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2018年度 分離化学工学 第2回

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2018年度 分離化学工学 第2回

前回の復習
前回の問題
解説
今回の達成目標
どうして分離ができるのか?
いろいろな分離の方法
小学生のマラソン大会を想像してください
物質の移動・平衡状態
物質の移動・平衡状態
平衡状態って何?
気液平衡
気液平衡における法則
ヘンリーの法則
ダルトンの法則 (Dalton’s low)
ヘンリーの法則 まとめ
ヘンリーの法則 ヘンリー定数の関係式
ヘンリーの法則
問題①
問題②
問題③
ラウールの法則
ラウールの法則
ラウールの法則 分離係数・相対揮発度
ラウールの法則 分離係数・相対揮発度
今回の達成目標
問題①のヒント
問題②のヒント
問題③のヒント
問題③のヒント

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Hiromasa Kaneko

January 27, 2019
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Transcript

  1. 前回の問題 2 分離装置 混合物 A+B A+B A+B zA zB yA

    yB xA xB F E S 上の分離装置を考える。Eから成分A,BがそれぞれEA = 7 mol・s-1, EB = 3 mol・s-1 の流量で、SからそれぞれSA = 8 mol・s-1, SB = 12 mol・s-1 の流量で取り出される。 この分離装置に供給される原料Fの流量とそのAのモル分率 zA は いくつか。また yA , xA , 分配係数KA とKB , 分離係数αAB を求めよ。 朝倉書店『新板 化学⼯学の基礎』p.117【例題4.1】にもとづいて作成
  2. 解説 3 全成分の物質収支より、 1 7 3 8 12 30 [mol

    s ] F − = + + + = ⋅ A AB B 1.75 3.5 0.5 K K α = = = 成分のAの物質収支より、 A 30 7 8 z = + A 0.5 z = よって、 A 7 0.7 7 3 y = = + A 8 0.4 8 12 x = = + A A A 0.7 1.75 0.4 y K x = = = B B B 1 0.7 0.5 1 0.4 y K x − = = = −
  3. いろいろな分離の⽅法 蒸留 蒸気圧の差 ガス吸収 溶解度・反応性の差 膜分離 分⼦径・粒⼦径・速度などの差 抽出 溶解度の差 吸着

    分⼦間⼒・クーロン⼒・化学結合⼒の差 晶析 溶解度の温度依存性の差 乾燥 乾燥速度の差 電気泳動 電荷の差 遠⼼分離 密度・重さの差 6
  4. 物質の移動・平衡状態 分離の原理は、物質の “物性の差” を利用すること “物性の差” を考える上で • 物質がどのように動くか 物質の移動 •

    時間が経ったあとにどうなっているか 平衡状態 が⼤事 これらは別に考えないといけない ⁃ 小学⽣のマラソン⼤会 • 最初の校庭内の順位 (短距離の速さ) • 時間が経ったあとの順位 (⻑距離を走ったあとの差) 8
  5. 物質の移動・平衡状態 物質の移動が鍵になる → 速度差分離 (非平衡分離) • 膜分離 • 電気泳動 •

    クロマトグラフィー • 遠⼼分離 • 沈降濃縮 平衡状態が鍵になる → 平衡分離 • 蒸留 • ガス吸収 • ろ過 • 抽出 • 晶析 • 吸着 9
  6. 気液平衡 気体と液体との平衡状態 • 蒸留 • ガス吸収 成分Aと成分Bがある • 十分時間が経ったときに、 気体におけるAの濃度は︖Bの濃度は︖

    液体におけるAの濃度は︖Bの濃度は︖ • 例えば、気体のAの濃度が⾼いとすると、 気体だけ取り出せば分離を達成できる • 液体の A の濃度が分かるとき、 どうずれば 気体の A の濃度を求められる︖ ⁃ 気体と液体でマラソンしたらどうなる︖ 11 液体 気体 A (エタノール) B (水) A (エタノール) B (水)
  7. ヘンリーの法則 Aは液体にほとんど溶けていないとする • A︓酸素、水素、窒素など 一定温度において、気体のAの分圧は液体のAの濃度に⽐例する • 式で表すと 13 xA [-]︓液体中のAのモル分率

    A A p Hc = A A p Kx = cA [mol・m-3]︓液体中のAのモル濃度 pA [Pa]︓気体のAの分圧 H[m3・Pa・mol-1], K[Pa]︓ヘンリー定数 液体 気体 A (CO2 ) B (水) A (CO2 ) B (水)
  8. ダルトンの法則 (Dalton’s low) (理想気体の) 混合物の全圧は、各成分の分圧の和に等しい 全圧に対する分圧の⽐が、モル分率に等しい • 分圧とモル分率が⽐例する 14 液体

    気体 A (CO2 ) B (水) A (CO2 ) B (水) A A p Kx = A A y mx = xA [-]︓液体中のAのモル分率 pA [Pa]︓気体のAの分圧 H[m3・Pa・mol-1], K[Pa], m[-]︓ヘンリー定数 yA [-]︓気体中のAのモル分率 液体のモル分率とヘンリー定数が 分かれば、気体のモル分率が分かる♪
  9. ヘンリーの法則 まとめ Aは液体にほとんど溶けていないとする • A︓酸素、水素、窒素など 一定温度において、気体のAの分圧は液体のAの濃度に⽐例する • 式で表すと 15 xA

    [-]︓液体中のAのモル分率 A A p Hc = A A p Kx = A A y mx = cA [mol・m-3]︓液体中のAの濃度 pA [Pa]︓気体のAの分圧 H[m3・Pa・mol-1], K[Pa], m[-]︓ヘンリー定数 yA [-]︓気体中のAのモル分率 液体 気体 A (CO2 ) B (水) A (CO2 ) B (水)
  10. ヘンリーの法則 ヘンリー定数の関係式 上の3式が成り⽴つとき、 となることを示してみよう 16 A A p Hc =

    A A p Kx = A A y mx = M M K m H c c π = = cM [mol・m-3]︓溶液中の全濃度。ただし、Aはほとんど溶けていないため cM = cB π [Pa]︓全圧 (ヘンリー定数に関する関係式)
  11. ヘンリーの法則 17 A M A c c x = A

    A p y π = A A p Hc = A A p Kx = A A A M A M A A A A M M Kx Kx K H c c x c p x y x c c π = = = = = より、 と が成り⽴つことから、 と A A A A M M M y x mx x m H c c c π π π = = = A A y mx = より、
  12. 問題① 18 1 atm, 20 ℃で空気中におけるアンモニアのモル分率は 3.0 × 10-2 である。水に接触させたあとのアンモニアの

    液体のモル分率を求めよ。ただ、ヘンリー定数 m は 0.75 とする。 液体 気体 A (アンモニア) B (水) A (アンモニア) B (水)
  13. 問題② 19 303.2 K において酸素の分圧が 100 kPa の気体と水とが平衡に 達している。水中の酸素のモル分率およびモル濃度を求めよ。 ただし、ヘンリー定数

    K = 4.81×106 kPa とする。また、 溶液中の酸素のモル分率は十分小さいため、溶液の平均分⼦量は 水の分⼦量と等しく、溶液の密度は水の密度 1000 kg・m-3 と 等しいとみなせるものとする。 朝倉書店『分離プロセス⼯学の基礎』p.18【例題2.4】にもとづいて作成 液体 気体 A (酸素) B (水) A (酸素) B (水)
  14. 問題③ 20 1 atm, 20 ℃ において、空気中のアンモニア分圧が 19.2 mmHg のとき、

    アンモニアの水への溶解度は 3.3 g-NH3 / 100 g-H2 O である。 ヘンリー定数 H [Pa・m3・mol-1], K [Pa], m [-] を求めよ。 ただし、溶液の密度は 1.00 g・cm-3 とする。 朝倉書店『新板 化学⼯学の基礎』p.120【例題4.2】にもとづいて作成 液体 気体 A (アンモニア) B (水) A (アンモニア) B (水)
  15. ラウールの法則 AとBとは似ているもの(同族)とする • ベンゼンとトルエン、メタノールとエタノールなど • 一般的に、沸点の低い(蒸発しやすい)成分をAとする 気体の分圧は液体のモル分率に⽐例する • 式で表すと 21

    xA , xB [-]︓液体中のA, Bのモル分率 pA , pB [Pa]︓気体のA, Bの分圧 A A A p P x = B B B p P x = ( ) A B 1 x x + = PA , PB [Pa]︓純物質A, Bの蒸気圧(飽和蒸気圧) ・・・AもしくはBしかないときの圧⼒ 液体 気体 A (エタノール) B (水) A (エタノール) B (水)
  16. ラウールの法則 AとBの気体のモル分率 yA , yB [-] を考える 22 ダルトンの法則(Dalton’s low)より、

    全圧に対する分圧の⽐が、モル分率に等しいことから、 A A p y π = B B p y π = より ( ) A B 1 y y + = A A A A p P x y π π = = A A A p P x = B B B p P x = B B B B p P x y π π = = 液体 気体 A (エタノール) B (水) A (エタノール) B (水) π [Pa]︓全圧
  17. ラウールの法則 分離係数・相対揮発度 24 相対揮発度 α [-] とすると、 A B A

    B 1 1 x x y y + = + = A A A B B B A B y x y x y y x x α = = より、 ( ) ( ) A A A A 1 1 y x y x α − = − ( ) A A A 1 1 x y x α α = + − 液体のモル分率と相対揮発度が分かれば、 気体のモル分率が分かる♪ 液体 気体 A (エタノール) B (水) A (エタノール) B (水)
  18. 問題②のヒント ヘンリーの法則 を使おう︕ モル分率 xA [-] → モル濃度 cA [mol/m3]

    の変換ため、 何が必要か︖ 溶液全体で、1 m3 あたり 何 mol あるか︖ が必要 → 溶液の全濃度 (モル密度)︕ • 密度(問題で与えられている) は、1 m3 あたり 何 kg か︖ということ • 全濃度 (モル密度) は、1 m3 あたり 何 mol か︖ということ • つまり、密度において、kg → mol の変換をする 27 A A p Kx =
  19. 問題③のヒント ヘンリーの法則の式3つを使おう︕ 単位に気をつけよう︕ 単位換算を頑張ろう︕ 28 A A p Hc =

    A A p Kx = A A y mx = xA [-]︓液体中のAのモル分率 cA [mol・m-3]︓液体中のAの濃度 pA [Pa]︓気体のAの分圧 H[m3・Pa・mol-1], K[Pa], m[-]︓ヘンリー定数 yA [-]︓気体中のAのモル分率 液体 気体 A (アンモニア) B (水) A (アンモニア) B (水)
  20. 問題③のヒント 1 atm は 760 mmHg, アンモニアの分圧 pA [atm] は︖

    3.3 g-NH3 / 100 g-H2 O とは、水が 100 g あるとすると、そこに NH3 が 3.3 g 溶けているということであり、溶液の合計は 103.3 g 溶液の密度が 1.00 g・cm-3 ということは、1.00 cm3 の体積では 1.00 g ということ、また逆に、1.00 g では、1.00 cm3 ということ アンモニアの分⼦量は 17 [g/mol] では、溶液中のアンモニアのモル濃度 cA [mol・m-3] は︖ さらに、水の分⼦量は 18 [g/mol] アンモニアのモル分率 xA は︖ 全圧 1 atm なので、pA を用いると yA は︖ 29