Upgrade to Pro — share decks privately, control downloads, hide ads and more …

B5G.ex showcase in RICC-PIoT workshop 2022

B5G.ex showcase in RICC-PIoT workshop 2022

- 関数型パラダイムで実現する B5G 時代の資源透過型広域分散コンピューティング環境
- 高瀬英希 (東京大学), 菊池豊 (高知工科大学), 中川郁夫 (大阪大学), 西内一馬, 大崎充博 (シティネット), 菊地俊介 (さくらインターネット), 柏崎礼生 (国立情報学研究所)
- [概略] 情報通信研究機構 Beyond 5G シーズ創出型プログラムにおける委託研究 (04001) を 2021 年 10 月より開始した.本発表では, 我々が抱く 5G/B5G 技術への期待と課題感を共有し, 本プロジェクトで取り組む研究開発項目とそのアプローチを紹介する.我々の手札は「Elixir/Nerves」「ROS 2/DDS」「Dripcast」「Distcloud」の 4 種の神器である.
https://ricc.itrc.net/events/PIoT2022

takasehideki

March 01, 2022
Tweet

More Decks by takasehideki

Other Decks in Science

Transcript

  1. 関数型パラダイムで実現するB5G時代の 資源透過型広域分散コンピューティング環境 RICC-PIoT workshop 2022 B5g.ex showcase 2022/03/01 代表研究者︓国⽴⼤学法⼈東京⼤学 ⾼瀬英希

    研究分担者︓ ⾼知県公⽴⼤学法⼈⾼知⼯科⼤学 菊池 豊 国⽴⼤学法⼈⼤阪⼤学 中川 郁夫 株式会社シティネット ⻄内 ⼀⾺・⼤崎 充博 さくらインターネット株式会社 菊地 俊介 ⼤学共同利⽤機関法⼈情報・システム研究機構 柏崎 礼⽣ 本発表ならびに本セッションの内容は 国⽴研究開発法⼈情報通信研究機構の 委託研究(04001)により得られるものです
  2. 3 主な研究開発メンバの紹介 ⽒名 所属 主な研究実績(略歴) コミュニティ ⾼瀬 英希 @takasehideki 東京⼤学

    准教授 組込みカーネル技術 / システムレベル設計技術 通信ミドルウェア / IoTコンピューティング 菊池 豊 @kikuyuta ⾼知⼯科⼤学 特任教授 ⾮⼿続き型⾔語 / 関数型⾔語の産業制御への応⽤ 広域分散IXアーキテクチャ / ネットワーク品質計測 中川 郁夫 @go_go_ikuo ⼤阪⼤学 招へい准教授 広域分散IX / 透過的クラウド技術 秘匿分散解析⼿法 / IoTエージェントプラットフォーム ⻄内 ⼀⾺ @nishiuchikazuma シティネット 取締役 ⾮⼿続き型⾔語 / 広域分散⾃律ネットワーク Elixirによる⼯業制御⽤Ioxノードとクラウド連携技術 ⼤崎 充博 @32hero シティネット 統括 地域ICT / ⾮⼿続き型⾔語 Elixirによる⼯業制御⽤Ioxノードとクラウド連携技術 菊地 俊介 @kikuzokikuzo さくらインターネット 上級研究員 データセンターネットワーク / ICN/CCN 分散/エッジ/フォグコンピューティング 柏崎 礼⽣ @reo_kashiwazaki 情報・システム研究機構 特任准教授 広域分散プラットフォーム運⽤品質改善技術 ※ 特任研究員を雇⽤予定,連携研究者・研究実施協⼒者を追加予定 有識者等委員会を編成・実施予定
  3. 4 IoTの従来構成と5G時代の到来 地域IP網 =フレッツ網 コア網= インターネット網 携帯電話網 =LTE(4G) クラウド クラウド

    クラウド ⾃営網 ネットワーク装置(ルータ) サーバ (有線)キャリアネットワーク 携帯ネットワーク 総務省|情報通信審議会|情報通信審議会 情報通信技術分科会 新世代モバイル通信システム委員会(第10回) https://www.soumu.go.jp/main_sosiki/joho_tsusin/policyrep orts/joho_tsusin/5th_generation/02kiban14_04000608.html クラウド ⇔ エッジデバイスの主従関係 クラウドベンダ/通信キャリアによる 広域分散通信網の専従的な構成
  4. 5 5Gの⾰新技術︓local 5GとMEC ローカル5Gとは | 社会システム事業 | 東芝インフラシステムズ株式会社 https://www.toshiba.co.jp/infrastructure/social/telecom munication/local5g/about-5g.htm

    【第1回】MECとは – 次世代MEC試験環境「Beyond-MEC」 https://www.docomo-bmec.com/archives/50/ 特定エリアでの⾃営の5Gネットワーク 独⾃の通信特性で構築可能 通信網の間に計算資源を配置可能 応答性の向上とセキュアな通信を提供 広域分散通信網の "⺠主化" が始まっている
  5. 6 そして時代はBeyond 5Gへ 総務省|報道資料|「Beyond 5G推進戦略 -6Gへのロードマップ-」の公表 https://www.soumu.go.jp/menu_news/s -news/01kiban09_02000364.html • 5Gの本質は「超多数同時接続」

    — 新たな価値創造の要となりうる — 1:1 から 1:N / N:N の通信構成へ — ⼤量のあらゆる計算機がいつでも接続 • B5Gの新機軸は「拡張性」「⾃律性」 — 処理ノードが必要に応じて互いに連携 — 階層化された計算資源を必要に応じて活⽤ — 超並列︓互いに独⽴して相互に稼働・ シームレスに通信接続 このような超並列分散処理を どうやって実現するのか︖
  6. 7 IoT"システム"をつくるには︖ • 主体がバラバラ — エンドユーザ,MNO,ISP,クラウド事業者,,, • 性能がバラバラ — Arm

    M 〜 Raspberry Pi / GPU, FGPA, TPU / Intel, Ryzen 〜 Xeon 〜 富岳 • ネットワーク品質・性能がバラバラ — 到達性,RTT,,, • APIがバラバラ — そもそもAPIはあるのか 5G/B5G時代を超えていく コンピューティング技術を開拓する
  7. 8 我々の強み • Elixir/Nerves — "世俗派"関数型⾔語 ü アクターモデルに基づく ü 並⾏性と⽣産性の両⽴

    — Nerves: IoTフレームワーク ü 堅牢性と柔軟性の両⽴ ü ExiBee: FA向けデバイス • ROS 2/DDS — ロボットシステム開発を 加速するプラットフォーム — 出版購読型の通信モデル — DDS: ⾃律的な通信経路の確⽴ — IoT向けにも有⽤な ライブラリ・ツールチェーン • Dripcast — エッジからクラウドを透過的に扱う Javaライブラリ • Distcloud — JGN上に構築された広域に分散し た⾮中央集権的な実験プラットフォーム — 国内の学術研究機関の計算機資源を ⾃主的に相互接続した仮想化環境 node1 node2 node3 node4 Topic1 Topic2 node5 出版(Publish) 購読(Subscribe) msg msg msg msg Store Relay Engine Client on Cloud Environment Devices
  8. 9 主軸は Elixir!! 2012年に登場した新しめの関数型⾔語 BEAM (Erlang VM) 上で動作 • ⾼い並⾏/並列性能を誇る

    • 軽量かつ頑強なプロセスモデル • 耐障害性が極めて⾼い Rubyを基にした⾔語設計 • 習得しやすく⽣産性が向上する • 通信応答性能が極めて⾼い • Web/IoT/AI FW. を備える Programming should be about transforming data                   Elixir Zen Style Ø データフローと並列処理を Enum Flow |> で直感的に記述できる ※各⾔語・フレームワークのロゴの権利は それぞれの作成者に帰属しています
  9. Elixirの気持ちよさ ダッシュ ボード Link Super Visor one_for_one App 液晶 データ

    ロガー Link センサ 監視 制御 Link ボタン {:ok, ref} = Circuits.I2C.open(@i2c_bus) Circuits.I2C.write(ref, @i2c_addr, <<0xBE, 0x08, 0x00>>) Circuits.I2C.write(ref, @i2c_addr, <<0xAC, 0x33, 0x00>>) {:ok, val} = Circuits.I2C.read(ref, @i2c_addr, 7) <<_state::8, raw_humi::20, raw_temp::20, _crc::8>> = val 10 • (やや)強い動的型付け — データ構造にイミュータブル性を持つ • アクターモデルに基づく並⾏処理 — モノ同⼠がメッセージ交換しながら進⾏ — 疎結合かつ⾮同期な並⾏処理モデル • メモリ軽量かつ堅牢なプロセスモデル — プロセス単位でのメモリ管理と障害復旧 — 処理のモジュール化と制御の抽象化 • バイナリ操作とパターンマッチ スキップ 予定
  10. • ElixirによるIoTフレームワーク — 極⼩規模のファームウェア (~>30 MB) — 堅牢性の⾼いファイルシステム — 機能の取捨選別が容易

    (Buildrootの利⽤) — OTAサービスが標準機能として提供 • Elixirの⾔語機能との完全な互換性 — アクターモデルで並⾏処理ができる — IoT向けになにか気にする必要がない — 有⽤なライブラリとツールが揃っている Ø⽇本初!?のNerves搭載製品 → Pocket LANcher Bootloader A Linux kernel (Buildroot) Master Boot Record Root Filesystem A (Read-only) Application Data (Read-Write) C libraries Erlang VM Bootloader B Root Filesystem B (Read-only) C libraries Erlang VM CQ出版Interface 2020年6⽉号〜 2021年1⽉号 11
  11. • Plumbing: 出版購読型の通信ミドルウェア • Tools: プロジェクト管理,デバッグ,可視化,等 • Capabilities: 膨⼤なライブラリ・パッケージ •

    Ecosystem: 世界規模の強⼒なOSSコミュニティ ロボットソフトウェアの開発を加速するプラットフォーム http://www.ros.org/about-ros/ 12 (Robot Operating System)
  12. 通信ミドルウェアとしての • Publish / Subscribe messaging infrastructure — ROSノード︓ロボットシステムを構成する機能単位 —

    Topicを介した出版購読型通信︓基本的に⾮同期・疎な通信⽅式 üノードの登録・変更・削除・配置/障害時の再起動と復旧が容易に実現できる üDDS/RTPS︓通信相⼿の探索/通信経路の確⽴を⾃律的に⾏う ü任意のデータ型を定義・パッケージ利⽤することができる node1 node2 node3 node4 Topic1 Topic2 node5 出版(Publish) 購読(Subscribe) msg msg msg msg • その他の通信⽅式 — Service: 同期式 — Action: 同期と⾮同期の組合せ — Parameter: 多変量辞書 13
  13. 14 ︓最適配分アルゴリズム ︓IoTノードの計算資源 ︓資源透過型の分散処理プラットフォーム ① ︓IoTノードの能率的な実⾏環境 ② ︓計算資源配分の決定⼿法 ③ ︓実証評価向けアプリケーション

    ④ ︓透過型分散プラットフォーム ︓BEAM(Elixir処理系) MEC BEAM クラウド BEAM エッジ BEAM 最適配分アルゴリズム 透過型分散プラットフォーム BEAM システム開発者 デプロイされる コード ① ③ ② ③ ③ ❤ 評価アプリ ❤ 評価アプリ ④ ④ ❤ 評価アプリ ④ ② ② ❤ 評価アプリ ④ ② ② ② ② 関数型パラダイムで実現するB5G時代の 資源透過型広域分散コンピューティング環境 クラウド︓ みんなのことをやる エンドデバイス︓ ⾃分のことをやる exMEC︓ ⾃分+ヒトのことをやる 開発環境︓ なにも気にせずやる
  14. 15 研究開発項⽬と担当体制 2. IoTノードの能率的な実⾏環境 a)ヘテロSoC向けBEAM処理系 (東⼤・⾼知⼯科⼤・シティネット) b)B5G向け通信ミドルウェア (さくら・東⼤) 3. 計算資源配分の決定⼿法

    (NII) a)最適配分アルゴリズム b)優先制御と競合解決アルゴリズム 4. 実証評価向けアプリケーションの開発 (さくら・東⼤) 1. 資源透過型の分散処理プラットフォーム a) アーキテクチャの検討・設計 (阪⼤・⾼知⼯科⼤・シティネット) b) プラットフォームのElixirによる実装 (⾼知⼯科⼤・シティネット)