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テストを学び成長する/Study_Software_Testing_and_Grow

 テストを学び成長する/Study_Software_Testing_and_Grow

JaSST '22 Shikokuの講演のスライドです。
https://www.jasst.jp/symposium/jasst22shikoku/timetable.html#S1

Abstract:
ソフトウェアテストと一口に言っても、その様相は多面的です。実際にテストの世界では様々な側面の要素が、同じテストという用語で語られるため、ミスコミュニケーションが発生することも少なくありません。

自身が成長するにしろ組織を成長させるにしろ、違いを識別して俯瞰した視座からテストを考ることは、ソフトウェアテストに関わるすべての人にとって有益と考えます。

その上で、テストに強みを持った技術者へどう成長するのか、もしくはどう成長してもらうのかについてお話ししたいと思います。

※本講演はJaSST'21 Hokurikuでお話しした内容をベースに、2022年度版としてアップデートしたものです。
http://www.jasst.jp/symposium/jasst21hokuriku/timetable.html#A1

YAMASAKI Takashi

January 22, 2021
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Transcript

  1. テストを学び成長する
    ~テストの全体観を持ち、テストに強みをもった技術者になるための学びと育成について~
    2022年度版
    2022年10月14日(金)
    於 JaSST ’22 Shikoku
    Copyright © 2017-2022 Takashi YAMASAKI All right reserved. 1

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  2. 山﨑 崇 (YAMASAKI Takashi)
    (株)ベリサーブ ソフトウェア品質コンサルティング部 兼 品質保証部プロジェクト推進課 課長
    2001年からセキュリティ対策ベンダーにおいて、さまざまなプロジェクトのソフトウェアテスト
    活動にQAエンジニアとして従事。その傍ら、さまざまなテストコミュニティに参画し、活動の場を
    広げる。2015年にベリサーブに入社。現場への技術支援、教育、コンサルテーションなどを担い、
    少しでも現場が幸せになるように日々奮闘中。
    主な活動
    • JaSST東京実行委員会 (’11~)
    • テスト設計コンテストU-30審査委員 (’16~)
    • ASTER テストプロセス改善研究会 (’16~)
    • JSTQB Foundation Level 認定講師 (’12~)
    • WACATE(’07~’14)
    など
    主な著書・訳書
    • 実践ソフトウェアエンジニアリング 第9版 (共訳)
    • 開発現場で役立つテスト「超」実践講座 第9回 (著)
    • テスト技術者資格制度Foundation Level
    Extensionシラバス アジャイルテスト担当者 (共訳)
    • システム開発ジャーナル Vol. 10 (共著)
    など
    主な講演
    • JaSST’21北陸 基調講演「テストを学び成長する」 🔗
    • JaSST’17東北 基調講演「テストの極みを目指して」 🔗
    • JaSST’15東京 チュートリアル「初心者からの脱出」 🔗
    • テスト設計コンテストチュートリアル
    U-30クラス(’17~’19)ちびこん編(’21 🔗)
    • SQiP研究会 品質保証の基礎コース 第7回
    「ソフトウェアテストの概観を識る」
    (’17, ’20~) 🔗
    • 第14回SPIトワイライトフォーラム
    「テストプロセス改善モデルの最新動向」 🔗
    など
    その他 https://www.linkedin.com/in/yamasaki696/ を参照
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  3. 特技ソフトウェアテスト
    趣味ソフトウェアテスト
    Yes, I'm loving Software Testing!
    @yamasaki696
    Copyright © 2017-2022 Takashi YAMASAKI All right reserved. 3

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  4. Copyright © 2017-2022 Takashi YAMASAKI All right reserved. 4

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  5. 本資料の公開先
    https://bit.ly/3g0nNRc
    Copyright © 2017-2022 Takashi YAMASAKI All right reserved. 5

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  6. この講演のお約束
    録画・録音
    NG
    キャプチャ
    OK
    SNS投稿
    OK
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  7. 質問方法
    Copyright © 2017-2022 Takashi YAMASAKI All right reserved. 7
    ZoomのQ&Aから、質問を適宜投稿してください
    ※チャットではないです
    ※すべての質問に回答できないかもしれませんが、その際は、公演後にテキストベースになりますが、可能な限り回答できればと思います

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  8. 今日のお話
    Copyright © 2017-2022 Takashi YAMASAKI All right reserved. 8
    1.テストについて改めて考えてみる
    2.テストを俯瞰する3つの軸のお話
    3.テストを学ぶこと・育成について

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  9. 今日のお話
    Copyright © 2017-2022 Takashi YAMASAKI All right reserved. 9
    1.テストについて改めて考えてみる
    2.テストを俯瞰する3つの軸のお話
    3.テストを学ぶこと・育成について

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  10. Copyright © 2017-2022 Takashi YAMASAKI All right reserved. 10

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  11. ソフトウェア
    論理的集合体
    目に見えない
    触れられない
    物理化学法則に基づ
    かないので自由度が
    高すぎる
    ハードウェア
    物質的実体
    目に見える
    触れられる
    物理化学法則に基づ
    くので自由度は低い
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  12. Copyright © 2017-2022 Takashi YAMASAKI All right reserved. 12
    出典: テスト技術者資格制度 Foundation Levelシラバス日本語版Version 2018V3.1.J03 P.17 [1.2.3 エラー、欠陥および故障」より
    誘因① 納期のプレッシャー
    誘因② 人間の誤りを犯しやすい性質
    誘因③ プロジェクト参加者の経験不足または技術不足
    誘因④ プロジェクト参加者間の誤ったコミュニケーション
    ※要件や設計の誤ったコミュニケーションを含む
    誘因⑤ 複雑さ
    ※ コード、設計、アーキテクチャ、解決すべき根本的な問題, そして/または使用する技術の複雑さ
    誘因⑥ システム内またはシステム間のインターフェースに対する誤解
    ※ 特に、関連するシステム数が多い場合
    誘因⑦ 新しく不慣れな技術 など

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  13. Copyright © 2017-2022 Takashi YAMASAKI All right reserved. 13

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  14. Industry References:3 B. Boehm and V. Basili, "Software Defect Reduction Top 10 List" IEEE Computer Society, Vol. 34, No. 1, Jan 2001
    リリース後に見つかった欠陥の修正コストは高い
    Copyright © 2017-2021 Takashi YAMASAKI All right reserved. 14

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  15. Copyright © 2017-2022 Takashi YAMASAKI All right reserved. 15

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  16. ”全てのライフサイクルを通じて実施する静的、動的な
    プロセスにおいて、成果物が特定の要件を満足するか
    を判定し、目的に合致することを実証し、欠陥を見つけ
    るため、ソフトウェアプロダクトや関連成果物に対し、
    計画、準備、評価をすること。”
    ISTQB Glossary V3.5 https://glossary.istqb.org より
    Copyright © 2017-2022 Takashi YAMASAKI All right reserved. 16

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  17. 人によっても違うし成熟度によっても違うし千差万別
    テストは行動ではない。大げさなテストをすることなく品質の高いソフト
    ウェアを作るための精神的な訓練である。
    フェーズ4
    テストの目的は、何かを証明することではなく、プログラムが動かない
    ことによって発生する危険性をある許容範囲までに減らすことである。
    フェーズ3
    テストの目的は、ソフトウェアが動かないということを示すことにある。
    フェーズ2
    テストの目的は、ソフトウェアが動くことを示すことである。
    フェーズ1
    テストとデバッグには何の差もない。
    デバッグ以外にはテストには特別な目的はない。
    フェーズ0
    出典:ボーリス・バイザー著 「ソフトウェアテスト技法」 P.3 「1.4 テスト担当者の精神面による区分」
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  18. テストの目的も一義的ではない
    要件、ユーザーストーリー、設計、およびコードなどの作業成果物を評価することによって欠陥を防ぐ。
    明確にしたすべての要件を満たしていることを検証する。
    テスト対象が完成したことを確認し、ユーザーやその他ステークホルダーの期待通りの動作内容で
    あることの妥当性確認をする。
    テスト対象の品質に対する信頼を積み重ねて、所定のレベルにあることを確証する。
    欠陥や故障を発見し、ソフトウェアの品質が不適切になるリスクレベルを軽減する。
    ステークホルダーが意志決定できる、特にテスト対象の品質レベルについての十分な情報を提供する。
    契約上、法律上、または規制上の要件や標準を遵守する、そして/またはテスト対象がそのような要件
    や標準に準拠していることを検証する。
    出典: テスト技術者資格制度 Foundation Levelシラバス日本語版Version 2018V3.1.J03 P.15「1.1.1 テストに共通する目的」より
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  19. 「品質に関わる新たな ための諸活動」
    ※以下のテストの目的をすべて満たします
    欠陥を摘出する
    対象ソフトウェアの品質レベルが
    十分であることを確認する
    意志決定のための情報を示す 欠陥の作りこみを防ぐ
    上記4つのテストの目的は、テスト技術者資格制度 Foundation Levelシラバス日本語版 Version 2011.J02より引用 (JSTQB FL)
    で、結局テストって何んなの?
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  20. い テストから得られる情報のタイミングが早いほど価値が高い

    い テストから得られる情報の取得コストが安いほど価値が高い


    テストから得られる情報がニーズに合致
    していて正確で分かり易いほど価値が高い
    本質的にテストの価値は情報収集・提供
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  21. テストを通じて得られた情報によって製品やサービスの
    品 質 に 対 す る 確 信 度 合 い を 積 み 上 げ て い く
    逆説的には、テストをしなくて済むのであれば、誰もがそれをしたくないけれども、ソフトウェアの特性や人の特性やソフトウェア開発
    の背景などから、テストという手段を用いてその結果を見ないことには、リリースしても大丈夫であるかどうかを判断する術がない
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  22. そのための手段がテストだが、テストは本質的に完全ではない
    テストは欠陥があることは示せるが、欠陥がないことは示せない
    原則 1
    全数テストは不可能
    原則 2
    早期テストで時間とコストを節約
    原則 3
    欠陥の偏在
    原則 4
    殺虫剤のパラドックスにご用心
    原則 5
    テストは状況(コンテキスト)次第
    原則 6
    「バグゼロ」の落とし穴
    原則 7
    出典:「テスト技術者資格制度 Foundation Levelシラバス日本語版Version 2018V3.1.J03」P.18~19「1.3 テストの7原則」より
    Copyright © 2017-2022 Takashi YAMASAKI All right reserved. 22

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  23. テストはテストのみでは存在しえない活動(テストのことだけ考えても意味がない)
    情報はそれを使うことで意味を持つ
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  24. テストとは、テストとそれに関係するテスト以外のこと
    についても考えに考え抜いてそれらの本質を知ること
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  25. Copyright © 2017-2022 Takashi YAMASAKI All right reserved. 25
    テストを学び、テストを通じて成長しよう

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  26. 今日のお話
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    1.テストについて改めて考えてみる
    2.テストを俯瞰する3つの軸のお話
    3.テストを学ぶこと・育成について

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  27. 理解への第一歩は言葉を知ることから
    Copyright © 2017-2022 Takashi YAMASAKI All right reserved. 27

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  28. 共通言語としてJSTQB Foundation Level 取得のススメ
    Copyright © 2017-2022 Takashi YAMASAKI All right reserved. 28

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  29. Copyright © 2017-2022 Takashi YAMASAKI All right reserved. 29

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  30. ユニットテスト
    統合テスト
    システムテスト
    結合テスト
    アルファテスト
    ベータテスト
    機能テスト
    非機能テスト
    性能テスト 負荷テスト
    受け入れテスト
    スモークテスト
    モンキーテスト
    探索的テスト
    ペネトレーションテスト
    セキュリティテスト
    コンパチビリティテスト
    パステスト
    ステートメントテスト
    デシジョンテーブルテスト
    テスト設計
    テスト計画
    テスト分析
    テスト実装
    テスト実行
    テスト管理
    テスト報告
    テストケース
    テストウェア
    テストベース
    テストデータ
    テスト環境
    テストツール
    テスト条件
    テスト戦略
    テストアプローチ
    テスト技法
    ブラックボックステスト
    ホワイトボックステスト
    グレーボックステスト
    テスト手順
    ロードテスト
    テスト駆動開発
    テストフレームワーク
    でもテストの領域は「●●テスト」や「テスト●●」だらけ…
    Copyright © 2017-2022 Takashi YAMASAKI All right reserved. 30

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  31. Copyright © 2017-2022 Takashi YAMASAKI All right reserved. 31
    「分かることは分けられること」
    「思考・論理・分析 ―「正しく考え、正しく分かること」の論理と実践―」 波頭 亮(著)

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  32. 分けるためにも概観できるテストの軸が重要
    テストレベル
    テストプロセス
    テストタイプ
    テストの空間のどこに対しての
    要素であるかを意識した上で
    テスト技術などの要素を考える
    ※図はイメージです
    Copyright © 2017-2022 Takashi YAMASAKI All right reserved. 32

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  33. 分けるためにも概観できるテストの軸が重要
    テストレベル
    テストプロセス
    テストタイプ
    テストの空間のどこに対しての
    要素であるかを意識した上で
    テスト技術などの要素を考える
    ※図はイメージです
    Copyright © 2017-2022 Takashi YAMASAKI All right reserved. 33

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  34. テストレベルとは?
    テストレベルは、系統的にまとめ、マネジメント
    していくテストの活動のグループである。

    具体的にインスタンス化したテストプロセス。

    ISTQB Glossary https://glossary.istqb.org より
    「テスト技術者資格制度 Foundation Levelシラバス日本語版Version 2018V3.1.J03」 P.31「2.2 テストレベル」より
    Copyright © 2017-2022 Takashi YAMASAKI All right reserved. 34

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  35. 受け入れテスト
    システムを受け入れる判断に焦点を当てたテストレベル。
    システムテスト
    システム全体が特定の要件を満たしていることを確認することに焦点を当てたテストレベル。
    統合テスト
    コンポーネント間、またはシステム間の相互作用に焦点を当てたテストレベル。
    コンポーネントテスト
    個々のハードウェアまたはソフトウェアコンポーネントに焦点を当てたテストレベル。

















    「小さなことからコツコツ」と品質に関する確信度合いを積み上げていく
    各テストレベルの用語定義はISTQB Glossary https://glossary.istqb.orgによる
    Copyright © 2017-2022 Takashi YAMASAKI All right reserved. 35

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  36. 要件定義
    外部設計
    内部設計
    実装
    テスト
    実装終わったらテストって乱暴すぎよね
    Copyright © 2017-2022 Takashi YAMASAKI All right reserved. 36

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  37. 上流工程の開発と下流工程のテストにおける責務との対応関係
    外部設計
    内部設計
    実装
    要件定義
    コンポーネント
    テスト
    統合テスト
    システムテスト
    受け入れテスト
    対応関係













    Copyright © 2017-2022 Takashi YAMASAKI All right reserved. 37

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  38. テスト自動化のピラミッド
    出典:「実践アジャイルテスト」 P.274「図14-2 テスト自動化のピラミッド」に軸を付け加えた図(図の左側を独自に追加している。
    GUIテスト
    受け入れテスト
    (APIレイヤー)
    ユニットテスト/コンポーネントテスト
    手動テスト
    高い
    低い 低い
    高い
    遅い
    速い












    Copyright © 2017-2022 Takashi YAMASAKI All right reserved. 38

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  39. DevOpsでの継続的テストのループ
    出典:Dan AshbyのContinuous Testing in DevOpsを引用した書籍「A Practical Guide to Testing in Dev Ops」に翻訳本 P.xiii
    Dev
    PLAN
    BRANCH
    CODE
    MERGE
    BUILD
    Ops
    RELEASE
    DEPLOY
    OPERATE
    MONITOR
    ここで
    テスト
    ここで
    テスト
    ここで
    テスト
    そして
    ここでも
    さらに
    ここでもテスト ここでテストしないの?
    もちろんできます!
    ここでも
    テスト
    さらに
    ここでも
    テスト
    そして
    ここも
    もちろん…
    Copyright © 2017-2022 Takashi YAMASAKI All right reserved. 39

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  40. テ ス ト レ ベ ル の 本 質 を 考 え て い く と
    ソフトウェア開発ライフサイクルに留まらず
    ソフトウェアライフサイクル全般における
    テストの全体像を考えていくことに繋がる
    Copyright © 2017-2022 Takashi YAMASAKI All right reserved. 40

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  41. 分けるためにも概観できるテストの軸が重要
    テストレベル
    テストプロセス
    テストタイプ
    テストの空間のどこに対しての
    要素であるかを意識した上で
    テスト技術などの要素を考える
    ※図はイメージです
    Copyright © 2017-2022 Takashi YAMASAKI All right reserved. 41

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  42. テストタイプとは?
    コンポーネントやシステムのある特性に対応したテスト
    の目的を基にテスト活動をまとめたもの。

    ISTQB Glossary V3.5 https://glossary.istqb.org より
    テストタイプは、以下に列挙する特定のテストの目的か
    ら見たソフトウェアシステム(あるいはシステムの一部
    分)の特性をテストするための活動を束ねたものである。
    「テスト技術者資格制度 Foundation Levelシラバス日本語版Version 2018V3.1.J03」P.40「2.3 テストタイプ」より

    Copyright © 2017-2022 Takashi YAMASAKI All right reserved. 42

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  43. JSTQBによるテストタイプの分類
    テストタイプ
    機能テスト
    機能の品質特性、例えば完全、正確
    および適切であることなどを評価す
    る。
    非機能テスト
    非機能の品質特性、例えば信頼性、
    性能効率性、セキュリティ、互換性、
    使用性などを評価する。
    ホワイトボックステスト
    コンポーネントまたはシステムの、構造
    またはアーキテクチャーが正しく完全
    で仕様通りであることを評価する。
    変更関連のテスト
    欠 陥 が 修 正 さ れ て い る こ と を 確 認 す る な ど の 変 更 に よ る 影 響 を 評 価 し ( 確 認 テ ス ト ) 、
    ソ フ ト ウ ェ ア や 環 境 の 変 更 に よ っ て 意 図 し な い 振 る 舞 い の 変 化 が 発 生 し て い な い か を
    探す(リグレッションテスト)。
    Copyright © 2017-2022 Takashi YAMASAKI All right reserved. 43
    各テストレベルの用語定義はISTQB Glossary https://glossary.istqb.orgによる

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  44. “製品品質モデル “ from “JIS X 25010:2013” 図4
    システム/ソフトウェア製品品質
    機能適合性 性能効率性 互換性 使用性 信頼性 セキュリティ 保守性 移植性
    • 機能完全性
    • 機能正確性
    • 機能適切性
    • 時間効率性
    • 資源効率性
    • 容量満足性
    • 共存性
    • 相互運用性
    • 適切度認識性
    • 習得性
    • 運用操作性
    • ユーザエラー
    防止性
    • ユーザインター
    フェース快美性
    • アクセシビリ
    ティ
    • 成熟性
    • 可用性
    • 障害許容性
    (対故障性)
    • 回復性
    • 機密性
    • インテグリティ
    • 否認防止性
    • 責任追跡性
    • 真正性
    • モジュール性
    • 再利用性
    • 解析性
    • 修正性
    • 試験性
    • 適用性
    • 設置性
    • 置換性
    ISO/IEC 25010の製品品質モデル
    Copyright © 2017-2022 Takashi YAMASAKI All right reserved. 44

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  45. Copyright © 2017-2022 Takashi YAMASAKI All right reserved. 45
    • さまざまなテストを考慮するにあたり、品質モデルの各特性をガイドワードとして利用する
    のは良いですが、テストの中にすべて押し込むのは乱暴で、テストでは測りがたい特性もあ
    ります(たとえば、保守性とか移植性とか)
    • 前提として品質モデルはテストのためのモデルではないですし、各品質の特性は相関関係
    があります。そして、すべての品質特性をフル天にすれば良いわけでもありません
    • 各特性が「どうあるべきか」は、本来的には品質要求として定める必要があり、テストではそ
    の要求を満たしているのかを確認することになります
    • 例えば、時間効率性(パフォーマンス)として、何msの応答であれば妥当であるかは品質要求次第

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  46. 図:品質属性間のプラスとマイナスの相関関係
    Karl E.著「ソフトウェア要求 第3版」 P.333より。
    ※なお、デザインに手を入れている































































    可用性 + +
    効率性 + - - + - - + -
    導入可能性 + + +
    完全性 - - - - + + - -
    相互接続性 + - - - + + + - -
    修正可能性 + + - - + + + +
    性能 - - - - - - -
    移植性 - + - - + - - +
    信頼性 + - + + - + + + + +
    再利用性 - - + + - + - +
    堅牢性 + - + + + - + + + + +
    安全性 - + + - + + - -
    拡張性 + + + + + + +
    セキュリティ + + + - - + + + - -
    ユーザビリティ - + - - + + + -
    検証可能性 + + + + + + + + + +
    品質特性間の相関関係の例
    Copyright © 2017-2022 Takashi YAMASAKI All right reserved. 46

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  47. Product Quality
    Functional
    suitability
    Performance
    efficiency
    Compatibility
    Interaction
    capability
    Reliability Security Maintainability Flexibility Safety
    Functional
    completeness
    Functional
    correctness
    Functional
    appropriateness
    Appropriateness
    recognizability
    Learnability
    Operability
    User error
    protection
    User
    engagement
    User
    assistance
    Self-
    descriptiveness
    Time behavior
    Resource
    utilization
    Capacity
    Co-existence
    Interoperability
    Confidentiality
    Non-
    repudiation
    Integrity
    Accountability
    Authenticity
    Resistance
    Operational
    constraint
    Risk
    identification
    Failsafe
    Hazard
    warning
    Safe
    integration
    Faultlessness
    Availability
    Fault
    tolerance
    Recoverability
    Modularity
    Reusability
    Analyzability
    Modifiability
    Testability
    Adaptability
    Scalability
    Installability
    Replaceability
    製品品質のモデルも、時代と共に改訂を重ねてきており、先のISO/IEC25010:2013も現在絶賛改訂作業中です。
    また、製品品質以外にも、SQuaREには利用時の品質、データ品質、サービス品質なども規定されていています。
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    変更 新規追加
    既存
    凡例
    図は、現在策定中(まだリリースされていない、ISO/IEC 25010の新しい製品品質モデルの主特性と副特性の案が出典。
    策定中の情報についてはオフィシャルに表にでていませんが、この規格を策定するワーキンググループのコンビーナ(議長)である込山さんの資料を参照してください。
    https://speakerdeck.com/washizaki/squareguan-lian-falsebiao-zhun-hua-falsequan-ti-dong-xiang-25010-25019gai-yao-ip-shan-jun-bo

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  48. テストタイプを突き詰めていくと開発している
    製品やサービスに求められていること、それら
    の存在意義といった根源的なことに繋がる
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  49. 分けるためにも概観できるテストの軸が重要
    テストレベル
    テストプロセス
    テストタイプ
    テストの空間のどこに対しての
    要素であるかを意識した上で
    テスト技術などの要素を考える
    ※図はイメージです
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  50. テストプロセスとは?
    相互に関連する活動のセット。テスト計画作業、
    テストモニタリングとコントロール、テスト分析、
    テスト設計、テスト実装、テスト実行、テスト完了
    といった活動から構成される。
    ISTQB Glossary V3.5 https://glossary.istqb.org より

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  51. テストプロセスの例(JSTQB)
    テストプロジェクトのタイムライン




















    テストのモニタリングとコントロール










    t
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  52. テスト
    モデルを
    特定する
    4つの
    テスト
    モデル
    モデルに
    紐づいた
    テスト観点
    テスト
    観点を
    詳細化
    する
    詳細化された
    テスト観点
    (テストパラメータ)
    網羅
    基準を
    設定する
    網羅基準
    テストケース
    (テスト値)
    基準に
    基づいて
    ケースを
    導出する
    網羅基準に
    紐づいた
    テスト
    パラメータ
    テスト技法
    テスト
    観点間の
    関係性を
    見出す
    テスト
    フレーム
    同じような
    意味を持つ
    テスト観点や
    テストフレーム
    をまとめる
    テスト
    コンテナ
    テスト
    コンテナ間の
    関連性を
    整理する
    テスト
    アーキテクチャ
    テスト
    すべきことを
    洗い出す
    テストベース
    様々な
    テスト観点
    テスト観点を
    構造化する
    構造化された
    テスト観点
    (中間状態)
    ドメイン知識/
    ガイドなど
    リファイン
    する
    最終的に
    構造化された
    テスト観点
    さまざまなテストレベルやテストタイプを
    実現するためのテストプロセスを設計しよう
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  53. 外部設計 システムテスト
    内部設計
    コーディング
    統合テスト
    要件定義 受入れテスト
    同上
    同上
    同上
    テスト完了
    テスト実行
    テスト実装
    テスト設計
    テスト分析
    モニタリングおよびコントロール
    テスト
    計画
    ソフトウェアライフサイクルの中で継続的に行っていく
    各 テ ス ト の 特 徴 を 見 据 え た プ ロ セ ス を 設 計 す る
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  54. Deploy
    Stage
    Test
    Build
    Commit
    継続的Delivery(CD)
    継続的インテグレーション(CI)
    継続的デプロイメント(CD)
    ラ イ フ サ イ ク ル の 中 に パ イ プ ラ イ ン も 構 築 し て い く
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  55. テ ス ト プ ロ セ ス を 突 き 詰 め て 考 え て い く と
    テストを実現するためのプロセスだけではなく
    ソフトウェア開発ライフサイクルやソフトウェアライ
    フサイクルとの融合やパイプライン化に繋がる
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  56. 分けるためにも概観できるテストの軸が重要
    テストレベル
    テストプロセス
    テストタイプ
    テストの空間のどこに対しての
    要素であるかを意識した上で
    テスト技術などの要素を考える
    ※図はイメージです
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  57. テストの空間の第1面(テストタイプ×テストレベル)
    受け入れテスト
    システムテスト
    統合テスト
    コンポーネントテスト






















    使





    ・・・



















    非機能テスト
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  58. テストの空間の第2面(テストプロセス×テストレベル)
    受け入れテスト
    システムテスト
    統合テスト
    コンポーネントテスト





































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  59. テストの空間の第3面(テストプロセス×テストタイプ)
    機能テスト






    セキュリティテスト
    相互運用性テスト
    使用性テスト
    ・・・
    ホワイトボックステスト
    変更関連のテスト





































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  60. テスト以外のスキルや知識が必要なだけではなく、
    テストとテスト以外を如何にして繋げるかが重要
    TEST
    SKILLS
    DOMAIN
    KNOWLEDGE
    SOFT
    SKILLS
    IT
    SKILLS
    Fig. “Tester Skillspace” by Stuart Reid from JaSST Tokyo’14 Session Material (H8-2-2.pdf)
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  61. テストに閉じて学ぶのではなく
    テ ス ト を 通 じ て ソ フ ト ウ ェ ア の
    本質に深く深く潜っていこう!
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  62. 今日のお話
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    1.テストについて改めて考えてみる
    2.テストを俯瞰する3つの軸のお話
    3.テストを学ぶこと・育成について

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  63. 学びや育成にも銀の弾丸はない
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  64. 興味をもっていない人に働きかけても難しい…
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  65. 必要に迫られて関心を持った時に、近づいてきた時がチャンス !
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  66. そのためにも普段からテストの楽しさや
    面 白 さ な ど を 醸 し 出 し て お こ う
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  67. Copyright © 2017-2022 Takashi YAMASAKI All right reserved. 67

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  68. さまざまなフィールドを通じて
    知見を広めるともに刺激を得る
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  69. Copyright © 2017-2022 Takashi YAMASAKI All right reserved. 69

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  70. Copyright © 2017-2022 Takashi YAMASAKI All right reserved. 70

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  71. 本講を切っ掛けにソフトウェアの深淵を覗く
    旅 へ の 第 1 歩 を 踏 み 出 し て く だ さ い
    写真素材
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    ご 静 聴 あ り が と う ご ざ い ま し た !

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