ログラス共同創業者・坂本龍太の登壇資料。元CTOがFDE(Forward Deployed Engineer)として顧客現場に出た理由を語る。
要旨は以下。エンタープライズの意思決定課題は、散在データ・システム乱立・固有プロセスゆえにSaaSの標準機能だけでは解けない。「AIは確率で動き、組織は責任で動く」——この異質な二つを接合するのが設計問題であり、FDEの仕事だと位置づける。
実績として、ある顧客のFP&A領域で月次レポート作成を96時間→24時間(約75%削減)、実績集計を約80%削減。AIエージェント「ALICE」が社内外データを自律収集し、予実差異分析からSlack/Teams配信まで一気通貫させた。
学びは二つ。将来業績を「当てに行った」試みは1ヶ月で頓挫し、"当てるAI"ではなく"判断材料のAI"へ路線変更したこと。技術的可能性と組織の受容力は別変数だということ。確率的出力を組織に流通させる仕組みとして、確信度スコア・権限連動・トレーサビリティ(根拠リンク)を実装し、「信じてください」ではなく「検証できます」を担保する。
日本でFDEが必然なのは、ユーザー企業にエンジニアが不足し、ドメイン知識×大規模実装×セキュリティ運用の3点を揃えた人材が他にいないため。10年後に職種名やワークフローは消えても、未言語化の課題を発見する力、本番稼働まで実装し切る力、組織の信頼を積む力、価値の出る場所へ自己を再配置する力は残る、と締める。