【コード全公開】物理をグラフィカルに学習・教育するための物理シミュレータの紹介と使い方

自作の物理シミュレータを用いて運動方程式のシミュレーションを行う方法を解説しています。
本動画は以下のzennの記事に詳細にまとめております。
https://zenn.dev/hattori_sat/articles...

以下のような問題が解決するために作成しました。
1. 運動方程式を見ても物体がどんな動きをしているのか頭の中で分からない
2. 教科書には運動方程式を解いた結果としてグラフしか示されていない
3. グラフィカルに物理のシミュレーションを行った動画は少ないし、個人利用してよいか迷う

目的は、「対象読者が自由に物理シミュレーションを行える環境を与える」ことです。
そのために、可能な限りコードもシンプルに書いています。

Transcript

1. 概要 ◼目的 ⚫自作の物理シミュレータの紹介と使い方の説明 ✓Python×Processing ✓GitHubに公開：https://github.com/hattori-sat/simulator-processing ⚫自由に物理シミュレーションを行える環境を提供したい ◼対象 ⚫物理を教える際に物体の動きをグラフィカルに見せたい高校教師 ⚫大学での物理や工学で、運動方程式の理解を深めたい大学生・大学院生 ⚫視覚化に興味があるプログラミング初学者やエンジニア 1
2. デモンストレーション：物体間摩擦アリ、床摩擦ナシ ◼この動画を見ることで出来るようになる物理シミュレーション 2
3. 背景 ◼物理を学ぶ際の課題 ⚫運動方程式から物体の動きを創造するのが困難 ⚫教科書には運動方程式を解いた結果としてグラフしかない（下図のような） ⚫シミュレーションの敷居が高い 3
4. 仮定 / 環境 ◼物理シミュレーションを行うための環境 ⚫環境 ✓windows11 / macbook air ✓Python 3.10.6 ✓processing 4.3 ✓VSCode(コードは用意しているので編集時はメモ帳で構いません) ✓GitHub（コード格納場所） ⚫補足 ✓Pythonとprocessingが動けば問題ない ✓おそらく高校生に配布されているPCなどでも動作 4
5. 使用方法：プログラムのダウンロード ◼GitHubにてコードを全公開 ⚫（分かる方）git clone https://github.com/hattori-sat/simulator-processing.git ⚫下図のCodeボタン→Download ZIP https://github.com/hattori-sat/simulator-processing：右上のQRコードと同じURL 5
6. 使用方法：Processingとpyton実行 ◼ダウンロードしたフォルダ内部で以下を実行 ⚫twoBodySimulator.pdeファイルをダブルクリック ⚫右下図の ボタンを押下 ⚫Pythonファイルの場所までターミナルで移動 ⚫python two_body_client.py 6
7. 今回考えるモデル ◼高校物理で出てくる摩擦のモデルを例にシミュレーション ▪運動方程式 ▪初期値とパラメータ ▪物理モデル 7
8. シミュレーションの結果 ◼2物体が最終的に同じ速度になる 8
9. このプログラムを使うメリット ◼2Dアニメーションとグラフ（位置と速度の時間履歴）を得られる ⚫動画左上のVelocityの値をみると後半はObject1とObject2の速度が一致している ✓速度が一致していることが分かる ⚫理論解と比較することでその数字の意味が分かる 相対速度が0になるまでの時間 9
10. その他の物理モデルをシミュレーションするために ◼変更するべき箇所 10
11. さいごに ◼本プログラムは誰でも使用可能 ⚫MITライセンス付与 ✓著作権表示があれば利用者は安心して使用や改変、再配布可能 ◼文書及びプログラム自体も学習コンテンツとして使用可能 ⚫オブジェクト指向など ⚫np.matrixを使っているため行列計算にも対応 ◼コメント等気軽にお願いします ⚫ご指摘の点や修正する点などございましたら、気軽にコメントください ⚫また、GitHubに対しても気軽にforkやPRしてください ⚫コメント等をしにくい場合は、hattori.sat@gmail.comまでご連絡ください 11