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フル・サーバーレスでサービスを作る話 / Make the full-stack-server...
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Takanori Suzuki
December 16, 2020
Technology
1
260
フル・サーバーレスでサービスを作る話 / Make the full-stack-serverless service
Serverless Meetup Japan Virtual #16
#serverlessjp
フル・サーバーレスでサービスを作る話
Takanori Suzuki
December 16, 2020
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Transcript
1 Copyright © Acroquest Technology Co., Ltd. All rights reserved.
フル・サーバーレスで サービスを作る話 2020/12/16 Acroquest Technology Co., Ltd. 鈴木 貴典 Serverless Meetup Japan Virtual #13
本日の話のポイント Copyright © Acroquest Technology Co., Ltd. All rights reserved.
2 サーバーレスで サービス全体を設計・開発した際に 意識したポイントを紹介します
Copyright © Acroquest Technology Co., Ltd. All rights reserved. 3
自己紹介 ◼ 所属 • Acroquest Technology Co., Ltd. ◼ 主な業務分野 • システムアーキテクト • IoTサービス開発 • ビッグデータ処理プラットフォーム • サーバーレス・アーキテクチャ ◼ バックグラウンド • エンタープライズ/ミッションクリティカル • SEPG/開発/マネジメント • Java/Python 鈴木 貴典 シニアテクニカルアーキテクト Acro = 先端を quest = 探究する 働きがいのある会社ランキング 1位
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• Password付zipファイルを送ります • Passwordを送ります。 • 暗号化 • プロトコル クラウドストレージで共有? 顧客やユーザーとの ファイルのやり取りって どうしていますか? P P A P
ファイル転送/交換に求められる要件 Copyright © Acroquest Technology Co., Ltd. All rights reserved.
5 ①大きなサイズのファイル送付をしたい ②ファイルの送信だけでなく、相手からの受取もしたい ③ファイルは暗号化する ④フリーのサービスの利用はNG ⑤ファイルがクラウド上に残り続けるのはNG • 利用頻度は少ない(1日数回) • 運用コストはおさえたい しかしながら…
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そのニーズは満たせますよ そう、サーバーレスならね
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フル・サーバーレスなサービスとして開発
ファイル転送サービスのアーキテクチャ概要 Copyright © Acroquest Technology Co., Ltd. All rights reserved.
8 API Gateway Lambda DynamoDB S3 SES 社員 ユーザー メール送付 Cognito Active Directory SAML フェデレーション 認証は SSO API Gateway Lambda ゲスト ユーザー ファイル一時保存
画面イメージ Copyright © Acroquest Technology Co., Ltd. All rights reserved.
9
検討したポイント Copyright © Acroquest Technology Co., Ltd. All rights reserved.
10 ①認証 ②データ蓄積/アクセス ③大きいサイズのファイルアップロード ④ファイルの自動削除 ⑤バッチ集計 ⑥モニタリング
①認証(シングルサインオン構成) Copyright © Acroquest Technology Co., Ltd. All rights reserved.
11 ⚫ Cognitoで、SAMLフェデレーションを適用 • 今回のサービスではAzure AD と連携 • Auth0などでも連携可能 ⚫ このおかげで、SSO構成が実現できるため ユーザー登録/管理等の機能開発は 不要になった ⚫ エンタープライズ向けには有用 ⚫ API Gateway の Authorizer も対応可能 画面 Cognito AzureAD ②認証 ①アクセス ③リダイレクト OAuth2 SAML
②データ蓄積/アクセス Copyright © Acroquest Technology Co., Ltd. All rights reserved.
12 ⚫ キャパシティ戦略をどうするか? • アクセスがおおよそ一定 → プロビジョンド ‒ Auto Scaling を適用するかどうか? • アクセスが不規則で少ない → オンデマンド ‒ デフォルトでは 最大4,000WCU or 12,000RCUになる ‒ 逆にアクセスが増えたらコストも増えるので注意 ⚫ 更新系テーブルと参照系テーブルを 分けることも検討 • CQRS(コマンドクエリ責任分離)の構成を 取るかどうか ⚫ ポイントインタイムリカバリ(PITR)は 特に問題がなければデフォルトONで! • 自動でバックアップされ、過去35日間の任意の 時点にデータを復元できる • 障害や操作ミスなどでデータを削除してしまった 場合などに有効 DynamoDB Stream Commands (更新) Query (参照) Write Read
③大きいサイズのファイルアップロード Copyright © Acroquest Technology Co., Ltd. All rights reserved.
13 ①Pre-Signed URLの取得 ②ファイルアップロード API Gateway Lambda S3 ⚫ API Gatewayで送信できるコンテンツのサイズは 10MBの制限あり(上限緩和なし) ⚫ S3の ”Pre-Signed URL”(署名付きURL)の 機能を利用して、画面側からS3へファイルを アップロードする ⚫ ファイルアップロードが完了したら S3トリガーで処理を組み込むこともできる ⚫ ダウンロードの場合も、ほぼ同様にして実現可能 ※今回は転送対象のファイルであるが サイズの大きい画像ファイルなどを 扱うような場合も同様の方法で実現できる Lambda トリガー
④ファイルの自動削除 Copyright © Acroquest Technology Co., Ltd. All rights reserved.
14 ⚫ セキュリティ性向上のため、一定期間で S3のファイルは削除したい ⚫ S3のライフサイクルルールを使うと 一定期間経過後に自動で削除できる • ロジックの実装などが不要 • ただし、時間単位ではなく、日単位で指定
⑤バッチ集計 Copyright © Acroquest Technology Co., Ltd. All rights reserved.
15 ⚫ Dailyで、利用状況の集計を行っている ⚫ Step Functions で大抵のことは満たせる 状況になっている • LambdaやBatchなどとも連携できる ⚫ 動的並列処理ができるようになったのが便利! • 過去も並列処理はあったが、機能が並列であり、 同じ処理を複数処理する内容ではなかった • Mapステートを利用することで、現在は解決 • 不特定多数/データ数が増加していくような 場合でもこれで解決 • ひと昔前のMap-Reduce的な処理は実現 (データ件数次第ではあるが) ・・・ CloudWatch Event Step Functions Batch Lambda
⑥モニタリング Copyright © Acroquest Technology Co., Ltd. All rights reserved.
16 ⚫ ひとまずX-Rayは適用しておくと良い • 性能ボトルネックを早めに特定 • 本番運用で障害が発生した際の手がかりになる • ただし、全リクエストをモニタリングしている わけではない点に注意 ⚫ 今やLambdaだけでなくStep Functionsにも対応
⑥モニタリング(+α) Copyright © Acroquest Technology Co., Ltd. All rights reserved.
17 ⚫ 2020/12/03に 「Lambda Insights」がGA! ⚫ 自前でダッシュボードなどを 作らなくてもすぐにLambdaの 性能評価やモニタリングが可能
その後の 運用を通して
その後の運用を通して Copyright © Acroquest Technology Co., Ltd. All rights reserved.
19 ①障害はゼロ • 1年半ぐらい運用継続中。 • 問い合わせはあったけど「ファイル自体添付されていない」など。 • エラーのモニタリングもしているが、エラー自体発生しない。 ②メンテナンス自体もほぼ無い • 認証をSAML連携したおかげで、ユーザーの追加/削除の 対応なども発生しない。 ③コストは? • 想定以上でした(!?)
構築してみた結果 Copyright © Acroquest Technology Co., Ltd. All rights reserved.
20 想定以上に いろいろな機能を活用できたことで 開発メンバも良い経験ができた (開発してくれたメンバはほぼサーバーレス初心者だった) 社内の他のメンバからも 好評であった
まとめ Copyright © Acroquest Technology Co., Ltd. All rights reserved.
21 1. クラウド自体や関連SaaSの機能を活かして できるだけ自前で開発する部分を減らそう 2. 処理するデータのサイズやスループットを踏まえて アーキテクチャの検討をしよう 3. モニタリングやバックアップ等、運用の方針も 最初にちゃんと設計しよう
Copyright © Acroquest Technology Co., Ltd. All rights reserved. 22
ご清聴ありがとうございました Evolve the Earth with Emotion of Technology