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地表面抽出の方法であるSMRFについて紹介

Kenta Itakura
December 13, 2024

 地表面抽出の方法であるSMRFについて紹介

Kenta Itakura

December 13, 2024
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  1. 3次元点群から地表面抽出を行う方法について  3次元点群の前処理として地表面抽出は重要です • 例1: 森林の点群から地表面抽出をすることで樹木の高さが計算可能 • 例2: 点群から建物の高さを計算したり、物体の認識のヒントとして利用可能 地表面:茶色

    Pingel, T. J., Clarke, K. C., & McBride, W. A. (2013). An improved simple morphological filter for the terrain classification of airborne LIDAR data. ISPRS journal of photogrammetry and remote sensing, 77, 21-30. 1 東京都デジタルツイン実現プロジェクトによる公開データを使用しています https://info.tokyo-digitaltwin.metro.tokyo.lg.jp/
  2. SMRFについて:実行結果 2  SMRFを実施した結果 〈RGB表示〉 〈地面を青、地面以外を黄色で表示〉 ◆SMRFによる地表面の分類結果(MATLAB R2024aにて実行) ◆CloudCompareによる可視化(正解データ) 〈地面を青、地面以外を黄色で表示〉

    上手く分類できていることが分かります 東京都デジタルツイン実現プロジェクトによる公開データを使用しています https://info.tokyo-digitaltwin.metro.tokyo.lg.jp/
  3. 3 SMRFの全体像 鳥瞰図化 最小点抽出 ノイズ除去 厚みをもとに分類 分類の調整 • 点群をX-Y平面のDSM (Digital

    Surface Model)へ変換 • グリッド内の最小値から表面を形成 • 地表面の平滑化 • ステップ4で作成した基準面と厚みから地表面抽出 • 勾配情報から地面を分類 ステップ1 ステップ2 ステップ3 ステップ4 ステップ5 ステップ6 欠損値穴埋め • スキャンできなかった地表面や欠損値をなめらかに補間
  4. SMRFについて:鳥瞰図への変換  ステップ1:上から見た図(鳥瞰図)に変換します 画像出典:PointPillars — 3D point clouds bounding box

    detection and tracking https://becominghuman.ai/pointpillars-3d-point-clouds-bounding-box- detection-and-tracking-pointnet-pointnet-lasernet-67e26116de5a • 主なパラメータ:グリッドサイズ 4 • 対象が広い場合はグリッドサイズを大きく設定する
  5. SMRFについて:ノイズの除去  ステップ3:建物の屋根や樹木の点(樹冠)の除去を行います • 以下の赤枠のように、樹冠下がスキャンできない場合、樹冠の点が最下点となります 6 図出典: Pingel, T. J.,

    Clarke, K. C., & McBride, W. A. (2013). An improved simple morphological filter for the terrain classification of airborne LIDAR data. ISPRS journal of photogrammetry and remote sensing, 77, 21-30.
  6. SMRFについて:欠損した点の穴埋め  ステップ4:スキャンできなかった地表面の穴埋めを行います • 地表面の欠損した点は「クロージング」にて補間可能です 画像出典: ディジタル画像処理 Kindle版 11 •

    自然に欠損値を埋める(内挿)する方法であればどのような方法でも可能(※) ※ Pingelらのオリジナルの実装(MATLAB)では、 inpaint_nansという手法が利用されています
  7. SMRFについて:パラメータ一覧  本スライドの作成におけるSMRFの実行にて利用された主なパラメータを掲載します 16 パラメータ名 値 説明 グリッドサイズ 1 m

    ステップ1にて説明されたグリッドの一辺の長さ 高さの閾値 0.7 m 各グリッドでの地表面のシード点からどの高さまでの範囲の 点を地表面とするか 勾配 0.15 隣あうグリッドの高さの違い(比率)がどの値以下である場合 に、そのグリッドが地表面であるか。急こう配な斜面も地表面 としたい場合は、この値を大きくする。