Upgrade to Pro — share decks privately, control downloads, hide ads and more …

NestJSのコードからOpenAPIを自動生成する際の最適解を探す

 NestJSのコードからOpenAPIを自動生成する際の最適解を探す

Tatsuya Asami

March 17, 2025
Tweet

More Decks by Tatsuya Asami

Other Decks in Programming

Transcript

  1. © Commune Inc. All rights reserved 浅見 達也 (@astatsuya1) •

    仕事 ◦ コミューン株式会社 SuccessHub事業部 ▪ 2022年7月~2024年3月 CommuneのWebエンジニア ▪ 2024年4月~ SuccessHubのWebエンジニア • ペット ◦ デグー 自己紹介 2
  2. © Commune Inc. All rights reserved • 技術構成 ◦ バックエンドはNestJS(monorepo,

    SWC)でREST API ◦ class-validator, class-transformerを使ってAPIリクエストのバリデーション や変換を行っている ◦ @nestjs/swaggerを使ってソースコードからOpenAPIを出力 ◦ フロントエンド(今回関係ない) ▪ Orvalを使ってOpenAPIからフロントエンドで使用するコード(型定義、データフェッチ、モックサーバー)を 自動生成 ▪ ブラウザからNestJSにHTTPリクエスト(BFFはない) 前提となる技術構成 5
  3. © Commune Inc. All rights reserved 過去やってきたことを紹介します 1. @nestjs/swagger CLI

    Pluginの導入をチャレンジ(失敗) a. 実装中にローカルサーバーがエラーで止まりまくる 2. @nestjs/swagger CLI Pluginを使わず、手動でデコレータを付ける(採用) a. 仕組みは出来たが不満あり 今までやってきた OpenAPIの自動生成への取り組み 6
  4. © Commune Inc. All rights reserved ParametersとRequest bodyの出力 4. @nestjs/swagger

    CLI Pluginを使わず、手動でデコレータを付ける 7 • リクエストボディ、リクエストパラメータは元々 dtoがあったので、ひたすら @ApiPropertyを つけるのみ • この例は単純だが、他の dtoなどをimportし て型定義に使っている場合はもっと色々記 述する ◦ 結構重要なポイントだが今回は割愛
  5. © Commune Inc. All rights reserved Responseの出力のためにClassSerializerを剥がす 4. @nestjs/swagger CLI

    Pluginを使わず、手動でデコレータを付ける 8 • ClassSerializerはクラスインスタ ンスをプレーンオブジェクトに変 換してくれる • 元々エンティティに変換処理のた めのデコレータをつけることがみ んな微妙だと思っていた(コント ローラーで行うべき処理) ので、あまりためらいなく剥がし た
  6. © Commune Inc. All rights reserved Responseの出力のためにdto作成 4. @nestjs/swagger CLI

    Pluginを使わず、手動でデコレータを付ける 9 • レスポンスは新たにレスポンス用の dtoを作 成 • レスポンスではバリデーションを行わない ので、OpenAPIのためだけに書いている
  7. © Commune Inc. All rights reserved Response出力のためにコントローラーにデコレータを追加 4. @nestjs/swagger CLI

    Pluginを使わず、手動でデコレータを付ける 10 • コントローラーの関数に @ApiOkResponseのデコレータを 追加 ◦ これをつけるとOpenAPIの Responseが出力される • コントローラーの関数の戻り値の型 にdtoを指定することで型安全にす る ◦ dtoにあるプロパティを書き忘 れたらエラーになる
  8. © Commune Inc. All rights reserved • OpenAPIのためのデコレータの記述を間違えがち • 間違っていてもIDE上でエラー等は出ないので、気をつける、ちゃんと確認

    する以外のソリューションがない • フロントエンド開発中にミスに気がつくと、バックエンドのコード修正をまず やらないといけないのが面倒 ◦ OpenAPIからフロントエンドのコードを自動生成をしているため、フロ ントエンドの型定義は手動で直せない 半年ほど運用してみて 12
  9. © Commune Inc. All rights reserved • @nestjs/swaggerのCLI Plugin導入に再チャレンジ ◦

    NestJSのドキュメント通りに実装したところ ▪ 上手く出来ている • ローカルサーバーは動いている • OpenAPIのParameters, Request body, Responseはおおよそ出力されている様 子 ▪ 上手く出来ていない • 12件型エラーが出ている • コード変更しているとたまに型エラーが出る • ローカルサーバーの起動時間が約 3秒→約27秒になった 改善に向けて 14
  10. © Commune Inc. All rights reserved • ファイル追加や削除、変数名を変更した場合にエラーが出やすい ◦ ローカルサーバーは止まっていないようなのでエラーを無視すれば開発自

    体は出来るが気になる • エラー自体が起きないようにするのは難しそう エラーが起きたら復旧出来るようにする コード変更しているとたまに型エラーが出る 16
  11. © Commune Inc. All rights reserved • エラーを起こしているmetadata.tsを上書きする単純なスクリプトを作成 ◦ metadata.tsはCLI

    Pluginを使うと生成されるOpenAPIのためのファイル ◦ エラーが起きたらこのスクリプトを実行してリセット スッキリ解決はしてないけど、これでストレスはかなり軽減 コード変更しているとたまに型エラーが出る 17
  12. © Commune Inc. All rights reserved • 流石に許せない ◦ SWCを入れる前と同じくらい時間がかかっている

    OpenAPIを立ち上げないコマンドと、OpenAPIを立ち上げるコマンドを用意する ローカルサーバーの起動時間が約 3秒→約27秒になった 18
  13. © Commune Inc. All rights reserved • OpenAPIを生成するときとしないときのnest-cliを作成 ◦ nest-cli.json(しない)とnest-cli-openapi.json(する)を作成

    ◦ コマンド実行時にファイルパスを指定する ローカルサーバーの起動時間が約 3秒→約27秒になった 19 SwaggerModule
  14. © Commune Inc. All rights reserved • OpenAPIを使わない場合はSwaggerModuleも読み込まない ◦ metadata.tsを読み込まなければ速度はあまり変わらないが、不完全な

    OpenAPIが見たいこと はない、混乱の元なので全部読み込まない • npm scripts(コマンド長い) ローカルサーバーの起動時間が約 3秒→約27秒になった 20 SwaggerModule
  15. © Commune Inc. All rights reserved コマンドの使い分け • 普段のバックエンド開発では OpenAPIは生成しないで立ち上げ

    ◦ バックエンド開発中は OpenAPIをあまり見ないため ◦ ローカルサーバーは安定して欲しい、何度も起動するので速度も重要 • OpenAPIを見たい時、変更するときは OpenAPIを生成して立ち上げ ◦ 実装中にエラーが出たときはリセットコマンドで回避可能 ◦ プロダクションビルド (nest build)も遅くなるが、サーバーの起動速度はほぼ変わらなかったの で問題なし 少し苦しいがなんとか課題解決! ローカルサーバーの起動時間が約 3秒→約27秒になった 21 SwaggerModule
  16. © Commune Inc. All rights reserved • dtoにあるOpenAPIには不要なプロパティに @ApiHidePropertyをつけていく ◦

    toNameのような変換関数が主に不要な値 • 不要になった@ApiPropertyを消していく ◦ あっても問題ない。@ApiPropertyに記述してある値 が優先的に使われる ◦ 型定義が複雑な場合は引き続き指定する必要があ る 残りの作業は @ApiHidePropertyをつけていく 22
  17. © Commune Inc. All rights reserved ◦ dtoは1ファイルに1つのみ記載する ◦ dtoの各プロパティには基本的に@ApiPropertyをつけない。上手く出力されな

    い場合にのみ@ApiPropertyを使って正しい値を自分で記述する ◦ dtoにあるOpenAPIには出力したくないプロパティには@ApiHidePropertyをつ ける 開発時に気にすることまとめ 24
  18. © Commune Inc. All rights reserved • OpenAPIのために技術的な選択が必要だった ◦ ClassSerializerを剥がしたが、剥がしたくない場合は積んでいたかも

    • コードからドキュメント(OpenAPI)が自動生成される一番嬉しい状態が作れた • 快適なローカル開発環境との両立は許容できる 総じて満足 道半ばながら辿り着いた最適解振り返り 25
  19. © Commune Inc. All rights reserved • NestJSでそこまでコード量が多くないのにモジュールの読み込みに結構時間が かかるのをどう対処しているのか •

    漏れがなく、負荷が少ない操作ログの設計 • MySQL, Prismaを使ってマルチテナントの実装する場合の工夫 • Visual Regression Testで何をどこまで確認しているか この後の懇親会で相談させてください!! 最後に本件と関係ないけど気になっていること 27