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滑空スポーツ講習会2024 航空安全講習会 第1回 最近の変更点ほか / JSA Safety...
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JSA seminar
December 29, 2024
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滑空スポーツ講習会2024 航空安全講習会 第1回 最近の変更点ほか / JSA Safety Seminar 2024 Tokuteishinsa
公益社団法人日本滑空協会
2024/12/14
講師 公益社団法人日本滑空協会 佐志田 伸夫
JSA seminar
December 29, 2024
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Transcript
通達国空乗第2077 号による航空安全講習会として、最近の航空法 令・関連規則の改正、事故・重大インシデント事例等を紹介します。 主催 (公社)日本滑空協会 後援 国土交通省航空局 2航空安全講習会 (2024年滑空機特化) 最近の変更点ほか
1 目次 Ⅰ.特定操縦技能審査の概要 Ⅱ.航空法令、関係規則の最近の変更点等 Ⅲ.航空安全リーフレット集 Ⅳ.最近のグライダー事故・重大インシデント概要
配布資料 航空安全講習会資料(2024年滑空機化) 「特定操縦技能審査に関する参考資料」目次紹介 1.特定操縦技能審査実施要領(概要) (国空安政第1155号 令和5年9月20日改正) 2.特定操縦技能審査実施細則(抜粋) (国空安政第1155号 令和5年9月20日改正) 3.口述ガイダンス(抜粋)
(改正国空安政第1156号 令和5年9月20日) 参考資料 参1.自家用航空機の操縦士に対する酒気帯びの有無の確認について 参2.技能証明に付された限定と同一の種類及び等級であって、操縦経験のない 型式の航空機を操縦しようとする場合等の教育訓練に関するガイドライン (抜粋) (国空航第1055号 令和2年6月29日制定) 参3.運航拠点(FAIB)と対空センターの運用開始 参4.重大インシデントに関する機長報告の処理要領 (国官参航安第178号 令和6年5月31日) 参5.小型航空機の安全運航について(法令遵守の徹底) 参6.AIP ENR5.5 航空スポーツ及びレクリエーション活動 滑空機事故・重大インシデント概要 グライダー事故件数の推移、死亡事故原因 スライド中では 参考資料P.x と表示 2
Ⅰ.特定操縦技能審査の概要 サーキュラー AIC033/22 3 • 特定操縦技能:航空機の操縦に従事するのに必要な知識及び能力であって その維持について確認することが特に重要であるもの • 技能を有することの審査は「操縦技能審査員」(国土交通大臣が認定)が行う •
航空機の種類ごとに: 「運航に必要な知識(特に最新の改正内容等)」 「空港等における運航」 「通常時の離着陸や通常時の飛行」 「異常時及び緊急時の操作等の知識及び能力」 を確認する • 特定操縦技能審査実施要領 技能証明に結果記入 実技と口頭 • 特定操縦技能審査実施細則 • 特定操縦技能審査口述ガイダンス • 特定操縦技能審査チェックリスト・・・2年間保存
特定操縦技能審査実施要領 (国空航第799号 H24..03.29制定) (国空安政第2845号 R5.02.28改正) (国空安政第1155号 R5.09.20改正) 3.1. 特定操縦技能審査の申請等 3.1.2
特定操縦技能審査の申請及び審査 (3)総飛行時間及び最近6月の総飛行時間を証する書類(航空機乗組員飛行日誌等) 3.2. 操縦技能審査員が提示する書類 操縦技能審査員は、審査を始める前に、被審査者に対して「技能証明書」、「操縦 技能審査員の証」及び認定を受けた日の属する年度の翌年度の初日から起算して 2年を超えている場合は、「定期講習修了証」(定期講習を免除される者は、「操縦 技能審査員定期講習免除通知書)を提示しなければならない。 第3章 特定操縦技能審査 参考資料P.1 4 R2.6.29 事務連絡 教育訓練実施記録を確認し未実施の場合には航空局に報告 第2章 操縦技能審査員 2.2. 認定の申請 大阪航空局の住所変更 写真のサイズ変更(タテ3cm x ヨコ2.4cm)
特定操縦技能審査実施要領 (国空航第799号 H24..03.29制定) (国空安政第2845号 R5.02.28改正) (国空安政第1155号 R5.09.20改正) 3.3. 特定操縦技能審査の実施 (4)「自家用操縦士の技量維持方策に係る指針」(国空乗第2077
号)による安全講習 会を受講した者は、受講日から2 年までの間に行われる特定操縦技能審査に おいて、「特定操縦技能審査実施細則」に定める口述審査のうち、「最近の変更 点」「一般知識」については免除とする。 3.5. 審査結果(要約) (2)操縦技能審査員は、特定操縦技能審査を行ったときは、実施細則に定めると ころにより、審査記録を作成しなければならない。 ・・被審査者に関する事項/審査に関する事項/審査結果に関する事項 (3)10日以内に報告書を地方航空局に提出、審査記録を保管 ただし、安全講習会受講後に変更した事項は当該免除の対象外とする。 参考資料P.1 5
特定操縦技能審査実施細則 (国空航第800号 H24.03.29制定) (国空航第3037号 R4.03.29改正) (国空安政第1155号 R5.09.28改正) 2.審査の実施 審査は原則として口述審査の後に実技審査を実施する。ただし、天候等の 理由により、実技審査を先に実施するべき理由がある場合は実技審査を先に
実施してもよい。また、被審査者が等級限定又は型式限定を複数有する場合 であって、審査に使用する航空機以外の航空機事項については口述審査に含 めてよいこととする。 3.審査終了後のブリーフィング 以下の事項について批評、解説、注意喚起を行い、安全運航のための助言を行う。 また、審査員は、特定操縦技能審査を通じて確認した被審査者の操縦技能に関 する課題やこれに対し行った助言等の内容を2.の規定により作成する審査記録に 記載すること。 5-3 審査記録の作成及び審査結果の報告 (略) 実施要領と同様の附則付 参考資料P.2~4 審査員は、原則として、別添1から別添4に定める「特定操縦技能審チェックリス ト」を使用し、特定操縦技能審査実施要領3.5.(2)の審査記録を作成すること。ただ し、当該チェックリストと同等以上の独自の様式を使用し、審査記録を作成するこ とを妨げない。 ※運航規程に基づく技能審査の確認を実施し合格した場合は必要事項の記入がなくとも当 該期間は有効とする。但し、直前に不合格となった場合を除く(国空航第3700号R3.03.31改正) 6
第1部 1.航空機の操縦に従事するのに必要な知識 1-1 最近の変更点 1.航空身体検査証明申請時の「自己申告確認書」提出 [2019.8.1] (1)航空身体検査証明申請において自己申告を 行うにあたっての確認事項や提出書類につ いて説明して下さい。 (2)航空身体検査証明の有効期限内であっても、
身体検査基準への適合性が疑われる身体 状態となった場合の措置について説明してくだ さい。 航空業務を中止して、指定 航空身体検査医等の指示を 受ける 既往症、手術歴、医薬品の 使用状況等について自己申 告確認書を提出 航空身体検査証明申請シス テム、もしくは紙媒体で提出 参考資料 P5~ 特定操縦技能審査口述ガイダンス(滑空機) (改正国空航第3037号 R4.03.29) (改正国空安政第1156号 R5.09.20) 7
(5)アルコールの分解に要する時間について 説明して下さい。 2.操縦士の飲酒に関する基準の制定について [2019.1.31] (1)航空法第70 条に定められた酒精飲料 (アルコール)又は麻酔剤その他の薬品 に関する規制について説明して下さい。 (2)航空機乗組員の飲酒による運航への影響 やルールについて説明してください。
(3)航空機乗組員がアルコールの影響に よって正常な運航ができないおそれがある 状態について。 (4)アルコール検知器を正しく使用するための 注意点を説明して下さい。 体内アルコール保有 不可 血中 0.2g/ℓ 呼気 0.09mg/ℓ 影響がある場合 業務不可 4g/Hr うがい、アルコール成分を 含むものの 使用を控える 8 参考資料 P6~
3.運輸安全委員会の勧告について (1)ソカタ式TBM700型N702AVの航空事故に係る勧告 9 参考資料 P7~
https://www.mlit.go.jp/jtsb/aircraft/p-pdf/AA2019-6-1-p.pdf レジャー飛行のため、11時57分、八尾空港を 計器飛行方式で出発し、福島空港へ向かう途 中で管制機関から指示された経路から逸脱し、 12時13分、同空港に引き返すとの交信を最後 に、奈良県山辺郡山添村の山林に墜落した。 同機には、機長ほか同乗者1名が搭乗してい たが、2名とも死亡した。同機は大破し、火災 が発生した。 同機は、急降下により同機の設計運動速度を
大きく超過した状態となり、その状態で機長が 同機を立て直そうと急激な引き起こしを行った ため、同機の終極荷重倍数限界(5.7G)を超 えて空中分解に至った可能性が考えられる。 同機は、墜落するまでヨートリムを離陸位置 のまま飛行していたものと推定される。 離陸後、機体の速度が大きくプロペラの回転 速度が遅くなったとき、右ラダーの影響が過 大となり、機首を右に向けようとするとともに 機体を右に傾けようとする。 10
11
(自力発航の場合) ・自力発航による離陸 ・自力発航による離陸上昇中の異常時及び緊急時の操作 ・離陸上昇形態による失速と回復操作 ・技量確認 なお、いずれの場合も、当該発航方法による10回以上の離陸を標準と して実施すること。 4)教育訓練を受けずとも学習を行う必要性がある場合及び学習内容を説明 してください。 答:上記(1)-2)に該当しない場合であっても、操縦経験のない
型式の航空機を操縦する場合には、(1)-3)各項に係る知識を 習得する必要性があります。 (参考2)技能証明に付された限定と同一の種類及び等級であって、操縦経験 のない型式の航空機を操縦しようとする場合等の教育訓練に関する ガイドライン (国空航第1055号 R2.06.29) 12 参考資料P.22~
4.管制方式基準改正について [2018.10.11] 注)以下、曳航装置なし動力滑空機に適用する。 (1)滑走路からの離陸許可に係る用語について説明してください 答:離陸許可は、風向風速の値及び滑走路番号を前置して発出される。 例:JA****, wind 090 at 10,
Runway 09, cleared for take-off. (2)離陸後の旋回又は直線出発等を要求した出発機に対しての離陸許可に係る 用語について説明してください。 答:離陸後の旋回又は直線出発等を要求した出発機に対しては、その可否等 を離陸許可の前に付加し、要求を許可できない場合は代替指示を発出する。 例:JA****, unable Right turn, make Left turn, wind 090 at 10, Runway 09, cleared for take-off. (3)滑走路への着陸許可(ローアプローチ/タッチアンドゴー/ストップ アンドゴー/オプションアプローチの各許可含む)に係る用語につい て説明してください。 答:着陸許可は、滑走路番号を前置し、風向風速の値を後置して発出される。 例:JA****, Runway 09, cleared to land, wind 090 at 10. 参考資料 P.9 13
第2部 1.航空機の操縦に従事するのに必要な事項 1-2 一般知識 1.有視界飛行方式に関する諸規則 (1)操縦者の見張り義務及びその目的について説明せよ。 (2)区分航空図の判読 1)飛行場の諸元、NAV AIDS の周波数
参考資料 P.10~ 2)空域関連(空域の分類及び飛行に係る制限) ア) 航空交通管制圏 オ) ターミナルコントロールエリア(TCA) イ) 航空交通情報圏 カ) 民間訓練試験空域 ウ) 特別管制空域 キ) 禁止、制限及び危険区域 エ) 航空交通管制区 ク) 飛行中に危険性のある情報について (* 進入管制区含む) (3)VFRで飛行しているとき、入域前に通信設定又は許可を受けなければ ならない 空域等について航空図を参照して答えさせる。 3)飛行位置を示して、最寄広域対空援助業務実施機関 周波数 答:AIP GEN 3.3 航空交通業務(広域対空援助業務) 14
参考資料P.11~13 (4)最低安全高度及びVMC気象条件について航空図で位置を想定して答え させる。 (5)「飛行援助用航空局」の活用について (Flight Service) (6)特別有視界飛行方式(Special VFR)について以下の質問の内1つを答えさせる。 1)特別有視界飛行方式(Special VFR)の許可を受けて飛行する場合の気象条件
2)管制圏・情報圏の通過が許可される特別有視界飛行方式条件を述べよ。 15 (7)フライトプラン(航空法第97条及び第98条関連)について 1)あなたはフライトプランの通報をどのように行っていますか。 2)スルーフライトプランとはどのようなものか知っていますか。 3)パッセンジャーストップ(PS)を含むフライトプランとはどのような ものか知っていますか。 ⇒Ex. 第15項「経路」の欄に「PS]、第18項 にNOTE=PS=JTT. FUJIKAWA=0130=0140=P3(Pの変更がある場合) 全ての飛行区間のプランを別葉としてあらかじめ出発時に提出(通報) 東京FAIB/関西FAIB
1.運航支援 飛行計画の審査・受理、放送業務、ヘルプデスク 2.運航危機管理 RCC(捜索救難調整本部)の援助、関係機関との連絡調整 3.運航調整 4.運航監督 許認可業務(場外離着陸、低空飛行など) 16
4)地上において到着の通知を行うことが困難である場外離着陸場を目的 地とし、引き続き当該場外離着陸場から離陸した後にその上空から FSCを経由して当該場外離着陸場への到着の通知を行うことを予定す る飛行計画の記入要領と飛行時の注意事項について説明してください。 5)あなたはフライトプランのクローズ゙(到着の通知)をどのように行っていますか。 フライトプランのクローズを怠ると「捜索救難が発動される」ことを知っていま すか。 NOTE=CLS/CTC=TOKYO INFO HAKONE134.7
AIM-J304~308参照 17
2.航空交通管制方式 (1)TCA, RADAR, ACC など、VFR レーダーアドバイザリーとの交信要領について 説明せよ。 (2)VFR飛行中における気象情報の入手要領 気象情報が入手可能な機関のコールサインや周波数について確認する。 18
(3)無線機故障時の飛行要領 野外航法の中間地点で無線機故障に陥った場合の処置について説明させる。 ⇒VFR 機の場合、コードを7600 に切り替え、VMC を維持して着陸可能 な最寄りの空港等に着陸しなければならない。 ⇒ライトガン 参考資料P.13
(5)ロストポジション時の措置 航法機器の故障その他の理由によって、自機の現在位置が不明確になった 場合の措置について 説明させる。 (参考)AIM-j 第7章(ロストポジション時の措置) 19 参考資料P.14 (4)燃料欠乏時の通報 燃料欠乏による緊急状態の宣言に使う用語は何か?
例 PILOT: Mayday Mayday Mayday Fuel. 又は Mayday Fuel. AIM-J 791参照
3.運航用飛行場予報気象通報式 (1)TAFの発表時刻はいつか? (2)TAFの有効期間は発表時刻から何時間か? 参考資料P.14, 15 5.捜索救難に関する規則 飛行計画上の到着予定時刻からの遅延と捜索救難 到着予定時刻からの大幅な遅延は、捜索救難の発動要件に該当する場合が あるので, 広域対空援助業務実施機関などの管制機関への通報を行わなけばな
らない。特に場外離着陸場等、管制機関のない空港等からEOBTから大幅に遅 れて離陸した場合は、管制機関はフライトプランとして通報されたEOBT に飛行 時間を加えた時刻を到着予定時刻として想定するので、注意を要する。 4.航空保安施設の特性と利用法 普段使用する空港周辺の航空保安無線施設の改廃、一時休止等 EOBT=Estimated Off-Block Time (00,06,12,18 UTC) Ex. 0400/0506⇒(30時間) 4日00~5日06 UTC { 20 6.遭難/緊急の通報の要領について (1)遭難/緊急の通報の要領を述べよ。(例は参考資料参照) (2)遭難/緊急の通信の伝送要領を述べよ。
7.人間の能力及び限界に関する事項 (回答例は参考資料参照) (1)低酸素症 (2)潜函病(減圧病) (3)飛行中の 一酸化炭素中毒 (4)飛行中の錯覚 (空間識失調、 傾斜錯覚、 着陸失敗を
もたらす錯覚) (5)脱水症と熱射病 JA21BB 空中分解による墜落 参考資料P.15~ 21
上記 1) 2) より、ガイダンスでは 「機内高度10,000ftを越える高度を飛行する場合には考慮すべき」という表現にされ たものと考えられます。 1)口述ガイダンスでは(参考)AIM-J962の注記があり,下記記載があります。 「普通の健康なパイロットであれば12,000フイート未満では気圧の減少に 伴う低酸素症による夜間視力以外の顕著な影響は表れないとされている。」 2)サーキュラー
1-001 航空機及び装備品等の検査に関する一般方針では、与圧装置を 有しない航空機の場合以下の容量の酸素供給装置が規定されています。 1.3,000~4,000mで飛行する場合には飛行時間から30分を減じた時間 2.4,000mを超えて飛行する場合には当該飛行時間乗組員全員が必要とする量 口述ガイダンス 「7.(1)低酸素症」に関する参考事項 与圧 – Wikipedia 旅客機では与圧部の中は 少なくとも2,400 m (航空会社や機種によっ ては1,500 mほどになる) の高度に相当する0.8気圧 弱ほどに保たれる 参考1 参考2 22
5)パルスオキシメーターを指に装着して、酸素飽和度をモニターしながらより適切に酸素を 使用するべきでしょう。 3)ウェーブ等を利用したグライダーの高高度飛行では、EDS(Electronic Delivery System) を使用して酸素供給を受けます。 これにより肺の中の酸素分圧の低下を防ぎ、低酸素症に陥らないようにします。 4)最近では、航空法などの規定にかかわらず、より低い高度(5,000~7,000ft)から酸素供 給を始め、低酸素症の影響で頭が鈍ることを避けるべきである、と推奨されています。 口述ガイダンス
「7.(1)低酸素症」に関する参考事項 つづき 23 1)滑空場や上空のソアリング中、長時間の直射日光にさらされた場合、体は発汗によって 体の熱を放出しようとするが、十分な水分が補給されないと脱水症や熱射病になる。 2)疲労感 → 虚脱感 → 吐き気 → 手足のチクチクする痛み → けいれん → のどの渇き 3)十分な量の水を持つ 4)喉が渇いたかどうかにかかわらず、頻繁に少量ずつ水を飲む 5)帽子をかぶる、コクピット内の通風を良くする 口述ガイダンス 「7.(5)脱水症と熱射病」に関する参考事項 (熱中症) WGBT等を参考にして、屋外での活動を制限する
8.その他運航に必要な事項 (1)後方乱気流の回避 後方乱気流の発生状況、影響、運航上の注意事項、回避要領など (2)空中衝突の予防 航空機衝突防止装置(TCAS)の概要 作動原理及び発出される2種類のアドバイザリーについて簡単に説明させる。 (3)航空安全情報自発報告制度(VOICES)について(AIC 2014.8.21) (ア)どのような制度ですか。 (イ)どのような内容をどこに報告するのですか。
(ウ)航空安全情報自発報告制度(VOICES)の運営機関がweb で公表して いる「共有情報:FEEDBACK」の小型機の運航に係る内容を閲覧し たことはありますか。 (4)無人航空機との衝突・接触に係る報告制度の制定 [2015.12.9] 1) 運航中の航空機に無人航空機(ドローン等)が衝突・接触した場合や衝突し た場合の報告制度(報告の対象・報告の内容・報告の方法及び報告先)に ついて具体的に説明させる。 進路権主張ではなく、 回避すること。 衝突コースの回避等 TA⇒トラフィックアドバイザリー 25~48sec以内に衝突の恐れ RA⇒レゾリュ-ションアドバイザリー15~35秒以内に衝突の恐れ + 回避操作指示 24 参考資料P.16
1-3 航空機事項等 審査に使用する航空機について次の事項を質問する。 ただし、審査に使用する航空機が自力発航の用に供することができる動力滑空機 である場合にあっては、3.(1)の離陸中止について質問し、被審査者の理解促進 に努めるとともに、審査にあっては回答例を参考にすること。 1.性能、諸元、運用限界等 (1)速度限界について (2)最良滑空速度、最小沈下速度について (3)最大滑空比について
(4)重心位置および重量の限界 (5)離着陸時の横風・追い風制限 (6)燃料及び滑油(上級滑空機を除く。) (7)離陸性能・・・離陸性能に影響を与える要素について質問する。 ア 気温、気圧高度・・・エンジン出力が変化 イ 機体重量・・・加速性能、離陸速度が変化 ウ 風向風速・・・離陸距離が変化 2.通常操作の手順 特定操縦技能審査において実施しない手順で確認が必要と思われる通常手順 について質問する。 (1)機体組立や地上取扱時の注意事項 (2)曳航索の点検要領 参考資料P.17~ 25
(3)曳航装置付き動力滑空機:上空におけるエンジン展開・始動及び停止・ 格納手順並びに各形態における限界事項 (4)曳航装置なし動力滑空機 上空におけるエンジン停止及び始動手順並びに各形態における限界事項 (5)離着陸時における飛行規程で定められている形態(動力装置の格納時 及び展開時を含む。) 3.その他必要な事項 (1)離陸中止 離陸中止すべき状況、手順と注意事項. なお、回答例は以下のとおり。
(2)着陸復行(曳航装置なし動力滑空機) 着陸複行の操作及び注意事項 (3)失速等 使用機の失速の兆候と推奨される回復の手順 重心位置の違いによるスピン特性について又その回復要領 異常姿勢からの回復 【注意事項】 ・あわてて不必要にブレーキを使用しすぎて、タイヤをパンクさせない。 ・対空通信施設のある場合は当該施設に、無い場合は一方送信で 離陸を取りやめることを通報する。 参考資料P.17 26
6.ソアリング 6-1 ソアリング 各種ソアリングに関する操作について質問する。 (1)サーマル・ソアリング サーマル・ソアリングに適した気象や大気状態はどういうときか。 風向、風速や大気の安定度などにより注意すべきことは何か。 複数機がソアリングしている場合、衝突防止のため注意すべきことは何か。 (2)リッジ・アンド・スロープ・ソアリング スロープ・リフトはどういうとき、どういう場所に発生するか。
リッジ・アンド・スロープ・ソアリング実施時に注意すべきことは何か。 (3)ウエーブ・ソアリング 山岳波のリフトはどういうとき、どういう場所に発生するか。 乱気流を回避するためにはどうすればいいか。 7.異常時及び緊急時に必要な知識 7-1 曳航中の異常時及び緊急時の操作(曳航装置なし動力滑空機を除く) 曳航中の異常時及び緊急時の操作手順等について質問する。 (1)曳航索切れ (2)ウインチ曳航中の索切れ等で発生する可能性のある低重力環境下では どのような危険性があるか。 (3)曳航速度の超過又は低下 (4)曳航機/ウインチの動力装置故障又は性能低下 (5)曳航索の離脱不能 参考資料P.18 27
7-2 動力装置の故障(上級滑空機を除く) 動力装置を使用して飛行中の異常時及び緊急時の操作手順等について質問する。 (1)動力装置の出力低下、動力装置故障及び空中始動不能 (2)火災又は発煙 (3)燃料圧力の低下 (4)滑油圧力の低下 (5) 諸系統又は装置の故障 7-3諸系統又は装置の故障
次の系統又は装置の故障時の操作手順等について質問する。 (1)操縦系統(2)操縦計器、航法計器(3)着陸装置 (4)電気系統 (5)その他 ア 離陸直後においてエンジン故障等が発生した場合の対応について質問 する(不時着場の選定を含む。) なお「離陸直後においてエンジン故障等が発生した場合」には、離陸 した際、実際の速度が定められた速度より低速であったため、機体に 大きな抗力が作用し、離陸直後に飛行性能が低い状態に陥る場合が 含まれる。 イ 火災発生時の措置等について質問する。 7-4 場外着陸 (1)予期しない高度低下を想定し、場外着陸を実施する場合の操作や注意点 について質問する。 (2)状況により、背風着陸が必要になった場合の操作や注意点について質問 する。 28 参考資料P.18
Ⅱ.航空法令、関係規則の最近の変更点等 29 2-1.2022.12.5施行の航空法改正 2-2.羽田空港航空機衝突事故対策検討委員会 中間取りまとめ 2-3 . 操縦経験の無い型式の航空機を操縦しようとする場合等の 教育訓練に関するガイドライン 2-4.アルコール関係
2-5.無人航空機関係 2-6.重大インシデントに関する機長報告の処理要領 2-7. 滑空場に関するAIPとAIC 2-8. 新しい情報サービス SWIM
2-1 航空法 R4年6月10日改正、12月5日施行 第1条 (この法律の目的) この法律は、国際民間航空条約の規定並びに同条約の附属書として採択され た標準、方式及び手続に準拠して、航空機の航行の安全及び航空機の航行 に起因する障害の防止を図るための方法を定め、航空機を運航して営む事業 の適正かつ合理的な運営を確保して輸送の安全を確保するとともにその利用 者の利便の増進を図り、並びに航空の脱炭素化を推進するための措置を講じ、
あわせて無人航空機の飛行における遵守事項等を定めてその飛行の安全の 確保を図ることにより、航空の発達を図り、もつて公共の福祉を増進することを 目的とする。 30 無人航空機(航空の用に供することができる飛行機、回転翼航空機、滑空機、 飛行船その他政令で定める機器であつて構造上人が乗ることができないもの のうち、遠隔操作又は自動操縦(プログラムにより自動的に操縦を行うことをい う。)により飛行させることができるもの)が航空法の対象となりました。機体認 証、操縦者技能証明、などが創設され、有人地帯上空における補助者なし目視 外飛行(レベル4)が可能になりました。
事故の概要: 2024年1月2日、羽田空港にて日本航空機と海上保安庁機が衝突し、5名が死亡 する事故が発生。日本航空機の376名は全員脱出した。 緊急対策: (1)管制機関及び航空機事業者等への基本動作の徹底指示 (2)管制官による監視体制の強化 (3)パイロットによる外部監視の徹底、資格支援 (4)滑走路進入に関するルールの徹底 航空機の離陸順序を示す情報(No.1、No.2等)の提供停止 8月8日から再開(∵離陸順序に関する情報提供は他機の状況把握に有益)
(5)関係者間のコミュニケーション強化 7月24日付プレスリリース(管制官が離陸順序の情報提供等を行う際の留意事項) ・必要性や有効性のほか、パイロットに与える心理的影響についても留意 ・パイロットが複数のタスクを行っている場面では簡潔明瞭な交信、ヒアバック ・滑走路進入に関する許可や待機の指示に、情報提供を付加することは避ける 31 2-2 羽田空港航空機衝突事故対策検討委員会 中間取りまとめ (2024年6月24日)
(滑空機向け該当部分抜粋) 操縦士に係る技能証明(航空法第22 条)に付された限定(航空法第25 条第1 項及び同2 項) と同一の種類及び等級の航空機(型式限定を付さないものに限る。)であっても、当該型式機 を適切に運航するための知識や技術が相違するもの等があることから、操縦士が操縦経験 を有しない型式の航空機を操縦する場合や、経験を有しない発航方法により操縦する場合に 必要な教育訓練のガイドラインを下記のとおり定める。
記 1 操縦士は、航空機の種類に応じて次の1-1~1-3に掲げる場合には、2~4に 定める教育訓練を受けること。ただし、認可を受けた運航規程や国際民間航空機関締 約国における訓練制度等に基づき、本ガイドラインに定める内容と同等以上の教育訓 練が実施され、その記録が確認できる場合にあっては、この限りではない。 1-3 滑空機 イ)経験のない発航方法(ウインチ曳航又は自動車曳航、航空機曳航、 自力発航)による操縦をする場合。 2-3 技能証明に付された限定と同一の種類及び等級であって、 操縦経験のない型式の航空機を操縦しようとする場合等の 教育訓練に関するガイドライン 令和2 年6 月29 日 制定(国空航第1055 号) 5 上記1の各項に該当しない場合であっても、操縦経験のない型式の航空機を 操縦する場合には,上記2-1(学科教育)各項に係る知識を習得し、航空機乗 組員飛行日誌に学習の記録を記載した上で操縦を行うものとする。 参考資料P.22~24 32
実技教育は、標準として次の内容を含めて実施するものとする。 ◦1-3 イ)滑空機 (ウインチ曳航又は自動車曳航、航空機曳航の場合) レ 発航準備、曳航による離陸、曳航による飛行、曳航索の離脱 レ 曳航中の異常時及び緊急時の操作 レ 技量確認
(自力発航の場合) レ 自力発航による離陸 レ 自力発航による離陸上昇中の異常時及び緊急時の操作 レ 離陸上昇形態による失速と回復操作 レ 技量確認 いずれの場合も、当該発航方法による10回以上の離陸を標準として 実施すること。 2 教育訓練の内容(滑空機関連部分 抜粋・要約) 2-1 学科教育学科教育は、「滑空機にあっては」5時間を標準として次の 内容を含めて実施するものとする。 レ 機体概要及び構造 レ 運用限界及び性能 レ 諸系統及び取扱い レ 通常及び緊急操作の手順 2-2 実技教育 33
3 教育訓練の実施者等 教育訓練は、機長として当該型式航空機を操縦することができる技能証明及び航空 身体検査証明(航空身体検査証明にあっては、模擬飛行装置又は飛行訓練装置により実技 教育を行う場合を除く。)を有する者であって、当該型式航空機や発航方法に係る知識 及び操縦経験を有するものの監督の下で行うものとする。 なお、実技教育を開始する前に、教育訓練の実施者は次について確認すること。ま た、実機による同乗訓練を行う場合は、その操縦を交替することができる場所に位置 すること。 レ
訓練計画の内容が適切であること。 レ 訓練を受ける操縦士が上記2-1の学科教育を修了し、実技教育に必要 な知識及び能力を有していること。 レ 実技教育に用いる実機、模擬飛行装置又は飛行訓練装置が当該実技教育 を行うのに必要な性能及び装備等を有していること。 4 教育訓練の実施記録 教育訓練の実施者が、訓練を受けた操縦士が操縦に必要な知識及び技量を有して いることを確認した場合は、訓練を受けた操縦士の滑空機乗組員飛行日誌の自由 記入頁に下記のとおり記載するものとする。 『国空航第1055号 1-1 イ)((注)上記1項中、実際に訓練を行った項番を記載。複 数の項番について実施した場合は、まとめて記載してもよい) の内容について以下 のとおり訓練を行い、操縦に必要な知識及び技量を有していることを確認した 34
まとめ このガイドラインは: • ウインチ曳航を主体にしてライセンスを取得したパイロットが、航空機曳航で の単独飛行に出る場合 • 複座機だけでライセンスを取得したパイロットが他の型式のグライダー(単座 機等)を機長として操縦する場合 • 特に、引込脚、フラップ、水バラストなどの操作を初めて経験する場合
などについて、飛行規程等を読んだり経験者に聞いたりして勉強した内容を「ロ グブックに記録して残す」という部分が重要です。 補足 日本滑空協会から航空局に確認しました。 • 「経験のない」は1回でも経験すれば対象外というわけではなく、 「機長とし て操縦するのに必要な知識・経験のない」という意味です。 • ガイドラインに記載されている回数・時間はあくまでも「標準」であり、十分な 知識・能力を有することが認定できればこだわる必要はなく、 逆に認定でき なければ「標準」より増やすべきです。 • 当該教育はライセンシーに対する教育ですので、教育を実施する人は操縦 教育証明を所有している必要はありません。ただし日本滑空協会としては、 各団体の主任教官もしくはその指名を受けた者が教育訓練を実施することを 推奨します。 • 飛行規程等を読んで自習した場合には自分でログブックに記載します。 参考資料P.24 35
新しい機種に搭乗することになった場合の学科教育: • 先輩やインストラクターに聞き、飛行規程等を読んで自習する • 学科教育の内容は レ 機体概要及び構造 レ 運用限界及び性能 レ
諸系統及び取扱い レ 通常及び緊急操作の手順 • 高性能機への移行、新しい装備の使用には地上で習熟してからフライトを! レ 引込脚 レ フラップ レ 水バラスト レ 酸素供給システム 36
https://www.mlit.go.jp/koku/koku_tk10_000052.html 自家用航空機の操縦士に対する酒気帯びの有無の確認について 一連の操縦士による飲酒に係る不適切事案を受け、国土交通省では「航空従事 者の飲酒基準に関する検討会」において国による統一的な飲酒基準の検討を進 め、平成31年1月31日、当該検討会における中間とりまとめを踏まえ、航空運送 事業者の操縦士に対し乗務前後でのアルコール検知器による検査を義務付ける とともに、アルコールが検知された場合(酒気帯び状態)は乗務を禁止することとし ました。 また、あわせて、「航空機乗組員の飲酒による運航への影響について(航空法第 70条関係)」(平成31年1月31日
国空航第2278号)を制定し、自家用航空機の操 縦士に対しても酒気を帯びた状態での航空業務を行わないよう周知・指導している ところですが、平成31年4月9日に同検討会における最終とりまとめが公表され、 自家用航空機の操縦士に対する基準を継続的に遵守するための取組として、「抜 き打ちでのアルコール検査を実施すること」とされたことを踏まえ、国が管理する空 港等においては、自家用航空機の操縦士による酒気帯び状態での空港等の使用 を防止するために、以下の通り必要な措置を講じることとしました。 なお、国が管理する空港等以外の空港等においても同様の対策を要請しており ます。 参考資料 P.20~ 37 2-4 アルコール関連
参考資料 P.21 試算すると ビール 500㎖ 1本 + 日本酒 2合で アルコールが消える推奨時間は15時間!!
X1 X2 純粋アルコール量1トンで肝硬変になるといわれます。日本酒1合1 年で10kg、5 合で 50kg、つまり毎日5合呑むと20 年で肝硬変となるわけです。・・・ TAKE OFF 第6章 医学的知識 第2節心身の状態より転載 38
R4.12.5 航空法改正施行 • 航空法の対象に無人航空機が加えられた • 機体認証、登録(100g以上、機体識別情報) • 操縦者技能証明 • 補助者なしの目視外飛行
レベル3 無人地帯上空 レベル4 有人地帯上空 • 2023年にレベル3.5が追加された レベル3から、立入管理(補助者・看板等、一時停止)を撤廃 条件:操縦ライセンス、保険、機上カメラ 39 2-5 無人航空機関連
40
41 参考資料P.25 2-6 重大インシデントに関する機長報告の処理要領 令和6年5月31日 一部改正 (国官参事第178号) 1.目的 この要領は、航空法第76 条の2
に基づき、機長から報告される航空法施行規則第 166 条の4 各号に掲げる事態(以下「重大インシデント」という。)の報告を受けた際 の処理について定めることを目的とする。 2.重大インシデントの具体的内容 (1) 閉鎖中の滑走路等からの離陸又はその中止 ・閉鎖中の滑走路から離陸を行った又は離陸滑走を開始した後に中止した事態 ・他の航空機等が滑走路の外に出る前に離陸を行った又は離陸滑走を開始し た後に離陸を中止した事態 ・国土交通大臣から指示された滑走路とは異なる滑走路から離陸を行なった又 は離陸滑走を開始した後に中止した事態 ・誘導路から離陸を行なった又は離陸滑走を開始した後に中止した事態
42 (2)閉鎖中の滑走路等又は道路その他の航空機が通常着陸することが想定され ない場所への着陸又はその試み ・閉鎖中の滑走路に着陸を行った又は着陸を試みた事態 ・他の航空機等が滑走路の外に出る前に、着陸を行った又は着陸を試みた事態 ・国土交通大臣から指示された滑走路とは異なる滑走路に着陸を行なった又は 着陸を試みた事態 ・誘導路又は道路その他の通常着陸することが想定されない場所に着陸を行 なった又は着陸を試みた事態※4 ※4
次に掲げる事態は含まないこととする。 ・空港等の管理者が回転翼航空機の着陸に関して支障がないと選定した場所への 着陸又はその試み ・航空機乗組員が安全な飛行の継続が困難であると判断し、地上の人又は物件に 対して、危害を及ぼすおそれがなく着陸できると選定した場所への予防的な着陸 又はその試みであって、地上の人又は物件に対し危害を及ぼさなかったもの
43 (3)着陸時において発動機覆い、翼端その他の航空機の脚以外の部分が地表面 に接触した事態※5 ※5 着陸時に脚が引き込まれた、又は脚を下げずに着陸したことによるものを含む。 また、 テールスキッド等の地表面との接触を想定して設計されている部位又は一 次構造部分以外の部位(アンテナ、ドレインマスト等の突起物を含む。)が地表面に 接触した事態であって損傷がこれらの部位に限定されるものは、含まないこととする (4)
オーバーラン、アンダーシュート及び滑走路からの逸脱(航空機が自ら地上走 行できなくなった場合に限る。) ・脚等の損傷のため、又は非舗装地帯に進入した結果脚が埋没したため、自ら 地上走行できなくなった事態(滑空機にあっては、脚等を損傷した場合に限 る。) (5) 非常脱出スライドを使用して非常脱出を行った事態 (6) 飛行中において地表面又は水面への衝突又は接触を回避するため航空機乗 組員が緊急の操作を行った事態 (7) 発動機の破損(破片が当該発動機のケースを貫通した場合に限る。) (8) 飛行中における発動機の継続的な停止又は出力若しくは推力の損失(動力滑 空機の発動機を意図して停止した場合を除く。) (9) 航空機のプロペラ、回転翼、脚、方向舵、昇降舵、補助翼又はフラップが損傷 し、当該航空機の航行が継続できなくなった事態
44 (10)航空機に装備された一又は二以上のシステムにおける航空機の航行の安全 に障害となる複数の故障 (11) 航空機内における火炎又は煙の発生及び発動機防火区域内における火炎の 発生 ・航空機内において火炎若しくは煙が発生した事態(瞬時のものを除く。)又は発 動機防火区域内において火炎が発生した事態であって、航空機に備え付けの 消火器等により火炎及び煙を消すことができたもの (12)
航空機内の気圧の異常な低下 (13) 緊急の措置を講ずる必要が生じた燃料の欠乏 ・緊急事態の宣言を必要とした燃料の欠乏を生じた事態(発動機の停止につな がるような燃料が枯渇するおそれがあったものに限る。) (14)気流の擾乱その他の異常な気象状態との遭遇、航空機に装備された装置の 故障又は対気速度限界、制限荷重倍数限界若しくは運用高度限界を超えた飛 行により航空機の操縦に障害が発生した事態 (15)航空機乗組員が負傷又は疾病により運航中に正常に業務を行うことができな かった事態
45 (16)物件を機体の外に装着し※6、つり下げ、又は曳航している航空機から、当該 物件が意図せず落下し、又は緊急の操作として投下された事態 ・物件を機体の外に装着し※6、つり下げ、又は曳航している航空機から、当該物 件が意図せず落下した事態(軽微な物件※7 が落下した事態を除く。) ・物件を機体の外に装着し※6、つり下げ、又は曳航している航空機から、当該物 件が緊急の操作として投下された事態 ※6 機体の外に装着した物件とは、法定検査(耐空証明、修理改造等)を受検し合格し
た航空機部品を除く物件とする。 ※7 軽微な物件とは、大きさ(面積)が1000cm2 未満かつ重量が1kg 未満の物件等とす る。 (17)航空機から脱落した部品が人と衝突した事態
AIP ENR 5.5 航空スポーツ及びレクリエーション活動 46 2-7 滑空場に関するAIPとAIC
AIC 027/22(抜粋) 47 2-7 滑空場に関するAIPとAIC
48 AIC 027/22(抜粋) 2-7 滑空場に関するAIPとAIC
49 2-8 新しい情報サービスシステム“SWIM” 1.背景及び目的 国土交通省航空局は、2025年第一四半期をめどに、SWIM(System Wide Information Management)コンセプトに基づく新しい情報 サービスの提供を開始 する予定である。
(予定日2025年1月10日~) 2.SWIMの情報提供の方法は2種類 • Webブラウザによる情報提供 主に小型機運航者向けで、PC、タブレット、スマホから利用可能 ①NOTAM ②ATIS ③フライトプラン ④AIP ⑤空域プロファイル ⑥空港プロファイル ⑦空港スロット • データ配信・データ提供 主に航空会社向けで、利用者自らアプリケーションやシステムを用意 3.SWIMとは? • 将来の航空交通管理における情報共有を改善し、円滑な意志決定行えること を目的としたサービス概念 • この概念を導入することで、これまでの「1対1」の情報交換からSWIMを使った 『多対多』の情報交換へ、変わる AIC 026/24 「新しい情報サービスの導入について (2024年11月28日)
50 2-8 新しい情報サービスシステム“SWIM” 2025年2月9日まで → 2025年2月10日から
51
Ⅲ.航空安全リーフレット集 https://www.mlit.go.jp/koku/koku_fr10_000054.html 52
Ⅳ.最近のグライダー事故・重大インシデント概要 53
滑空機事故概要(2019年~2024年10月) 参考資料 P.28 54
滑空機重大インシデント概要(2019年~2024年10月) 55 事故・インシデントの連鎖を止めましょう!! 参考資料 P.28
航空事故事例(2024年10月26日) 56
航空事故事例(2024年7月14日) 57
航空事故事例(2024年5月25日) 58
航空重大インシデント事例(2024年5月5日) 59
航空事故事例(2023年11月19日) 60
経過報告 (令和6年10月31日) 61 判明している主な事実情報 (1)飛行の経過 同機は、11時20分ごろ、機長1名が搭乗し、同滑空場から他の滑空機をえい航して 離陸滑走中、機長はエンジン回転数の低下を感じ、対気速度も上がらなかったため、 離陸を中止した。 その後、同機のみで離陸したが、対地高度約10mに達したところでエンジン出力が 低下したため、滑走路に戻るために左旋回したところ、滑走路脇の草地に接触し、
約180°左に旋転しながら11時28分ごろ不時着した。同機は、不時着の際に機体が 損傷(大破)した。 (2)死傷者 なし (3)航空機の損壊 胴体尾部の折損、両主翼端に擦過痕、水平安定板取付け部損傷、 右主輪脱落、プロペ ラ1枚損傷。
航空事故事例(2023年4月9日) 62
経過報告 (令和6年3月28日) 63 判明している主な事実情報 (1)飛行の経過 同機は、訓練のため、機長のみが搭乗して長野市滑空場をウインチ曳航により12時 00分ごろ発航した。同機は、長野県と群馬県の県境の尾根付近の上空を飛行し、12 時56分ごろ群馬県側に入った。同機は、13時19分ごろ、群馬県吾妻郡長野原町横 壁付近の八ッ場あがつま湖の岸壁法面に墜落して機長が死亡した。機体は大破したが 火災は発生しなかった。
(2)死傷者 機長1名 死亡 (3)航空機の損壊 大破:操縦席破壊、右主翼付根部亀裂及び変形、胴体尾部折損
航空重大インシデント事例(2023年1月21日) 64 本件は、胴体前方下面が着陸時に接地し外板を損傷したものであり、大修理相当の損傷ではな かったため航空事故に は該当しなかったが、脚以外の部分が地表面に接触しており、重大インシデ ントに該当するものであった。しかし、機長 及び同協会は、本件が重大インシデントとして報告すべき事態に該当するとの認識がなく、発生時に機長報告を行わな かった。後日、航空局が同協会へ 同機の整備内容について確認した際に重大インシデントが発生していた事実が明ら かになり、航空局は、令和5年6月9日に運輸安全委員会に通報した。
原因 • 本重大インシデントは、接地直前に同機の機首が下がり、その姿勢のまま沈下した ため、胴体前部下面が滑走路面に接触したものと考えられる。 • 同機の機首が下がったことについては、進入中に引起しが過大となり浮き上がってし まった後、再度沈下が始まる前にフレアー操作を開始したため速度が低下し、機体 の揺れを感じた機長が、失速する可能性を考え、とっさに操縦桿を前に押し、機首下 げ操作を行ったことによるものと考えられる。 再発防止策
(1) 必要と考えられる再発防止策 グライダー操縦者は、着陸進入時に予定経路からずれるなど当初の想定と異なる状 況となった場合についても、事前に対応策をイメージして飛行に臨むことが望ましい。 また、接地前に引起しが過大となり、機体が浮き上がってしまった場合においても、無 理な機首下げ操作により着陸を試みずに、機体の沈みに応じたフレアー操作及びエ アブレーキ操作などの基本操作を徹底することが必要である。 (2) 本重大インシデント後に講じられた再発防止策 ① 同協会は、本重大インシデントの内容を同協会員へ周知した。また、同協会の操縦 教官は、飛行前の全体ブリーフィングにおいて、基本操作を確認することとした。 ② 同協会は、航空事故等発生時に使用する緊急連絡先一覧に、機体の損傷時は重 大インシデントに該当する可能性があるため、必要に応じて航空局へ問い合わせる ことを追記し、同協会員及び操縦教官へ周知した。 65 AI2024-1 航空重大インシデント調査報告書 抜粋引用
航空事故事例(2022年10月26日) 66
経過報告 67 判明している主な事実情報 (1)飛行の経過 同機は、機長ほか同乗者1名計2名が搭乗し、慣熟飛行のため富山空港へ向けて11 時45分に飛騨エアパークを離陸した。同機は、到着予定時刻を過ぎても富山空港へ 飛来せず、管制機関等との交信もなかったことから捜索救難活動が行われた。同日15 時45分、岐阜県高山市高根町池ヶ洞付近の山中に、墜落していた同機が発見された。 (2)死傷者 搭乗者2名とも死亡
(3)航空機の損壊 大破:主翼の破断、胴体の変形等
航空重大インシデント事例(2022年8月15日) 68 令和6年3月29日付、運輸安全委員会から航空局への情報提供 A機にはドイツ連邦航空局の認可を受けた巻取式滑空機曳航装置が装備されており、同装置に設計荷重を超える荷重 がかかると、スタビライザー内の曳航索の先端に装着されているブレーキング・ポイント(注:ヒューズ) が破断し、A機側 に残った曳航索を同装置で巻き取ることができる仕組みになっていたが、A機が使用していた日本製の曳航索の先端に は、ブレーキング・ポイントが装着されておらず、曳航索は、ストップ・エッグ内の結び目で破断していた。
経過報告 (令和5年7月27日) 69 判明している主な事実情報 (1)飛行の経過 12時32分ごろ、個人所属クリステン・インダストリー式A-1型JA4083(以下「A機」と いう。)は、立教大学所属アレキサンダー・シュライハー式ASK21型JA2520(以下「B 機」という。)を曳航して妻沼滑空場の滑走路14を離陸して、飛行中、B機がA機を上方 から追い越す形になり、その際に曳航索が破断した。B機は高度500mで曳航索の離 脱操作を行ったところ、破断してB機に残っていた曳航索の一部(ポリエステル製、直径
約7mm、推定長さ約60m、直径4cmの金属製接続リング2個を含む推定重量約1.5 kg)が落下した。 その後、A機は、同39分、B機は、同44分、同滑空場の滑走路14にそれぞれ正常着 陸した。 落下した曳航索は、現在まで発見されておらず、地上の人や物件への被害の報告はな い。 (2)負傷者 なし (3)航空機の損壊 なし
航空重大インシデント事例(2022年4月23日) 70
飛行の経過 同機は、操縦練習のため、機長が左操縦席に、操縦練習生が右操縦席に着座して、 同空港を離陸し、滑走路18で連続離着陸訓練を行うため、操縦練習生の操縦で場周 経路に進入した。この際に同機が福井レディオから通報された風は、190°から4ktで、 操縦練習生はエンジン出力をアイドルとして、滑空により進入を開始した。同機が最 終進入コースに旋回したときに、同空港の風が350°から8kt程度とピストから連絡が あり、風向が背風であることから、機長は着陸復行するために操縦練習生と操縦を交 替した。機長が操縦を交替した直後に、福井レディオから風が270°から5ktと通報が あり、機長は、横風ならば着陸は可能と判断して滑空による進入を継続した。 機長は、対地高度約5mで僅かに右バンクを取ったウイングローを行いながらフレ
アー操作を開始したところ、同機は降下角が浅くなって、滑走路上を低高度で飛行す るフローティング状態となり、対地高度約1mの時に突然沈みが大きくなって、13時05 分ごろ、右主輪から激しく滑走路に接地した。同機は、接地時にプロペラ・ブレード先 端部及び右主輪カカバーが滑走路面に接触した後、バウンドして浮揚し、2回目の接 地後に滑走路上で停止した。 原因 本重大インシデントは、同機が、接地直前に 風向風速が変化して背風成分が増加したた め、揚力が減少して滑走路に激しく接地し、 プロペラ・ブレード先端部及び右主輪カバー が滑走路面に接触した可能性が考えられる。 71 AI2023-2 航空重大インシデント調査報告書 抜粋引用
航空事故事例(2022年3月21日) 72
着陸時の搭乗者の負傷 AA2023-1 航空事故調査報告書 抜粋引用 2022年3月21日、単独飛行のため練習生のみ が搭乗し着陸した際にハードランディングとな り、操縦練習生が重傷を負った。 73 第4旋回終了時の高度は約150mで目標の120mより30mほど高 いままだったので、ダイブブレーキを全開にして滑走路への進入を
継続した。操縦教員は、同機が第4旋回を終えたところで高度が高 いと感じたので、ダイブブレーキを開くよう指示した。練習生は、高 度を下げるとともに、クラブによる進入を継続した。 ASK13型 (上級、複座)
着陸時の搭乗者の負傷 AA2023-1 航空事故調査報告書 抜粋引用 2022年3月21日、単独飛行のため練習生のみ が搭乗し着陸した際にハードランディングとな り、操縦練習生が重傷を負った。 74 しばらくして練習生は、滑走路に置かれた接地目標から左に進入経 路がずれていることに気付いた。練習生は、速度と進入経路の修正
に意識が集中し、接地目標を注視し続けていたところ、気付いた時 には機首の引起し操作の目安となる高度5mを過ぎていた。同機は、 降下率を減少させることなく接地目標の先に1回目の接地をしてバ ウンドした。練習生は、操縦教員からの「ダイブを閉じろ」という指示 に従ってダイブブレーキを閉じた後、約34m先に2回目の接地をし た。練習生は、この時背中を強く打って痛みを感じた。同機は、もう 一度バウンドして2回目の接地位置から約31m先に3回目の接地 後、地上を滑走した。練習生は、ダイブブレーキを開いてブレーキを かけ、同機は3回目の接地位置から約36m先で停止した。
参考資料P.29 75 グライダー事故発生件数の推移 0 2 4 6 8 10 12
14 19741976197819801982198419861988199019921994199619982000200220042006200820102012201420162018202020222024 その他の事故 重傷事故数 死亡事故数 運輸安全委員会航空事故報告書より 櫻井玲子氏作成
参考資料P.29 76 グライダー死亡事故原因 21 2 3 2 2 1 1
1 スピン 悪天候 空中分解 地面/立木衝突 空間識失調 空中衝突 器物衝突 低空ピッケ 運輸安全委員会航空事故報告書より 櫻井玲子氏作成
参考資料P.30 77 運輸安全委員会ダイジェスト No.22 (2016年9月) から抜粋 操縦者の年齢の状況 操縦者の飛行時間の状況
参考資料P.30 78 運輸安全委員会ダイジェスト No.22 (2016年9月) から抜粋 個人小型機の原因分類別件数 滑空機の原因分類別件数
滑空機安全啓発動画
安全なフライトを! 80