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モータ選定 丑の巻

モータ選定 丑の巻

2021/6/6 FA設備技術勉強会 in ROBOMECH

Engineer_MUNE

June 16, 2021
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Transcript

  1. モータ選定の全体像 ・負荷(イナーシャまたは質量) ・移動量(角度または距離) ・位置決め時間 必要トルク (最大・実効) 必要回転速度 イナーシャ比 モータサイズ・周囲との干渉 位置決め精度

    (減速機バックラッシ、分解能など) いずれも詳細設計前に決定可能 第4回 FA設備技術勉強会 「最速サイクルタイム設計法」参照 選定の入口 = 絶対必要 計算結果 その他確認事項 チェック項目を 全て満足する最適な モータを選定する いきなり選定ツールを使うと、、、 「最適」を意識した 選定計算 まあまあ動く が 最適とは限らない選定結果 妥協なき 軽負荷・短縮化 大事な箇所に必要な 選定プロセス ※「動けば良い箇所」ならば、設計時間削減のため、いきなり使ってもいいと思います
  2. 運動方程式 運動方程式 「イナーシャ」を理解しよう m I F T x θ 𝐹

    = 𝑚 ሷ 𝑥 𝑇 = 𝐼 ሷ 𝜃 直線運動 回転運動 「質量」を「加速させる」には 「チカラ」が必要 「イナーシャ」を「加速させる」には 「トルク」が必要 チカラ トルク 角変位 変位 質量 イナーシャ 加速度 角加速度 回転軸 設計っぽく意訳すると 設計っぽく意訳すると チカラの源 = エアシリンダ を選定 ※慣性モーメントとも呼ばれます 設計の実務作業では トルクの源 = モータ を選定 設計の実務作業では おなじ形の式 回転運動の「イナーシャ」は、直線運動の「質量」と同じ役割のもの 大きなイナーシャを制御するには、大きなトルクのモータが必要となる ※おなじ形の運動方程式をヒントに、類似したものから解析・考察することをアナロジーと言います (𝐹 = 𝑚a)
  3. モータの「動き方」を確認しよう 1.加速 2.定速 3.減速 4.静定 1 2 3 4 1

    2 3 4 例1.インデックステーブル 例2.ボールねじ 例3.ベルト駆動 1.加速 2.定速 3.減速 4.静定 積分すると移動量 このグラフの面積 V ω t モータ駆動による「動き方」をグラフ化すると 完了 1.加速 3.減速 4.静定 面積= 移動量 V ω t 加速からすぐ減速するパターン 完了 使われ方に 関わらず、 モータの 動き方は シンプル!
  4. トルクが最も必要な時を確認する 1.加速 2.定速 3.減速 4.静定 V ω t 運動方程式のおさらい 𝑇

    = 𝐼 ሷ 𝜃 角加速度 トルク T t 加速 トルク 負荷トルク (摩擦や 搬送物など) 減速 トルク 速度変化 と トルク の関係をグラフ化すると 速度が変化する(=加速度が生じる)ために トルクが要るのよ ってこと 負荷トルクは、モータの味方になることも 逆に敵になることもある 負荷トルクによる トルク増減分 トルク増 トルク減 例. 巻き下げ運転 T t 減速時の方がトルク大 モータ発生トルク(x 安全率)が 加減速時の最大トルクに対して 打ち勝つように選定する
  5. 選定で意識しておくポイント V ω t ほぼ同じトルク安全率なら、減速機付きよりも、 モータ軸に直付け(または低減速比)を選びたい。 出力軸を減速すると、モータのロータ加速のた めにトルクが消費されてしまう。 (消費電力も総回転数も増える) 変位が比較的小さい時

    変位が比較的大きい時 減速機+ 小□サイズ モータ 低減速比GB付モータ モータの力を活かすために なるべく「直付け」を選ぼう 低減速比なGB付モータの方が、速度が伸びるた め、より速く目的の変位を得られる。 高減速比GBで加速を速めても、さして速くなら ない。質量や負荷を削って本質的に高速化して おく工夫をサボらぬこと! 意外とよくある「大トルクなら安全」 「加速力」調整は焼け石に水 大□サイズ モータ 高減速比GB付モータ 調整で無理しても 傾きが増えるだけ 負荷と同じ加速 負荷より大きな加速
  6. まとめ 機械設計 ・負荷(イナーシャまたは質量) ・移動量(角度または距離) ・位置決め時間 選定モータ 設計→モータ選定 の一方通行ではなく 速いモータを使用できる 設計を行うこと

    グラフ化すれば、速さがわかりやすい 大減速比が「安全だろう」という 安易で遅い機械に逃げないこと V ω t ※加速力任せで設計すると、振動が起こりやすいので 速度を上げる方向の設計の方が上手くいくことが多い 速い 遅い