Upgrade to Pro — share decks privately, control downloads, hide ads and more …

量子コンピューティングの開発課題と実用化へのロードマップ

 量子コンピューティングの開発課題と実用化へのロードマップ

Etsuji Nakai

January 23, 2025
Tweet

More Decks by Etsuji Nakai

Other Decks in Technology

Transcript

  1. Ping Yeh ICEPP, University of Tokyo, 2019-09-25 量子コンピューティングの開発課題と 実用化へのロードマップ 中井

    悦司 / Etsuji Nakai Google Cloud このスライドはコミュニティイベント「GCPUG Shonan vol.106」での発表資料です
  2. 量子プロセッサ(拡大図) 18 Kelly et al. Nature 519, 66-69 (2015) Barends

    et al. Nature Communications 6, 7654 (2015) White et al. npj Quantum Information 2, 15022 (2016) Barends et al. Nature 534, 222-226 (2016) 9 量子ビット プロセッサの拡大写真 ※ 量子超越性の実験は 54 量子ビット プロセッサを使用
  3. 量子アルゴリズムの例 • 1/4 の確率で  、1/4 の確率で  、1/2 の確率で  を観測 H H 4 種類のデータ

    を同時に入力 4 種類の計算結果 を同時に出力 測定 量子ビットの値を 読み出した結果は?
  4. Google の研究チームがフォーカスしている研究領域 43 • エラー訂正機能を効率的に実装するためのアルゴリズムの開発 • マテリアルサイエンス ◦ 量子化学計算の一部を量子アルゴリズムで高速化 •

    量子物理学の理論研究支援 ◦ 量子力学の現象を量子コンピューター上でシミュレーションすることによ り、これまでは理論上の仮説にすぎなかった現象を実際に観察できるように する 長期的な実用化に向けた研究 中期的な応用分野の探求 中期的な応用分野の探求
  5. 47 論理量子ビットの構成方法 https://ai.googleblog.com/2023/02/suppressing-quantum-errors-by-scaling.html • d × d 個の量子ビットに複数の Stabilizer Condition(パリティ制約)を与え

    ることで、1 論理量子ビットを実現 • Stabilizer Condition の破れを観測することでエラーの発生を検知・修正 例(直感的な説明):  2 量子ビットで xy = 00, 01, 10, 11 の 4 種類の値を表現  パリティ制約 (x+y) % 2 = 0 で 00, 11 の 2 種類の値に制限  1 量子ビットの反転が検知可能
  6. • 論理量子ビットを構成する量子ビット を増やすことで、検知可能なエラーの 種類を増やすことが可能 • 一方、量子ビットを増やすとエラーが 発生する確率も増加する • 「量子ビットを増やすことで論理量子 ビットの信頼性を高める」には、量子

    ビットのエラー発生率を一定値以下に 抑えることが必要 • 54 量子ビットのチップで冗長化によ る信頼性向上を実証 48 量子ビットを増やすことで信頼性を高められることを実証 https://ai.googleblog.com/2023/02/suppressing-quantum-errors-by-scaling.html 3×3 量子ビットによる冗長化の信頼性 5×5 量子ビットによる冗長化の信頼性
  7. Quantum Computing | Google Quantum AI Research Google’s new Willow

    Chip Willow, Google Quantum AI’s newest generation of superconducting processors, enabling progress towards realizing its mission to: build best-in-class quantum computing for otherwise unsolvable problems. Introducing Willow