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『何もしていない』と思われがちなスクラムマスターの仕事を言語化する

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March 27, 2026
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 『何もしていない』と思われがちなスクラムマスターの仕事を言語化する

スクラムフェス名古屋2026の登壇資料です。
https://confengine.com/conferences/scrum-fest-nagoya-2026/proposal/49794

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March 27, 2026
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  1. 自己紹介 • 武藤 真弘 • 略歴 • 2017: NSSOL新卒入社 •

    ~2019: デザイナー • 2019~: スクラムマスター/アジャイルコーチ • etc • 社内アジャイル研修やコミュニティ運営 • ハイカロリーな料理と読書が好きです • CSP-SM, A-CSPO Copyright © 2026 NS Solutions Corporation. All Rights Reserved. 2
  2. スクラムマスターに対する誤解 • スクラムイベント以外は何もやることない • なのでフルアサイン(工数1.0)じゃなくていい • もしフルアサインするなら... • 開発メンバーのマネジメントもしてね •

    もしくはDEVとしてPBI手伝ってよ • 綺麗事言っているだけで、実際は何もしてないよね • スクラムマスターとしての成果は何? • スクラムマスターを雇う金があったら、開発者を増やしたほうがマシ Copyright © 2026 NS Solutions Corporation. All Rights Reserved. 3
  3. 行動すればするほどドツボにハマる • チームに介入すればするほど、自己管理、自律性は損なわれる • スクラムイベントのファシリテートすればするほど、スクラムは形骸化する • スクラムマスターには権威性があるので、チームはその言葉に従うだけになる • DEVとして働けば働くほど、組織構造の問題が溜まる、見えなくなる •

    さまざまな形で組織を支援することも、スクラムマスターの責務のはず • 短期的な成果ばかりを提示しようとすればするほど、長期的な成果を失いやすい • 無自覚に課題を先送りにする、将来の火種をつくってしまうことがある Copyright © 2026 NS Solutions Corporation. All Rights Reserved. 4
  4. 仕込むまえに観察、そしてイメージする • 何かを仕込むということは、何かしらの実現したいイメージがある • チームや組織というのは人間が生み出した虚構、イメージの世界 • イメージできないものは実現できない • 実現したいイメージをつくるために観察が必要 •

    誰かの行動や問題提起、つぶやきの裏には、その人が考える理想像がある • 観察によって、理想像を掴んでおかないと、何を仕込むべきか決まらない • もちろんSM自身が理想像を持ったっていい • でも一方的に押し付けない • チームと組織が同じイメージを持つことで、実現可能性が高まる Copyright © 2026 NS Solutions Corporation. All Rights Reserved. 6
  5. 仕込んだあとにも観察、そしてイメージしなおす • 仕込んだものがどうなったか、を観察する • 思惑通りに芽吹くこともあるし、予想外の展開になっていることもある • スクラムイベントをはじめ、さまざまなシーンで変化が生まれている • 時間が経てば、状況が変われば、実現したいイメージも変わる •

    チームや組織も、プロダクトと同様に、目指すゴールは少しずつ変わる • 時間軸上に、チームと組織がどのように変化していくかをイメージできるとベスト • 現在からの地続きでのイメージと、未来からの逆算でのイメージを組み合わせる • 複数の分岐点、複数パターンもイメージできると、仕込みの幅も広がる Copyright © 2026 NS Solutions Corporation. All Rights Reserved. 7
  6. 3種類の仕込み • 共通認識をつくるための仕込み • 人それぞれ理想像は異なるのが当たり前だし、同じ言葉をつかっても解釈はズレる • チームと組織のイメージが一致するまで繰り返し、さまざまな角度から語り続ける • 最初の一歩を踏み出すための仕込み •

    静止摩擦係数と動摩擦係数は、一般的に静止摩擦係数のほうが大きい • 構造的な問題だけでなく、気持ちの問題にもアプローチする • 継続するための仕込み • 動摩擦係数は小さくても、燃料切れで止まることがある • 適宜祝ったり、応援したり、愚痴を聞いたりするだけでも燃料タンクは満たされる Copyright © 2026 NS Solutions Corporation. All Rights Reserved. 8
  7. 何もしないのも仕込み • 「スクラムマスターの奥義は、何もしないこと」という格言がある • 過保護は、成長の機会と自律性を奪う • 余計なことをしない、手を出さないことで、余白をつくる • スクラムマスターの不在が、メンバーの行動のきっかけになりうる •

    組織レイヤーの支援に夢中になってもいい • スクラムイベントの日に休んでもいい • とはいえ放置するわけでもない • 「何もしない」ことの結果を、しっかり観察する • 「何もしない」を行使するべきかを、事前に観察して判断する Copyright © 2026 NS Solutions Corporation. All Rights Reserved. 9
  8. スクラムマスターの1週間(3/9-3/13) - 前置き • 実際にどうやって仕込みをしているのか?を伝える前に、状況共有 • 顧客内製開発チームにSMとして参与 • 全体で5チームあり、そのうち2チームのSMを兼任 •

    1年8ヶ月のベテランチーム、3ヶ月の新米チーム • 社内のアジャイル研修チームにSMとして参与 • 上記顧客の開発者を育成 • 2ヶ月のスクラム演習(1週間スプリント*6) • 育成後に内製開発チームに加わる作戦 • 17:00以降は、5歳児と0歳児の父親業務(実はこっちが本業) Copyright © 2026 NS Solutions Corporation. All Rights Reserved. 10
  9. スクラムマスターの1週間(3/9-3/13) Copyright © 2026 NS Solutions Corporation. All Rights Reserved.

    11 3/9(月) 3/10(火) 3/11(水) 3/12(木) 3/13(金) 09:00 09:30 10:00 10:30 11:00 11:30 13:00 13:30 14:00 14:30 15:00 15:30 16:00 16:30 [自社] 1on1 – 部下① [研修] バックログリファインメント [自社] 1on1 – 部下② [自社] 1on1 – 部下③ [自社] 年度末ランチ会 [新米] スプリントレビュー [ベテラン] 勉強会企画 『ダイナミックリチーミング』(3/26) 読書『Aligned』 [新米] スプリントレトロスペクティブ [新米] スプリントプランニング Gartner Report 閲覧 [ベテラン] プロダクト全チーム定例 スクフェス名古屋準備 [ベテラン] 勉強会企画 『Aligned』(3/26) [ベテラン] 勉強会 『内製開発Summit 2026』参加報告 [ベテラン] 勉強会 『ユーモアは最強の武器である』 [新米] 勉強会 『スプリントプランニング Deep Dive』視聴会 [研修] スプリントレビュー [研修] スプリントプランニング [研修] スプリントレトロスペクティブ スクフェス名古屋準備 スクフェス名古屋準備 [ベテラン] Notionのスケーリング設計 [ベテラン] チームスケーリング会議 読書『ユーモアは最強の武器である』 [自社] 読書会 『ユーモアは最強の武器である』 [ベテラン] チームスケーリング検討 [自社] アジャイルコミュニティ 『ゾンビスクラムサバイバルガイド』 第10章 [研修] 勉強会 『スプリントプランニング Deep Dive』視聴会 [ベテラン] 勉強会企画 『ユーモアは最強の武器である』 [新米] デイリースクラム [自社] マネージャー会議 [新米] PO相談 [ベテラン] スプリントプランニング [自社] 1on1 – 上司 [自社] セキュリティソフトアップデー ト [ベテラン] スプリントレトロスペクティブ [ベテラン] スプリントレビュー [ベテラン] 勉強会 – ドメイン知識 [ベテラン] バックログリファインメント [ベテラン] デイリースクラム [ベテラン] デイリースクラム [ベテラン] バックログリファインメント [新米] デイリースクラム [ベテラン] 勉強会:リアーキテクティング [研修] デイリースクラム [ベテラン] バックログリファインメント 結成1年8ヶ月のベテランチーム 結成3ヶ月の新米チーム 結成2ヶ月の研修チーム