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震災報道におけるデータジャーナリズム

 震災報道におけるデータジャーナリズム

奥山 晶二郎さん(朝日新聞)
Data Visualization Japan meetup #1(2014-09-16)

震災1000日に合わせて作成したウェブコンテンツ「チラシでたどる震災1000日」についてご報告します。
http://www.asahi.com/shinsai_fukkou/otsuchiad/
素材として新聞チラシを選んだ経緯、大学の研究室と取り組んだ分析、ウェブエンジニアと取り組んだウェブ表現など。わかりやすさと正確性との関係。主に紙面用の記事を書いている記者との連携、紙面との連動についてもお話したいと思います。

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Data Visualization Japan

September 16, 2014

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Transcript

  1. 「何のために」常に考えた • 記憶の風化 新しい領域に手を広げるからこそ、 何のためにその手段やデータを使うのかを、常 に考えるようにしました。 「チラシでたどる震災1000日」で意識したのは、 記憶の風化です。 震災関連のニュースが少なくなる一方で、 震災発生から1000日を迎える被災地の課題

    は深刻さを増していました。 結果的に、住宅問題や人手不足など、これまで 報道されてきたことを、 あらためてチラシを通して確認してもらうというコ ンテンツになりました。 2014年3月11日 朝日新聞紙面から
  2. 数字と現場のコラボ • 切り口のヒントは現場に • 数字を食べやすく 5551枚のチラシから得られる情報は膨大なも のでした。 そこから何が大事なのか整理するには現場の 記者の情報が必要でした。 役所やボランティア団体などから得られる情報

    とチラシのデータを突き合わせることで、 「混乱期」「復旧期」「停滞期」という三つの時期 の視点が生まれました。 現地でしか得られないエピソードと数字を組み 合わせることで、 データを読みやすく、「食べやすく」することがで きました。 2013年12月4日 朝日新聞紙面から
  3. ぱたぱたと現れるチラシ • 3つの要素を1つの器に 素材を揃えた上で、ウェブならでの見せ方にもこ だわりました。 最初の画面は5551枚というチラシの圧倒的な 枚数を伝えるため、 グリット上にチラシを並べマウスオーバーで拡大 する動きをつけました。 本編では、震災1000日という区切りを意識して、

    積み上がるチラシとその時点の日数を表現しま した。 チラシの枚数を起点に、その時にあったエピ ソードを中央に配置し、 対応する町の出来事を左側で年表にしました。 それらの情報をページスクロールさせることで 次々と現れるようにしました。
  4. わかりやすさとの葛藤 • 融通の効かないデータ 目的をしっかり設定しつつ、先入観には引っ張 られないよう気をつけました。 求人チラシの変化を分析した際には、 現地の人手不足を反映してチラシも増加してい るという仮説を立てました。 被災地では、民宿が予約でいっぱいだったり、 人手不足で工場が閉鎖したり、

    様々な話を聞いていたからです。 しかしデータを見る限り、チラシの数は減ってい ました。 チラシを使った求人は効果がなかったからです。 データを出発点にするかぎり、わかりやすくない 結果も受け入れざるを得ませんでした。
  5. やることはいっぱい • カジュアルにデータジャーナリズム • ソーシャルリスニングとのほどよい距離感 • マッピングの可能性 データジャーナリズムの対象は震災のような大きなテーマだけではありません。 突発の事件事故が起きたら、即日コンテンツ化できるような動きが求められます。 汚職事件で議員が減っていく様子は、単純なgifアニメでも表現することができます。

    (例:市議20人中15人が逮捕、を見える化してみた:http://ow.ly/BxQa1 ) ソーシャルリスニングではノイズの多さから、データ分析は困難だと思われがちです。 しかし、人の眼と組み合わせることで、ある程度の精度を担保することもできます。 (例:日本戦ツイート分析:http://ow.ly/BxQib ) 地図上にコンテンツを配置することで、新たな視点を提供することもできます。 (例:東京オリンピック1964:http://labo.wtnv.jp/2014/05/olympic1964.html) データジャーナリズムと一口に言っても、様々な舞台があるのです。