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Blockchain GIG#12 グローバルの動向から見るエンタープライズブロックチェーンの今

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April 21, 2022

Blockchain GIG#12 グローバルの動向から見るエンタープライズブロックチェーンの今

2022/4/21 Blockchain GIG#12
エンタープライズ領域でのブロックチェーン活用の現在の状況を俯瞰できるようレポート、事例のニュースなどを紹介しつつ解説

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April 21, 2022
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  1. グローバルの動向から見る エンタープライズブロックチェーンの今 Blockchain GIG #12 中村 岳 日本オラクル株式会社 2022/4/21 1

  2. 中村 岳 Twitter @gakumura はてなブログ @gakumura …主にHyperledger Fabric関連 • 現職:ソリューションエンジニア@日本オラクル

    • 担当:Oracle Blockchain Platform、Blockchain Table • 前職:金融決済系SIerでパッケージ開発 • 最近はウマ娘を… 2 Copyright © 2022 Oracle and/or its affiliates
  3. このセッションでは… 「エンタープライズブロックチェーン」の定義は難しいが ここでは暗号資産(仮想通貨)と関連しないブロックチェーンの応用領域の現在を俯瞰できるよう、 以下のトピックについてニュースやレポートを参照、考察しつつ紹介 • 最近のユースケースの傾向 • 主要ユースケース領域の注目事例 • 技術的なトレンド

    Copyright © 2022 Oracle and/or its affiliates 3
  4. エンタープライズブロックチェーンのユースケースの傾向 主な適用領域に変わりはなく、徐々に/地道に進行 • 以前から有力視されていた領域で大規模×実稼働事例が出現 • PoCや検証段階では発表せず、実稼働段階になって初めて取り組みを 公表する例も • ☓:アイディア勝負 ☓:先進技術利用のアピール

    ⇨ ◦:計画力、実行力勝負 ◦:ビジネス上の実メリット 取り組みのテーマや切り取り方の傾向には変化も • ESG/SDGsをテーマとするサプライチェーントレーサビリティ事例の増加 • CO2排出量可視化、排出権取引を組み合わせた事例も • NFTの波は(デジタルコンテンツ以外の)エンタープライズ領域にも • B2C:消費者へのNFT配布によるブランディング、マーケティング • B2B:サプライチェーントレーサビリティ×「NFT」 4 Copyright © 2022 Oracle and/or its affiliates デロイトグローバルブロックチェーンサーベイ2021より引用 (https://www2.deloitte.com/jp/ja/pages/financial- services/articles/bk/2021-global-blockchain-survey.html)
  5. 規制の拡大 消費者の意識向上 リスク管理 様々な業種のサプライチェー ンへの規制の拡大と強化 • ESG/SDGsへの世界規 模での取り組みの拡大 • 軍事、経済安全保障の

    重要性の増大 • 消費者保護 消費者の企業、製品への視 線がより厳しく • サステナビリティ、コンプライ アンス、フェアトレードなどの バックグラウンド • 安全性、品質 • ブランド価値 複雑化したサプライチェーンに 潜在するリスクの把握、顕在 化時の即応が求められる • 規制リスク • 地政学リスク • レピュテーションリスク • リコール/回収対応 Copyright © 2022 Oracle and/or its affiliates トレーサビリティへのトレンド:主要なドライバー 5
  6. 新しい切り取り方の例: サプライチェーントレーサビリティ×「NFT」 • ブロックチェーンにサプライチェーン上流~下流の履歴を一元的に記録 • Tokenization:モノをトークン形式のデータにして管理 • モノの移転等に伴ってトークンも更新(モノが主、トークンが従) • この時モノ/トークンには個別性があるため形式としてはNFT

    • 加えてトークンに「証明書」としての用途があるものも …toC向けには消費者も閲覧可能に • 原産地証明、来歴証明 • 環境負荷情報の証明 • 正規品証明 NFT 6 Copyright © 2022 Oracle and/or its affiliates 以前なら単に「トークナイゼーション」 と呼ばれていただろうパターンで 「NFT利用」を押し出す事例が出てきた (ここでのNFTは単にトークン、データの形式)
  7. 主要な適用領域の事例紹介 CBDC(中央銀行デジタル通貨) 主要な中央銀行がそれぞれに研究、検討を進行中 • 一部では情報共有や連携のためのグループも構成 • 例:日、米、 ユーロ、英、カナダ、スイス、スウェーデン → 一般利用型CBDCに求められる「基本原則」を公表

    • 将来的なCBDC間の連携によるクロスボーダー送金の改善の可能性の検討も 実利用が始まっているケースも…カンボジア(準)CBDC バコン • 2020年10月に稼働開始 • 全人口の半数程度が直接的/間接的に利用しているとのこと Cambodia's digital currency reaches nearly half the population (https://asia.nikkei.com/Business/Finance/Cambodia-s-digital-currency-reaches-nearly-half-the-population) • Hyperledger Irohaベース 【国内】日銀の取り組み • 2022年4月にCBDC概念実証フェーズ1を完了しレポートを公開、概念実証フェーズ2へ移行 • 概念実証フェーズ1で検討された設計パターンではブロックチェーンは不使用 (https://www.boj.or.jp/paym/digital/index.htm/) 7 Copyright © 2022 Oracle and/or its affiliates
  8. 主要な適用領域の事例紹介 貿易 TradeLens、Marco Polo、Contourなどの大規模コンソーシアムが商用稼働済 • コンソーシアムごとに参加者の国/地域の傾向の違いや、取り組みのフォーカス(物流、文書、金融)が異なる • 複数コンソーシアムに参加しているメンバーも存在 • コンソーシアム間での提携/協業も一部で進む

    コンソーシアム例:GSBN • 東アジア地域を中心とした船社と港湾運営会社から成るコンソーシアム • 貿易プロセスのオンライン化によるDXに取り組む • 2021年9月から正式稼働開始(それ以前にも一部プロセスはパイロット稼働として実業務を取り扱い) • ブロックチェーン基盤はOracle Blockchain Platform(Hyperledger Fabric)、AntChainを利用 コンソーシアム例:TradeWaltz(トレードワルツ) • NTTデータおよび商社、船社、保険会社などの様々な業種の企業が参加する日本主導のコンソーシアム • 貿易文書の電子化による一気通貫の情報共有プラットフォーム構築に取り組む • 2022年4月にプラットフォームの製品版を提供開始(一部企業では以前から実業務に利用中) • ブロックチェーン基盤はHyperledger Fabricを利用 8 Copyright © 2022 Oracle and/or its affiliates 各国の法律、国際ルールが絡む 複雑な領域だが着実に進んでいる →電子化が遅れていた分野でもありニーズが高かった?
  9. 主要な適用領域の事例紹介 サプライチェーン ESG/SDGsに関連したテーマの事例が増 EV電池のリサイクル、原料鉱物(コバルト、ニッケル)のトレーサビリティ • 【海外】自動車メーカー自身の取り組みが多数 • Volvo(+Circulor社、Oracle Blockchain Platformを利用)

    • Porsche、Mercedes、Ford、Teslaなども • 【国内】伊藤忠商事が事業化への取り組みを発表 プラスチックリサイクル • 【海外】消費財メーカー、ファッションブランドなどB2C企業の取り組みが多い • 【国内】三菱ケミカル、三井化学、旭化成など化学メーカーが取り組みを発表 CO2排出量のトラッキングや排出量権取引 • 【海外】自動車メーカー、ファッションブランドなどB2C企業の取り組みが目立つ • 【国内】三菱重工、IHI、鹿島建設などが取り組みを発表 9 Copyright © 2022 Oracle and/or its affiliates いずれも海外事例では 消費者に近い企業の取り組みが目立つ →消費者の環境への意識を反映? 欧米では規制が進んでいる関係?
  10. 技術的なトレンドの紹介 インターオペラビリティ(相互運用性)関連技術 発展の途上にはあるが、将来においての重要性は確実 • 複数ブロックチェーンネットワーク間でデータを安全にやり取りする技術 • またがるプロトコルは同種(例:Fabric⇔Fabric)、別種(Fabric⇔Corda)のパターンがある • 複数種の暗号資産をまたいでコイン/トークンを安全に交換する技術(アトミックスワップ)よりもあつかうデータ、 トランザクションのスコープが広い

    • 同テーマで複数のコンソーシアムが成立、地域ごとに分立しているなどの状況や、デジタルアセットの交換(PvP、 DvP)のユースケースが現実的になるとともにインターオペラビリティの重要性が増大してきている • ネットワークまたぎで整合性を保ちつつ安全にデータをやり取りするためのツールの開発が進む • Hyperledger系:Cactus、Weaver、YUI(Cosmos IBCベース) • その他:Quant社Overledger、Datachain社Cross Fremework • また、データ、トークン仕様の標準を意識しておく必要も • トークンの項目や状態遷移が標準に則っていないと難しくなる • TTF(Token Taxonomy Framework) 10 Copyright © 2022 Oracle and/or its affiliates
  11. 技術的なトレンドの紹介 利用の多いブロックチェーン基盤 上位の基盤はここ数年変化なし 11 Copyright © 2022 Oracle and/or its

    affiliates Blockdata 81 of the Top 100 Public Companies are using blockchain technologyより引用 (https://www.blockdata.tech/blog/general/81-of-the-top-100-public-companies-are-using-blockchain-technology) 2021年9月発表のBlockdataの調査によれば: • 世界トップ100の企業のうち、 81社がブロックチェーン技術を利用 • 利用数の上位は: • Hyperledger Fabric(26) • Ethereum(18) ※パーミッションド/プライベートネットワーク基盤としてGeth などのEthereum実装の利用と、パブリックのThe Ethereumネットワークの利用とが混ざっていると思われる • Quorum(11) • Corda(8)
  12. Hyperledgerブランド調査から紹介 活用の段階 • (Hyperledgerによるアンケート依頼に応えた集団の中 での回答であることを差し引く必要はあるものの) 技術検証、PoCを越えて実稼働(本番利用) を迎える事例が着実に増加していることを 反映 12 Copyright

    © 2022 Oracle and/or its affiliates 2021年版Hyperledgerブランド調査より引用(以降も同) https://www.linuxfoundation.org/wp-content/uploads/LFResearch_HyperledgerBrandstudy_ja.pdf
  13. Hyperledgerブランド調査から紹介 ブロックチェーン技術の利点 • 「責任追及可能性(Accountability)」、「信頼できる唯一の情報源(Single Source of Truth)」、 「より高度なセキュリティを伴ったデータ共有」など、複数者間のデータ共有、ワークフロー実現に伴う課題の解決が 利点として上位に •

    「新たな利益源の創出」が下位に …従前の調査よりかなり低く出ている →新しいビジネスを創出するというよりは 複数者の協力が必要な 既存のビジネスプロセスの効率化、進化に 利用者の着眼点が移ってきている? 13 Copyright © 2022 Oracle and/or its affiliates
  14. Hyperledgerブランド調査から紹介 ブロックチェーン技術の利用拡大にとっての課題 • 「技術の成熟度不足」は依然高いが、従前の調査よりは低く出ている感触 …ややスキル、ノウハウが浸透してきた? • 「レガシーな(既存IT)システムへの接続や併用が難しい」が上位に …実利用を見据えると必要になる基幹システムなどとの連携の検討が進んでいることの現れ 14 Copyright

    © 2022 Oracle and/or its affiliates
  15. Appendix:情報収集に役立つWebサイト • Ledger Insights: https://www.ledgerinsights.com/ • ブロックチェーンのビジネス用途についてのニュースを扱うサイト • 日本のニュース含め掲載が早い&情報が詳しい •

    Blockdata: https://www.blockdata.tech/ • パブリック、エンプラ系の両方のニュースや独自調査の結果を掲載 • Researchにある記事が充実 • あたらしい経済:https://www.neweconomy.jp • パブリック、エンプラ系の両方のニュースや取材記事を掲載 • どの基盤を使っているかなど、事例のニュースについても技術的な部分を独自にヒアリングしているのが嬉しい • Hyperledger Foundationのブログ:https://www.hyperledger.org/news/blog • Hyperledger系のツールの事例などをしばしば掲載 15 Copyright © 2022 Oracle and/or its affiliates
  16. Thank you 16 Copyright © 2022 Oracle and/or its affiliates

  17. None