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大規模UnityゲームタイトルでのObservabilityへの取り組み事例

 大規模UnityゲームタイトルでのObservabilityへの取り組み事例

WonderPlanet Inc.

June 13, 2023
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  1. © WonderPlanet Inc. 2 自己紹介 吉谷幹人(ヨシヤミキト) ワンダープラネット株式会社 CTO @mikito0521 テックリードとして複数プロジェクトのシステムアーキテクチャや、

    技術課題マネジメント、組織運営を主導。その後、全社横断組織 EDMO(エドモ)のエンジニアリング担当かつCTOとして、社内の技 術課題管理や基盤整備、社内標準化などに従事。 主な著書 • Unity2021 3D/2Dゲーム開発実践入門 • Unityゲーム プログラミング・バイブル(共著)
  2. © WonderPlanet Inc. 7 面白さの追求 • 合理性からはみ出るロジック • 特定のコラボイベントだけの処理、機構 •

    エモい表現 • 仕様通りの実装完了は完了じゃない • +楽しいが必要、答えがない • 運用での機能追加〜長期運営 • 1〜2週間おきのアップデート • 計画外の追加コンテンツの急遽配信 • データの蓄積・肥大化
  3. © WonderPlanet Inc. 8 世界中のモバイル端末で動作させる • ゲームは実行負荷がべらぼうに高い... • 60FSPアクション性高いバトル画面 •

    もりもりの演出、画面エフェクトのレンダリング • 数百MB〜数GBのアセット • さまざまな端末での動作保証 • Android端末数5000+ • 世界中のネットワーク環境
  4. © WonderPlanet Inc. 10 インフラからモバイルアプリまで観測可能に インフラ・ネットワーク 監視 サーバーアプリ 監視 モバイルアプリ

    監視 顧客体験 監視 オブザーバビリティ データをリアルタイムに 取得し続け、常にシステム全容 把握と問題の予防・ 改善ができる状態
  5. © WonderPlanet Inc. 12 APM (Application Performance Monitoring)の活用 • 負荷試験中のチューニング/ボトルネックのドリルダウン

    • 非効率クエリ • アプリロジックの重い処理(繰り返し処理とか) • キャッシュ利用方法 • 運用中の問題への対応 • Transaction重い順
  6. © WonderPlanet Inc. 自社開発 14 モバイルモニタリング向けUnityラッパーを開発 • Android、iOSのSDK • 端末・OS情報、通信時間、クラッシュなど基本情報が取れる

    • Unity自作ラッパーを開発 • Unityプロジェクトコードと連携して独自メトリクスも観測できるように New Relic Android SDK New Relic iOS SDK Unityラッパー 標準メトリクスの取得 独自メトリクスの取得
  7. © WonderPlanet Inc. 18 モバイルモニタリングの効果や所感 • Unityライブラリの開発はそこまで難しくはなかった • NativeのSDK導入だけでも結構計測ができる •

    指標やダッシュボードを作るのが結構むずい • 以下のようなところは検知できた • 急に増えたクラッシュ=>対応 • 異常にレスポンスが悪いAPI=>対応 • 本格的な活用はこれからというところ
  8. © WonderPlanet Inc. 19 開発→運用 • 開発中盤からモバイルモニタリングSDKの導入を行う • 問題を生み出さない開発 •

    問題に気づく運用 • 問題への機敏な対応 • ユーザー体験を測るSLI/SLOを選定中 • チームで追っていくフロー・文化を確立したい
  9. © WonderPlanet Inc. 20 まとめ • ゲーム開発は不確実性の塊、Observability向上がカギと見る • 予測が難しい中での最適化 •

    複雑なドメインコード、膨大な端末、通信環境 • 機敏なビジネス的動きへの対応 • サービスを統合して観測 • APMでのボトルネックのドリルダウン&アクション • Unityのプラグインを作ってモバイルも計測 • SLI/SLOを策定中=>チームで追う文化へ