今日から機械学習チームを始めるには

今日から機械学習チームを始めるには？  Hayata Yamamoto 

自己紹介  • 名前: 山本隼汰  • 所属: 株式会社レアジョブ  • 職種:
データサイエンティスト  • 趣味: 読書、音声配信  • 一言: 実は文系です。 

流れ  1. はじめに  2. 弊社事例  3. 機械学習チームを始める３つのステップ  4. おわりに  5.
質疑応答 

話すこと・話さないこと  話すこと  • 弊社のデータ活用事例  • 機械学習チームを始める３ステップについて   • チーム形成とタスク、役割分担を主に話します  
話さないこと  • 技術的な話  • プロジェクト推進のノウハウ 

はじめに 

AI活用は難しい  よくある悩み  • AI活用を推進できる人材が少なくて、導入を検討できない  • 概念検証(PoC)を実施しても成果がでない  • 概念検証(PoC)が成功してもリリースまでたどり着かない  • 製品化後も品質改善が継続的に必要で運用コストがかかる 

不確実性の高いAIプロジェクト  • 開発に必要なデータが足りない、もしくは少ない可能性がある  • 新規でモデル作成する際に、見積もりが難しい  • 開発に必要なスキルを持つ人材・パートナーが見つかりにくい 

引用元: 情報通信白書平成30年版『AI・IoTの導入にあたっての課題』（総務省) https://www.soumu.go.jp/johotsusintokei/whitepaper/ja/h30/html/nd132220.html

AI関連の技術者は安くない  職種平均年収（東京都）データサイエンティスト 716万円機械学習エンジニア 674万円サーバーサイドエンジニア 584万円フロントエンドエンジニア
557万円プロダクトマネージャー 754万円引用元: Indeed給与計算より 90万円の差 

そこまでしてAI活用やる必要ある？  • 知識や経験を定量的に分析し、人に対する属人性を減らしていくため  • 人が担っている単純作業を代替し、より創造的な作業に取り組むため  • 新たな企業競争力を生み出す機能や製品を生み出すため 

弊社の事例 

はなすこと  1. 弊社の開発事例を時系列で紹介します  2. 時系列を大きく３つステップにわけます  3. 各ステップで私たちが何をやっていたかを説明します 

紹介する事例  弊社の提供する PROGOS のプロジェクト及び開発事例を取り上げます。  *PROGOSは、英語スピーキング力測定システムです。音声認識や自然言語処理を用いて、AIを作成しサービスを提供しています。  

https://www.nikkei.com/article/DGXMZO60451990X10C20A6XQH000/   https://www.businessinsider.jp/post-218852

2017/04  R&D室発足  2018/09  ML系  1人目入社  2020/04  ML系  2人目入社  2020/06  リリース 
2019/04  研究本格化  2019/01  PoC開始  略年表  2019/01  業務委託と  インターンの増員  2020/01  リリース決定 

2019/04  研究本格化  2019/01  PoC開始  ３つに分ける  2019/01  業務委託と  インターンの増員  2020/01  リリース決定  ①  ②  ③ 

2019/04  研究本格化  2019/01  PoC開始  ①について  2019/01  業務委託と  インターンの増員  2020/01  リリース決定  ① 

発足時  • UXデザイナー1人と社長のチーム  • 開発や企画チームとは独立した組織として発足  • データ分析や機械学習に詳しいメンバーはおらず 

何をしていたか  • EdTech サービスを調査分析し、市場理解を進める  • いくつかのアイデアをプロトタイプに起こし、アイデア検証  • プロトタイプ作成、データ分析ともに業務委託のエンジニアと協力 

2019/04  研究本格化  2019/01  PoC開始  ②について  2019/01  業務委託と  インターンの増員  2020/01  リリース決定  ② 

1人目入社時  • １つのプロトタイプをアイデア検証していた  • 自チームでほぼすべての開発が完結していた  • 休日の週１日だけ分析を行ってくれる業務委託スタッフがいた 

何をしていたか  • プロトタイプしたアプリのデータを分析して報告  • 社内からデータ分析の依頼を受けて、データを分析  • 業務委託、インターンなどを採用し、開発メンバーを補充  ◦ 社員の採用活動もしたんですが、結局うまくいかず失敗  
• 新規の研究開発案件のPoC、本開発を実施  ◦ 後のPROGOSとなる案件  

2019/04  研究本格化  2019/01  PoC開始  ③について  2019/01  業務委託と  インターンの増員  2020/01  リリース決定  ③ 

2人目入社時  • PROGOSのリリースが間近に迫っていた  ◦ 機械学習だけでなく、システム開発なども含まれる   • 社内から分析依頼を受けることはほとんどなくなった  ◦ 優先度の関係で、ほとんど依頼を受けなくなっていた
  • 開発時に、私がボトルネックになり始めていた  ◦ 実装されている仕組みや今後の改善、運用の話など組織連携の仕事が増えていたため  

何をしていたか  • 継続的なモデルの改善  ◦ リリースまで念入りなモデルの調整を実施   • PROGOSリリース準備  ◦ 機械学習モデル作成に加えて、システム開発やサービス連携なども含む
  • リリース後の改善スケジュールの作成  ◦ 機械学習はリリース後が本番。長期戦のスタート  

まとめ  1. 弊社の開発事例を時系列で紹介しました  2. 時系列を大きく３つステップにわけました  3. 各ステップで私たちが何をやっていたかを説明しました 

機械学習チームを始める  ３つのステップ 

はなすこと  • 機械学習チームを始める３つのステップを紹介します  • 各ステップを解説し、人材や取り組み方、役割分担などをまとめます 

1. ゼロから始めよう  2. 最初の1人を見つけよう  3. 専門人材を増やそう  1  2  3 

まとめ  • 技術のわかるディレクターを最初に選ぼう  • 専門性の高いエンジニアはいらない  • 取りうる選択肢をうまく使って、小さなPoCや実験に取り組む 

ありがちなパターン  「機械学習？AI？全くわからん。難しすぎ」  ↓  「よし、詳しい人を雇おう」  ↓  「なかなかいい人が見つからん...困った」  ↓  プロジェクトが進まない。 

ありがちなパターン  「機械学習？AI？全くわからん。難しすぎ」  ↓  「よし、詳しい人を雇おう」  ↓  「なかなかいい人が見つからん...困った」  ↓  プロジェクトが進まない。  ← 他にも選択肢がある 

取りうる選択肢は多い  • 正規でエンジニアを雇う  • フリーランサーを起用する  • 機械学習開発の受託会社に開発依頼する  • AWS, GCPなどのサービス利用する 

どういう人を選ぶか  想定されるペルソナ  • 技術を使って新しいものを創る人  • ディレクター・PdM  必須条件  • 数年先の未来を考えられる人  •
システム開発に詳しい人  • 社内に詳しい人 

どのように取り組んでいくか  • 市場を分析し、どのようなサービスが必要なのかを把握する  • 取り組める小さな課題を見つけ、小さく取り組んでみる  • 機械学習部分は業務委託などをうまく活用し、進めていく 

役割の範囲  Business  Science  Engineering 

まとめ  • 技術のわかるディレクターを最初に選ぼう  • 専門性の高いエンジニアはいらない  • 取りうる選択肢をうまく使って、小さなPoCや実験に取り組む 

まとめ  • 専門知識を持つ人材が社内にも必要になる時が必ずくる  • なるべく技術の幅が広く、事業貢献意識のあるエンジニアを探そう  • PoCを成功させ、プロジェクトを大きくすることに集中しよう 

1人目が必要になる時がくる  • 分析した知見を社内に蓄積したい  • 技術選定や実験、PoCの計画を一緒に立てて欲しい  • 開発・分析をより加速させていきたい  などなど 

どういう人を選ぶか  想定されるペルソナ  • 機械学習全般に幅広い知見を持つ  • 事業貢献に関心があり、守備範囲が広い  必須条件  • テーマ問わず、課題を解決する技術力  •
交渉・調整を厭わない性格  • 組織・チーム作りの経験 

最初の1人に求められること  • とにかくなんでもやること  • PoCを成功させること（≠失敗しない）  • 専門性の高い仲間を見つけてくること 

どのように取り組んでいくか  • ゆるい役割分担を設定し、技術面・ビジネス面を2人で賄う  ◦ PoCの計画、巻き込みをディレクターが担う   ◦ PoCの実行、推進、達成までをエンジニアが担う   •
小さな実験を繰り返しながら、PoCを１つ成功させる 

ゆるい役割分担  Business  Science  Engineering  ディレクター  PdM  エンジニア 

ゆるい役割分担  Business  Science  Engineering  ディレクター  PdM  エンジニア  オーバーラップさせる  

まとめ  • 専門知識を持つ人材が社内にも必要になる時が必ずくる  • なるべく技術の幅が広く、事業貢献意識のあるエンジニアを探そう  • PoCを成功させ、プロジェクトを大きくすることに集中しよう 

まとめ  • エンジニア1人では足りなくなる時が必ずくる  • 深い専門性を持ったエンジニアを新たに迎えよう  • 専門性を活かしてプロジェクトを加速させ、事業貢献まで到達しよう 

2人目以降が必要になる時がくる  • 1人で実行できるPoCはすぐに限界がくる  • 製品化、事業化が見えてくると、専門の人材を配置する必要が出てくる  • 取り組めるPoCが次第に高度になっていく 

どういう人を選ぶか  想定されるペルソナ  • ある専門領域において秀でた能力を持つ  必須条件  • その分野を他の人に教えられるくらい  専門知識を有していること  • 専門領域以外の業務も厭わない 

2人目以降に求められること  • 高い業務遂行能力  • 担当プロジェクトでの技術的リード  • 芽が出始めたプロジェクトを加速・グロースさせていくこと 

役割分担  Business  Science  Engineering  ディレクター  PdM  1人目  2人目 

役割分担  Business  Science  Engineering  ディレクター  PdM  1人目  2人目  オーバーラップさせる  オーバーラップさせる 

まとめ  • エンジニア1人では足りなくなる時が必ずくる  • 深い専門性を持ったエンジニアを新たに迎えよう  • 専門性を活かしてプロジェクトを加速させ、事業貢献まで到達しよう 

ここまで話したこと  • 機械学習チームを始める３つのステップ  • 各ステップを解説し、人材や取り組み方、役割分担について 

おわりに 

今日話したこと  • 弊社のデータ活用事例  • 機械学習チームを始める３ステップについて  • 各ステップでのチーム形成とタスク、役割分担 

お伝えしたかったこと  AI活用は簡単ではありません。しかし、活用できる余地もたくさんあります。  みなさんには是非、AI活用を推進していくリーダーとして活躍して欲しいです。  そして、獲得した知見を共有しながら  より多くの人がAIの恩恵を受けられるようにしていきましょう。 

今日から機械学習チームを始めるには

今日から機械学習チームを始めるには

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