=「モノ」 の世界から、自己意識=「コト」 が生まれる過程 を説明していない 【強み】 ① 意識 の 情報量 = 意識レベル の程度を図る 定量的な尺度を提示 ② 観測機器を用いて、ヒト や 動物 (や 電子機器・ロボットの) 意識量のリアルタイムな変化 を、現実に観測することができる 【弱み】 意識の定量化指標 = 「統合情報量」 数式 は、意識についての状況証 拠(思考実験による仮説) から出発しているため、 物質=「モノ」 の世界から、自己意識=「コト」 が生まれる過程については、 なんら言及していない
  10. 【弱み】 ① 先行研究が取り扱う感覚刺激は、(調べられた限り) 個別の孤立した感覚刺激 に限られている(模様) ② 総体としての<自己意識> の「量」 を、連続値として定量化 できる尺度

    (指標) を提出するに至っていない Deep Learning モデル 量子場脳力学 統合情報理論 人間の意識を解明する上でも、 自然界にまだない「もう1つの知性(意識)」を作る上でも、今日の有力 理論 単独では 解明モデル・発明モデル を構築できない 【弱み】 物質=「モノ」 の世界から、自己意識=「コト」 が生まれる過程 を説明していない 【弱み】 意識の定量化指標 = 「統合情報量」 数式 は、意識についての状況 証拠(思考実験による仮説) から出発しているため、 物質=「モノ」 の世界から、自己意識=「コト」 が生まれる過程について は、なんら言及していない
  11. 【強み】 物質から、自己意識 が生まれる過程 を説明 ( 仮説 ) 【弱み】 ① 先行研究が取り扱う感覚刺激は、

    個別の孤立した感覚刺激 に限られている ② <自己意識> の「量」 を測る定量的な尺度 (指標) を提出するに至っていない 【 人工知能アルゴリズム 】 Deep Learning モデル 【 脳理論 】 量子場脳力学 統合情報理論 3つの理論を連結・接合させる視点が必要 【強み】 ① 個々の感覚データ から、世界 と 自分 の 概念 の生成過程を説明 ② 「マルチモーダル」 研究: 複数の異なる感覚内容 を 1つのまとまりをもった 感覚・観念 に組み上げるメカニズムを説明 【弱み】 物質から、自己意識 が生まれる過程 を説明していない 【強み】 ① 意識 の 程度を図る 定量的な尺度を提示 ② 意識量のリアルタイムな変化 を、現実に観測することができる 【弱み】 物質 の世界から、自己意識 が生まれる過程に関する言及がない 説明 説明 説明 説明
  12. Deep Learning 量子場脳力学 ( Quantum Brain Dynamics ) 統合情報理論 (

    Integrated Information Theory ) 3つの理論を連結させると・・・ 個別の感覚 から、 ① 物体概念 ②行動結果概念 ③身体感覚(観念) で織り上げられる <わたし>と<世界>についての感覚実感を帯びたイメージ を体感している <わたし>という「意識」 の発生メカニズムを 一貫して説明しうるストーリー(仮説)を立てうる可能性が高い
  13. 人工知能 理解のストーリー立て に 意識発生の説明付け を 挿入する 【 物体概念・行動-結果概念 (シニフィエ) についてのラベル表現(シニフィアン)

    紐付け 「ことば」 の獲得 【行動-結果の特徴表現の抽出】 (行動結果概念、因果概念 の 獲得) 【マルチモーダル な特徴表現 の獲得】 (身体の感覚の「感触」・「手触り」・「心地」に根ざした) 「物体概念」 の獲得 【 「記憶」 の獲得  状態・状況の「変化」の認識 】 過ぎゆく 『時間』 の感覚 の体験: 「さっき」の状態 ・状況 から 「いま」の状態・状況 へ 身の回りの『空間』の 広がり・奥行き・距離空間 の 体験:「あちら」から「こちら」へ 【 「時間」の流れ(という)感覚 と 「空間(場所)の広がり」 (という)感覚 を いま・ここで体感している当事者= < わたし > (という)感覚の発生 】 脳内に 記憶 が発生 すると ・・・
  14. 【 量子場脳理論による「記憶」と「想起(思い出し)」 、 そして自己意識発生の説明シナリオ 】 1. 脳の中の無数にある神経細胞膜 の隙間は、水で満たされている。 2. 神経細胞の間を満たす1つ1つの水分子は、分子の方向に関して、「回転対称性」を

    もっている。 3. 神経細胞の中にある神経管からは、電磁波が発生している。 4. 神経細胞の隙間を満たす水分子は、感覚器官から、「ある感覚」を 電磁波として受け 取った神経細胞から、電気的な干渉を受ける。 5. この干渉の結果、水分子は「回転対称性」を失い、水分子の方向(向き)がある一方 向にそろった、電気双極子場を形成する。 6. 上記の神経細胞に、4のときと似たような「ある感覚」が電磁波として運ばれるとき、 電気双極子場は、4と同じように、神経細胞から再度、電磁的な干渉を受ける。 今度 は、すでに形成されていた電気双極子場に、電磁的なエネルギーが与えられて、「南 部・ゴールドストーン量子」が発生する。 7. 「南部・ゴールドストーン量子」は、4で、「ある感覚」を伝える電磁波からの干渉を受け た際に、水分子が失った「回転対称性」を復元しようとする。 8. 上記の「復元」作用により、4の段階で、神経細胞が受け取った(電磁波の形で伝播さ れた)「ある感覚」の情報内容が、再び 生じる(「思い出される」)。 「さっき」の状態 が <<思い出される>> ことで、 「さっき」 と 「いま」の状態 との <<違い>>が、初めて、自覚(意識)される。  この 「さっき」と「いま」の状況の<<違い>>の認識が、 (1)「時の流れ」の認識(体験)、(2)「(出来事が起きている)空間の広がり」の認識(体験)、 (3)上記が体感される(当事者、場、意識空間 としての)<わたし>の体験 につながる
  15. 統合情報理論とは? 意識をもった何かと、意識をもたない何か、を外からみて、見分ける際の チェックポイントについての 思考実験 に立脚する理論仮説です。 (参考) 大泉 匡史 「意識の統合情報理論」 http://www.brain.riken.jp/labs/mns/oizumi/CNS_oizumi_2014.pdf

    『IIT(※統合情報理論)における内的な情報量とは、「システムの現在の状態が、 システムの過去、未来の状態に対して持つ情報」 を定量化したものである。 これはいはば、システムの現在の状態を知った時に、それを引き起こした原因 (過去)は何であり、結果(未来)が何であるかをどれだけ予測できるか、すなわち 現在と過去・未来との因果関係を定量化することに他ならない。 システムが多くの内部状態をもち(様々な状態を取りうる可能性があり)、かつ、 現在から過去、および未来への因果性が強ければ強いほど内的な情報量は 大きくなる』 ( 所収論文誌 Clinical Neuroscience vol.32 no.8 p.907 ) 定量的に算出される「統合情報量」とは、 例えばあるエージェント(認知主体)が、ある対象が何であり(猫であるか?)、次の瞬間にそれがどの位置に移動しているかを、 視覚情報と体温情報の2つの情報から判別していたとするとき、 (※現実には、視覚情報は、視覚センサの縦画素数×横画素数 個次元分の行列データになるが) 視覚情報の個々の画素情報、体温情報の各(体温分布座標の)座標点情報を、互いの脈絡なくバラバラに切り離した情報をもとに、 その対象物の次の瞬間の所在位置を予測する確率分布と、すべての視覚画素情報と体温分布座標情報を、条件付き確率の形式で 互いに脈絡づけられた情報をもとに、次の所在位置を予測した確率分布とを数学的に比較した結果、得られる2つの確率分布間の距離が、 (総体情報を「意識」したことによって生じている)統合情報量と定義される。
  16. 統合情報理論とは? 意識をもった何かと、意識をもたない何か、を外からみて、見分ける際の チェックポイントについての 思考実験 に立脚する理論仮説です。 【公理】 (公理 1) 「意識には情報がある」 (

    Consciousness is informative ) (公理 2) 「意識は統合されている」 ( Consciousness is integrated ) 【公準】 (公準 1) 「意識は排他的である」 ( Consciousness is exclusive ) (公準 2) 「ありとあらゆる要素の組み合わせのうち、意識をもつのは最大の統合情報 量を生み出すものだけである」
  17. 統合情報理論とは? 数理モデル 開発の現状 及び 人間の脳 の実測実験 の現状 (参考) 大泉 匡史

    「温度計に意識はあるか 意識レベルの定量化へ向けた理論と実践」 http://www.brain.riken.jp/labs/mns/oizumi/LiSa_OizumiTsuchiya_2012.pdf 「統合情報量という概念はまだ新しいものであり、今のところその 仮説を直接的に検証するような実験はなされていない。しかし、 IITは多くの研究者を引き付ける理論であり、今後、この仮説の実 験的な検証が意識研究の大きな課題になると考えられる。 ただし、間接的に有力な傍証はすでに存在している。その代表と して、Tononi研究室のポスドクであったMassiminiらの研究がある。 彼らは、ヒトの被験者が眠っているときに起きているときに、 経頭蓋磁気刺激 transcranial magnetic stimulation (TMS) を加え、 それによって生じた脳活動がどのように広がっているかをみた。 すると、眠っているときは、刺激を加えた領野に局所的な脳活動が 生じるものの、活動の持続時間は短く( 100msec程度 )、活動もほ かの領野へと広がっていかない。 それとは対照的に、起きていると きには、脳活動はTMSを加えた領野だけでなく、脳全体に広がって いき、活動も長く持続した ( 300msec程度 )。 この実験結果が示す のは、眠っているときには、起きているときに存在している領野間 の機能的な結合が切れていて、このことによって脳活動が広がら なくなる可能性である。領野間の機能的な結合が切れてしまってい るということは、統合情報量が減少することを示唆するため、IITの 予測、すなわち睡眠時における統合情報量の減少を支持する」 (所収論文誌 LISA vol.19 NO.04 2012-4 p.357)
  18. 統合情報理論とは? 数理モデル 開発の現状 及び 人間の脳 の実測実験 の現状 (参考) 大泉 匡史

    「温度計に意識はあるか 意識レベルの定量化へ向けた理論と実践」 http://www.brain.riken.jp/labs/mns/oizumi/LiSa_OizumiTsuchiya_2012.pdf 『このように、「意識の消失=統合情報量の減少」を強く示唆する研 究は存在していも、統合情報量を測る「意識メーター」を作り、それ で意識レベルを直接的に測る、という研究はこれまでなかった。 というのも、Tononi による IIT のオリジナルの理論は、実際の神経 データに適用することが困難だからである。 その主な理由は、統合 情報量を正確に計算するために必要な計算量が、非常に膨大に なってしまうことにある。数十個の神経細胞からなる単純なシステ ムですら、その統合情報量を測るのに、非常に時間がかかる。そし て、システムのサイズが大きくなるにつれて、統合情報量を測る時 間は指数関数的に上昇する。(右上につづく) (所収論文誌 LISA vol.19 NO.04 2012-4 p.358) 「こういった困難を回避するために、オリジナル理論の近似、そして オリジナルと異なった統合情報量の計算法が必要となってくる。 Barrett と Seth は、このような統合情報量の実践的な計算法を提案した。 筆者らは、彼らが提案した近似法に加えて、オリジナルの方法とは 異なった統合情報量の計算法を提案し、IIT を実際の神経データに適用 した(Oizumi, et al. 2011, ASSC abstract)。 筆者らは、提案した統合情報量の計算法を用いてサルの覚醒時、 そして麻酔時に記録された皮質脳波( electrocorticography (ECoG) ) データの解析を行っている。 これは理化学研究所・脳科学総合研究センターの藤井直敬チームとの 共同研究である。予備的な結果ではあるが、サルの脳表面全体から 128個の電極を用いて記録したECoGをもとに、筆者らが開発した方法で 統合情報量を計算したところ、この指標は、麻酔下において急激に 減少することがわかった(未発表データ)。」
  19. 【 A.I. 研究 と 2つの「意識」発生仮説】 2つの「意識」発生仮説 を、 構成主義的な「意識」体感エージェントの再現実験 を設計(デザイン)するために、 いかにして、

    身体性認知理論の枠組みにおけるDeep Learning による マルチモーダル特徴学習による構成主義的 知性の「再現」の実験枠組み のなかに、組み込むことができるか? 【 考えるべき課題 】
  20. 【 仮説の検証 】 ① 人の脳 の観測事実との照合 ② 構成論的方法における「再現」 仮説理論名 人の脳の観測

    構成論的方法での「再現」 量子場脳力学 (Quantum Brain Dynamics) ? (観測実験は行われた?) (ゼロでない質量の「隠れ光子」=ポラリト ンは観測されたか?) ? 水の電気双極子でなくともよい・・・ 人工的な計算機を構成するのに適当な ハードウェアの物理的基盤(素材)であり、 且つ、「コーティコン場」と「スチュアートン 場」、「南部・ゴールドストーン量子」を生じ 得る 物的環境 でありさえすれば、実験可 能か? 統合情報理論 (Integrated Information Theory) 観測で仮説裏付け有? 人の頭部付近から電磁場を照射して、被 験者(人間)の睡眠時と、覚醒時 の 脳 内で活性化(連結)中の神経ネットワーク を観測したところ、睡眠時は連結ネット ワークの複雑度が過小に、覚醒時は複雑 度大のネットワークが活性していたという 観測事例あり (NHKスペシャル 「臨死体験」) ? 理論上は、 電子回路ボード(基盤)上のCPUの演算回 路のネットワークであっても、その複雑さ が一定の閾値を超えると、「意識」が生じ る可能性を否定できない。 (NHKスペシャル 「臨死体験」) 分析的・観測実証研究 構成主義的研究
  21. 【 仮説の検証 】 ① 人の脳 の観測事実との照合 ② 構成論的方法における「再現」 調べた限りでは、、、 身体をもった

    A.I. エージェント による マルチモーダル特徴抽出 (Deep Learning) 手法による 人間知性 の構成論的 再現 の研究のなかに、 「意識」 発生検証 モデル をどう組み込むかは、まだ描き切れていない
  22. 3つの理論をどう接合するのか? 2.Deep Learning モデル と 量子場脳理論 (1) Deep Learning に

    量子場脳力学(仮説)が取り込まれることで、以下が実験できるか? I. Deep Learning の過程で、抽出される(物体観念や、身体―行動図式(シェーマ)や、行動―結果(因果)観念についての) 『特徴量』は、(多層連結されたNeuronのつながりを構成する)個々の層の Neuron 層に電磁気情報として、生じている II. 上記の、(各層のNeuronのなかで、電磁気の形態で発生している) 各抽象度 段階の『特徴量』は、それら各層レベルの Neuronの周囲に存在する(水分子などの、『何らか』の)「コーティコン場」と「スチュアートン場」、「南部・ゴールドストーン 量子」を生じ得る 物的環境 に、「量子場脳力学」(仮説)が提唱する「記憶」と「想起」の物理的メカニズム(過程)に、物理 現象として取り込まれることで、 記憶され、思い出されるのではないか? (2) さらに、「統合情報理論」 の ネットワーク的 発想 が取り込まれることで、以下が実験でき るか? 「何か」(例:猫) をそれとして同定する(identiry, recognize)するために必要な、複数の「特徴量」を、意識のなかでどう組み上げ るのかについては、量子場脳理論 において、 “1つ1つの個別の(感覚情報の)記憶内容どうしは、細胞骨 などの3つの連絡経路 によって、 互いに連結されうる“ とした説明枠組みを使うことで、解決できないだろうか?
  23. 3つの理論をどう接合するのか? 3.量子場脳理論 と 統合情報理論 量子場脳理論 において、 “1つ1つの個別の(感覚情報の)記憶内容どうしは、細胞骨 などの3つの連絡経路 によって、 互いに連結されうる“

    説明枠組み における 情報連結の様態(構造)は、 統合情報理論が「意識を外側から観測し見分けるための識別 モデル」として提示した公理・公準と、数式ロジック がうまく当てはめられる 様態か、検証が必要。 (統合情報理論が提示する 「意識」有無の外面的識別モデルは、 量子場脳理論が理解する「意識」の描像(姿のイメージ) に当てはめられるか? 理論の適合性 の検証)
  24. Deep Learning 量子場脳力学 ( Quantum Brain Dynamics ) 統合情報理論 (

    Integrated Information Theory ) 3つの理論の連結によって・・・ (ⅰ) Deep Learning と 量子場脳理論 を連結することで、 “個別の感覚 から、 ① 物体概念 ②行動結果概念 ③身体感覚(観念) で織り上げられる <わたし>と<世界>についての感覚実感を帯びたイメージ を体感している <わたし>という「意識」” の発生メカニズムを、 一貫して説明できる(はずだ)。 (ⅱ) そしてさらに、その <わたし>意識の「意識量」は、統合情報理論によって、脳波等の 実測データから、(※数理モデルと 高速なモデル計算実装法の開発を待って)観測対象のも つ意識の度合いを、数値として算出することが可能となる(に違いない)。 理論の接続・橋渡し 定量化
  25. (考察) 「意識」をもつ人工知能エージェントを、 構成論的に「再現」 or 「創出」できた場合の 産業応用面でのインパクトについて 人間が、 ① 空間の広がり、 ②

    時間の流れ、 ③ 場所の情感・雰囲気(居心地) を「生き生きと」感じる様子を、 初めて 「定量的」 にモニタリングできる可能性によって、 A.「公共空間」・「街」・「住まい」(居住空間) 設計、 B. 乗り物の「乗り心地」設計など、 「人間工学」 の理論枠組みを、「脳内状態の観測実データ」に基づいた 「定量的」・「客観的」・「反証・再現可能」で、社会的に説得力のある実証科学の上 に再構築できることがもたらす 社会・文化・経済上のインパクト
  26. 「意識」をもった人工知能を 構成論的に 再現 or 創出 するなかで、 【現状】 哲学的・人文科学的な「人間工学」は、 説明モデルの構築過程や、実データとの照合過程に、ある程度の「思弁性」、「主観性」が残る ↓

    【今後の可能性】 人が体感する 空間・時間・場の情感(雰囲気)の体感メカニズムを説明するモデルの  「数理モデル化」による理論の客観化、定量化  人間脳の MRI etc. による 「観測データ」 と 「数理モデル」 との 統計学的な照合検証による実証研究  「構成論的」モデル(人工知能Agent)のパラメータを操作することによる 数理モデルの自由な検証
  27. その結果、、、  これまでよりも、人間の身体リズム、呼吸のリズムに 負荷なく 浸透する <自然な> 空間設計、場の情感設計、乗り物の乗り心地、電子デバイス のインターフェイス設計、が可能になるかもしれない  【現状】

    建築や空間・街設計における『パターン・ランゲージ』ノウハウ (生活場面 -> ヒトにとって快適な問題解決(生活動線)設計Tips) があるが、「主観的」・「経験値」なTipsだと感じる人が多く、「パターン・ラ ンゲージ」を支持する施主・設計者しか採用しない 【今後】 定量科学・実証科学に裏付けられたTipsに進化させることで、 客観的・科学的なデザイン理論として、社会的な市民権を得て、より多く の生活場面設計の現場に、『パターン・ランゲージTips』に基づいた設計を 取り入れられるかもしれない。 ※ ISOなど、国際標準基準のなかの「人-環境インターフェイス設計」の領域 で、この実証科学化したパターン・ランゲージTipsを売り込んでもよい
  28. Deep Learning モデルは、人間の脳内 で成立しているか? 一杉 裕志 (産業技術総合研究所) 「大脳皮質と Deep Learning」

    第2回 全脳アーキテクチャ勉強会 (2014-01-30) https://staff.aist.go.jp/y-ichisugi/brain-archi/20140131wba.pdf
  29. Deep Learning モデルは、人間の脳内 で成立しているか? 一杉 裕志 (産業技術総合研究所) 「大脳皮質と Deep Learning」

    第2回 全脳アーキテクチャ勉強会 (2014-01-30) https://staff.aist.go.jp/y-ichisugi/brain-archi/20140131wba.pdf ほか、同氏による以下のウェブサイトも参考 「大脳皮質と deep learning の類似点と相違点」 https://staff.aist.go.jp/y-ichisugi/rapid-memo/brain-deep-learning.html
  30. (参考) 強化学習 モデルは、人間の 脳内で成立しているか? 中原裕之 (理化学研究所 脳科学総合研究センター 理論統合脳科学研究チーム) 「脳の計算理論:強化学習と価値に基づく意思決定 」

    BSI ITN Technical Report No 14-01 (RIKEN Brain Science Institute, Lab for Integrated Theoretical Neuroscience) http://www.itn.brain.riken.jp/05_publication/J_technicalreports/14_BSI_ITN_TechReport_No%2014-01
  31. 「記憶」はどうやって生じるのか? ~ 記憶:その物理的基盤 ~ (引用元) 治部 眞里・保江 邦夫 『脳と心の量子論』 (講談社)

    (233ページ) 『私たちの「こころ」は記憶があってはじめて存在するものでしかないというのです。 「こころ」は記憶が新たなる記憶に絶え間なく変わり続ける変化でしかなく、 あたかも蜃気楼のように、何も実体をともなわないものだともいっています。』 (235ページ) 「1960年代から1970年代にかけて、2人の日本人物理学者が場の量子論における 自発的対称性の破れの考えを利用した斬新な記憶の理論を提唱し、 その後の量子場脳理論研究の引き金となりました。 この2人こそが、梅沢博臣博士 と 高橋康博士 なのです。 そこでは、脳細胞のミクロの世界に存在する コーティコン場 と スチュアートン場 という量子場があり、コーティコン場の量子であるコーティコンの凝集体が記憶を 形づくると考えられたのです。」
  32. 「記憶」はどうやって生じるのか? ~ 記憶:その物理的基盤 ~ (引用元) 治部 眞里・保江 邦夫 『脳と心の量子論』 (講談社)

    (236ページ) 「初期の量子場脳理論の枠組では、コーティコン場とスチュアートン場が 脳細胞のミクロの世界でのどんな場に対応するものかは、はっきりしていませんでした。 ・・・ (中略) ・・・ コーティコン場は水の電気双極子場であり、スチュアートン場は電磁場であることを突き 止めました。 」 (237~238ページ) 「外界からの刺激は主に目や耳などの感覚器官から神経細胞に沿ってイオンや原子・ 分子の集団での電気的な分極が伝搬することによって脳細胞のレベルにまで入って くるのですが、その中でも巨大な生体分子を分極させて大きな電気双極子の働きを 生み出すことは重要なポイントです。 なぜなら、このような大きな電気双極子が細胞骨格や細胞膜の近くに形づくられると、 そのすぐ近くの水の電気双極子は大きな電気双極子に同調するような向きにそろい、 水の分子が電気双極子の回転対称性を自発的に破る凝集体となるからです。 ・・・ この凝集体は、・・・物理学の用語では結合水とかダイナミカルな秩序と呼ばれています。 その大きさの限界は、場の量子論のける自発的対称性の破れの考えによって理論から 求めることができ、最大50マイクロメートルとなります。
  33. 「記憶」はどうやって生じるのか? ~ 記憶:その物理的基盤 ~ (引用元) 治部 眞里・保江 邦夫 『脳と心の量子論』 (講談社)

    (239ページ) 「量子場脳理論では、外界からの刺激やそれに対する意識の印象も含めた内的な刺激も、 最終的に細胞骨格や細胞膜の中に作られる大きな電気双極子の形にまで変形された のち、その近くの水の電気双極子の凝集体として安定に維持されると考えるのですが、 これが梅沢博士と高橋康博士による記憶の形成過程に他なりません。 もちろん、記憶の実態である水の電気双極子の凝集体の大きさはさまざまで、 いちばん大きくても50マイクロメートル以下となっています。」 (240ページ) 『「記憶想起の容易性」と「記憶の連想性」についてはどうでしょうか? ・・・ 外界からの刺激やそれに対する意識の印象も含めた内的な刺激も、最終的に 細胞骨格や細胞膜の中に作られる大きな電気双極子の形にまで変形されたのち、 その近くの水の電気双極子の凝集体として安定に維持されるものが記憶でした。 このような状況で、再び似たような刺激が伝搬してくる場合には、やはりこの水の電気双 極子のある部位の細胞骨格や細胞膜にも再び電気双極子が形づくられ、その影響で 凝集体にはエネルギーが与えられることになります。
  34. 「記憶」はどうやって生じるのか? ~ 記憶:その物理的基盤 ~ (引用元) 治部 眞里・保江 邦夫 『脳と心の量子論』 (講談社)

    (240~241ページ) 『自発的対称性の破れによってマクロのスケールにまで拡がった凝集体にエネルギーが 与えられるとどうなったでしょうか? そうです、南部・ゴールドストーン量子という凝集場の量子が新しく生み出され、 凝集体の中を破れた対称性を復旧するように運動するのでした。 いまの場合もまったく同じですね。記憶の実体である回転対称性を自発的に破った水 の電気双極子の凝集体の中にも、その凝集場の南部・ゴールドストーン量子である ポラリトンが発生し、回転対称性を復旧するように運動するのです。 梅沢博士と高橋博士が見出した記憶の連想のからくりは、実に場の量子論における この南部・ゴールドストーン量子の発生のメカニズムそのものだったのです。 南部・ゴールドストーン量子は質量ゼロの量子で、理想的にはゼロでなければ どんなに小さなエネルギーによっても発生しますので、記憶の想起は記憶を形づくった ときの刺激よりもはるかに弱い刺激で生じることまでもうまく説明できています。
  35. 「記憶」はどうやって生じるのか? ~ 記憶:その物理的基盤 ~ (引用元) 治部 眞里・保江 邦夫 『脳と心の量子論』 (講談社)

    (241~242ページ) 『さらに、このことから、「記憶の連想性」は次のように理解することができるのです。 ある記憶を形づくったときの刺激とは異なる刺激に対しても、その記憶を保持している水 の電気双極子の凝集体のある部位の細胞骨格や細胞膜の生体分子にわずかながら 電気双極子が生じることがあり、それによってその記憶の凝集体に固有な南部・ゴールドス トーン量子が生み出されるのが連想なのです。 もちろん、記憶に強く関連した刺激であれば、それにより発生する生体分子の電気双極子 もより大きなものになり、多くの南部・ゴールドストーン量子が生み出されます。したがって、 記憶は明確に思い出されることになります。 しかし、記憶にあまり関連しない刺激のときは、それによって生体分子に作られる電気双 極子は小さなものにしかならないため、記憶の凝集体に発生する南部・ゴールドストーン量 子の数は少なくなり、記憶ははっきりとは思い出せないわけです。』
  36. 「記憶」はどうやって生じるのか? ~ 記憶:その物理的基盤 ~ (引用元) 治部 眞里・保江 邦夫 『脳と心の量子論』 (講談社)

    (242~243ページ) 『脳細胞のミクロの世界で記憶の実体の役割を果たしている水の電気双極子の凝集体は、 理想的には最大50マイクロメートルというマクロのスケールにまで拡がったものになるこ ともできました。この拡がりであれば、脳細胞よりも大きくなり、いくつかの脳細胞にまたがっ たものになります。 ということは、脳の組織の中には、形態としては複数の脳細胞の集団なのですが、 機能的には一塊の水の電気双極子の凝集体の中に有機的に取り込まれていると考えられ る組織で、50マイクロメートル程度の空間的な拡がりを持つものがあり、記憶も含めた高度 な脳の機能を生み出していると考えられます。 実際、大脳皮質には脳細胞がコラム状(層をなした縦列状)にならび、このような大きさの 機能組織が形づくられていることがわかっています。 従来の脳生理学や分子生物学では、 このような脳細胞のコラム構造がどのようにして作られるのかはまったくわかっていなかっ たのですが、量子場脳理論からは、記憶のからくりとの関連で理解することができるのです。
  37. 「記憶」はどうやって生じるのか? ~ 記憶:その物理的基盤 ~ (引用元) 治部 眞里・保江 邦夫 『脳と心の量子論』 (講談社)

    (244ページ) 「記憶をになっている水の電気双極子の凝集体から南部・ゴールドストーン量子が生み出される ことにより記憶が想起されるというのですが、では その記憶を想起する主体とは、いったい何な のでしょうか?」 (245ページ) 『それぞれの凝集体が記憶の基本的な要素となり、どの凝集体からも固有の南部・ゴールドス トーン量子であるポラリトンがたえず生み出されているために、記憶の要素が存在することを意 識することができるのでした。そして、このポラリトンの生成を意識する主体こそが主体こそが「こ ころ」と呼ばれるものの実体なのです。』 (246ページ) 「細胞間隙は水の電気双極子の凝集体で埋まっているにもかかわらず、どこにも南部・ロールド ストーン量子であるポラリトンが見当たりません。 ・・・ わかったことは、自発的対称性の破れによって電気双極子の凝集場が形づくられるような状況 においては、その破れた回転対称性を復旧するために生み出される質量ゼロの南部・ゴールド ストーン量子が電磁場のゲージ対称性によって電磁場のベクトルポテンシャルの中にとりこまれ てしまい、まったく姿を見せなくなるということでした。 さらに、電磁場のほうは南部・ゴールドストーン量子を取り込むことによって、凝集場の近くでは 電磁場の量子としての光子の質量がゼロでなくなるのでした。この有限の大きさの質量を持った 光子が隠れ光子、すなわちエバネッセント光子として凝集体の中に潜んでいるのです。
  38. 「記憶」はどうやって生じるのか? ~ 記憶:その物理的基盤 ~ (引用元) 治部 眞里・保江 邦夫 『脳と心の量子論』 (講談社)

    (つづき) 場の量子論によって求められた水の電気双極子の凝集場の場合の隠れ光子の質量 は10エレクトロン・ボルト程度となり、これは電子の質量の10万分の1程度の重さでしかないの です。 ということは、私たちが追跡しなければならない記憶の要素である水の電気双極子の凝集場の 南部・ゴールドストーン量子は、ゼロではない質量をもつ隠れ光子にその姿を変えていたとうこと です。 ・・・ 隠れた光子といっても、光量子、すなわち電磁場の量子に他なりませんので、その性質は 場の量子論を用いて解明することができるのです。 ・・・ 隠れ光子はいくら無限にたくさん集まっても隠れた光にしかならず、ふつうの進行波の光にはな りません。ですから、直接にみることはできないことに変わりはありません。 ・・・ 記憶の想起の物理的な過程が隠れ光子の発生過程であったことから、思い出された記憶を意 識する主体としての「こころ」は、水の電気双極子の凝集体から生成される隠れ光子を取り込ん でいる物理的な実体と考えられます。」 (252ページ) 『こう考えれば、「こころ」のほんとうの姿は脳の中に広がる無限個の隠れ光子のぼーず凝集体 そのものであり、「こころ」が記憶を意識するということは、記憶の要素である水の電気双極子の 凝集体 からたえず生み出される 記憶の想起としての隠れ光子 が「こころ」としての無限個の隠 れ光子のボーズ凝集体 に参入し、その運動状態が変わるということ として理解できることになり ますね。』
  39. 「記憶」はどうやって生じるのか? ~ 記憶:その物理的基盤 ~ (引用元) 治部 眞里・保江 邦夫 『脳と心の量子論』 (講談社)

    (252ページ) 「しかし、超電導現象は摂氏零下200度以下といった極低温の世界でしか見られないこと からしても、一般にボーズ凝集体が実現するのは室温よりも はるかに温度の低い状況に限 られると考えられます。 はたして、摂氏30度から40度の体温下にさらされた脳組織の中に隠れ光子のボーズ 凝集体が存在しえるのでしょうか? ・・・ 実際に計算してみると、隠れ光子の質量が10エレクトロン・ボルト程度という小さな値で あるため、それが最低エネルギーの運動状態に無限個だけつまったボーズ凝集体になるた めの最高温度(臨界温度)は摂氏40度から50度程度になり、体温でも安定した隠れ光子 のボーズ凝集体が存在していることが示されるのです。 もちろん、これはボーズ量子の質量が小さくなるとボーズ凝集体の臨界温度が大きくなる という場の量子論からの帰結と、隠れ光子の質量がきわめて小さいことによってはじめて保 証された事実であり、脳細胞のミクロの世界の他のいかなるボーズ量子を持ってきても摂 氏200度以下に冷やさない限りボーズ凝集体はつくられないのです。」
  40. 「記憶」はどうやって生じるのか? ~ 記憶:その物理的基盤 ~ (引用元) 治部 眞里・保江 邦夫 『脳と心の量子論』 (講談社)

    (254ページ) 『私たちが見いだした「こころ」の物理像とは、膨大な数の電子と核子が集まってできた物質 としての脳組織そのものの中にはじめからなかったもの、物質とはちがう存在として考えら れてきた電磁場の量子、光量子が無限に集まってできた凝集体だったのです。 だからこそ、私たちにとって心は 自分自身の身体を形づくる物質からは遊離して存在する 一塊のものであるかのように意識できるのです。』
  41. Prof. Gordon Globus (California Unuv.,Irvine) 量子場脳理論 と、ドイツの哲学者 Martin Heidegger (1889-1976)

    の意識発生理論が ともに、 「意識」 を 「さっき」と「いま」(と「これから」)という 『時間の体験』 に由来するものとし てとらえていることに、着目している。 これまで、別々の知的コミュニティのなかで、縦割り・没交渉 に行われてきた 2つの 人間意識発生メカニズム についての研究を架橋する意義を指摘し続けている (専門:精神病理学)  (理系仮説)量子場脳理論 【脳研究 / 場の量子論 アプローチ】  (文系仮説) 存在論 【内省的・思索・洞察による考察アプローチ】 (Heidegger)人間の自己意識とは・・・ 「将来(Zu-kunft)」-「これまで(既在 Gewesen)」 -「 いま・この瞬間(Augenblick)」という緊張感のある 生き生きとした時間連関のなかで、体感 される 【 刊行論文集の一例 (画面は Amazonジャパン) 】
  42. Foreword “This book is the outgrowth of the meeting “Quantum

    brain dynamics and the hunamities: A new perspective for 21st century”, which was held at the Institute for Scientific Interchange(ISI) in Torino, Italy, in November 2002. The meeting was born from an idea of Globus Gordon, to gather those involved in the formulation of the quantum model of brain, initiated by Luigi Maria Ricciardi and Hiroomi Umezawa in the middle of 1960s, to discuss in some informal but productive way the model implications for literature, philosophy, and the arts. ・・・ The meeting was thus conceived to be a first limited attempt, a sort of “experiment” of “thinking together” quantum brain dynamics and humanities”
  43. 商品の説明 内容紹介 Quantum Closures and Disclosures thinks together two seemingly

    irreconcilable discourses: An application of quantum field theory to brain functioning, called quantum brain dynamics, and the continental postphenomenological tradition, especially the work of Martin Heidegger and Jacques Derrida. Underlying both developments is a new ontology of nonCartesian dual modes whose rich provenance is their "between." World is disclosed in the lumen naturale of dual modes belonging-together in their between; all presencing is a function of a "~conjugate" form of match in the between. This surprising rapprochement between a powerful tradition within continental philosophy and the 20th-century quantum revolution in science is fruitfully applied to crucial issues in philosophy, brain science, mathematics and psychiatry. Related Titles: Quantum Brain Dynamics and Consciousness: An introduction, edited by Mari Jibu and Kunio Yasue (1995), and My Double Unveiled: The dissipative quantum model of the brain, by Giuseppe Vitiello (2001) --このテキストは、 ハードカバー 版に関連付けられています。
  44. 脳理論研究 人物相関図 Quantum Brain Dynamics ( QBD ) Integrated Information

    Theory ( IIT ) Dr.Giulio Tononi ( University of Wisconsin ) Dr.Gordon Globus ( University of California Irvine ) 治部 眞理 文部科学省 科学技術振興機構 (科学技術政策) ※ ~2005年 ノートルダム清心女子大学 情報理学研究所 理学博士 保江 邦夫 ノートルダム清心女子大学 情報理学研究所 所長 ~2005 職場 & 研究上の師弟関係 (MBA入校・科学技術政策に転身後の間関係は不明) 師弟関係 (故人) 高橋 康 ※2013年2月没 アルバータ大学 名誉教授 (故人)梅沢 博臣 アルバータ大学(カナダ)名誉教授 アルバータ大学(カナダ) ノ ー ト ル ダ ム 清 心 女 子 大 学 Dr.Adam Barrett ( University of Sussex ) 博士 大泉 匡史(まさふみ) 理化学研究所 脳科学総合研究所 (甘利 Unit) Tononi研究室での指導歴あり (2011.Oct-2013.Oct ) ※ ほか、Vittelio氏ら多数 論文を通じた影響
  45. 大泉 匡史 研究員 (おおいずみ まさふみ) ※ 2011年10月~2013年10月、 Univ. of Winsconsin,

    Tononi 研究室 に在籍 ( Tononi教授との共著論文もあり ) ※現在、Tononi教授との共同研究 と、理研・藤井直敬氏との共同研究を 同時並行で進めて、脳観測データに基づいたIIT理論の実証的裏付け研 究に取り組んでいる
  46. 研究分野 全体像 Quantum Brain Dynamics ( QBD ) Integrated Information

    Theory ( IIT ) Dr.Giulio Tononi ( University of Wisconsin ) Dr.Gordon Globus ( University of California Irvine ) 治部 眞理 文部科学省 科学技術振興機構 (科学技術政策) ※ ~2005年 ノートルダム清心女子大学 情報理学研究所 理学博士 保江 邦夫 ノートルダム清心女子大学 情報理学研究所 所長 ~2005 職場 & 研究上の師弟関係 (MBA入校・科学技術政策に転身後の間関係は不明) 師弟関係 (故人) 高橋 康 ※2013年2月没 アルバータ大学 名誉教授 (故人)梅沢 博臣 アルバータ大学(カナダ)名誉教授 アルバータ大学(カナダ) ノ ー ト ル ダ ム 清 心 女 子 大 学 Dr.Adam Barrett ( University of Sussex ) 博士 大泉 匡史(まさふみ) 理化学研究所 脳科学総合研究所 (甘利 Unit) Tononi研究室での指導歴あり (2011.Oct-2013.Oct ) ※ ほか、Vittelio氏ら多数 論文を通じた影響
  47. Reasercher’s official URLs Dr.Giulio Tononi (University of Wisconsin) http://tononi.psychiatry.wisc.edu/People/GiulioTononi.php Dr.Gordon

    Globus (University of California Irvine) http://www.gordonglobusmd.com/ http://www.ndsu.ac.jp/staff/teacher/000331.php/ 保江 邦夫 (ノートルダム清心女子大学 情報理学研究所)
  48. 学術シンポジウム Tokyo‘99 http://books.google.c o.jp/books?id=yykO55 Z1tsQC&pg=PR12&lpg =PR12&dq=Yasushi+Ta kahashi,+Quantum+Br ain&source=bl&ots=o HQOMMVWy5&sig=i1 R8vj1Tfi6LNtAb-

    yf8m12if1U&hl=ja&sa =X&ei=qYAfVMb7I5H m8AXm8YDIBw&ved= 0CEQQ6AEwBA#v=on epage&q=Yasushi%20 Takahashi%2C%20Qua ntum%20Brain&f=fals e
  49. 治部 眞理 ( 文部科学省所管 独立行政法人 科学技術振興機構) 経営企画部 特命事項戦略調整担当 主査 ※

    2000~2005年 ノートルダム清心女子大学 情報理学研究所 助教授 (量子場脳力学)
  50. 【 経歴 】 【関心の変遷 ※ 茂木健一郎氏との対談にて、本人談】 ノートルダム清心女子大 教授時代(量子場脳力学)の1999年に、 国際学会 「ツーソン会議」の開催資金

    企業協賛金集めに奔走。 上記をきっかけに、科学技術政策と科学技術予算、大学財政に関心の軸足が移った。 MBAを経て、独法法人で科学技術政策や大学財務基盤の評価指標づくりに従事する道に転身。 文学部卒業後、量子場脳力学を研究 (医学博士号 取得) 2000~2005年 ノートルダム清心女子大学 情報理学研究所 助教授 ※同僚に、保江 邦夫所長 MBA (ビジネス・スクール) 学生 2005~2008年 文部科学省 独立行政法人 科学技術政策研究所 主任研究官 2009年~ 文部科学省 独立行政法人 科学技術振興機構 経営企画部 特命事項戦略調整担当 主査 http://sangakukan.jp/journal/center_contents/author_profile/jibu-m.html 2013年 同 振興機構 知識基盤情報部 担当副調査役(大学財務分析)
  51. QBD & IIT ~日本国内外のインフルエンサー による言及  著名科学ジャーナリスト・著名な科学批評家  High Quality

    Newspaper の科学文化欄 (朝日新聞、読売新聞、毎日新聞、産経新聞、日本経済新聞、東京新聞・・・) (NewYork Times、The Time、Le Monde科学欄、Die Spiegel・・・)  科学専門誌 (Nature、Science・・・)  科学雑誌 (Newton、・・・)  産業・テクノロジー雑誌(※ビジネス実業化の観点前面) (日経テクノロジー、ほか日経新聞系、etc…)
  52. 茂木健一郎 Quantum Brain Dynamics ( QBD ) 2014年現在まで、懐疑的も、 全否定の立場ではなく、 今後、理論として疑念点が解消されれば

    正しい理論になりうるポテンシャルをもっている という評価 ※感情的な pro / con 意見表明は、過去に見当たらない http://www.qualia-manifesto.com/essays/scias.html