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一人だけ、Kiroが静止する日
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Hideyuki Nagata
September 10, 2026
Programming
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一人だけ、Kiroが静止する日
【関西開催】Amazon Quick & Kiro Festival!!
https://kansai-cbs.connpass.com/event/402868/
での登壇資料です。
Hideyuki Nagata
September 10, 2026
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Transcript
一人だけ、Kiroが静止する日 AIエディタの「超過の、そのまた上限」に、月末にぶつかった中小企業の実話 長田英幸 / 【関西開催】Amazon Quick & Kiro Festival!! /
2026-09-10
02
この話について 生成AIに開発を頼らざるを得なくなった小さな会社の記録です。 Kiroのコスト管理を整える中で、ある落とし穴に落ちて這い上がるま で。 派手な技術の話ではなく「知らなかった仕様に、いちばん困るタイミ ングで気づいた」という運用の話。 03
背景:エンジニアが増えない、だからAIに頼る 中小企業。エンジニアを募集しても、なかなか採用に至らない。 人が増えないなら、今いるメンバーが生成AIを使いこなすしかない—— そういう空気が社内にできた。 Kiroの契約は会社としてIAM Identity Centerで一元管理。誰がどのアカ ウントを使い、どれだけ消費するかを会社側で把握できる状態が出発 点だった。 04
きっかけ:「今月のAWS代、高すぎ!」 ある月「今月のAWSの請求、高すぎないか」と声が上がり、私にKiroの クレジット利用状況の監視指示が下りた。 ところが管理コンソールのKiroのページでは、社員一人ひとり(Kiroア カウント単位)まで絞り込めなかった。 全体の消費は見えても「誰がどれだけ使っているか」が見えない。監 視しろと言われたのに、肝心の粒度が足りなかった。 05
解決策:利用状況CSVを貯めて、自動で報告させる 色々と調べた……というのは半分嘘で、実際はKiro君がかなり頑張ってくれた。 たどり着いたのが、Kiroが毎日02:00 UTCに出力するユーザーアクティビティレ ポート(CSV)。 これをS3に貯め、バッチで集計し、会社のビジネスチャットに画像付きで報告す る仕組みを作った。 ユーザー単位の消費量・プラン・超過状況(Overage_Cap 等)が、CSVならちゃ んと取れる。
出典URL – Kiro Docs: Viewing per-user activity kiro.dev/docs/enterprise/monitor-and-track/user-activity/ 06
07
08
通知の設計:毎朝、そして毎週の始業時に Botの動き方もKiroに相談しながら決めた。 私個人宛て——毎朝の勤務開始時に利用状況が届くように。 会社のグループチャット——毎週の営業開始日(週明けの始業時間)に サマリーが届くように。 人が「見に行く」のではなく、通知が「向こうからやってくる」形に 。この時点では正直「これで安心」と思っていた。 09
事件:月末の朝、「Kiroが動かない!」 月末が差し迫ったある日の朝、出社したエンジニアの第一声が「Kiro が動かない!」だった。 よりによって月末。幸い長期案件で、月末=納期の締め日ではなかっ たのが救い。 しかも止まったのは全員ではなく、その一人だけ。何が起きているの か、最初はまったく分からなかった。 10
正体:超過にも、さらに上限があった Kiroの超過利用(overage)には、Service Quotasで管理される上限(cap)が存 在した。 そのエンジニアは最上位プランを使い、プランのクレジットを使い切り、さらに 超過分もどんどん使っていた。 その超過分がcapに到達したことで、その人だけが利用停止になっていた。 「制限を超える使い方に、さらに制限がある」——この構造を初めて知った。 出典URL –
Kiro Changelog: Custom Overage Caps via Service Quotas kiro.dev/changelog/general/custom-overage-caps-via-service-quotas/ 11
対処のつまずき:すぐには上がらなかった 必死にKiroに相談しながら、Service Quotasの上限引き上げをリクエス ト。ところが、すぐには反映されない。 意外にもオペレーター対応(サポート経由)に。AWSサポートに起票 し英語でも問い合わせ、途中でなぜか一方のケースがクローズされる など一筋縄ではいかず。 その日は該当エンジニアはコーディングができず、資料作成などに切 り替えて過ごした。 後で調べると、Service
Quotasは「小さい増加は自動、大きい増加はサ ポート送りで時間がかかる」標準的な挙動。月末の駆け込み申請が一 番響いた。 12
いちばん大事な誤解:capは「1人ずつ」に効く capはアカウントに1つ設定する値。だが公式には「プロファイル内の 各ユーザーに効く上限(for every user)」を意味する。 「安いプランの社員が大勢で使っても、合計さえ超えなければ誰も止 まらない」は誤解。実際は一人ずつ上限に達し、達した人だけが止ま る。 全社合計を1つの数字で頭打ちにする仕組みではない。人数が増えれば 全体の超過額も人数分ふくらみ得る。
capは「暴走の安全弁」であって「全社予算の蓋」ではない——ここが 要だった。(出典:Kiro Docs / Maximum allowed overage per Kiro profi 13 le)
学びと、これから 超過が「ゼロから立ち上がった日」に気づく。上限に達してから慌てず、余裕の あるうちに引き上げておく。 監視のしきい値を100%ではなく手前に置く。 今回の一件で、通知にはcapの状況も追加。「一人ひとりが、自分の上限にどれ だけ近いか」を見る運用に変えた。 人が増えないからAIに頼る——その選択は変わらない。だからこそ、AIを「止め ない」ための運用を小さく積み上げる。 一人だけ静止した、あの月末の朝を、二度目にしないために。 14
Kiro Crewはいいぞ♪ 15