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「意思決定者」の役割を引き継ぐことになったとき、前任者と周囲から信頼を得て活躍するための方法

Kazuki Onmori
January 28, 2024
460

 「意思決定者」の役割を引き継ぐことになったとき、前任者と周囲から信頼を得て活躍するための方法

2024/01/30 ProductZine Day 2024 Winter 登壇資料

https://event.shoeisha.jp/pzday/20240130/timetable

Kazuki Onmori

January 28, 2024
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Transcript

  1. 意思決定者の 役割を引き継ぐ ことになったとき、前任者と周囲から 信頼を得て活躍する ための方法 2024年1月30日 STORES 株式会社 事業統括本部 御守

    一樹 @OnMorik ・ツイート歓迎! #ProductZine ・スクショ拡散も歓迎! ・後日資料共有あり ・Zoomコメント欄で質問・感想ください! (最後にQ&Aパート設けます)
  2. 自己紹介:「引き継ぎ」を3つの視点で経験 役割を自分から 後任に引き継ぐ 役割を前任者から 自分が引き継ぐ 横から 引き継ぎを支援 2012年〜2019年:グリー社 ・ゲームタイトルのプロダクト責任者・事業責任者 ・複数プロダクトの統括マネジメント

    → 自分の後任となるプロダクト責任者の成長支援 2020年〜:STORES社 ・STORES.jp社の社長から「プロダクト責任者」を引き継ぐために入社 ・コロナ禍のユーザー爆増期間にプロダクトとビジネスを舵取り ・現在は全社横断的な事業統括 2021年〜:個人活動 ・スタートアップの戦略・組織構築支援 ・各社のフェーズ進展に伴う創業社長からのプロダクト責任者の引き継ぎ を支援 ・採用 + 入社後の立ち上がり をサポート
  3. 目次 • [前提] 今日、持ち帰っていただきたいもの ◦ 引き継ぎの「成功」 ◦ 引き継ぎに必要な信頼構築 • [Part1]

    引き継ぎを成功させる3つのポイント ◦ Tips:1on1への処方箋 ◦ Tips:ドミノ倒し的な信頼獲得 • [Part2] 前任者に聞く 「私への引き継ぎ、どうでした?」 ◦ どんな人に役割を引き継ぎたいと思っていた? ◦ ゴールイメージとして いつの時点でどうなっていてほしかった? ◦ 役割を引き継ぎしてよかったことは? • [まとめ]
  4. 目次 • [前提] 今日、持ち帰っていただきたいもの ◦ 引き継ぎの「成功」 ◦ 引き継ぎに必要な信頼構築 • [Part1]

    引き継ぎを成功させる3つのポイント ◦ Tips:1on1への処方箋 ◦ Tips:ドミノ倒し的な信頼獲得 • [Part2] 前任者に聞く 「私への引き継ぎ、どうでした?」 ◦ どんな人に役割を引き継ぎたいと思っていた? ◦ ゴールイメージとして いつの時点でどうなっていてほしかった? ◦ 役割を引き継ぎしてよかったことは? • [まとめ]
  5. Lv.1 前任者から 役割を引き継ぐ (肩書の変化) Lv.2 前任者と周囲からの 信頼を獲得する (印象の変化) Lv.3 新しい意思決定者

    として活躍する (実際の成果の変化) 引き継ぎの成功 = 「活躍」 単なる肩書の変化ではなく 「信頼の獲得」を経て 「活躍」 に至るまでの実践的な方法論 今日、持ち帰っていただきたいもの:引き継ぎの「成功」法
  6. 引き継ぎに必要な信頼構築 後任 (あなた) 前任者 あなたの チーム 他の リーダー 他の チーム

    他の リーダー 他の チーム [役割の例] ・CPO/VPoP ・プロダクト責任者 ・マネージャー/リーダー ・PdM ︙ 例) エンジニア 例) ビジネス 役割の引き継ぎ 周囲 との信頼構築
  7. とはいえ:「引き継ぎ」を取り巻く苦悩 前任者のままの方が よかったと周囲に 思われているのでは 毎日やることが 多くて疲れる 今Q中に引き継ぎ ってスケジュール的 に無理そう 新しく担当する

    プロダクト・顧客・ 事業が分からない 困りごとを 話せる相手がいない 前任者が やっていたようには うまくできない 担ったことがない 役割をやれるか不安 キャリアのために このチャンスで 成功を収めたい 自分はちゃんと やれているのか 自信がない
  8. 目次 • [前提] 今日、持ち帰っていただきたいもの ◦ 引き継ぎの「成功」 ◦ 引き継ぎに必要な信頼構築 • [Part1]

    引き継ぎを成功させる3つのポイント ◦ Tips:1on1への処方箋 ◦ Tips:ドミノ倒し的な信頼獲得 • [Part2] 前任者に聞く 「私への引き継ぎ、どうでした?」 ◦ どんな人に役割を引き継ぎたいと思っていた? ◦ ゴールイメージとして いつの時点でどうなっていてほしかった? ◦ 役割を引き継ぎしてよかったことは? • [まとめ]
  9. ① 現状のSync:どういうことか? 「思考の前提条件」を前任者と揃える 前任者の見ている景色を知る コアの考え方をすり合わせる • 前任者の思い • 少し先の未来として見えているもの •

    直近の課題として困っていること • 過去の経緯として把握すべきこと  →「わからないこと」を全て解消する • 前任者が「自分と同じものを見たら、同じよう な判断をしてくれるだろう」とあなたを信頼で きるように • 前任者が「この人になら船の漕ぎ手を任せられ そう」と感じられるように • タイプは違っていても良いが、コアの部分はす り合わせる どういうことか? 欠けるとどうなる? 何をすべき? 具体例
  10. ① 現状のSync:これが欠けるとどうなるか? 1/2 次のステップに進むための土台が作られない 課題を特定できない 次のステップで道を踏み外す • 課題を特定せず、WHYを明らかにせず、いき なりHOWに入ってしまうプロダクトマネー ジャーって...

    • 「過去」を探索して捉えようとする時に、膨大 な情報の中で筋を外してしまう • 「未来の方針」を作っても、現状の課題に即さ ないため会社にとって意味のあるものにならな い どういうことか? 欠けるとどうなる? 何をすべき? 具体例
  11. ① 現状のSync:これが欠けるとどうなるか? 2/2 「前任者の気持ち」が引き継がれない 組織図の変化に 気持ちがついてこない 新しい意思決定者としての 成長経験が積めない • 前任者があなたに任せ切ってくれない

    ◦ 形式的に「役職」「権限」を引き継いで いても、現実の実態として口出しが発生 してしまう • 前任者の口出し = 神の一声 ◦ 周囲に対して「まだこの人には任せてい ないんだな・信頼していないんだな」と いう印象・メッセージが伝わる • 周囲からの情報、質問、キメの依頼が依然とし て前任者に集まってしまう ◦ 新しい意思決定者として「意思決定」を 引き継ぐ機会を失い続けることになる • 結果として、意思決定者としての経験値が積め ず、引き継ぎが進まない、という負のスパイラ ルに陥る どういうことか? 欠けるとどうなる? 何をすべき? 具体例
  12. ① 現状のSync:何をすべきか? 前任者と1対1の対話 同じものを見て、 考えたことを共有し合う • とにかく対話、対話、対話 • 1on1をする ◦

    MTGやDMでは不十分 • 互いの着眼点や思考のクセについて、共通点と 相違点を認識し合う • 同じインプットをして、アウトプットの差分を 確かめる ◦ 例)競合のリリース・決算を読み解く ◦ 例)メンバーからの質問に対応する ◦ 例)顧客からの要望に返答する どういうことか? 欠けるとどうなる? 何をすべき? 具体例
  13. ① 現状のSync:STORESでの具体例 • 対話メモは35万文字 • 話題がなくなる、なんてことはありえない ◦ スタートアップは毎日状況が変わる ◦ 話題がないのではなく、準備がないだけ

    • 60分1本勝負 ◦ 前半30分で1冊の本を高速で読む ◦ 後半30分で内容について議論 • 限られた時間の中でどの情報に着目するか、ど こに関心を持つか、が分かると、相手の知識、 これまでの経験のバックグラウンド、思考のク セが分かる • 60分で終了するので時間もかからない • 積読の解消にもなる 8ヶ月間 毎日1時間の1on1 ペア読書 どういうことか? 欠けるとどうなる? 何をすべき? 具体例
  14. 引き継ぎTips:1on1への処方箋 前任者を含めたMTGで 頻繁に話しているし DMでも相談できるので 1on1までは実施してない 前任者も自分も忙しく 差し込みも多いので 1on1はSkipになりがち 定期的に1on1を 実施しているうちに

    話題がなくなってくる MTGでは不十分。1on1をしよう。 • MTGで「あなたのパフォーマンスについて」が アジェンダになることはない • 前任者とあなたが、「あなたへの引き継ぎ」に ついて明確に話す場 = 1on1 が必要 SKIPしてはならない。鉄の意志で実施しよう。 • 1on1のスキップは「相手のことを大事にして いない」というメッセージになってしまう • 引き継ぎを成功させるための大事な工程 話題がなくなることはない。準備が不足している。 • 情報の不足 ◦ 見てない/聞いてない/調べてない • 思考の不足 • 情熱の不足 ◦ 関係性構築のための「真剣な雑談」 [第1段階] そもそも やってない [第2段階] やってるが SKIPしがち [第3段階] やってるうちに 話題がなくなる
  15. ② 過去の理解:どういうことか? 「過去の積み重ね」を理解して、リスペクト どんな「現状」も 「過去の積み重ね」 今いる人へのリスペクト • ついさっき一瞬で誰かが作ったものではない • 誰かが悪意を持って構築してきたわけではない

    • あらゆる都合が折り重なって現在に至っている • 目の前にプロダクトが存在するのは、過去にプ ロダクトと組織を作ってきた人たちがいるから • 今いる人たちは序盤戦を戦ってきた戦士たち どういうことか? 欠けるとどうなる? 何をすべき? 具体例
  16. ② 過去の理解:これが欠けるとどうなるか? 組織における「心の問題」を突破できない 「負債」扱いしてしまう 周囲を巻き込めない • 目に映る全てが「負債」に見えてしまう • その気持ちは言葉や態度となって出てきてしま う

    • それは、今いる人たちの過去の取り組みを全否 定することになる • 自分に対するリスペクトを欠いている人につい ていきたいと思うか? • そんな人に、独自のカラーをいきなり出されて も、周囲はそれに染まりたくない どういうことか? 欠けるとどうなる? 何をすべき? 具体例
  17. ② 過去の理解:何をすべきか? 積み重ねを知る まず自分を疑う • 「現在」に至るまでの経緯を把握する • プロダクト、ユーザー、経営、組織、ビジネス について。知るべきことはたくさんある。 •

    あなたが考えつくようなことは、過去に誰かが 考えている • 疑問点が出てきたら、まずは過去の経緯・討論 ログ・他社の状況を探索する どういうことか? 欠けるとどうなる? 何をすべき? 具体例
  18. ② 過去の理解:STORESでの具体例 • ユーザーからサポートへの問い合わせ、ビジネ スチームからの開発要望リストを全部見る • 1つずつ、仕様を理解して、競合を調べて、過 去の経緯や検討ログを探索する • その上で自分なりの考察をまとめて、周囲に

    シェアして、フィードバックをもらう 過去の経緯や開発難易度など、より深い 情報が集まる • (むちゃくちゃ疲れるし時間がかかる) • 一定時間自分でリサーチしたら、社内で有識者 を探して直接聞く ◦ 社内情報を1人で探索しているだけではわ からないことが多い ◦ 「そもそも誰が何を知っているのか」が わからない問題 • チャットだと逆に時間がかかるので、30分時間 をもらって一気に聞く • 聞いた情報は整理・ドキュメント化してシェア だいたい、他の人も実はわかってない チケット100本ノック 人に聞く どういうことか? 欠けるとどうなる? 何をすべき? 具体例
  19. ③ 未来の方針:どういうことか? 新しい意思決定者として、成果を出すための方針 あくまで土台は 現状のSyncと、過去の理解 土台の上に、 自分の意思と意志を乗せる • 新しい責任者として、自分のカラーを出した い、裁量を活かしたいという気持ちはわかる

    • が、必要なのはあなたのエゴではなく、課題の 解決 • そのためにはまず、前任者と現状課題をSync し、過去の理解をして、今いる人たちへのリス ペクトを土台として備える • 整えた土台の上に自分のカラーを乗せる • 自分の経験や強みを活かして自分のスタイルで ◦ ロジック、デザイン、技術、ユーザー理 解度、情熱、... • 「で、結局どうする?」に答える • 周囲の気持ちを巻き込んでいけるように • これによって成果を出すことが「活躍」であ り、「引き継ぎの成功」 どういうことか? 欠けるとどうなる? 何をすべき? 具体例
  20. ③ 未来の方針:これが欠けるとどうなるか? 状況が変わらない 社内の努力は ユーザーには関係ない とはいえ、ここまでくれば なんとかなる! • ここまで到達するだけでも、社内では相当な努 力や取り組みが必要

    • しかし、引き継ぎによる「社内での頑張り」は ユーザーに1ミリも関係ない ◦ 社内で議論しているだけでは、プロダク トも事業も前に進んでいない • まだ引き継ぎは成功していない • 「現状課題」と「過去経緯」を理解して土台を 固めているから、筋を外したものにはならない • 多少、方針の精度が低くても、周囲の有識者た ちがフォローしてくれるはず ◦ それだけの信頼関係を作れているはず • ユーザー体験・事業・組織が実際に上向くま で、やり続けよう どういうことか? 欠けるとどうなる? 何をすべき? 具体例
  21. ③ 未来の方針:何をすべきか? 一枚絵を描く あなたの感情ではなく 会社の成功を • 過去の経緯を踏まえて、現状課題を整理して、 その解決方針が分かるもの ◦ みんなが参照して見れるもの

    • ロードマップには複数の軸でリズムを作る ◦ 例)負債回収 / 運用 / 不確実な投資 ◦ 例)ボトムアップ要望/トップダウン方針 ◦ 小さくてもいいから機能を出す • 自説や教科書的な方法論にこだわらず、柔軟に ◦ オレオレ手法ではなく、いま目の前にあ るこの会社における課題を解決するため に最適なアプローチを考える • 全員に良い顔をしようとしない ◦ 誰にも嫌われたくないのは自然な感情 ◦ が、非現実的なプランは結果的に嘘をつ くことになってしまう。失望させる。 ◦ 長期的には社内で信頼を維持できない どういうことか? 欠けるとどうなる? 何をすべき? 具体例
  22. ③ 未来の方針:STORESでの具体例(策定した方針) • コロナ禍による爆発的なユー ザー増によって数年分の未来 が先に来てしまった • ユーザー数の増加、各ユー ザーにおけるGMV成長に対 する「プロダクトの耐久力」

    を上げる • 増大するリスクへの対策 • マーケ投資でさらに入ってき てしまう前に、穴を塞ぐ • 個別要望は後回しにする • 普通に考えて標準的に必要な 機能を埋める [短期] バケツの穴を塞ぐ [中期] 標準機能を具備 • 既存プロダクト開発よりも、 新規プロダクト開発にリソー スを寄せる • 既存プロダクトで、社内リ ソースだけでなく外部のリ ソースを活用できるような仕 組みを作る(外部公開API) [長期] マルチプロダクト どういうことか? 欠けるとどうなる? 何をすべき? 具体例
  23. ③ 未来の方針:STORESでの具体例(結果) • ユーザーの「負担軽減」に フォーカスした開発 • 不正決済金額が激減 • 「配送日指定」「アイテム動 画」「品番管理」リリース

    [短期] バケツの穴を塞ぐ [中期] 標準機能を具備 • 「STORES レジ」リリース • 「外部公開API」リリース [長期] マルチプロダクト ※ 数値は出せないのでイメージ どういうことか? 欠けるとどうなる? 何をすべき? 具体例
  24. 引き継ぎTips②:ドミノ倒し的な信頼獲得 後任 (あなた) 前任者 あなたの チーム 他の リーダー 他の チーム

    他の リーダー 他の チーム 例) エンジニア 例) ビジネス 信頼関係 前任者とのSyncで 信頼関係を構築
  25. 後任 (あなた) 前任者 あなたの チーム 他の リーダー 他の チーム 他の

    リーダー 他の チーム 例) エンジニア 例) ビジネス 信頼関係 自信・迫力・説得力 が出てくる 自信 迫力 説得力 引き継ぎTips②:ドミノ倒し的な信頼獲得
  26. 後任 (あなた) 前任者 あなたの チーム 他の リーダー 他の チーム 他の

    リーダー 他の チーム 例) エンジニア 例) ビジネス 信頼関係 自信 迫力 説得力 引き継ぎTips②:ドミノ倒し的な信頼獲得
  27. 後任 (あなた) 前任者 あなたの チーム 他の リーダー 他の チーム 他の

    リーダー 他の チーム 例) エンジニア 例) ビジネス 信頼関係 「前任者と信頼関係が 構築されている状況」 と「説得力」に対して 周囲が信頼感を持つ 信頼感 信 頼 感 自信 迫力 説得力 引き継ぎTips②:ドミノ倒し的な信頼獲得
  28. 後任 (あなた) 前任者 あなたの チーム 他の リーダー 他の チーム 他の

    リーダー 他の チーム 例) エンジニア 例) ビジネス 信頼感 信 頼 感 引き継ぎTips②:ドミノ倒し的な信頼獲得
  29. 後任 (あなた) 前任者 あなたの チーム 他の リーダー 他の チーム 他の

    リーダー 他の チーム 例) エンジニア 例) ビジネス 信頼感 信頼感 信頼感 信 頼 感 引き継ぎTips②:ドミノ倒し的な信頼獲得
  30. 後任 (あなた) 前任者 あなたの チーム 他の リーダー 他の チーム 他の

    リーダー 他の チーム 例) エンジニア 例) ビジネス 信頼感 信頼感 信頼感 信 頼 感 引き継ぎTips②:ドミノ倒し的な信頼獲得 「ステークホルダー たちが信頼を寄せて いる状況」に対して 組織全体が信頼感を 持つ
  31. 目次 • [前提] 今日、持ち帰っていただきたいもの ◦ 引き継ぎの「成功」 ◦ 引き継ぎに必要な信頼構築 • [Part1]

    引き継ぎを成功させる3つのポイント ◦ Tips:1on1への処方箋 ◦ Tips:ドミノ倒し的な信頼獲得 • [Part2] 前任者に聞く 「私への引き継ぎ、どうでした?」 ◦ どんな人に役割を引き継ぎたいと思っていた? ◦ ゴールイメージとして いつの時点でどうなっていてほしかった? ◦ 役割を引き継ぎしてよかったことは? • [まとめ]
  32. 引き継ぎに立ち向かうマインド 前任者と同じ じゃなくていい 引き継ぎは 時間がかかる 引き継ぎは すばらしい ・前任者と似ていると、周囲から比べられてしまう ・前任者と似ていない方が「新しい強みを持った人」として受け入れられやすい →

    「前任者のように」できている必要はない。自信を持って自分なりの方法で。 ・そもそも意思決定者の担うミッションは短期的なものではない ・当然、目に見える成果が出るのには時間がかかる ・1ヶ月とか3ヶ月とかでは到底無理 → 半年・1年というスパンで自分なりの成果を出せれば良い ・「引き継ぎ」は単なる「人員のスイッチ」ではない ・会社にとって、新しい視点が加わる。前任者に依存せず物事が進められる。 ・個人にとって、価値ある成長機会。新しいキャリアが切り拓かれる。 → 会社とキャリアに「新しい地層」を積み重ねる行為
  33. 目次 • [前提] 今日、持ち帰っていただきたいもの ◦ 引き継ぎの「成功」 ◦ 引き継ぎに必要な信頼構築 • [Part1]

    引き継ぎを成功させる3つのポイント ◦ Tips:1on1への処方箋 ◦ Tips:ドミノ倒し的な信頼獲得 • [Part2] 前任者に聞く 「私への引き継ぎ、どうでした?」 ◦ どんな人に役割を引き継ぎたいと思っていた? ◦ ゴールイメージとして いつの時点でどうなっていてほしかった? ◦ 役割を引き継ぎしてよかったことは? • [まとめ]
  34. 引き継ぎを「成功」させる方法 「成功」とは 「信頼獲得」を経た「活躍」 引き継ぎを成功させる 方法論 引き継ぎに立ち向かう マインド 3つのステップ  ① 現状のSync

    • 前任者と前提条件を揃える  ② 過去の理解 • 経緯の把握とリスペクト  ③ 未来の方針 • 土台の上に成果を作る 2つのTIPS  [1] 1on1で対話、対話、対話 • 必ずやる。SKIPしない。話題はある。  [2] 信頼獲得はドミノ倒し式に • 前任者 → ステークホルダー → 全体 の順 「前任者のように」できなくてもいい • むしろ似てない方が比べられなくて有利 • 自信を持って自分の強みを活かす 時間がかかってもいい • 意思決定者の仕事は時間軸が長いのだから当然 • 半年・1年というスパンで自分なりの結果が出 れば良い 会社とキャリアに新しい地層を積み重ねる行為 • 会社に新しい視点が加わる • あなたのキャリアが切り拓かれる、お金で買え ない成長機会
  35. Appendix① 35万字の1on1 具体的な手法 何をそんなに話すの? • 8ヶ月間、毎日1時間(だいたい夕方) • アジェンダは共通docsを用意して、双方が持ち 寄る ◦

    相談、質問、悩み、共有、雑談 • 最初の3ヶ月(2020年1月~3月)は対面 ◦ 会議室 ◦ コーヒーに行く ◦ 散歩 → 同じ物理空間にいると「場の記憶」が残る • コロナ発生以降はリモート ◦ 必ずカメラはON • その日に起こったこと・見たこと + それについ て考えたこと ◦ インプットに対するアウトプット • プロダクト・組織・事業に対して思うこと ◦ ふわーっとしたことでもなんでも ◦ 固まっていない生煮えのうちに話してし まうのが大事 • 前任者にとっても新しい悩みがある ◦ 役割を後任に引き継いだということは、 前任者自身も新しいチャレンジをしてい るということ
  36. Appendix② 「似てない」後任に引き継ぐ難しさ 似ている方がラク 似てないと大変 • 採用しやすい • 安心する • 話が通じやすい

    → 普通は後任に「自分と似ている人」を選びがち • 前任者にとって、簡単な決断ではなかった ◦ 「全く似ていない人を採用するのは勇気 が必要だった」 ◦ 「過去の反省から学んだ」 • Syncにコストがかかる ◦ 互いの着眼点や思考のクセを捉えるのに 時間がかかる • コアの考え方に共通点が必要 ◦ それをSyncの中で見つけ出す ◦ 例)プロダクト開発で一番大事にするこ とは何か? → このハードルを越えた先にメリットが生じる