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Evidence-to-Decisionについて

森脇大輔
November 08, 2024
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 Evidence-to-Decisionについて

Global Evidence Summit 2024参加報告会

森脇大輔

November 08, 2024
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  1. 自己紹介 x 2006-2017 内閣7 x いわゆるエコノミスs x 2016-2017の統計改革の渦中でEBPM推進 会議の爆誕を目' x

    2017u x サイバーエージェントでは一転、ウェブ広 告関連の技術開) x 2020- 待機児童やEBPM関連のプロダクト 開発 森脇大輔
  2. Global Evidence Summitでの発表 g サイバーエージェント、エビデンス共創機構ほかで 運営しているEBPMデータベースについて、課題や 今後の展望などを報告 EBPMデータベース g 渋谷区で行った情報介入実–

    g 保育所の情報を見やすくすると希望する保育所が増 える効果 待機児童問題への介入 https://speakerdeck.com/daimoriwaki/developing-ebpm-database-to-improve-policy-making-process-in-japan
  3. 日本のEBPMの現状と取組 アカデミア 政治・行政 アカデミアと実務の不幸な断絶 e 政治や行政は科学的エビデンスを軽視してい P e 自分たちが提供している科学的エビデンスを 採用すれば社会はよくなるはず

    政策課題に対応したエビデンス周りの動‚ e データ可視化:政策ダッシュボーf e 行政主導のエビデンス生成:内閣府アドバイザリーボード・総務省実証的共同研y e エビデンス収集:EBPMデータベース e 目の前の政策課題に対して有用なエビデンス を見つけられな˜ e 政策課題に真摯に向き合ってくれる研究者が いない
  4. 公衆衛生・医療分野でのガチエビデンス活用 一次研究 エビデンス統合 ガイドライン 臨床 S 薬や医療行為の効果の検D S 原則ランダム化比較実験 S

    EtD(Evidence-to-Decision)のプラクティスが確d S 一次研究と現場の間に翻訳者が多数存在 S 膨大な研究論文を統合的に 分析(メタアナリシスk S 頑健なエビデンスを抽出 S エビデンスをもとに具体的 な指針を策‹ S 実務者も交えた議論と合意 形成 S ガイドラインにもとづく医 ­ S 場合によって専門家にエビ デンスの提供を依頼
  5. Rishi Bansal (Oxford) “ 概g “ RCTに対してベイズ統計を用いるケースが増5 “ ベイジアン試験: ベイズ統計を用いて、試験の統計的パワーを向上x

    “ 過去データの情報を利用した実験設s “ 一方で、ドキュメントが不十分なために適用方法がさまざU “ ベイズ試験を用いたRCTに対してシステマティックレビューを実m “ ポインi “ ベイズ試験は広範に使われていk “ 特にモデルが頻繁にアップデートされる場合はベイズが使われやすn “ COVIDな' “ 頻度主義だとパワー不足の時によく使われる傾 “ 合理的説明が必要 Bayesian methodological approaches used in the design of contemporary randomized clinical trials: protocol for a systematic review
  6. u 概g u 修正意図治療解析 (mITT): 治療を開始しなかった参加者を除外する、より保守的な臨床試験解 析方法 u 偏頭痛の治療薬に関する治験についてITTとmITTで結果を分V u

    ポイン% u ITTとmITTでは結論の傾向は同i u いくつかの治験ではmITTでは統計的に有意ではなくなった Comparing Intention-to-Treat and Modified Intention-to-Treat Analyses in the Context of Migraine Research – A Study Within a Review
  7. ™ 概 ™ ほとんどが医療系の中で珍しい教育に関するセッショz ™ 3つのメタレビューと1つのガイドラインプロジェクトから得られたデータを通じて、エビデン スに基づく教育(EBE)の分野の現状を紹h ™ ポインŽ ™

    オーディエンスに対してPICOのうちでどれが重要でどれが重要でないかを質P ™ コンセンサスを示して会場との議論を深めてい˜ ™ 教育分野におけるシステマティックレビューは質が十分ではないという報… ™ PubMedが使えなかったり、evidence-basedはそもそも医療分野のものだったりという難し ™ そもそも教育分野ではRCTが難しいというオーディエンスの指摘からさまざまな議’ ™ Education Endowment Foundation (EEF)の人がRCT以外の文献の重要性を指' ™ ファンディングの時に標準的な手法を取れということが大事という指' ™ Evidence-based Education, Synthesis and Guideline development in Pedagogy
  8. š 概` š COVID-19の最中におけるWHOのRapid Review Groupの活動についての報告7 š 迅速レビュー (Rapid Review):

    緊急の状況で迅速にエビデンスを提供する手法、特に COVID-19パンデミック時に重要性が高まる7 š 世界中のリモートワークチーム(日本も含む)によって205のエビデンスが提供され( š ポインY š WHOの政策担当者から「XXXについて文献はなんと言っているか」という質問がなされ、短期 間でサマリーを提供すv š 分析手法よりも、一般化可能性や文脈が重視されv š AIに学習させる暇がないため、まず核となる文献を探してそこから文献を探していくことが重 要 Lisa Askie (WHO) Evidence Synthesis in Pandemic Times to Inform Global Guidance: WHO HQ Rapid Review Group Experiences
  9. x 概T x ROBINS-Eツール(Higgins et al. 2024): 環境や職業、行 動等への曝露(≠介入)に関する非ランダム化研究の ROB(Risk

    of Bias)評価をサポート† x 有用性を確認するため、栄養、薬物についてのシステマ ティックレビューを実' x ポインV x 他のツールに比較して有用な点もあったが、一研究あたり4 4分もかかるため利用を躊躇わせる可能性があることが示唆 された Dena Zeraatkar (McMaster) Higgins, J. P., Morgan, R. L., Rooney, A. A., Taylor, K. W., Thayer, K. A., Silva, R. A., ... & Sterne, J. A. (2024). A tool to assess risk of bias in non-randomized follow-up studies of exposure effects (ROBINS-E). Environment international, 186, 108602. Applying ROBINS-E: Practical Insights and Suggestions for Future Refinements
  10. w 概q w エビデンスギャップマップ (EGM): エビデンスが不足している領域を特 定し、研究の方向性を示すための ツールh w 農業における女性の自立支援に関し

    てEGMを構築し、分Æ w ポイン w インクルージョンに関する政策介入 に関する研究が乏しいことがわかっ た How Interventions Improve Women’s Agency and Create an Enabling Environment for Entrepreneurship in Agribusiness: An Evidence and Gap Map Swati Mantri (CGIAR) https://ieu.greenclimate.fund/sites/default/files/page/gcf-egm-gender-map-423.html
  11. n 概F n NRSI (非ランダム化介入の研究)をメタアナリシスに含めることが増えていh n RCTとNRSIを含むシステマティックレビューを分析し、NRSIを含めることの影響を分 n ポインG n

    NRSIを加えることで結果が変わる場合も多q n 非ランダム化研究をランダム化と統合するための標準的な手法は現状存在しなq n そのs n 非ランダム化研究のリスクを判定するツールが提供されていh n https://www.ohri.ca/programs/clinical_epidemiology/oxford.asp Evaluating the impact of including non-randomized studies of interventions in meta-analysis of randomized controlled trials: a meta- epidemiological study Mei Fan (四川大学) https://bmjopen.bmj.com/content/13/7/e073232
  12. ˆ GRADE-ADOLOPMENh ˆ EtD(エビデンスから意思決定フレームワーク)の一つe ˆ ガイドライン生成のため、他国のガイドラインやシステマティックレビューをどのようにその地 域のガイドラインにadopt(採用)あるいはadapt(適用)していくかのプロトコルをまとめた も– ˆ 本研究の概H

    ˆ GELA (global evidence local adaptation6 ˆ マラウィ・ナイジェリア・南アフリカ共和国の新生児・幼児の健康に関するガイドラインの作 † ˆ GRADE-ADOLOPMENT: WHOやコクランのガイドラインを地域の状況に合わせて適応e ˆ ガイドライン生成過程における教訓をまとめ‚ ˆ ポインE ˆ 推進のためには相手組織の組織の「チャンピオン」を見つけることが重要 GELA applied GRADE-ADOLOPMENT for priority national child health guidelines in South Africa, Malawi and Nigeria: What did we learn?
  13. Grade Good Practice Statements – a Time to Say “Good-Bye”?

    A New T ypology For Normative Statements on Interventions Susan Norris (Oregon Health&Sci U) ³ 概² ³ ガイドラインには規範的な記述(normative statement, NS)が含まれてい ³ NSは基本的にはシステマティックレビューによって裏付けられているが、そうではないタイプの NS(Good Practice Statement)も存在Ÿ ³ 医療コミュニケーション(倫理的観点から重要だが評価が難しいu ³ 投薬の二重確認 なp ³ GPSに関して明確なルールがないためエンドユーザーによって解釈がまちま· ³ ポイン¯ ³ 実証に基づく推奨、科学的原理に基づく推奨、実践的ガイダンス、倫理や人権に基づく推奨、実務上の規範 や基準、に分けることでGPSをより明確化した
  14. 概{ £ インフォメーションスペシャリストに関するワークショッv £ インフォメーションスペシャリス~ £ 病院等に勤務し、臨床医からの要望に応じてエビデンスを提供する専門家(non-MDd £ 臨床医がどのようにすればインフォメーションスペシャリストの知見をフルに活用できるか ポイン~

    £ トピック専門家(医者)とスペシャリストはオープンな議論をして情報の非対称性を解消すべ† £ PICOを明確化すx £ Population Intervention Comparison Outcom™ £ 単語でリクエストすると、その単語には引っかからない文献群を見逃すことになx £ 国による医療単語の違いも考慮する必要があx £ 実際の例(緩和ケアに関するエビデンス提供チームd £ リクエストフォームの利T £ SPICEフォーマットの利用、PICOの明確A £ 知っている文献について聞く(核となる文献d £ 何が欲しいか(ガイドラインかSRかScoping Reviewも含むか) Getting the most out of your info specialist tense btw information specialist and methodologist
  15. 公共政策におけるエビデンス活用はまだまだ 医療・公衆衛生 g EtDの実務的な課題について 真摯な議G g 国際機関・各国政府の研究費 用を中心とした膨大なリソー ス g

    ランダム化比較実験の難しい 領域におけるエビデンス生成 の難し” g エビデンス不足からエビデン ス統合やガイドラインまで結 びつかない g EtDにおける課題に対する議 論が不x g まずは現実を直視するところ から g 国際的組織の支部を中心にエ ビデンス活用の動£ g non-MDのリソースが不足 日本 世界 公共政策 Û 世界レベルでも医療分野以外のエビデンス活用はまだまÇ Û 日本は独自の議論が進んでいるが、まずは理想と現実のギャップを直視する必要がありそう