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受身から攻めのQAへ!事業を成功に導くQAへの変革【DeNA TechCon 2022】

DeNA_Tech
March 17, 2022
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受身から攻めのQAへ!事業を成功に導くQAへの変革【DeNA TechCon 2022】

DeNAのヘルスケア事業領域では、開発上流での品質担保に課題があり、品質管理(テスト)にかかるコストが増加し、QCDバランスを保ったリリースが難しい領域でした。

そういった課題感がある中で、QAメンバーがサービスの企画が始まる上流工程からコアメンバーの一員として参画することにより、QA目線でのモノづくり強化策を実行し、開発プロセス改善や開発品質向上を実現することができ、品質のみならず、コストの削減や開発スケジュール前倒しに成功を収めました。

テストを中心に行っていた受身のQA部隊から、事業を成功に導くQA部隊への変革の歴史とともに、プロジェクト立上げからQAがどういう活動を行っているかを、成功事例を交え紹介します。

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March 17, 2022
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Transcript

  1. TABLE CONTENTS 1.DeNA QA変革の歴史 2.QMO成功事例 1. 受身のQA時代 2. 開発工程に踏み込んだQA時代 3.

    攻めのQA時代 4. QMOの役割 1. QMOの進め方 2. 課題把握フェーズ 3. 改善策導入フェーズ 4. 状況監視フェーズ 5. 締め作業フェーズ 3.まとめ 1. QMO活動の効果 2. QAが成果を上げた背景 【言葉の定義】  QA:品質保証(Quality Assurance)活動を指す
  2. 受身のQA時代:2017~2018年頃 DeNA非ゲーム領域のQAは、事業部より依頼されたテストを実施 する部隊でした。基本が依頼ベースでの活動のため、受身状態と なり多くの課題がありました。 【当時の課題感】 • 依頼ベースのため開発初期段階で品質改善が出来ない • 開発品質が悪い場合、不具合が多発し工数膨大(疲弊…)  ※スケジュール遅延やコスト増につながる

    • 開発後半工程からの参画のためPJ状況や仕様把握が大変 • 利用時品質の改善提案をしても、すでに工程が遅く修正できない • QA担当のモノづくり意識やモチベーションの低下   などなど…           課題が多い! QA担当領域 完全受身
  3. 開発工程に踏み込んだQA時代:2019~2020年頃 開発工程に入り込み、開発成果物に対する品質検証を行う ようになり、品質が格段に向上しましたが、まだ課題は残 りました。(W字モデルのイメージ) 【改善点】 • 開発初期から品質改善提案が可能になる • PJ状況や仕様を早期で知ることができる •

    早期に仕様不備や利用時品質改善をフィードバック可能 【課題点】 • 開発が正常に回っていない場合(スケジュール遅延等)、開 発初期にQA担当が入っても、うまく回らない • 開発成果物が出来あがってからの検証のため、成果物の質が 悪い場合は品質課題が残る    開発早期に入り多く改善されたが、    工程単位で見るとInput待ちのためまだ受身… QA担当領域 SWET Gr連携 QA担当領域 Input待ちでまだ受身 IN 指摘 IN 指摘 IN 指摘 IN 指摘
  4. 攻めのQA時代:2021年~ 事業部(開発)の中に入り込み、コアメンバーとして活動 を行いました。 QA担当がモノづくりが始まる前の企画段階から、開発プ ロセス面やプロジェクト方針、成果物(Input)の質を先 回りして改善し、課題になる前に先手を打っていく活動と なります。 【改善点】 • 開発プロセス、プロジェクト管理改善が可能

    • 検証(テスト)のInput自体を先回りして改善    開発コアメンバーとしてPJ改善業務を担当    リスクを検知し、課題になる前に先回り改善 QA担当領域 QA担当領域 IN 指摘 IN 指摘 IN 指摘 IN 指摘 QA担当領域(QMO) PjM、PdMと連携し開発全般の改善活動 本活動をQMO(Quality Management Office)と呼ぶ
  5. QMOの役割 QMOの役割は、参謀・支援の役割でプロジェクトに入り、PJ課題を未然防止(解決)する事を目的としました。 QAスキルがあるメンバーが、サービスの企 画が始まる上 流 工 程からコアメンバーの一 員として参 画して活 動します。

    参謀 コンサルティング機能 開発プロセスやプロジェクト標準の策定・導入 プロジェクト計画(管理計画)の作成支援 リスクの検知と予防策検討 炎上プロジェクトの原因分析、改善 支援 意思決定支援機能 プロジェクト状況の可視化 各種プロジェクト管理支援 プロセス遵守状況の確認 メンタリング機能 PMや開発メンバーの心理状況把握&ケア 相談役(1on1を通じて会話)
  6. QMOの進め方 QMO活動の一般的な進め方は大きく4つのフェーズに分けて活動を行っています。 本章では、4つのフェーズ毎に、実際にヘルスケア事業の開発で実施した、事例を紹介していきます。 【QMO活動の4つのステップ】 課題把握 ・ヒアリング ・関係性把握 ・味方探し 改善策導入 ・改善施検討

    ・提案(味方と) ・導入支援 状況監視 ・PJ状況可視化 ・軌道修正 ・1on1(心理ケア) 締め作業 ・成果可視化 ・終了報告 ・振り返り QMO活動は、担当工数30%(他業務の兼務)で約5カ月実施しました。
  7. 課題把握フェーズ <QMOでの課題把握の主な方法>  ・PJメンバーと1on1でヒアリング → 個別に聞くことで課題や不満の聞き出し可能  ・開催されているMTGに出席   → MTGの雰囲気や発言で課題と関係性を把握 ヒアリング・分析した結果、改善すべき大きな課題を2つに分類しました。 企画

    開発 QA 企画・開発・品管担当の3者が密に連携できる機 会が少なく、守備範囲が縦割り気味になってお り、チームとしての連携が弱い 課題① 課題② 開発後半で品質担保する計画(QAテスト依存) のため、テスト及び修正コストが予算計画より 大幅超過の見積りとなっている
  8. 改善策導入フェーズ QMO担当にて改善策を検討、PjMやPdMと連携してプロジェクトへ改善策を導入していきました。 一番大きかった施策である開発プロセスの改善を紹介します。 【開発プロセス改善】   ★従来プロセス   ★改善後プロセス 要件検討 仕様構築 開発 仕様把握

    テスト設計 テスト実行 修正確認 品質確認 リリース 要件検討&仕様構築 開発(開発者テスト) テスト設計&バグだし 品質確認 リリース 企画 開発 QA(テスト) 企画・開発・QA QA(テスト)
  9. QAフェーズ 開発フェーズ 改善策導入フェーズ 【改善後開発プロセス詳細】   要件検討&仕様構築 開発(開発者テスト) テスト設計&バグだし 品質確認 企画・開発・QA

    役割をまたぎチームで全工 程連携して進める。開発品 質を向上することに注力! 品質状況確認を主体にし、 その分ユーザービリティ観 点を充実! 全般ルール ・チームアグリーメント策定し守る ・MTGは全員参加。ただし頻度削減 開発フェーズルール ・役割をまたぎ、チームで開発を進める ・スプリント終わりは全員で振り返り ・開発フェーズで品質を作り込み ・仕様変更や共有事項のドキュメント化 QAフェーズルール ・開発品質良いためバグだしテスト無し ・最終品質確認とユーザーテスト中心 QA 2week
  10. 改善策導入フェーズ 本事例にて、QMO担当が提案した改善施策の一覧を紹介します。 分類 改善施策 プロセス 開発フェーズ 企画・開発・QAでスクラム化し連携強化で開発品質向上 QAフェーズ 開発フェーズで品質担保、QAフェーズは品質確認のみ 開発品質向上

    仕様精度向上 要件→仕様構築までは、企画・開発・QAチームで作成 テスト 開発者テスト強化及びバグ出しテストは開発フェーズで実施 QA効率化 テスト強弱 QAテストは、リリースジャッジのための品質確認特化 ユーザーテスト 効率化した期間をユーザーテストの強化 チーム連携 スクラム化 スクラムチーム化し役割を超えて一緒に検討 チームアグリーメント PJ開始前に2日間の合宿を開催、チームアグリーメント決定
  11. 状況監視フェーズ 施策導入後の状況監視は、QMO担当も2weekスプリントに入り込み活動を進めました。 必 ずMTGに 参 加 しプロジェクト 状 況 をウォッチ、

    課 題 になりそうな 事 象 の 軌 道 修 正 などを 実 施 しています。 振り返りにも参加し、QMO目線で課題を出したり、成果(褒める)を報告する事も実施しました。 1week 2week 月
 火 水 木 金 月 火 水 木 金 デイリー スクラム デイリー スクラム デイリー スクラム デイリー スクラム MTG無し デイリー スクラム デイリー スクラム デイリー スクラム デイリー スクラム 振り返り & プランニ ング QMO参加:PJの健全性チェック <監視フェーズのQMOタスク> ・プロジェクト状況の可視化 ・課題になりそうな事象を報告・軌道修正 ・1on1などでメンバーの心理ケア ・成果を可視化しモチベーションアップ
  12. QMO活動の効果 1. プロジェクトの健全性担保  プロセス構築(改善)⇒プロジェクト可視化により、正確な状況やリスク抽出を実施し健全性を維持する 2. 課題になる前に先手を打つ  プロジェクト課題が見えたところで、先手を打つ策を提案し問題になる前に防止 3. QCDバランスが取れたリリース  品質目線のみでなく、コスト、デリバリーを意識したプロジェクト推進を行いリリース担保

    4. 一歩引くことで視野を広くして改善  当事者は視野が狭くなりがち、第三者機関のQA担当が参画することで、広い視野で改善する 5. プロジェクトメンバーのメンタリング   メンバーのメンタル状況も大きな影響を与える重要な役割で改善をする  特に、若いPjM、PdM担当へのケアは有効である。