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AI時代のエンジニアのキャリア戦略_CAREER SUMMIT 2026登壇資料

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September 06, 2026
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AI時代のエンジニアのキャリア戦略_CAREER SUMMIT 2026登壇資料

AIによってプロセスや自身の役割が変わり続ける中で、エンジニアはキャリアをどう組み立てればよいのか。この1年で、コードの書き方から開発チームの役割分担まで、現場は大きく変わりました。では、何が変わらなかったのか。次の一手は何を根拠に選べばよいのか。プロダクト開発と組織開発、両方の現場で実際に起きた変化をもとに、未来が読めない前提でキャリアを考えるためのエッセンスをお話しします。

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須永高弘

September 06, 2026

Transcript

  1. AI 時代にエンジニアを取り巻く問い 時代の不安は仕事の有無に留まらず、 何を根拠にキャリアを選ぶかという意思決定基準そのものが揺らいでいる。 AI によって、エンジニアの 仕事が無くならないか AI ©ASSIGN Inc.

    All Right Reserved. 作ることを AI に任せられる中で、 自分は何を担えばよいのか そもそも先が読みづらい中で、 中長期のキャリアを どう考えればよいのか 2
  2. 自己紹介 須永 ⾼弘 Takahiro Sunaga 執⾏役員 CTO ⼤学卒業後、総合コンサルファームに⼊社し、 主に製造やメディアの顧客に対して 戦略、業務、ITに掛かる多様なプロジェクトを経験

    • 若⼿転職⽀援アプリ「ASSIGN」の開発・運⽤、 LLM の事業活⽤、エンジニア組織開発等に従事 • ©ASSIGN Inc. All Right Reserved. 3
  3. アジェンダ 1. AI が登場してから現在まで、開発の現場では何が変わったか 2. なぜ AI による影響を正確に読みづらいか 3. 変化には、どのような構造があるのか

    4. AI 5. 時代に、エンジニアはどの責任を引き受けるのか 先が読めない時代に、どうキャリアを組み立てるか ©ASSIGN Inc. All Right Reserved. 4
  4. 定量で見る開発アウトプットの変化 開発のアウトプット総量は、この 2 年半で 2 倍以上に増えた。 マージ PR 総数 一人あたり月次

    PR(人月正規化) マージ PR、bot 除く。直近 12 か月 = 2025-07〜2026-06。実働 = その月に PR を 1 件以上作成した人のユニーク数(在籍の総人数ではない) ©ASSIGN Inc. All Right Reserved. 6
  5. Claude のリリース履歴で見る進化の加速 モデルの世代交代は、約 3 か月に 1 本から、ほぼ月 1 本へ加速している。 直近

    1 年でフラッグシップだけでも 6 世代が入れ替わり、技術の前提が数か月ごとに塗り替わっている 約 3 か月に 1 本 Claude 2 Claude 1 Claude 3.5 Claude 3 2023 2024 ほぼ月 1 本 (この 1 年で 10 本) Claude 4 Claude 3.7 2025 Fable 5 Sonnet 5 2026 各時点のフラッグシップ そのほかのモデル ©ASSIGN Inc. All Right Reserved. 14
  6. 直近 1 年のリリース密度 モデルや API・基盤機能の公開が急増し、全てに対応し続けること自体が難しくなっている。 は直近 1 年でバージョン公開 341 回、約

    1.1 日に 1 回 API・基盤機能の公開は直近 1 年で累計 80 件。後半は前半の約 1.9 倍のペースに加速している Claude Code ・基盤機能の累積件数 API ©ASSIGN Inc. All Right Reserved. モデルのリリース月(計 10 本) 15
  7. AI AI の影響は、立場ごとに異なる の影響はエンジニア全体で一様ではなく、仕事・組織・経験段階によって異なる。 立場 金融系の保守開発 系自社サービス Web 大企業の内製部門 若手と経験者

    ©ASSIGN Inc. All Right Reserved. 強く効くもの 規制・監査・契約構造 コスト圧力・競争環境・ 導入の速さ セキュリティポリシー・ 意思決定構造・既存システム 担う仕事の種類と 責任の範囲 起きること 変化はゆっくり、来るときは 価格圧力の形 恩恵が最大に出て、 定型実装の圧縮も最速 導入が遅く、 個人の実感と組織が乖離 自動化されやすい仕事と、 AI で広げられる範囲が異なる 考慮点 業界の導入速度と 自分の学習速度を混同しない 作る速さ以外の どの責任を担うか 焦って方角まで揺らさず、 社外の小さな試行に接続 同じ会社・同じ職種でも、 経験段階で分けて見る 17
  8. 技術の発展は、人が直接扱う詳細を減らしてきた ソフトウェア開発の歴史は、詳細な作業を再利用可能な仕組みの内側へ移してきた 抽象化の歴史でもある。 年代 技術の発展 〜 年代 FORTRAN 〜 年代

    SQL 1950 60 1970 80 2000 年代 2006 年〜 2010 年代後半〜 ©ASSIGN Inc. All Right Reserved. 抽象化された作業 などの高級言語 と RDBMS Rails などのフレームワーク AWS などのクラウド(IaaS) CI/CD とマネージドサービス 機械語で命令を書く → コンパイラが変換する データファイルを直接扱う → RDBMS が管理する 共通処理を毎回実装する → フレームワークが提供する サーバーを物理管理する → クラウドが管理する 手動のビルドとリリース → パイプラインが自動実行する 20
  9. AI AI には、過去の抽象化と異なる難しさがある は確率的・文脈依存であり、正しさと責任を抽象化側へ完全には委譲できない。 従来の抽象化 定義された規則を実行し、 同じ入力に対する挙動を予測しやすい 例:コンパイラ 同じ入力ならいつでも同じ出力を返す AI

    意味を解釈し、曖昧さを補完し、 もっともらしい出力を複数作る 文脈不足でも答えを生成し、 長いタスクでは誤りが蓄積する は与えられた基準の中では評価できるが、 基準そのものの妥当性と、基準ごと誤った状態には気づけない AI ©ASSIGN Inc. All Right Reserved. 24
  10. AI 時代の仕事の構造 人が持つべき責任範囲が広がると同時に、AI の正しさを判断し、担う必要がある。 技術発展に共通する変化 AI 固有の性質 定型作業が抽象化される 出力が確率的・文脈依存である ↓

    ↓ 一人・一組織が扱える範囲が広がる ↓ 成果全体に対する責任が広がる + 正しさや責任を完全には委譲できない ↓ 人が判断すべき境界が残る 人は、AI が作ることそのものより、 AI が作ったものを価値として成立させる判断と責任を担う ©ASSIGN Inc. All Right Reserved. 25
  11. 責任① 何を課題として解くのかを決める 作る力が同質化するほど、何を作るかの選択が成果を左右する。 責任の定義 なぜ AI 時代に 重要になるか 代表的なタスク ©ASSIGN

    Inc. All Right Reserved. 誰のどのような状態を変えるのかを見極め、 解くべき課題、優先順位、解かない範囲を決める ・製造の速度や手段が同質化するほど、 何を作るべきかを決める議論と意思決定がボトルネックになる ・基本的なニーズを満たす機能が容易に作れるほど、 顧客固有の課題やプロダクトのコア価値が差を生む ・顧客・利用者の業務や行動から、本質的な課題を特定する ・顧客価値と事業成果を、仮説・指標として定義する ・優先順位、スコープ、作らないものを決定する 28
  12. 責任② 正しさを定義し、独立して検証する AI が答えを作れるほど、何を正しいとするかを人が明確にする必要がある。 責任の定義 なぜ AI 時代に 重要になるか 代表的なタスク

    ©ASSIGN Inc. All Right Reserved. 成果物が満たすべき基準を定め、人・コード・AI を組み合わせて 独立した観点から検証できる状態をつくる ・AI は、生成と検証を分けても、もっともらしく誤る可能性が残る。 そのため、事前に定めた評価基準と独立した検証経路が必要になる ・AI が生み出す変更量が人間の確認能力を上回るほど、 正しさを明文化し、継続的に評価できる仕組みが必要になる ・成功条件、受け入れ基準、許容できない失敗を定義する ・典型・例外・高リスクケースを含む評価データを整備する ・コード、AI、人間を組み合わせた継続的な評価・回帰検証を構築する 29
  13. 責任③ 生成物をシステムとして成立させる 局所的に動くことと、事業で安全に使えることは異なる。 責任の定義 なぜ AI 時代に 重要になるか 代表的なタスク ©ASSIGN

    Inc. All Right Reserved. 個別の生成物を、既存システム、データ、業務、非機能要件の中へ組み込み、 全体として安全に機能させる ・局所的な設計や実装が容易になるほど、 既存システム・データ・業務との接続や整合がボトルネックになる ・AI が利用するツールや権限が広がるほど、 誤りの影響範囲を限定し、本番で安全に動かす設計が重要になる ・モデル、データ、ツール、既存システムを統合する ・アーキテクチャ、データ整合性、認証・認可を設計する ・障害や誤動作の影響を限定し、安全な実行・切り戻しを実現する 30
  14. 責任④ 価値を観測し、改善し続ける 速く作るだけでなく、速く学び、次の改善へつなげる。 責任の定義 なぜ AI 時代に 重要になるか 代表的なタスク ©ASSIGN

    Inc. All Right Reserved. 本番での品質、利用、顧客成果、事業成果を観測し、 得られた学びを次の仮説と改善へ戻すことで、価値を出し続ける ・製造と変更が高速になるほど、どれだけ多く作ったかではなく、 どれだけ速く学び、改善できるかが成果を分ける ・AI の振る舞いと顧客価値は事前に確定しきれないため、 本番のデータとフィードバックによる継続的な検証が必要になる ・品質、利用状況、顧客成果、事業指標を観測・分析する ・顧客フィードバックや失敗事例から、次の仮説をつくる ・実験や段階的リリースを通じて、学びを改善へ反映する 31
  15. 責任⑤ 組織知と価値創出プロセスを進化させる 組織の知識や判断基準を AI が実行できる形にし、現場の成果から知識を更新し続ける。 責任の定義 なぜ AI 時代に 重要になるか

    代表的なタスク ©ASSIGN Inc. All Right Reserved. 組織が持つ知識、判断基準、業務プロセスを AI エージェント、ツール、 ワークフローへ組み込み、人と AI による価値創出を再現・進化させる ・AI が製造工程へ深く入るほど、 レビュー、デプロイ、権限管理、監査まで含めた組織的なプロセス設計が必要になる ・同じ AI を利用できる環境では、 組織知を実行へ反映し、成果から知識を更新する速度が競争力になる ・組織の知識・判断基準を構造化し、AI が利用できる状態にする ・共通ハーネス、AI エージェント、ツール、ワークフローを構築する ・成果と失敗を組織知へ戻す、知識創造サイクルを構築する 32
  16. 責任⑥ AI だけでは完結しない判断を引き受ける 一般的な答えでは決められないことを、専門性と責任を持って判断する。 責任の定義 なぜ AI 時代に 重要になるか 代表的なタスク

    ©ASSIGN Inc. All Right Reserved. 固有の制約、例外、高リスクな課題について専門的な判断を行い、 その判断を支える原則と仕組みを構築する ・AI が一般的な答えを容易に出せるほど、 顧客・事業・システム固有の制約を踏まえた専門的な判断が差を生む ・AI が担う工程と影響範囲が広がるほど、 許容するリスクや責任の所在を組織として定める必要がある ・事業・顧客・技術・リスクを横断した重要判断を行う ・AI へ委譲する範囲、意思決定権、責任構造を設計する ・固有の制約や専門知識を、設計原則・ガードレール・判断基盤へ変換する 33
  17. AI 時代に担うべき責任から、新しい役割が生まれている 価値提供の目的に応じて、複数の責任を組み合わせた役割が生まれている。 役割 Forward Deployed Engineer AI Platform Engineer

    Evals/ AI Reliability Engineer •= 課題の 正しさの システムの 継続的 プロセスの 専門的な 定義 定義/検証 成立 価値 再現 判断 • ◦ • • ◦ ◦ ◦ ◦ • • • ◦ ◦ • ◦ • ◦ • 具体的に何を担うか 顧客業務へ入り、課題発見から 構築・本番導入・効果測定までを 一気通貫で担う 個別の AI 活用を、複数チームが 安全かつ継続的に再現できる 共通基盤へ変える 正しさを評価可能にし、 本番の失敗を 継続的な評価・改善へ戻す 中心責任 ◦ = 関連責任 ©ASSIGN Inc. All Right Reserved. 34
  18. 固定と漂流という 2 つの失敗 一つのやり方に固定しても、流行を追って漂流しても、変化の時代のキャリアは積み上がらない。 失敗 1:固定 失敗 2:漂流 一つの技術・職種・環境に固執し、 変化に気づけない

    流行のたびに乗り換え、 専門性も信頼も積み上がらない 変化に対応しながらキャリアを作るための、自分なりの基準を持つ必要がある ©ASSIGN Inc. All Right Reserved. 37
  19. 方角は、境界が動いても残る言葉で書く 方角は、人と AI の境界が動いても残る、価値と責任の言葉で書く。 外部に定義されやすいもの ・精通したい技術 ・業務で扱いたいツール ・就きたい職種名 ・担いたい役割 ・AI

    に任せたい範囲 変化が速い/自分だけでは決められない 自分で言語化し、調整できるもの ・届けたい価値 ・引き受けたい難しさ ・担いたい責任 比較的変わりにくい/経験を通じて調整できる 役割や技術ではなく、その先で実現したい価値と責任を方角にする ©ASSIGN Inc. All Right Reserved. 39
  20. 変化を観測し、次の数年への投資先を選ぶ 仕事の変化を観測し、次の数年をどの役割・環境・専門性へ投資するかを選び直す。 観測項目 何が自動化されて 速くなったか 新しいボトルネックは どこか 人・AI の境界や、 人の責任はどう移動したか

    情報源 自分のタスクの所要時間、 チームの PR 数・サイクルタイム レビューの滞留、待ち行列、 自分への割り込みの理由 障害・意思決定の ポストモーテム、 承認フローの変化 観測される変化の例 AI が脆弱性候補を 大量・短時間に検出する 候補から事業影響を評価し、 修正順を決める作業で止まる AI が候補を出し、人が 重大度と優先順位を判断する 選び直す経路の例 スキャンの操作だけでなく、 脅威モデリングを学ぶ リスク評価と、安全に修正を出す デリバリー設計を担う 個別の検出から、組織の セキュリティ品質を担う役割へ 観測した変化すべてを追うのではなく、自分の方角に近づく変化だけを経路へ反映する ©ASSIGN Inc. All Right Reserved. 41
  21. 一人のエンジニアに当てはめてみる(1 周目) 変化を、自分の強みと方角に照らして解釈し、次に目指す役割を選ぶ。 方角(初版) 複雑な要求を形にし、 周囲から頼られるエンジニアでいたい 現在地 Web 系自社サービスの 5

    年目 変化 実装とテストの初稿は、 AI が数時間で出すようになった。 一方、仕様確認やレビュー待ちで、 変更全体は止まっている ©ASSIGN Inc. All Right Reserved. 解釈 コードを書く速さより、 曖昧な要求を整理し、変更を 最後まで成立させる力の方が、 成果を左右し始めている 経路の更新 担う役割を、個別機能の 実装担当から、変更全体を担う プロダクトエンジニアへ。 磨く専門性を、実装の速さから、 要求をプロダクトへ落とす力へ 43
  22. 一人のエンジニアに当てはめてみる(2 周目) 選んだ経路を実際に進み、その経験から次に引き受けたい責任を見つける。 方角(初版) 複雑な要求を形にし、 周囲から頼られるエンジニアでいたい 現在地 Web 系自社サービスの 5

    年目 変化 解釈 経路の更新 による並列開発が増え、 一人が確認できる量を超えた。 設計判断がばらつき、 マージ直前に依存の衝突が出る。 コードはできているのに、 リリースが進まない 一件ずつ変更を成立させるだけでは 足りない。 チームが同じ基準で判断し、 変更を安全に流せる仕組みが 必要になる 担う役割を、 プロダクトエンジニアから、 チームの品質と生産性を担う テックリードへ。 学ぶテーマを、設計原則の標準化と、 AI レビュー・品質ゲートの設計へ AI ©ASSIGN Inc. All Right Reserved. 44
  23. 未来を当てずに、次の経路を選ぶ キャリアは、方角を持ち、変化を観測し、次の数年の経路を選び直すことで組み立てる。 方角を書く 誰にどんな価値を届け、どの責任を担いたいか 2 変化を観測する 何が速くなり、何が詰まり、人の責任がどこへ移ったか 3 次の経路を選ぶ 次の数年を、どの役割・環境・専門性へ投資するか

    1 価値か責任の、どちらか一文から始める 流行ではなく、自分の仕事の構造変化を見る 転職だけでなく、現職での役割変更や学び直しも経路になる 経路は変化に合わせて選び直し、方角は経験から磨いていく ©ASSIGN Inc. All Right Reserved. 46
  24. まとめ:先が読めない時代の、キャリアの組み立て方 仕事は消えるのではなく形を変え、責任は自分で選び、キャリアは方角と経路で組み立てる。 仕事は 無くならないのか 定型的な生成作業は圧縮されるが、 価値を成立させる判断と責任は残り、形を変える 何を 担えばよいのか 価値を成立させる 6

    つの責任の中から、 自分がどれを引き受けるかを考える キャリアをどう 組み立てるのか 未来の職種を当てるのではなく、価値と責任を方角として持ち、 変化を観測して経路を選び直す 未来を当てるのではなく、変化を観測し、経路を選び、経験から方角を磨く ©ASSIGN Inc. All Right Reserved. 47