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開発チームから始める 「学習する組織」に 成長するための取り組み

開発チームから始める 「学習する組織」に 成長するための取り組み

More Decks by PharmaX(旧YOJO Technologies)開発チーム

Transcript

  1. (C)PharmaX Inc. 2024 All Rights Reserve 2 自己紹介 古家 大

    (ふるや まさる) ・ニフティ→フリーランスとして10数社→PharmaX ・PharmaXに入って約3年 ・2023年からEMを担当 X:@enzerubank
  2. (C)PharmaX Inc. 2024 All Rights Reserve 3 PharmaXって何をやってるの? • PharmaX株式会社

    ◦ ビジョン「かかりつけの先生がそばにいる安心を」 ◦ toCの医療系スタートアップ ◦ 従業員数約40名 (2024年11月時点) • かかりつけ医療ブランドYOJO ◦ オンラインYOJO薬局を運営
  3. (C)PharmaX Inc. 2024 All Rights Reserve 4 PharmaXで今やっていること • 事業横断のEMとしてエンジニア組織全体の成果最大化を担う役割

    • 既存事業 (YOJO薬局) と新規事業の2チーム体制 • 今日は既存事業の組織改善のお話
  4. (C)PharmaX Inc. 2024 All Rights Reserve 5 今日伝えたいこと • 道が見えない時に学習する組織を目指すことは良い道標になる

    • 1人目◯◯をやるような人には特にオススメ • 個人の成長戦略を考える思考ツールとしても便利 (自分は使ってます )
  5. (C)PharmaX Inc. 2024 All Rights Reserve 6 YOJO薬局のチーム状況 (2023年にEMになった当時 )

    • 事業検討中の時期で、プロダクトオーナーの割けるリソースが少ない • メンバーのアジャイル経験も少なく、自律したチームになっていない • 結果、チームの目的や目指す方向性が見えない
  6. (C)PharmaX Inc. 2024 All Rights Reserve 7 目指したい理想 : 高速に仮説検証ループを回したい

    • プロダクトオーナーがスクラムにフルコミットできない • そもそもプロダクトの仮説検証を回す前段階の議論中 まずは開発チームから良い状態にする プロダクトチームを巻き込んだ仮説検証はそれから考える
  7. (C)PharmaX Inc. 2024 All Rights Reserve 8 開発チームの定義 • クロスファンクショナルチーム「ではない」

    • まずは意図的に「エンジニアのみ」に絞る • エンジニアのみで5人以下
  8. (C)PharmaX Inc. 2024 All Rights Reserve 9 チームが良い状態とは • 事業と人に関する成果を両立させていること

    ◦ 事業の成果 (タスク実行が速い・チームKPIの達成度が高い) ◦ 人の成果 (メンバー満足度が高い・チームの持続可能性が高い) • 事業成果を出しつつ、燃え尽きを防ぎ、持続可能性を高める
  9. (C)PharmaX Inc. 2024 All Rights Reserve 11 そもそも学習とは? • 本当に望んでいる結果を出す能力

    を伸ばすこと • 欲しい結果は「開発チームを良い状態にすること」 • このために必要な知識を学習していきたい
  10. (C)PharmaX Inc. 2024 All Rights Reserve 12 学習する組織とは • 目的を達成する能力を伸ばし続ける組織

    のこと • 1990年にピーターセンゲによって提唱されたマネジメント論 • 学習する組織の方が変化への適応力が高い • OKR/アジャイル/MVV等の方法論に影響を与えている
  11. (C)PharmaX Inc. 2024 All Rights Reserve 13 学習する組織の 5つの学習領域 (ディシプリン

    ) • 共有ビジョン • システム思考 • 自己マスタリー • メンタルモデル • チーム学習
  12. (C)PharmaX Inc. 2024 All Rights Reserve 14 学習する組織の 5つの学習領域 (ディシプリン

    ) • 共有ビジョン • システム思考 • 自己マスタリー • メンタルモデル • チーム学習
  13. (C)PharmaX Inc. 2024 All Rights Reserve 17 他チームから期待されるパフォーマンスから定義 開発生産 性

    レベル 開発チーム 仕事量の生産性 レベル1 プロダクト組織 期待付加価値 の生産 性 レベル2 事業部門全体 実現付加価値 の生産 性 レベル3 計測 指標例 • 工数 • ベロシティ • FourKeys • PR数 • テストカバレッジ 開発チームとして 決まった時間で どの量の仕事ができたか? プロダクト開発組織として 決まった時間で どのくらいの価値が期待され る仕事ができたか? • リリースした施策のRICE スコア合計 事業部門全体として 決まった時間で どのくらいの価値が実現でき たか? • NSM/KPI • 売上/利益 参考資料: 開発生産性について議論する前に知っておきたいこと : https://qiita.com/hirokidaichi/items/53f0865398829bdebef1
  14. (C)PharmaX Inc. 2024 All Rights Reserve 18 • 工数 •

    ベロシティ • FourKeys • PR数 • テストカバレッジ 他チームから期待されるパフォーマンスから定義 開発生産 性 レベル 開発チーム 仕事量の生産性 レベル1 プロダクト組織 期待付加価値 の生産 性 レベル2 事業部門全体 実現付加価値 の生産 性 レベル3 計測 指標例 開発チームとして 決まった時間で どの量の仕事ができたか? プロダクト開発組織として 決まった時間で どのくらいの価値が期待され る仕事ができたか? • リリースした施策のRICE スコア合計 事業部門全体として 決まった時間で どのくらいの価値が実現でき たか? • NSM/KPI • 売上/利益 参考資料: 開発生産性について議論する前に知っておきたいこと : https://qiita.com/hirokidaichi/items/53f0865398829bdebef1 プロダクト組織が興味があるのは 開発チームの「工数」のみ ※すぐに早くならないのはわかってるが 早くしたいのが本音
  15. (C)PharmaX Inc. 2024 All Rights Reserve 19 他チームから期待されるパフォーマンスから定義 • プロダクト施策は結局、出してみないとわからない

    • 施策のリリース工数を短縮するほど、仮説を試せる回数が増える 共有ビジョンは「工数を短縮して試行回数を増やすこと」に設定
  16. (C)PharmaX Inc. 2024 All Rights Reserve 20 学習する組織の 5つの学習領域 (ディシプリン

    ) • 共有ビジョン • システム思考 • 自己マスタリー • メンタルモデル • チーム学習
  17. (C)PharmaX Inc. 2024 All Rights Reserve 23 DORA Core Modelでパフォーマンスの相関を理解

    • Four Keysは組織のパフォーマンスと強い相関がある
  18. (C)PharmaX Inc. 2024 All Rights Reserve 24 DORA Core Modelでパフォーマンスの相関を理解

    • Four Keysと技術的ケイパビリティはセットで高める必要がある
  19. (C)PharmaX Inc. 2024 All Rights Reserve 28 学習する組織の 5つの学習領域 (ディシプリン

    ) • 共有ビジョン • システム思考 • 自己マスタリー • メンタルモデル • チーム学習
  20. (C)PharmaX Inc. 2024 All Rights Reserve 31 目標設定はパフォーマンスとマスタリーで分ける • パフォーマンス目標

    ◦ 自分の能力を証明するための目標 • マスタリー目標 ◦ 自分の能力を高めるための目標
  21. (C)PharmaX Inc. 2024 All Rights Reserve 35 • 目標例 ◦

    Python未経験のメンバーに次スプリントでLLMの機能を1個任せる マスタリー目標の運用 • EMとして1on1で目標設定・隔週で進捗確認 & 振り返りを実施 • 1on1の話題は目標以外もあるので、ループを回しづらい レトロで振り返り & スプリントゴールの目標設定の方がいいかも
  22. (C)PharmaX Inc. 2024 All Rights Reserve 39 学習する組織の 5つの学習領域 (ディシプリン

    ) • 共有ビジョン • システム思考 • 自己マスタリー • メンタルモデル • チーム学習
  23. (C)PharmaX Inc. 2024 All Rights Reserve 40 メンタルモデル • 個人やチームが持つ、世界に対しての捉え方のこと

    • デバッグ1つとっても、シニアとジュニアでは全然違う デバッグのメンタルモデル例
  24. (C)PharmaX Inc. 2024 All Rights Reserve 42 プロセス/アーキテクチャの意思決定を ADRで行う •

    シニアエンジニアを中心に提案資料をADRで書いてもらい、あるべき考え 方を若手にもインプット
  25. (C)PharmaX Inc. 2024 All Rights Reserve 43 大きい機能の設計は Design Docsを作成し、実装前に

    チームレビューを実施 • シニアエンジニアの設計の考え方・抑えるべき観点を皆に同期
  26. (C)PharmaX Inc. 2024 All Rights Reserve 45 学習する組織の 5つの学習領域 (ディシプリン

    ) • 共有ビジョン • システム思考 • 自己マスタリー • メンタルモデル • チーム学習
  27. (C)PharmaX Inc. 2024 All Rights Reserve 49 透明性 (あらゆるスクラム活動を計測 &

    可視化) プロダクトロードマップ プロダクトバックログ (改善・バグも全て起票 ) リリーススケジュール ベロシティレポート バーンダウンチャート 予実実績
  28. (C)PharmaX Inc. 2024 All Rights Reserve 50 透明性 (あらゆるスクラム活動を計測 &

    可視化) Sentryエラー件数 残技術課題数 残バグ件数
  29. (C)PharmaX Inc. 2024 All Rights Reserve 51 データを元に検査・適応した例 • 受け入れ基準の質が低く、リリース後にバグが発生

    ◦ POに受け入れ基準の悪い例・良い例を見せて書き方を伝える • 稼働が安定しないメンバーがおり、スプリントバックログが毎回残る ◦ 対象メンバーのみ、かんばんでボードを別管理 • 機能開発と評価タスクが同じスプリント内に入っていると終わらない ◦ 機能開発が完了した次のスプリントで評価タスクは行う
  30. (C)PharmaX Inc. 2024 All Rights Reserve 52 (再掲) チームが良い状態とは •

    事業と人に関する成果を両立させていること ◦ 事業の成果 (タスク実行が速い・チームKPIの達成度が高い) ◦ 人の成果 (メンバー満足度が高い・チームの持続可能性が高い) • 事業成果を出しつつ、燃え尽きを防ぎ、持続可能性を高める
  31. (C)PharmaX Inc. 2024 All Rights Reserve 53 開発チームは良い状態になったか? • 事業の成果

    (タスク実行が速い・チームKPIの達成度が高い) ◦ プロダクトロードマップの遅れは基本なし ▪ Findy Awardで開発生産性について受賞できた ▪ 以前よりも同じSPで明らかに難しいタスクを実装できるようになっ ているので早くなってはいるはず • 人の成果 (メンバー満足度が高い・チームの持続可能性が高い) ◦ 自分たちで行動できる自律したチームになった ◦ SPACEで計測しているが、継続改善はできていない 良い状態にかなり近づいたが、まだ伸びしろあり
  32. (C)PharmaX Inc. 2024 All Rights Reserve 54 (再掲)今日伝えたかったこと • 道が見えない時に学習する組織

    /個人を目指すことは良い道標になる • 1人目◯◯をやるような人には特にオススメ • 個人の成長戦略を考える思考ツールとしても便利 (自分は使ってます )