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Transcript
1 位置情報をマーケティングに 活用する時に気を付ける事 株式会社ブレインパッド アナリティクスサービス部 田村 潤 2018.11.29 白金鉱業Meetup Vol.4
はじめに 2 本発表は所属組織を代表するものではなく あくまで私個人の意見・体験が元となっております。 一部編集を加えて、資料は公開します。 SNS投稿などは基本フリーですが、 注釈付きのスライドについては控えて頂けるとありがたいです。
自己紹介 3 ▪ 田村 潤(twitter: @tamurapan7) ▪ データサイエンティスト・新卒5年目 ▪ BPフットサル部所属、練習試合のお相手募集中
▪ 好きなもの - サッカー、フットサル - ロックンロール - ポケモン この人
今日話すこと・話さないこと 4 ▪ 話すこと ・位置情報データについて ・どうマーケティングに活用できるのか ・分析する上で苦労したこと、気を付ける事 ・その問題にどう立ち向かったのか ▪ 話さない(話せない)こと
・お客さんについて ・どのようにマーケティングに活用したのか ・機械学習っぽい話
位置情報データについて 5 一般的な取得方法 • GPS • beacon • Wi-Fi
• 基地局情報 • 地磁気 • 決済データ • センサーデータ • etc... データ形式 • 緯度・経度 • 都道府県 • 市町村 • トリガーベース(ジオフェンス・beacon) • etc... 取得方法によってデータ形式は様々 できることも様々 目的に合わせて最適な取得方法を検討しましょう
事例:渋谷区のおもてなしサービス 6 https://prtimes.jp/main/html/rd/p/000000009.000019275.html 渋谷全域に1000個以上のbeaconを設置 スマホアプリ「PLAY! DIVERSITY SHIBUYA」を通じて 観光客の回遊や交流を促進する取り組み
事例:Docomoのレポーティングサービス 7 https://www.nttdocomo.co.jp/biz/service/reportingservice/ ドコモ地図ナビから取得したGPS情報を元にして、 街・駅・道の3シーンに応じた集計・分析が可能なパッケージ
マーケティングに位置情報を活用する 8 位置情報だけでも様々なことが実現可能 • 混雑度の把握 • 顧客導線の把握 集客や購買促進等のマーケティング施策に位置情報を活かすには・・・ → 実行動との結び付けが重要
位置情報×〇〇 • × 購買情報(いつ誰がなにをどこで買ったか) • × 立ち寄り施設(いつ誰がどこにどういう順番で立ち寄ったか) • × Web行動(そこに行くまでにどんなWebページを閲覧していたか)
マーケティング施策に活用する際の注意 9 完全に理解した 「渋谷駅ハチ公口を出て5分以上ハチ公前で待ち合わせをしている女性」に向けて スクランブル交差点にあるスターバックスのクーポンを出せばええんやな!!!
マーケティング施策に活用する際の注意 10 完全に理解した 「渋谷駅ハチ公口を出て5分以上ハチ公前で待ち合わせをしている女性」に向けて スクランブル交差点にあるスターバックスのクーポンを出せばええんやな!!! 主観的な意見になりますが、やりすぎに思えます この精度でpush通知が飛んできて「凄い!」と思う人は間違いなく同業者 位置情報の精度はもちろん重要ですが、適度な距離感を保った施策を打ちましょう >なんで私が渋谷にいるって知ってるの、怖い
分析する上で苦労した・苦労するポイント 11 1. データ取得のハードルの高さ 2. データ理解に時間がかかる 3. 正解データがない
分析する上で苦労した・苦労するポイント 12 1. データ取得のハードルの高さ 2. データ理解に時間がかかる 3. 正解データがない
データを取得するためには 13 ▪ スマートフォンアプリからデータを取得する場合の例
データを取得するためには 14 ▪ スマートフォンアプリからデータを取得する場合の例 1. アプリをDLしてもらう 2. 位置情報の利用を許可してもらう a. Wi-fiをonにしてもらう(*)
b. Bluetoothをonにしてもらう(*) 3. アプリを実際に使ってもらう(使い続けてもらう) ⇒ アプリが起動している時間のデータが取得できる (*) 任意だが、精度向上のためにもonにしてもらいたい
データを取得するためには 15 ▪ スマートフォンアプリからデータを取得する場合の例 1. アプリをDLしてもらう 2. 位置情報の利用を許可してもらう a. Wi-fiをonにしてもらう(*)
b. Bluetoothをonにしてもらう(*) 3. アプリを実際に使ってもらう(使い続けてもらう) ⇒ アプリが起動している時間のデータが取得できる (*) 任意だが、精度向上のためにもonにしてもらいたい 数々のハードルを乗り越えた先にデータが存在する ※ハードルの高さは取得方法によりけり
分析する前にまず取り組むべきこと 16 良いデータをたくさん集めることが良い分析の第一歩 まずはデータを取得するための条件をどう満たすべきか考えていく必要がある • アプリをDLして貰うためにどうしたら良いか • アプリを使って貰うためにどうしたら良いか • 位置情報をonにして貰うための仕掛け、コンテンツはあるか
• etc...
分析する前にまず取り組むべきこと 17 良いデータをたくさん集めることが良い分析の第一歩 まずはデータを取得するための条件をどう満たすべきか考えていく必要がある • アプリをDLして貰うためにどうしたら良いか • アプリを使って貰うためにどうしたら良いか • 位置情報をonにして貰うための仕掛け、コンテンツはあるか
• etc... 位置情報を活用したマーケティングのための マーケティングを
分析する上で苦労した・苦労するポイント 18 1. データ取得のハードルの高さ 2. データ理解に時間がかかる 3. 正解データがない
データ理解が大変である 19 時折存在する怪しいデータ
例1:トイレに3時間滞在している データ理解が大変である 時折存在する怪しいデータ 20
21 例1:トイレに3時間滞在している 例2:施設の端から端まで数秒で移動 データ理解が大変である 時折存在する怪しいデータ
22 例1:トイレに3時間滞在している 例2:施設の端から端まで数秒で移動 もちろん大半のデータは正しく取得できているが ・スマホの傾きや電波状況 ・Wi-Fi・Bluetoothのon/off ・バックグラウンド/フォアグラウンド など様々な要因があり、データの精度が落ちるケースはどうしても存在する データ理解が大変である 時折存在する怪しいデータ
23 例1:トイレに3時間滞在している 例2:施設の端から端まで数秒で移動 もちろん大半のデータは正しく取得できているが ・スマホの傾きや電波状況 ・Wi-Fi・Bluetoothのon/off ・バックグラウンド/フォアグラウンド など様々な要因があり、データの精度が落ちるケースはどうしても存在する データ理解が大変である 分析する上ではノイズとなってしまうため除外したい
時折存在する怪しいデータ
24 怪しいデータを分析対象から除外する 起こり得る事象及び原因を理解し、それらを除外したデータを作っていくためには 泥臭い処理と根気が必要となる データとのにらめっこが始まる サンプリングする ⇒ 怪しい挙動を見つけてフィルタかけて除外 ⇒ 再度サンプリングする
⇒ 怪しい挙動を見つけてフィルタかけて除外 ⇒ 以下ループ・・・
25 怪しいデータを分析対象から除外する データとのにらめっこが始まる サンプリングする ⇒ 怪しい挙動を見つけてフィルタかけて除外 ⇒ 再度サンプリングする ⇒ 怪しい挙動を見つけてフィルタかけて除外
⇒ 以下ループ・・・ 当たり前ですが、良い分析のためにはデータ理解と前処理が重要 ※もっとカッコよく前処理がしたい・・・ 起こり得る事象及び原因を理解し、それらを除外したデータを作っていくためには 泥臭い処理と根気が必要となる
分析する上で苦労した・苦労するポイント 26 1. データ取得のハードルの高さ 2. データ理解に時間がかかる 3. 正解データがない
正解データが存在しない問題 27 課題:いつどこにどれくらいの時間滞在していたのかが知りたい! 例)アウトレットのとある服屋さんで来店ゲストは平均何分滞在するんだろうか → データから求めることはできる
正解データが存在しない問題 28 課題:いつどこにどれくらいの時間滞在していたのかが知りたい! 例)アウトレットのとある服屋さんで来店ゲストは平均何分滞在するんだろうか → データから求めることはできる >この店舗の平均滞在時間は20分ですね(キリッ
正解データが存在しない問題 29 課題:いつどこにどれくらいの時間滞在していたのかが知りたい! 例)アウトレットのとある服屋さんで来店ゲストは平均何分滞在するんだろうか → データから求めることはできる >この店舗の平均滞在時間は20分ですね(キリッ なるほど、それはどのくらいの精度で算出できるんだい?< >せ、せいどですか・・・?
正解データが存在しない問題 30 課題:いつどこにどれくらいの時間滞在していたのかが知りたい! 例)アウトレットのとある服屋さんで来店ゲストは平均何分滞在するんだろうか → データから求めることはできる >この店舗の平均滞在時間は20分ですね(キリッ なるほど、それはどのくらいの精度で算出できるんだい?< >せ、せいどですか・・・? ゲストが20分滞在していたという”結果”は得られるが、
実際にゲストが滞在していた時間はわからない → 精度評価ができない
正解データがない場合どうしたら・・・ 31 正解データがない、そんなときは何をすべきか・・・
正解データがない場合どうしたら・・・ 32 正解データがない、そんなときは何をすべきか・・・ 正解データを作ったらいい
正解データがない場合どうしたら・・・ 33 正解データがない、そんなときは何をすべきか・・・ 正解データを作ったらいい 実際に現場を歩く(サンプル:1) サンプル1じゃ足りない・・・どうしよう・・・
正解データがない場合どうしたら・・・ 34 正解データがない、そんなときは何をすべきか・・・ 正解データを作ったらいい みんなで現場を歩く(サンプル:n)
正解データがない場合どうしたら・・・ 35 正解データがない、そんなときは何をすべきか・・・ 正解データを作ったらいい みんなで現場を歩く(サンプル:n) 答えは自分の足で作る 自分でデータを取得することはデータ理解への近道でもある
今日のまとめ 36 ▪ 位置情報×実行動データの紐付け 顧客導線や混雑度の把握など、位置情報だけでできることもある 購買やWeb行動など、利用者の実行動と連携することで更に威力を発揮する ▪ データ理解と前処理が最も重要 良い分析結果を出すためには、データを理解し泥臭い処理も頑張る必要がある 自分の足でデータを取得することも大事、データ理解への近道
▪ 利用者との距離感を意識した施策を ストーカーだと思われないように
37 以上。 ご清聴ありがとうございました。