『プロジェクトセカイ カラフルステージ！ feat. 初音ミク』～3Dバーチャルライブの体験を支えるクリエイティブ～【CAGC2024】

スマートフォンゲーム『プロジェクトセカイ カラフルステージ！ feat. 初音ミク』内で配信されている3Dバーチャルライブ「コネクトライブ」において、より魅力的なライブ体験を提供するためにクリエイティブとしてどのような工夫をしてきたかをご紹介いたします。

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1. 『プロジェクトセカイ カラフルステージ！ feat. 初音ミク』 ～3Dバーチャルライブの体験を支えるクリエイティブ～ 1 プロジェクトセカイ カラフルステージ！ feat. 初音ミク 藤本 誠人 アニメーションディレクター 伊東 勇輔 エフェクトアーティスト
2. プロジェクトセカイ カラフルステージ！ feat. 初音ミク 2 ユーザー数 1000万人超 X（旧Twitter） フォロワー数 200万人 公式YouTube チャンネル 登録者数 156万人 • 『初音ミク』と『人間』が織りなす新しい 物語・新しい展開 • 2D･3D･Live2D−− それぞれ描かれる魅力的な キャラクターたち • VOCALOID曲を中心に有名楽曲を多数収録した リズムゲーム • 数多の著名クリエイターから提供される楽曲・ クリエイティブ 魅力的なキャラクター（シナリオ・イラスト）× リズムゲーム
3. 3 1. 『プロジェクトセカイ カラフルステージ！ feat. 初音ミク』（以降、プロセカ）に おける　コネクトライブがこの１年間でどう進化してきたか 2. コネクトライブの「体験」を向上させるために、　　　　　　　　　　　　 クリエイティブとして何を大切としてきたか 本公演でお伝えしたいこと
4. コネクトライブ概要 4
5. 5 1. プロセカのゲーム内でフルバージョンの楽曲を リアルタイムでのダンスやトークで配信をするラ イブ 2. ユーザーのコールやメッセージにキャラクターが その場で反応してくれる 3. 2023年3月〜10月（8ヶ月）の期間に 各ユニットの単独ライブ４回、周年ライブ１回の 計５回ライブを実施 コネクトライブとは
6. 6 ▪配信風景 モーションキャプチャースタジオにてリアルタイムで 演技を行い、アニメーションチームでは照明や シーンの操作を行う ▪ゲーム体験 他のユーザーと一緒にバーチャル空間で リアルタイム配信されるライブを観て 応援することができる コネクトライブとは
7. クリエイティブとして 「体験」の向上で大切にしたこと 7
8. 8 1. 新しい体験の提供 • ライブ企画チームの考えるライブ体験を１つでも多く実現するために、 クリエイティブやエンジニアが技術面でサポートを行う 2. エラーで体験を落とさない • どれだけ良いライブを作ってもエラーが起きるだけで 現実に戻されてしまうので、少しでもエラーを減らす様にする 体験の向上で大切にしたこと
9. 新しい体験の提供 9
10. 10 1. タイムライン機能の活用 • ベースとなるタイムラインの構造は「楽曲パートのタイムライン」と 「MCパートのタイムライン」の大きく２つを用意し、ライブの進行に 合わせて、オペレーション制御で出し分けを行います。 楽曲Timeline 楽曲Timeline MC Timeline MC Timeline 新しい体験の提供
11. 11 1. 楽曲タイムライン • 楽曲の尺に合わせて１曲毎に用意し、ステージやキャラクターの照明や モニター映像、エフェクト等を一括で制御 2. MCタイムライン • リアルタイムということもあり尺が固定できないため、 MCタイムラインは基本的にループする作りで制作を行います。 構造をシンプルかつ汎用性を高くすることで都度開発を入れなくて も様々な表現ができるように。 新しい体験の提供
12. 12 ▪楽曲中にキャラクターを登場させる（MORE MORE JUMP！1st） ・Overtureの途中最高潮に盛り上がるタイミングでキャラクターが登場 ・楽曲タイムライン内に登場エフェクトを仕込み、タイミングに合わせて　 オペレーション側でキャラクターの表示切り替えを行う ▪曲繋ぎをシームレスに（MORE MORE JUMP！1st） ・Overtureから１曲目へ繋ぐ際に会場の雰囲気は残したままシームレスに　 繋ぐことで没入感の向上 ・前後楽曲の状態をMCタイムラインに設定をしてオペレーション側で 　表示させることで実現 新しい体験の提供
13. 13 ▪楽器を使ったパフォーマンス（Leo/need 1st） ・特にOvertureでは楽器を使った自己紹介でリアリティのある演出 ・MC中に楽器を置くといった動作を入れるため、MCタイムライン中に　 スタンドオブジェクトを表示し、モーションキャプチャーエリア内の　 同位置に実物のスタンドを置くことで実現 ▪楽曲当てクイズ（Leo/need 1st） ・楽器は特にタイミングを合わせるのが難しいので、MC中の 　楽曲当てクイズの瞬間だけMCタイムラインから楽曲タイムラインに 　切り替えることで実現 新しい体験の提供
14. 14 ▪物語に合わせたステージ変化（25時、ナイトコードで。 1st） ・物語に合わせて感情の起伏をステージの鮮やかさで表現 ・遷移アニメーションを入れたMCタイムラインを切り替える事で 　シームレスに切り替え ▪空間を活かしたライブ演出（25時、ナイトコードで。 1st） ・バーチャルライブという空間を活かして文字などの 　演出を入れることでより印象的なカットを制作 新しい体験の提供
15. 15 ▪物語に合わせたステージ変化（ワンダーランズ×ショウタイム 1st） ・遊園地が復興していく演出を作成 ・MCタイムライン切り替えでステージに変化を加えるギミックを追加 ▪ネネロボ（ワンダーランズ×ショウタイム 1st） ・社内メンバーがモデリングからアニメーションまで作成 ・楽曲タイムラインに組み込んで表示 新しい体験の提供
16. 16 ▪ステージ設計を大幅に変更（3rd ANNIVERSARY） ・ステージサイズを従来の倍程度に ・センターステージから正面ステージへ ・ライト配置を正面ステージ用に変更 ・2階席を配置 ▪コール＆レスポンス ・楽曲内のコールを入れてほしいポイントでコーレスボタンを配置 ・MC中にも一緒にコールができるポイントでボタンを配置 新しい体験の提供
17. 17 ▪メドレー楽曲（3rd ANNIVERSARY） ・フル尺楽曲よりも長いメドレー楽曲で演出を作成 ▪キャラクターモニター（3rd ANNIVERSARY） ・キャラクターをモニターに映す機能を実装 ・制作コストは低いが豪華で良い体験の提供 新しい体験の提供
18. 18 工夫をすることで最低限の機能でも様々な表現を実現 力技で実現をしている箇所が増え データの作りが複雑になるため配慮するポイントが増加
19. エラーで体験を落とさない 19
20. 20 1. タイムライン周りの配慮 2. 現場オペレーションでの柔軟な対応 3. 経験値を貯めて公演毎にブラッシュアップ エラーで体験を落とさない
21. 21 ➢ タイムライン周りの配慮 1. タイムラインの繋ぎ目考慮 • 楽曲タイムラインとMCタイムラインの繋ぎ目を正しくする ◦ ステージやライトの色、明るさ ◦ モニターの状態 ◦ オブジェクトの状態 2. リセットアニメーション • タイムラインが切り替わる際の数値の初期化 • 公演毎に内容が変わる為システムではなくアニメーションで対応 エラーで体験を落とさない
22. 22 ➢ 現場オペレーションでの柔軟な対応 1. 構造の理解 • 実装内容の理解 • 現場でのデータの流れを理解 • 配信機材の理解 2. ステータスの把握、管理 • 明暗転管理 • タイムラインの状態管理 • 表示キャラクターの管理 エラーで体験を落とさない
23. 23 ➢ 経験値を貯めて公演毎にブラッシュアップ 1. 問題対処に全力を注ぐ • 意図しないエラーは避けられない • 起きた場合の対処が大切 2. ここ数回のコネクトライブは無事故で完走 エラーで体験を落とさない
24. 24 1. 体験を向上させる為にとにかく以下２つを重視 • 新しい体験の提供 ◦ 柔軟な発想で考え続ける • エラーで体験を落とさない ◦ 構造の理解、問題は起きるのでその後が重要 2. 最大限の工夫をする • 有限のリソースを使い最大の効果を出すために、いかにコスパ 良く良いものを作れるか考える まとめ