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seiya-sugo
June 21, 2019

Review of Simulated Quantum Computation of Molecular Energies

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June 21, 2019
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  1. Review of “Simulated Quantum Computation of Molecular Energies” 株式会社Quemix 須郷聖也

    理化学研究所 中田真秀 blueqat株式会社 湊雄一郎
  2. 読んだ論文 Al´an Aspuru-Guzik, Anthony D Dutoi, Peter J Love, and

    Martin Head-Gordon, “Simulated Quantum Computation of Molecular Energies,”Science 309, 1704 (2005).
  3. 背景 • (当時)古典コンピューターでのFCI計算は二原子、三原子分子程度にとどまって いる ◦ L. Thøgersen, J. Olsen, Chem.

    Phys. Lett. 393, 36 (2004). ”A coupled cluster and full configuration interaction study of CN and CN−” ▪ CNおよびCN-に対するcc-pVDZでのFCIとCCの計算 ▪ arxivなくて中身が見れなかった • PEAでの量子シミュレーションの理論はある ◦ D. S. Abrams, S. Lloyd, Phys. Rev. Lett. 79, 2586 (1997). ◦ D. S. Abrams, S. Lloyd, Phys. Rev. Lett. 83, 5162 (1999).
  4. 問題点 • 量子アルゴリズムが化学的に重要な値を必要な精度で計算できることを実証した例は ない ◦ 小数点以下6桁程度の精度でエネルギーを求める必要がある ◦ 10^6 ≒ 2^20なので、20qubit程度を測定ビットとしてPEAを実行する必要がある

    ◦ 測定ビットと分子の量子状態を表現するビットと合わせてまともにやろうとするととても計算できない • PEAを成功させるには初期状態と真の状態との重なりが十分に大きい必要がある ◦ HFの基底状態が真の解から遠い場合にはなんらかの方法で初期状態を準備する必要がある ◦ 断熱量子過程に関する研究は存在するが、分子に対して行った例はない(?) ▪ E. Farhi, J. Goldstone, S. Gutmann, and M. Sipser, “Quantum Computation by Adiabatic Evolution”, quant-ph/0001106. • 断熱過程で充足可能性問題を解く ▪ E. Farhi, J. Goldstone, S. Gutmann, M. Sipser, arxiv e-print quant-ph/0007071. • 上の続きで同様に充足可能問題を解く ▪ E. Farhi, J. Goldstone, S. Gutmann, J. Lapan, A. Lundgren, D. Preda, Science 292, 472 (2001). • ランダムに生成したNP-Complete問題(Exact Cover)が対象
  5. 手法 • 反復位相推定(IPEA) ◦ 読み出しビット数を20から4へ削減する ◦ 4qubitずつ繰り返し位相推定を行い、徐々に精度を上げていく • 波動関数のqubitへのマッピング ◦

    direct mapping ▪ 最も効率悪いが良い点もある (補足参照) ◦ compact mapping ▪ 固定電子数の部分空間のみ ◦ compact mapping(singlet subspace) ▪ singletの部分空間のみ • ASP(adiabatic state preparation) ◦ 自明なハミルトニアンから徐々に目的のハミルトニアンへ変更する この時間発展をシミュレーションし、目的の状態を作り出す ▪ トロッター展開でユニタリー行列の積に分解
  6. 基底状態計算の計算条件と結果 • 各分子の設定 ◦ 共にHF波動関数で初期化。 20回のイテレーションを行った • 十分な精度(共に有効数字6桁)で結果を得た 分子 計算結果

    FCI H 2 O -84.203663 a.u. -84.203665 a.u. LiH -9.1228936 a.u. -9.1228934 a.u. 分子 構造 基底 配置数 qubit数 H 2 O r = 95.76 pm ∠ = 104.51° STO-3G 196 8 LiH r = 140 pm 6-31G 1210 11 • 最初の8回の結果 徐々に精度が上がっている
  7. 関連論文 • M. Dobsicek, G. Johansson, V. S. Shumeiko, and

    G. Wendin. Arbitrary accuracy iterative phase estimation algorithm as a two qubit benchmark. Phys. Rev. A, 76(030306(R)), 2007. 1つの測定用qubitを用いたIPEAについての論文。超電導2qubitで実装。IPEAで の精度を複数キュービット実装のベンチマークとするのがよいとの提案。
  8. 関連論文 • Lanyon, B. P.; Whitfield, J. D.; Gillett, G.

    G.; Goggin, M. E.; Almeida, M. P.; Kas- sal, I.; Biamonte, J. D.; Mohseni, M.; Powell, B. J.; Barbieri, M.; Aspuru-Guzik, A.; White, A. G. Towards quantum chemistry on a quantum computer. Nat. Chem. 2010, 2, 106–111. IPEAでのH2のエネルギー計算を光学実装
  9. 関連論文 • O’Malley, P. J. J. et al. Scalable Quantum

    Simulation of Molecular Energies. Phys. Rev. X 2016, 6, 031007. VQEとPEAで水素分子のエネルギー計算をスケーラブルな形のハードウェアで 実行している。前ページの論文の光学実装以外にもPEAの実機実装例はあった が、いずれもスケーラブルなものではなかった。(それ専用に装置を組んでい た?)
  10. 補足1 • direct mappingの利点は必要なゲートはせいぜいcontrolled 4-qubit gate程度で あり、任意の4-qubit gateを表現するのに必要な1-qubitおよび2-qubit gateの数 は400未満であるとわかっている

    ◦ V. Bergholm, J. Vartainen, M Möttönnen, M. M. Salomaa, Phys. Rev. A. 71, 052330 (2005). • 「古典コンピューターでのFCI計算は二原子、三原子分子程度にとどまっている」 という件について、「DMRGでポリエンの計算をやった論文があるよ」と言われて 調べてみた ◦ J. Hachmann, W. Cardoen, and G.K.-L. Chan, J. Chem. Phys. 125, 144101 (2006). ◦ この論文っぽい?今回の論文の翌年にでていた
  11. 補足2 • マッピング毎のqubit数がなぜこのような数値になるのか ◦ 例として一番左のSTO-3Gの列について ▪ STO-3Gは各H原子に1s軌道、O原子に1s, 2s, 2px, 2py,

    2pzを割り当てるため、基底数は ”7” ▪ “direct”は7つの基底から得られる7つの空間軌道に対してスピンの自由度を考慮して倍の 14の分子 軌道があり、それらの占有 /非占有をqubitに1対1で対応させるので”14”qubit ▪ “compact”は電子の数を10に固定することを考える。directの場合は14のスピン軌道に対していくつ 電子が入っているかは考慮していなかった (最大14電子まで可であった)。14の軌道から10の軌道を 選ぶ組み合わせを考えると、 1001通り(= 14 C 10 < 2^10)なので”10”qubit ▪ “compact(singlets)”はさらにスピン多重度を考慮する。基底状態の計算においてはシングレットのみ を考えればよいので、アップとダウンを半々に入れれば良い。それぞれ 7つずつ軌道があるので、7つ の軌道から5つを選ぶ組み合わせの2乗で441(= 7 C 5 × 7 C 5 )となり”8”qubitでは足りないように見える。 実際はここから対称性などを考慮してより状態の数を減らすことで ”8”qubitにマッピングしていると思 われる。