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観察から対話へ ー人類学の知恵を借り、よりチームに、自分に向き合おうー

Emi
July 03, 2023

 観察から対話へ ー人類学の知恵を借り、よりチームに、自分に向き合おうー

2023年6月30日、7月1日に開催されたスクラムフェス大阪で発表した資料です。

スピーカーノートに大量のメモがあり、スライド見ただけでは分からない気がしていますが、取り急ぎUPします!

Emi

July 03, 2023
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Transcript

  1. 「観察さえ上手くなれば、もっと理解できるはず。。」
 スクラムマスターを始めてからずっとあった課題感
 • チームの中で分からない何かが起きている
 ◦ 分からないから扱い方がわからない、怖い(Blog: 沈黙が怖い)
 ◦ 分からないのは、観察が足りないか、やり方が間違っているからだ 


    • 支援したいのに動けない
 ◦ 観察のみから対象を分かろうとしているので情報が足りない 
 ◦ 変な遠慮が邪魔して踏み込めない 
 ◦ もっとチームを理解するためにどう向き合ったらいいのかわからない 

  2. データの種類
 • フィールドノート(Google document, Discord, Slackなど)
 • 写真、動画
 • インタビュー動画+書き起こし


    • Twitterでの自分のつぶやき
 • ゼミセッションや比嘉さんとの面談でのメモ、動画
 • ベトナムメンバーとの1on1や会話でのメモ
 • Miroでのまとめ
 • 書籍、統計的な数値

  3. 手触りを書き留め、データを蓄積させていく
 何を書くのか?
 • 観察対象(自分も含む)の言動
 • その時に向き合っている問いたち
 • 仮説、気づき(どの問いに紐づくのかも残す)
 • 言語化が難しいことも残す。とにかく書く!


    どう書くのか?
 • 相手のみの言動を残すのではなく、なるべく自分も含む全体を残す
 • 相手の発言は「」で残し、自分の感じたことはそれがわかるように残す
 ※データ=ここでは、フィールドノート、映像、音声などの観察対象に関しての情報 

  4. 観察の方法や記録の付け方など、手法の話ではない
 どう向き合うか、その態度が重要:人類学的態度
 • 人間やその営みは奥行きがあり、複雑なものである
 • 見えているのは、ほんの一部である
 • 一見意味のないデータも、のちに繋がりが見えてくることがある
 • 一側面のみを見るだけで評価判断できうるものではない


    • 長期的に、「能動的に」流れに身を任せ、受け取り、わかろうとする
 • その場に居合わせ、自分を含めたその場で起こることに自分を開いておく
 • どうにも答えが出ない、分からない状況に身を置き続ける
 難しいですが、今現在できる言語化としてはこんなとこ。

  5. 「スクラムマスターよ、文化人類学者たれ!」
 Be patient, be curious! RSGT2021 - Zuzana Sochova -

    Great ScrumMaster https://www.youtube.com/watch?v=vdd22-Qs12o 人類学的態度(再掲)
 • 人間やその営みは奥行きがあり、複雑なものである
 • 見えているのは、ほんの一部である
 • 一側面のみを見るだけで評価判断できうるものではない
 • 一見意味のないデータも、のちに繋がりが見えてくることがある
 • 長期的に、「能動的に」流れに身を任せ、受け取り、わかろうとする 
 • その場に居合わせ、自分を含めたその場で起こることに 自分を開いておく