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勉強会資料_伝送路符号
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sayakek
June 16, 2026
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勉強会資料_伝送路符号
2025年の勉強会用に作成した伝送路符号についてのスライドです。
sayakek
June 16, 2026
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Transcript
電線・光ファイバーの 中にはどんな信号が流れているか 伝送路符号の話
先日、とある会話にて 自分「昔は電線の中にどういう信号が流れるのかとかに興味が あって~」 会話相手「光るか光らないかだよ。光信号なら」 それぐらい簡単だったら 良かったね………… という訳で、今日は電線とか光ファイバーの中を流れる信号のお話です。
前提 銅線なら: 電圧がかかるかかからないか 光ファイバーなら: 光るか光らないか これで0と1を判別するのは実際に行われる、が…… 0や1が続く時、何個分の0/1なのかを 区別する区切りがないといけない →クロックを使う 送信側は内部に持っているクロック信号をもと
にデータを区切り、 受信側は内部に持っているクロック信号とデー タを組み合わせてデータに区切りをつける
でも……? クロックを生成するのは水晶やLC回路などの発振回路。 これには誤差があるので、いずれ送信側と受信側でずれてくる。 送信側と受信側でデータの解釈にズレが生じたら 通信が成り立たない
さまざまな解決手段(内部クロックを見ない) 画像引用: https://www.n-s-c.co.jp/Ethernet-TSN/network/physical-layer/physical-layer-basis/3533/ ・クロック同期方式 送信/受信で何らかの同じクロック源を使用する方式 データとクロックの経路が違うのでそれぞれにズレが生 じやすい →ズレすぎるとデータを正しく切り出せない →足並みをそろえるための「ゆとり」を作るために 高速化が難しい(クロックを上げにくい)
・送信元クロック方式 送信側がクロックを用意して送る方式 データとクロックの経路を同じにした クロックでデータを切り出した時に生じるわ ずかなクロック-データ間のズレを合わせるた めに依然「ゆとり」が必要
じゃあどうする? データにクロックを埋め込む。 そうすればクロックとデータのズレは無くなる。 ・埋め込みクロック同期方式 画像引用: https://www.n-s-c.co.jp/Ethernet-TSN/network/physical-layer/physical-layer-basis/3634/
少し前に戻って 0や1が続いたときかつ内部クロックがズレてきたらどうする ……? →0や1が続かないようにする(ここから本題)
マンチェスタ符号の例 2倍クロック データ 基準クロック 信号 データと2倍クロックのXORで信号生成 基準クロックの半周期の間に立ち上りなら1、立ち下りなら0を示す 1bitのデータを流す間に絶対に信号が反転する = クロック成分がある
受信側はクロックを見失わなくなった が、1bitのデータを2bitにして送るので効率が悪い……
その他の伝送路符号 ・8b/10b(8bitを10bitに) USB 3.0、SATAなど ・64b/66b 10GBASE-SR(光ファイバ10Gbit Ethernet規格)など ・128b/130b PCIe 3.0など
0/1が一定以上続かないように作成した信号パターンとデータの変換テーブルを使う(8b/10b) 信号の先頭に01もしくは10を必ず付けて0/1の遷移が必ず特定間隔で発生するようにする (64/66b、128b/130b) ことで、受信側が信号からクロックを取り出せるようにしている
これで全部解決……? では、先述の方式で作成した信号をそのまま銅線/光ファイバー に流すだけでいいか? A. 間違いではない キーワードは「伝送帯域」
「伝送帯域」 ・ケーブルが何Hzまでの信号を流せるかの指標 左の画像の矢印が「1周期」 たとえば1Gbitの01が連続するデータを1秒で送信 (1Gbps)する時、1周期で2bit送れるので1秒間でこれを 500,000,000回(500M回)繰り返す必要がある 必要な伝送帯域は500MHz 伝送帯域を広げていくことには限界がある
なぜ伝送帯域を上げられないか 送信側と受信側で同じ信号を受け取れる訳ではない ・距離による減衰 ・電磁気学的な作用による歪み ・ノイズの混入 →高周波になるほど歪み・減衰しやすく、 ノイズの影響も受けやすい 対策をしている高い伝送帯域を持つ質の良いケーブルは高い (例: CAT
5e 100MHzケーブル < CAT 6A 500MHzケーブル)
どうすればいいか アプローチ1 伝送路を複数使用する ・1000BASE-T: 1Gbpsを4分割(1本あたり250Mbps) ・100GBASE-SR10: 100Gbpsを10分割(1本あたり10Gbps) ・100GBASE-LR4: 流す光の波⾧を4つ使う(WDM 1波⾧で25Gbps)
分割には限界が ・ケーブルを複数用意する場合はその分だけ物理的なコスト 重量、材料、結線 ・WDMを使う場合も使える波⾧帯は限られるので 無限に分割できるわけではない 混ざって送信される光を分けるためのレシーバのコストは 分割数が増えれば増えるほど高い
アプローチ2 PAMを使う ・PAMとは パルス振幅変調(pulse-amplitude modulation)の略 要するに、0/1ではなく0、0.5、1のように 複数の振幅(銅線なら電圧/光ファイバーなら光の強さ) を使用して信号を送る方式 PAM4(PCIe 6.0など)、PAM16(10GBASE-Tなど)など
どれだけ分けるかの種類は複数
PAM4の例 ・PAM4は-1.0、-0.5、0.5、1.0の4つの振幅を使用する -1.0の時は00、-0.5の時は01、0.5の時は10、1.0の時は11 というように電圧/光レベルごとに値を割り当てる 画像引用: https://www.videotech.tokyo/2020/08/nrz-vs-pam.html 1bitを送っていた時間で 2bit送れるようになる →同じ周波数で2倍のデータを送れる ケーブルの伝送帯域を下げられる
いい事ばかりではない ・信号レベルが複数になるので 何の信号が来ているか判別が困難に(エラー率の上昇) →より高度なエラー訂正技術を使う必要がある →高度なエラー訂正技術は計算量が増える →処理部分の消費電力・発熱増 ・それでも必要な伝送帯域を小さくできるのは大きい
まとめ ・現代の有線通信では、生のデータを送るのではなく データにクロックを埋め込む加工をして送っている ・高速な規格では0/1の2値だけでなく複数の値を使用して 信号を送るような仕組みになっている ・電気が流れる/流れない、光る/光らない だけで通信は成立しない