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技術同人誌のすすめ / Write a tech book

技術同人誌のすすめ / Write a tech book

Open Source Conference 2022 Online Nagoya
https://event.ospn.jp/osc2022-online-nagoya/session/581310

Open Source Conference 2022 Online Kyoto
https://event.ospn.jp/osc2022-online-kyoto/session/618617

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Transcript

  1. 技術同人誌のすすめ
    @gishohaku
    OSC2022 Nagoya / Kyoto
    執筆

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  2. About me
    ariaki
    技術書同人誌博覧会 / 代表
    株式会社MyAnimeList
    @ariaki4dev
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  3. About me
    おやかた
    技術書同人誌博覧会 / 副代表
    サークル「親方Project」
    @oyakata2438
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  4. 感想をツイートする際には #osckyoto #技書博 をつけて
    いただけるとうれしいです!
    お寄せいただいた声は技書博のプロモーションに
    使用する場合がありますのでご承知ください。
    ぜひ最後まできいて、技書博に申し込んでね!
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    おねがい

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  5. 技術同人誌オンリーの同人誌即売会イベント
    技術書同人誌博覧会
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  6. あなたがもし ”まだ” エンジニアではなく
    “はじめて” プログラムを学習するとしたら
    どのような手段で学びますか?
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  7. “本で学ぶ” という方、
    たくさんいらっしゃいますよね?
    技術書
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  8. 本とは
    ● 特定分野の知識を 体系的に学ぶ のに最適なメディア
    ○ “学ぶべき内容” や “学ぶ順番” をばらばらに探さなくていい
    ○ “情報の品質” が最初から最後まで一定に保たれている
    ○ 誰かが苦労して学んだ知識を “苦労せずに” 手に入れられる
    ● 非同期(好きなとき)に学べる
    ● 他の学習法と比べて学習の 時間効率 を最大化できる
    ● さっと渡せて最も情報量を詰め込めて 名刺代わり になる
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  9. 他アウトプットと比較
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    本 ブログ 勉強会
    体系的な学習 ◎ ○ △
    情報量 ◎ ○ △
    時間あたり学習効率 ◎ ○ △
    情報の深さ/ニッチさ ○ ◎ ○
    サンプルコードの実行 △ ◎ △
    情報の新鮮さ/更新の難易度 △ ◎ ◎
    視覚的理解(デモなど) △ ○ ◎
    感情の伝達 △ △ ◎

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  10. あなたが長い時間をかけて “学んだこと” を
    次に学ぶ人に向けて “体系的に発信” しよう
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    知識の組み合わせ
    学ぶためのノウハウ

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  11. たとえば…
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    ● どんな難易度だと学びやすい?
    ● どんな順番だと覚えやすい?
    ● つまづきやすいポイントはどこ?
    ● 関連づけて覚えるべきことは?
    ● どこまで覚えれば充分なの?

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  12. 技術同人誌ってなに?
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  13. 商業誌と同人誌
    商業誌 同人誌
    企画/品質の責任 出版社+著者 著者
    費用負担 出版社 著者
    主な流通先 書店 即売会・委託書店
    出版までの期間 最短で半年以上 ※即売会次第
    主なページ数 数百ページ 100ページ未満
    主な発行部数 数千部〜 〜100部
    著者の取り分 〜10% 売上 ー 総費用
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    ※私たちのイベントをもとにした図表のため、一般的な内容とは異なる場合があります

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  14. 技術同人誌を書こう 1/2
    ● 自分が 企画したものをそのまま世に出す ことができる
    ○ 商業誌は ”広く一般に受ける” ことが条件になる
    ○ 同人誌は ”本当に自分が広めたい知識” を扱える
    ● 小さな執筆量 から始められる
    ○ 同人界隈の名言 ”書いたものを折れば本”
    ● より 濃いフィードバック を得られる
    ○ 即売会に参加すると ”買う人の顔や声” がわかる
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  15. 技術同人誌を書こう 2/2
    ● 技術以外の すべてのことを試行錯誤して学べる
    ○ 💪 技術を本としてまとめるための知識
    ○ 🧐 製本に関する知識(印刷・紙質・入稿・専門用語、など)
    ○ 🥺 企画やプロモーションの知識
    ○ 😇 会計や税務処理、など
    ● 完成した 本の手触り は最高!
    ○ 本の重み=作った実感
    ○ 段ボールをあけたときのにおいが大好きな人がたくさんいます
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  16. 企画から製造まで自分で決め
    読者の顔や声を直接きける
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    技術同人誌 =

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  17. 数値でみる技術同人誌
    頒布される多くの本が75ページ以下
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  18. 数値でみる技術同人誌
    ページあたりおおむね1時間程度で執筆
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  19. 数値でみる技術同人誌
    執筆経験2回以下の人が多く、ベテランばかりではない
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  20. 数値でみる技術同人誌
    1人で執筆&1人で参加の人がかなり多い
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  21. 数値でみる技術同人誌
    私たちのイベントでの頒布部数は数十冊程度
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  22. 印刷費用は?
    https://www.shimaya.net/doujinshi/ondemand-light-b5.html
    ● しまや出版 HPより
    ● B5/オンデマンド
    ● 表紙フルカラー
    ● 本文モノクロ
    ● 52ページ/100冊
    → 30,820円
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  23. 準備するものは?
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    費用例 金額
    敷き布(机に敷く飾り布、例:敷布工房) ¥ 4,000
    金庫 ¥ 2,000
    ブックスタンド ¥ 1,000
    ブックカバー(立ち読み用の透明カバー) ¥ 500
    値札、スケッチブックなど ¥ 1,000
    文具類(マジック、はさみ、カッター、ガムテープ、など) ¥ 2,500
    POP用スタンド ¥ 2,000
    計 ¥ 13,000
    ※文具など一部備品はまわりのサークルや主催者が貸してくれる場合がありますが、
     頼りきりにならないように注意しましょう。

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  24. 計 ¥ 63,000
    初出展時の費用例
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    費用例 金額
    印刷費 ¥ 30,000
    表紙デザイン費 ¥ 10,000
    サークル参加費 ¥ 8,000
    装飾費 ¥ 13,000
    配送料 ¥ 2,000
    ※上記は一例のため、準備内容によって合計額は異なります

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  25. 100冊印刷したら…
    ● 20冊は知人に献本して…
    ● 10冊は予備に持っておいて…
    ● 残り70冊売れたらいいな…
    ● 印刷費用の元が取れて、浮いた分で飲めたらラッキー🍻
    ● もし売れなかったら参加費だと思っておこう
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  26. 🚨 注意点 🚨
    ● 頒布状況によっては 赤字になる場合 があります
    ● 物理本の場合は売れ残ったら 在庫が発生 します
    ○ 私たちのイベントは電子本だけの頒布でも可
    ○ 手に取れる印刷物がないとちょっと寂しいので工夫しよう
    ● 原稿を 早く書き上げるほど印刷費が安く なります
    ○ 当日手折りホチキス止めする悪い子なんてきっといません
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    悪い子はいねがぁ!!

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  27. 私たちのイベントは…
    ● 総参加者が数百人規模の小さなイベント
    ● 主役はサークルで “本を出した体験” ができる場所
    ● こんな人が多いはず
    ○ 売れても売れなくても数万円程度の損益で楽しもう
    ○ ブース同士で活発に交流しよう
    ○ 手に取った人からのフィードバックがほしい
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  28. 技術同人誌を書こう
    28
    はじめての

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  29. サークル名を決めよう
    ● 最初に決めよう!多くの人は書き始める前にイベント申込!
    ● サークル名はイベント申込時に必須です
    ● サークルカットも早めに欲しい
    ○ サークルを紹介する画像(横635px * 縦903px)
    ○ テンプレートは コミケ準拠
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  30. イベントに申し込もう
    ● 第7回 技術書同人誌博覧会
    ○ 2022年11月20日に開催(浅草/都産貿台東館)
    ○ サークル募集開始 は 6月1日開始
    ○ 受付は先着順で最大100サークル
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    https://gishohaku.dev

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  31. 執筆テーマを決めよう
    ● いま一番伝えたいテーマ(技術)はなに?
    ● 対象読者層は?どんな人に読んでもらいたい?
    ● それを「本のタイトル」にするなら何がいい?
    ● このあたりで本のサイズを決めておこう
    ○ 技術同人誌で最もメジャーなのは A5 または B5
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  32. 目次を考えよう
    ● 目次を 章・節・項 まで作ってみよう
    ○ それぞれで何を伝えるべきか、2〜3行程度の見出しを書こう
    ○ 章ごとのボリュームが極端に偏らないようにしよう
    ○ 観点の抜け漏れがないかチェックしておこう
    ○ 本の全体感をつかみ、執筆を小さな単位に分ける
    ● 完成したらそれを目次として書き始めよう
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  33. 執筆しよう
    ● 執筆時間を確保しよう
    ○ 執筆時間を「1ページ=1時間」程度で見積もろう
    ○ ゴールから逆算して定期的に(余裕をもって)時間をとろう
    ● もっとも筆がのりそうな部分から始めよう
    ○ 書くのはどの順番でもいい、最初からである必要はない
    ● 印刷フォーマットへの変換は執筆後でもいい
    ○ Re:VIEW, Markdown, Google Docs, MS Word, …
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  34. 校正しよう
    ● 日本語文章として読みやすい形に手直ししよう
    ○ てにをは、主述のねじれ、表記揺れ、話し言葉、常体と敬体、など
    ○ 印刷して読むと気づきやすい
    ○ 参考記事:執筆手順まとめ / 文章校正まとめ / 美しい文章
    ● 校正ツール(textlint / テキスト校正くん / など)を導入する
    ● 誰かに査読してもらおう
    ○ 内容や文章はわかりやすいか?
    ○ 内容に誤りがないか?
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  35. 表紙を発注しよう
    ● 入稿形式が変わる可能性があるため、印刷所を先に決めておこう
    ● 自分でデザインできない場合、はやめに依頼しよう
    ○ 知人からの紹介
    ○ TwitterなどのSNSで募集
    ○ ココナラなどのWebサイト
    ● 同人表紙レイアウト料は5,000〜50,000円程度
    ※上記金額にイラスト制作費は含まれません
    ※依頼内容や時期によっては上記より高額になる場合もあります
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  36. 参考:同人誌の倫理
    ● 技術同人誌は “技術” を伝えることが目的
    ○ 題名や挿絵は手に取りやすく&伝えやすくするための手段
    ● 著作権/肖像権などの法律を遵守し公序良俗に反していないか
    ○ 例)商業誌の表紙レイアウトに酷似していない?
    ○ 例)有名アニメキャラが表紙に描かれていない?
    ○ 例)NSFWな挿絵が使われていない?
    ○ 例)倫理に反する行為を助長していない?
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    *NSFW:Not safe for work
    職場で見るにはふさわしくないコンテンツ、の意味。

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  37. 参考:あなたを守る奥付
    ● 技書博では ”奥付の掲載” を必須にしています
    ○ いつ誰がどこで頒布したものか?
    ● 奥付をなぜ記載するか
    ○ 問い合わせを受け付けるため
    ○ 著作権の帰属を主張するため
    ○ 発行時期を主張するため
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  38. 印刷しよう
    ● 同人専門の印刷所はたくさんある
    ○ 例)印刷価格や印刷品質にこだわった印刷所
    ○ 例)初心者サポートの手厚さにこだわった印刷所
    ● 印刷所ごとに発注時のデータ仕様や入稿スケジュールが異なる
    ● はじめてはイベント公式サイトにあるバックアップ印刷所がおすすめ
    ○ 直接搬入手配してくれる
    ○ 専用の割引プランを設定している場合がある
    ● 電子版を頒布する場合はDLカードを準備しよう(名刺など)
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  39. 準備しよう
    ● 必要な備品の買い忘れがないようにしよう
    ● 装飾品などを宅配搬入する場合はイベントガイドラインを遵守する
    ● 有料頒布の場合は釣り銭を準備しよう
    ● 頒布する本の情報をイベントサイトに登録しよう
    ● SNSアカウントなどでイベント参加や頒布内容を宣伝しよう
    ● 忘れずに見本誌を提出しよう
    ● 入場時間・入場方法を必ず確認しておこう
    ● 不安なことはイベント主催者に質問しよう(技書博はなんでも答えるよ)
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  40. 参加しよう
    ● 入場時間に遅れないように参加しよう
    ● 当日たくさんSNS告知しよう
    ● 感想ブログ書くまでがイベント
    ● 商業誌化のお誘いがくるかも
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  41. 参考:委託販売サイト
    ● 電子本の委託販売サイト(例)
    ○ Booth
    ● 物理本の委託販売サイト(例)
    ○ とらのあな
    ○ メロンブックス
    ○ Booth
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  42. まだ少し執筆を躊躇している人へ
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  43. ガイドブック寄稿
    ● 技書博7で公式ガイドブックに寄稿できます
    ○ 今回はじめて技術記事を執筆する方
    ○ 参加費用・執筆報酬ともに無償
    ○ イベント参加者全員に無料頒布
    ○ 著者一覧にあなたの名前を掲載
    ● 申し込みは→こちら
    ● 他にも合同執筆サークルはいくつかあるよ!
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    https://forms.gle/fvs7SPVkdobKEDwC7

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  44. Appendix
    ● 技術同人誌の執筆手順まとめ
    ● 文章校正まとめ
    ● 美しい文章
    ● 技書博 - 出展の手引き
    ● 技術同人誌を書こう
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  45. 私たちは “本” を通して
    知的好奇心を満たし
    その人が歩んだ道をたどる旅をする
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