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第二量子化ハミルトニアンから量子回路への変換
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seiya-sugo
July 22, 2019
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第二量子化ハミルトニアンから量子回路への変換
seiya-sugo
July 22, 2019
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Transcript
第二量子化ハミルトニアン から量子回路への変換 株式会社Quemix 須郷聖也
はじめに • 準備が間に合わず、スライドが適当になってしまっている部分があるかもしれませ ん、すみません ◦ なので発表練習もできていないので時間配分等甘いですがご容赦ください • スライドは後日OpenQLのSlackにアップします ◦ 修正が必要なところは修正します
自己紹介 名前:須郷聖也(すごうせいや) 生年月日:1988/8/23生まれ 30歳 出身:京都市南区久世 経歴:京都大学(理学、化学、修士)→カプコン→テラスカイ(+Quemix) 近況:IPA未踏ターゲットに採択(量子性を活かしたゲームの開発)
目標 • Jordan-Wignerの式を解説する(生成消滅演算子→パウリ演算子) • https://arxiv.org/abs/1001.3855 の論文にある以下の表の導出 (パウリ演算子→量子ゲート) ◦ 今回は電子のハミルトニアンについて扱います 生成消滅演算子
パウリ演算子 量子回路
発表の流れ • フェルミオンとスピンについて確認 • Jordan-Wigner変換の導出 • 一電子演算子(p = qの項)の量子回路への変換 ◦
生成消滅演算子からパウリ演算子へ ◦ パウリ演算子から量子回路へ • 一電子演算子(p ≠ qの項)の量子回路への変換 ◦ 生成消滅演算子からパウリ演算子へ ◦ パウリ演算子から量子回路へ (間に合わなかったため、論文を見ながら概略のみ ) • 二電子演算子の部分も当然間に合いませんでした ◦ (どちみち時間が足りなかったと思います )
表記等の注意 • ブラケット表記の中のインデックスは左から1,2,...,nとする • フェルミオンとスピンとベクトルとの対応 • 添字 フェルミオンについて、 0が粒子が存在しない状態、 1が粒子の存
在する状態を表すことにする。 論文によってこの辺りの対応づけが異なっているように思うが、そ れに伴ってJordan-Wigner変換の式や最終的な量子ゲートに差 異が生じてくるので注意する。 左からn,n-1,...,1とする、0からn-1を用いるなど様々流儀がある?かもしれな いが、このスライドではこうする。 右上に演算子の種類を表す添字、右下に何番目の要素に作用するかを表 す添字を書く。論文のスクショを貼っているところはこれが守られていないこ とがあるかもしれない。
フェルミオンについて
フェルミオン n粒子系の量子状態 反対称性 1粒子の量子状態
第二量子化 生成演算子 消滅演算子 反交換関係
第二量子化表現でのフェルミオン 粒子がない状態(真空状態)を以下のように書く 生成演算子を使うと任意の状態を以下のように書ける 例えば
スピンについて
スピンとパウリ演算子 1スピン状態 nスピン状態 パウリ演算子
昇降演算子
昇降演算子でのスピン系の表現 全てのスピンが上向きの状態を初期状態とする 任意のスピン状態は以下のように書ける 例えば
フェルミオンとスピンの対応づけ Jordan-Wigner変換
フェルミオンとスピンの対応づけ フェルミオン スピン 右のように対応づければ 良さそうだが・・・? 以下の反交換関係(のうちの一つ)を見てもわかるように i ≠ jの時に一致していないので上記の対応づけでは不十分
違いを確認 昇降演算子の交換関係 ( 以下の通り演算させる順序によって結果が変わらない 一方、生成消滅演算子の場合は以下の通り作用させる順によって結果が変わる )を見てみると以下の通り交換可能なので、
生成演算子の作用について詳しく見てみる i番目の粒子が存在しないときに生成演算子を作用させてみる 生成演算子全て外に出す i番目の位置まで移動させる まずは1番目の生成演算子と交換した 入れ替えた分だけ-1が出てくる i番目の位置まで持ってこれた (演算子を作用させて整理 )
生成演算子と同じ働きをするスピンの演算子は? つまり次の式を満たす 前スライドの結果は以下の通り 下降演算子を作用させればよい s 1 からs i-1 の中で↓の時だけ-1倍すればよい パウリZが使える!
を構成すればよい
Jordan-Wigner変換 つまり よってJordan-Wigner変換は以下のようになる (消滅演算子の方についても同様 ) を次のように構成すれば、生成演算子と同様の働きをする
パウリ演算子から量子回路へ
電子のハミルトニアンとトロッター分解を確認 電子のハミルトニアンを第二量子化表記したものは以下の通りです このようにハミルトニアンはいくつかの項の和となります 実際の時間発展を行う際にはトロッター分解によって以下のようにいくつかの指数関数の積に分解 されるので、各々の項がどのような形になるか見ていきます 例えば 一電子or二電子演算子がexpの肩に乗ったときにどのような量子回路になるかがわかれば良い
電子ハミルトニアンの各項を分類 一電子演算子 二電子演算子 https://arxiv.org/abs/1001.3855
Number Operator(一電子演算子でp = qのもの)の変換(全体像) 生成消滅演算子 パウリ演算子 量子回路 Jordan-Wigner変換
Number Operatorの変換(第一段階) 生成消滅演算子 パウリ演算子 = 1 k = 1 p
= 1 p = [σx p ,σy p ] = 2iσz p
Number Operatorの変換(第二段階) パウリ演算子 と置くと 量子回路 なので となる。 よって
Excitation Operator(一電子演算子でp ≠ qのもの)の変換(全体像) 生成消滅演算子 パウリ演算子 量子回路 Jordan-Wigner変換 多体演算子を1または2qubitパウリ演算子に分割するのがポイント h
pq の実部 h pq の虚部 電子の波動関数が実関数の とき虚部は出てこない
Excitation Operatorの変換(第一段階) 生成消滅演算子 パウリ演算子 以下の計算(次スライド含む)ではp<qとしてい る。右の画像とは大小が逆なので注意
Excitation Operatorの変換(第一段階) 生成消滅演算子 パウリ演算子 のとき と括れるので、括弧の中のみを考えて 一見形が違うように見えるが、示せている
Excitation Operatorの変換(第二段階) 第二段階、といきたいところですが、今回はここまでです。
7/22発表後の補足 スライドがないので最後論文を見ながら理解したところをふんわり説明していたときに見てい た式の箇所を書いておきます。一電子演算子(p≠q)の量子回路への変換においては、多体演 算子を1 or 2qubit操作へ分解するのが大事っぽいと話していたときに見ていたのは次スライ ドの3番目の論文の中です。この論文の式(13)とAppendixの(A.7~11)あたりを使い、σzをス タートとしてσzを横に伸ばしていったりσzをσxやσyに変換する操作を続けていって、ボトム アップで多体演算子を構築している例が式(19)です。この式変形ができると何が良いかという のは式(20,21)から理解できます。最後にσzσzからCNOTが出てくるといってたのは次スライド
の二番目の論文の4.2節のところです。惜しいところまでいけてる気がしますが理解しきれてい なくてすみません。いつか理解できたらこの資料がアップグレードされるかもしれません。
参考文献 • https://whyitsso.net/physics/quantum_mechanics/Jordan_Wigner.html ◦ 前半のJordan-Wigner変換の解説部分はこのサイトを参考にしている ◦ フェルミオンとスピンの対応がこのスライドと逆なので余分な項があるが、基本の流れは同じ • https://arxiv.org/abs/1001.3855 ◦
後半の量子回路への変換部分はこの論文のTableA.1, A.2を説明することを目標にした ◦ 本当は7章の水素分子(STO-3G)の具体的な回路の導出も説明したかった • https://arxiv.org/pdf/0705.1928.pdf ◦ パウリ演算子から量子回路に変換する部分の式変形が詳しく書いてある ◦ ちょくちょく誤植や間違いかな?というところがある気がする ◦ 定義がこのスライドと異なるところもある • https://github.com/Kenji-Sugisaki/QCC-on-QCs ◦ 大阪市大の杉崎先生のテキスト(日本語) ◦ p≠qの一電子演算子の量子回路についてその意味するところを言葉で説明してあるが、まだ理解できていない • https://arxiv.org/abs/quant-ph/0108146 ◦ 多体演算子の分解について詳しいみたいだが、それに気づくのが遅かった ◦ 今読んでます
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