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異動することでもはじめられるScrum

Yudai Moriya
January 05, 2022
3.9k

 異動することでもはじめられるScrum

RSGT2022でお話ししたスライドです。

Yudai Moriya

January 05, 2022
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  1. ©2021 Yahoo Japan Corporation All rights reserved.
    異動することでもはじめられるScrum
    ヤフー株式会社 森⾕ 優⼤

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  2. ©2021 Yahoo Japan Corporation All rights reserved.
    ⾃⼰紹介
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    森⾕ 優⼤
    • 学⽣時代に授業でScrumチームを体験する
    • 2017年新卒⼊社
    • 2017.10 ~ 2021.03 プロダクト開発
    • 2021/04 ~ 2022.01(現在) 社内プラットフォーム開発
    • この部署への異動のおはなしです
    • TDD+モブプログラミングでワイワイする会 運営(2017.11~)
    • 通称 TDDワイワイ会

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  3. ©2021 Yahoo Japan Corporation All rights reserved.
    コミュニティ活動はRSGT2017から
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    • ⼤学院時代にRSGT2017にSpeakerとして参加できたところから
    • 「学⽣がチーム開発のメンタリングを改善したひと夏の話」
    • enPiT : チームでのアプリケーション開発を授業の⼀環として経験
    • メンターとしての取り組みを発表
    • RSGT2018からはボランティアスタッフ
    • RSGT2021からは実⾏委員
    • 作り出される場が好きで継続して参加している

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  4. ©2021 Yahoo Japan Corporation All rights reserved.
    チームC
    チームB
    チームA
    新卒配属先での開発体制
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    • プロダクトも組織も⼤きい
    • 機能開発が並⾏で⾛っている
    • 各チームの管理コンポーネントの中で必要な部分を開発する
    機能A
    機能B
    機能C

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  5. ©2021 Yahoo Japan Corporation All rights reserved.
    新卒配属先で導⼊されていた”Scrum”
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    • Devチームのみで2週間スプリント
    • プランニング、デイリースクラム、レトロスペクティブは実施される
    • 機能に対して1⼈を割り当て、タスクの分割や着⼿がその⼈のみになる
    • スプリントでやろうとしていたことが毎回半分ぐらいしか終わらない
    • スプリント期間中の差し込みタスクに⼿をつけてしまう
    • 並⾏で案件が⾛っていることや”なるはやで”と⾔われると
    • ⾒積もりがない、リファインメントがない
    学⽣時代に体験したもの
    と違うかも…

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  6. ©2021 Yahoo Japan Corporation All rights reserved.
    変じゃない?を伝える
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    • レトロスペクティブや事ある毎に少しずつ提案
    • 本来の⽬的にあったイベントにする
    • タスクの進め⽅や終わらせ⽅を⼯夫する
    • 例えば… 1⼈を割り当てる事で”私のアイテム”になってしまっていた
    • ペアプロしてみたり、機能の開発状況をなるべく簡単に共有できるようにする
    • なかなか状況を脱することができなかった
    • 伝え⽅が上⼿じゃなかったのかもしれない
    • やりやすい組織の状態ではないと⾔われたり

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  7. ©2021 Yahoo Japan Corporation All rights reserved.
    折れてしまった
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    • やることの良さを伝えてチームを変えることが⾃分にもできると思っていた
    • 届かないことの積み重ね、1⼈でやってる感
    • そもそも本来の⽬的を伝えることって⾃分のロール?
    • モチベーションがあがらなくなった
    • どうせ届かないから⾔わなくていいか…
    • イベントで話を聞いても、どうせやらないしな…
    • とはいえ、⾃らのキャリアを考えたら諦めるわけにはいかない

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  8. ©2021 Yahoo Japan Corporation All rights reserved.
    敗因を考える
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    • もともとイベントだけがインストールされていた
    • 背景や価値観が浸透していなかった
    • これまでの進め⽅でもうまくいってないわけではない
    • なぜわざわざ変えようとするのか
    • ⾔葉は使っているものの、Scrumで進めることにこだわっていなかった
    • ここに気づけていなかった
    ⾃分が体験した”Scrum”を知っている⼈と働きたい!

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  9. ©2021 Yahoo Japan Corporation All rights reserved.
    組織をかえればいいのかときづく
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    • 今のチームでなんとかしてScrumをやる⼿段しか⾒えていなかった
    • コミュニティで話を聞いていると
    • たくさんやっているチーム、組織がある
    • やりたい⼈がやれる状況になったよね
    • Scrum Fest Osaka 2020の永瀬さんのキーノート
    • 「話通じないならいいでーす︕」「話通じないならうちなら通じるから来てよ」
    “今いる組織を(良さを伝えて他のメンバーの意識も含めて)変えてやろう”から、
    “今いる組織を(⾃分が異動 or 転職することで)変えてやろう”へ
    IUUQTMPHNJKQUFDIBSUJDMFT

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  10. ©2021 Yahoo Japan Corporation All rights reserved.
    コミュニティでのつながりに助けられた異動活動
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    • 「ジョブチェン」
    • 新たな経験にチャレンジしたい場合に、その希望を⾃⼰申告できる異動制度
    • どこにそんな組織があるのかわからない…
    • 社外のコミュニティで出会った同じ会社の⼈にDM
    • 業務上のつながりはなかったものの
    • 親⾝にアドバイスをもらえた
    • やめずにコミュニティ活動続けててよかった
    IUUQTBCPVUZBIPPDPKQISXPSLQMBDFUSBJOJOH

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  11. ©2021 Yahoo Japan Corporation All rights reserved.
    異動できたことで始められたScrum
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    • 社内のクラウドプラットフォームを提供しているチームへ(2021.04~)
    • LeSSを使ったScrumチーム
    • ほんとにやっているチームがあるんだと感じられた
    • もともといたチームを変えたという話ではないがこうしてScrumでの開発を
    始められた
    • 進め⽅も楽しめることでプロダクトに愛着を持てるようになった

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  12. ©2021 Yahoo Japan Corporation All rights reserved.
    組織として取り組めることの強さ
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    • みんなが⽬的を理解している
    • すぐに進め⽅に関する説明会の実施等
    • ふつうだと思っていることをふつうだと思ってもらえる
    • 楽だなと思えることが多い
    • これまでにできたらいいと思っていたことがほとんどできている
    • なぜやるのか?を常に考えられる
    • 当たり前のようにペアやモブで作業
    • 課題があったときに仕組みの問題と捉えて改善を試みる

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  13. ©2021 Yahoo Japan Corporation All rights reserved.
    最近やってみていること
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    • 戦術リスト
    • やってみて効果的だったことを繰り返し適⽤できるようにする
    • 名前、実施⽅法、メリット、デメリットをmiroに記述
    • チームとしてのパターンランゲージのようなものにできるかも

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  14. ©2021 Yahoo Japan Corporation All rights reserved.
    (異動前に)これがもっとできていればよかったかなと思うこと
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    • 近くに仲間をつくる/⾒つける
    • 興味がありそう、持ってくれそうな⼈をなるべく近くで⾒つける
    • 新卒で⼊った中でひとりでやるのはむずかしい
    • 根回し
    • 提案したいことを事前に頭出ししてみる
    • 提案のタイミングを逃さないようにする
    • 思ったことをストックしておく、刺さりやすいタイミングを⾒計らう
    • 失敗したとき、組織変更のタイミングなど
    • 少しは変えられたこともあった
    Fearless Changeに
    書いてあるな…

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  15. ©2021 Yahoo Japan Corporation All rights reserved.
    さいごに
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    • “how-to-begin-scrum︓はじめの⼀歩”として
    • 所属組織を変えるということも選択肢になる
    • やりたい⼈がやれる状況になっていることを実感
    • コミュニティのありがたみを実感
    • 話を聞いてアクションを起こしてみようと思えた
    • (ゆるくても)つながりを作れていたことでアドバイスをもらえた
    • この話が同じような境遇の⼈の助けになれば
    • 還元する側にまわれたとしたらうれしい

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